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宅配所に流れる箱を仕分ける安(あん)。ある箱の中身を見た瞬間から次々に箱が消えていって――顔なき作業員たちの倦怠と衝動を描くベルトコンベア・サスペンス。第62回文藝賞受賞。
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Posted by ブクログ
怖い。何が怖いって作者の配送センターの描写のリアリティが怖い。同じ空間で毎日同じことを繰り返したことのある経験のある人なら十分吐ける内容。言語化してほしくて、してほしくなかった。
心の拠り所、お守り的存在を作り出さないと、労働ができない現代。 ポジティブであればよいのかもしれないが、それが盗みだったり、設備を蹴ったり、酒だったり…というネガティブな方向になる人もいるだろう。 濃霧に包まれてジメっとしていて息苦しい宅配所の環境が、 登場人物の心の状態と重なっている。 それぞれ...続きを読むの登場人物の宅配所以外の生活は確かにあるはずなのに、それが幻のようにつかみきれず、宅配所という労働の箱に隔離されて切り取られて書かれている。 奇をてらっているわけではないが、伝統的でしっかりした文体の中に、切れ味のあるカルチャーっぽい表現が入っているので、読んでてドキッとさせられました。 --- p45.安は盗みのことを考えると脳内から言語が滲みだしてきて、口腔に滴り落ちる快楽物質(ドリップ)で歯と舌が踊りだしそうになる。
私自身が大学生の時にアルバイトしていたのが、物流倉庫内で同じような環境でした。(一応室内で都内だったので露はなかったですが。) 私がアルバイトをしていた同倉庫内にも老若男女問わず多くのアルバイト、ベトナム人留学生がおり、作業中に考えていたことが筆者と重なることもあり、なにか懐かしく読み進められました...続きを読む。無論、窃盗は働いておりません。そんな中で本作はダンボール=箱の中身に興味を持ってしまいます。この作品を読んでいると、箱の中身について考えさせられます。私たち人間も箱の中に詰められた一部なのでは…??
霧の中で憂鬱な空気漂う工場。 この世に対する諦観、常にネガティブな登場人物たち…。 私が大好きな退廃的な雰囲気が詰まった小説で個人的にはかなり満足できた。 正直言ってストーリーは意味不明。結局現実なのか妄想なのか、虚構なのか。 結末が欲しい人はもどかしいかもしれないが、一貫してコンセプトを貫いてい...続きを読むて素敵だと思った。
「誰にだって、闇ってあるでしょ?」 配達センターで働く人みんながだんだんとおかしくなり破滅へと向かっていく、人間や社会の暗闇をまざまざと見せつけられるとても厭な物語。 じっとりとした堕ちた雰囲気を霧で表現したり、緊迫した場面、破壊的な場面など描写の良さがあるのか場面が浮かびやすくより真に迫って入り込...続きを読むめてしまいました。
とにかく設定というか着眼点に惹かれて購入。 途中までは期待通りだったんだけどな、クセのある登場人物が増えたことで主人公の特殊性が薄れた感じで残念。 ラストも投げやりな感じ。 箱の中身が気になる男→答え合わせがしたくなる という部分だけでもワクワクさせてくれたしいい作品に出会えたとは思う。
ずっと夢の中にいるみたいな話だった。つまんないともおもしろいとも言いにくい、一言で言えば微妙って感じだった。単純作業のバイトって実際こんな感じなのかな。やったことないから想像するしかないんだけどけっこうきつそう。向いてない人にとっては苦痛しかないんだろうなと勝手に思った。安さんと神代さんが特に好きだ...続きを読むけどどっちも仲良くはなれなさそうなキャラ。最初から最後までこの仕事の正体がつかみきれなくてモヤモヤした。仕事の足しか引っ張らない霧について、最後まで分からないところが気になってしょうがない。それがはっきりわかるオチだったら…と妄想してしまう。内容とは関係ないけど、このくらいの厚さの本は1時間くらいでサラッと読めるところがいいなと思った。
計算し尽くされた不気味さ。「世にも奇妙な物語」の世界に迷い込んだように錯覚する。登場人物たちに共感も想像もさせない、一方的な暴力のような作品なのに不思議と引き込まれる文字力。 別の作品を読んでみたいと感じた。
最初から登場人物の把握に混乱した。 窃盗には共感しないし、よくわからないながらも、感想を考えてみると、自分の仕事を増やしたくない神代、窃盗している同僚をみて見ぬふりをする稲森、生活の為に仕事をしながら妻の支援をする斉藤の苦悩、分からないではないなと思った。 純文学はまだまだ深いなと思う。
霧の立ち込めた不気味な感じと、生々しい気持ち悪さがずっと動きながら流れていて、それが文字で表現されるのはすごかった なんかこわかったー
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