小説 - 光文社作品一覧

  • 時を追う者
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    1949年、終戦から4年が経った東京。陸軍中野学校出身でかつて破壊工作員だった藤堂直樹は、歴史学者の守屋と物理学者の和久田から過去に時間を遡る手段を発見したと聞かされる。さらに二人は直樹に思いがけない依頼をしてきた――「過去に戻って、戦争を始めた者たちを排除して欲しい」。目指すは満州事変の阻止。未来は、それで本当に変わるのか? 2人の男女を仲間にした直樹の、時を遡る決死行が始まる!
  • 動くはずのない死体~森川智喜短編集~
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    ドレスをズタズタにした犯人は、どこから来てどこへ逃げた?(「幸せという小鳥たち、希望という鳴き声」) 夫は殺したはずなのに! なぜここに!?(「動くはずのない死体」) 瞬間移動能力者が起こした密室殺人。読者への挑戦状付き!(「ロックトルーム・ブギーマン」) どこまでもロジカル、限りなくポップ。そしてほんのりクレイジー。本格ミステリ大賞受賞作家の奇想が踊る、5つの奇妙な謎と解決。
  • しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    「六つの迷宮入り凶悪事件の犯人を集めた。各人に与えられた武器で殺し合い、生き残った一人のみが解放される」。女名探偵の死宮遊歩は迷宮牢で目を覚ます。姿を見せないゲームマスターは6つの未解決事件の犯人を集めたと言うが、ここにいるのは7人の男女。全員が「自分は潔白だ」と言い張るなか、一人また一人と殺害されてゆく。生きてここを出られるのは誰なのか? 事件の交点が見えたとき、世界は反転する。超絶技巧ミステリ!
  • ロジカ・ドラマチカ
    3.4
    1巻2,090円 (税込)
    論理的対局[ロジカ・ドラマチカ]。それは偶然耳にしたわずか1文・数十字をめぐる知の殴りあいだ。エリート警察署長vs.論理の魔女・紅露寺結子18歳の、伊達と酔狂の本格ロジック探偵バトル。彼女の指す一手ごとに暴かれる、悪魔宿るワンセンテンスの解釈とは。そして、彼女が最後に証明する、驚天動地の犯罪計画とは。さてこの勝負、詰むや詰まざるや? 探偵には、1字の誤算もありえない――C.Q.F.D.[セーキューエフデー]
  • 好色一代男
    3.0
    主人公の世之介は7歳で腰元をくどき、12歳で風呂屋女(湯女)と寝るような早熟ぶり。放蕩のすえ勘当され、地方を遍歴する。その後遺産を相続して大金持ちとなり、名高い遊女たちとの好色生活を続け、生涯で相手にした女は3742人に男725人。光源氏と並ぶ日本文学史上最大のプレイボーイの好色生活を描き、元禄期、作者・読者・流通の常識を覆した日本初のベストセラー小説。パロディに満ちた人情味あふれる傑作を快訳で贈る。
  • 編集者の読書論~面白い本の見つけ方、教えます~
    3.6
    1巻1,034円 (税込)
    週刊誌、翻訳書の編集に従事し、その後「光文社古典新訳文庫」を創刊した駒井稔がエッセイ風に綴る、気取らぬ読書論。話題は海外の書店や出版社、編集者、作家、歴史的人物、古典、短編、児童書へと縦横無尽に広がります。魅力的な本に出会う秘訣は? 挫折した長編作家の作品にはどのようにアプローチする? 執筆や出版の舞台裏に迫る、とっておきの一作は? 古今東西の未読の本の存在に、わくわくさせられること間違いなし!
  • 三人の悪党~きんぴか1 完本~
    3.6
    1~3巻825円 (税込)
    敵対する組の親分を殺し、13年余りの刑期を終えて出所した、ピストルの健太、通称“ピスケン”こと阪口健太。自衛隊の湾岸派兵に反対し単身クーデターを起こし、自殺未遂した“軍曹”こと大河原勲。大物政治家の収賄の罪を被った大蔵官僚出身の元政治家秘書“ヒデさん”こと広橋秀彦。個性的すぎるこの三人が奇妙な縁でタッグを組み、彼らを陥れた巨悪に挑む。「悪漢小説の金字塔」決定版!
  • 結ぶ菊~上絵師 律の似面絵帖~
    3.7
    律に着物を注文してくれた裕福な後家の千代は、女の身ながら女郎を身請けするという。千代とともに吉原へと足を運んだ律は、女郎の足抜き騒ぎに巻き込まれてしまう。一方、料亭・尾上の娘で小町と評判の綾乃に上方の男との縁談が持ち上がり、粋人の雪永と長年の想い人、千恵との間もついに――。律の周りで様々な恋模様が動きだす、人気シリーズ第九弾!
  • 白銀の逃亡者
    3.7
    この温かさ、誰かに伝えてください。致死率95%、凶悪なウイルスの大流行が収束した世界。感染から生還した者らは、瞳が白銀色に変化する異能力者、ヴァリアントとなっていた。救急救命科で働く医師岬純也は、公安に追われるヴァリアントの少女悠から接触を受け、ある計画を打ち明けられる。そして純也は、彼らの生存をかけた闘いに巻き込まれてゆく――。読む手が止まらない最高のエンタメ長編!
  • 黙(しじま)~介錯人別所龍玄始末~
    5.0
    牢屋敷の首打役と刀の試し斬り御用を生業にする浪人、別所龍玄。ときに切腹の介錯を務めることもある。ある日首を打った僧侶の末期の声を聞いた龍玄は、幼い頃父親と訪ねた母子の店のことを思い出す(「妻恋坂」)。夜明け前に介錯を自ら頼んできた侍が済ませなければならなかった用事とは(「惣領除」)。生と死に向き合う、凄腕の首斬人を描く傑作シリーズ第三作。
  • 軽井沢迷宮 須美ちゃんは名探偵!?~浅見光彦シリーズ番外~
    3.0
    小松原育代に誘われて、商店街でもらったチラシに書かれていたクイズに挑戦した須美ちゃんこと吉田須美子。浅見光彦からのヒントもあり、見事正解、賞品であるバスツアーに当選する。目的地である軽井沢に向かう車内では、新たな問題が提示され、「謎解き旅行」が始まった! 新緑の軽井沢を舞台に、須美ちゃんが難問に知恵を絞る、シリーズ初の長編小説が登場です!
  • 図書館の子
    4.5
    猛吹雪の夜、図書館に少年がひとり取り残された。暖房機が壊れ、極寒の館内。突然現れた謎の男は少年を救い、やがて大切なことを伝え始めた――。(表題作)1931年の満洲。大連のダンスホールで働く千春は、内地からの旅行者らしき青年に恋をする。彼には、胸に秘めた危険な計画があるようなのだが……。(「傷心列車」) 時を旅する者たちの数奇な運命を描く全6編。
  • ヴァケーション~異形コレクションLV~
    3.8
    〈ヴァケーション〉という言葉。そこには、非日常の響きがします。季節は初夏。緑は輝き、水面は燦めき、澄んだ大気も芳しい。色彩豊かな物語世界へと出かけてみましょう。物語の織りなす非日常。短い物語による長い休暇の物語。自由時間のように蠱惑的な異形の世界を、どうかごゆっくりお愉しみください。(編集序文より)
  • アンクル・トムの小屋(上)
    4.4
    正直で有能、分別と信仰心を持つ奴隷頭のトムは、ケンタッキーのシェルビー農園で何不自由なく暮らしていたが、主人の借金返済のために、奴隷商人に売却されることに。トムが家族との別離を甘受する一方、幼子を売られることになった女奴隷イライザは、自由の地カナダへの逃亡を図る。
  • 松本・江の島殺人事件
    4.0
    上高地の横尾山荘に宿泊中の女が失踪した。翌朝、同じ山荘近辺でテント泊をしていた男が刺殺体で発見される。二つの事件に関連性はあるのか? 松本署の道原伝吉は複数の可能性を視野に入れ、捜査を開始する。その過程で、女の交際相手の許へ赴くが、直後に蒸発。時を同じくして、七里ヶ浜で事件の関係者が殺された。不気味に連なり続ける事件を食い止めるため、道原は江の島に向かうが……。凶事の真相に刑事・道原が鋭く迫る!
  • 花ざかりを待たず
    4.1
    1巻1,870円 (税込)
    末期がんが判明した椎名利夫の余命は一年。予期せぬ宣告に家族や周囲の人々は戸惑いを隠せなかった。利夫のために何をすべきか焦燥は募るばかり。妻は夫に四十路の娘の晴れ姿を見せるために結婚を求め、娘は自分の思いを曲げようとはしない。すれ違いながらも、それぞれの脳裏によぎるのは利夫との思い出の数々。だが、想像を絶するスピードで彼の体調は崩れ始め……。別れの日を前にした人々の思いが胸を打つ、感動の傑作。
  • 君をおくる
    4.1
    1巻1,980円 (税込)
    仕事を辞め、落ち込む明日香の前に現れたのは、野良猫の「ぶーさん」だった。ある日少女に頼まれて、ぶーさんを動物病院へ連れていく明日香。その動物病院で思いがけず、ぶーさんは明日香の人生を変えることになる。そして数年後、お別れの時が訪れた。(「ぶーさん」より)友人で、家族で、パートナー。かけがえのないペットたちの命をみつめ、出会いとお別れ、幸せを描く。感涙必至、4つの愛おしい感動の物語。
  • 灰色の家
    3.3
    1巻2,145円 (税込)
    ここに入ると自殺が伝染る――。常駐看護師の冬木栗子が勤める高級老人ホームで、入居者が滝壺に飛び込んだ。彼は溌溂と過ごしていたはずなのに……。自責の念に駆られた栗子が調べ始めると、遺産問題、派閥争い、横恋慕と、施設内部を蝕む秘密が露わになっていく。彼女がいよいよ不安を募らせた矢先、さらなる入居者の“自殺”が発生してしまい――。ホームに潜む「闇」とは何か? “連鎖自殺”の果てに辿りつく結末は驚愕必至。
  • ホワイトデス
    4.3
    1巻2,200円 (税込)
    原因不明の漁師の失踪が、発端だった。巨大なホホジロザメが目撃されるようになっても、一時的に迷い込んだだけだろうと誰もが考えた。しかし彼らは、いつまでたっても外海に去ることはなかった。事態は悪化の一途を辿る。追い出せないのか。駆除するしか、ないのか。そもそも、そんなことはできるのか!? 平和な海を取り戻すべく、決死の掃討作戦が始まろうとしていた……。圧巻のスケールで放つ海洋パニックエンタテインメント!
  • 話を戻そう
    3.0
    1巻2,310円 (税込)
    竹本健治は“奇書”しか書かん。近代化を誇る幕末の佐賀藩を舞台に、からくり儀右衛門・田中久重の孫が冴えわたる機知で不可思議な怪異に挑むが、話は横道に逸れまくり、なかなかストーリーが進まない!? 膨大な情報量で挿し込まれる史実に話は脱線を繰り返し、ついにはストーリーをも凌駕する……。脱線の先に隠された真実とは? 鍋島直正、田中久重、江藤新平、大隈重信などの傑人が活躍する佐賀愛溢れる偏愛歴史ミステリー。
  • 三毛猫ホームズの懸賞金
    3.5
    会社員の男がバスの中で刺されて殺される。男は死の直前に「俺は狙われている」と言い残していた。一方、かつて一曲ヒットしたものの、今は売れていない歌手・百瀬太朗が出演するパーティで人気歌手の辻村涼が毒殺される。百瀬のマネージャー・立木ルミ子の元には「百瀬が歌に手を抜いたら殺す」という脅迫メールが届いていた。一見、関係がなさそうな二つの事件を結ぶものとは? 国民的大人気シリーズ第54弾!
  • 川烏(かわがらす)~介錯人別所龍玄始末~
    4.3
    牢屋敷の首打役と刀の試し斬り御用を生業にする浪人、別所龍玄二十二歳。武家からの依頼を受け切腹の介錯を務めることもある。剣術において天稟の才を持ち、刀一本で首打ちに臨む凄腕の龍玄、その真の姿を知る者は少ない。太平の世、罪と不条理、生と死の狭間にあって、江戸の市井を気高く生きた一人の侍の姿を描き出す。静かな感動を呼ぶ傑作シリーズ第二作。(『介錯人』改題)
  • 織田一~丹羽五郎左長秀の記~
    4.0
    「織田信長公死す」――本能寺が燃え落ち、織田家中の誰もが右往左往するなか、「織田一の男」と謳われた丹羽長秀は何を思い、何を為すのか? 山崎の合戦、清洲会議、賤ヶ岳の戦い、小牧・長久手の戦い――歴史の転換点で長秀が見せた不可解な言動の裏には、未来を見据えた深謀遠慮があった。「信長公記」の著者、太田牛一の視点から描かれた戦国秘史!(『織田一の男、丹羽長秀』改題)
  • 凡人田中圭史の大災難
    3.7
    田中圭史は64歳。メガバンク・みずなみ銀行のOBで、55歳で転籍した関連会社勤めもあと1年、つつがなく終わるはずだった。しかし、大学の同窓同ゼミで五菱銀行へ就職、合併後のみずなみ銀行で出世した中村が、田中の勤める会社の社長に就任したことから、田中の人生の歯車が狂い始める。「平凡」「無風」すら許されず、荒波には翻弄されるしか術がないサラリーマン人生の晩年を笑いとペーソスで描く。
  • 恋愛未満
    5.0
    家事や子育て、介護、仕事……。“日常”以外への興味が薄らぐ毎日に、突如、心をさざめかす存在が現れ――。ちょっとダメな50がらみのイケメン独身男を巡る凸凹な恋愛譚「アリス」「説教師」、妻を脅かす夫の女友達をめぐる物語「マドンナのテーブル」ほか、恋愛感情とも友情とも違う、だけど“恋”のざわつきをよみがえらせる、いくつになっても変わらない女子の心の機微を描く短編集。
  • 48 KNIGHTS(フォーティエイト・ナイツ)~もうひとつの忠臣蔵~
    4.0
    忠臣蔵は世界最高の騎士道物語だ――。元禄十四年、赤穂藩主・浅野内匠頭は吉良上野介に対し刃傷、即日切腹の裁定が下る。仇討ちかお家再興か。未曾有の事態のなか、家老・大石良雄の決意は“君、辱められし時は、臣死す”。すでに一命を賭す覚悟だった。良雄を陰で支える“四十八番目の志士”とは!? 史上名高い四十七士の復讐劇を新たな視点で描き切る歴史巨編!(『いとまの雪』改題)
  • 確率2/2の死~吉敷竹史シリーズ5~
    3.4
    1巻473円 (税込)
    プロ野球スター・プレーヤーの子供が誘拐された! 身代金は一千万円。警視庁捜査一課の吉敷竹史刑事は、犯人の指示で赤電話から赤電話へ、転々と走り回る。が、六度目の電話を最後に、犯人は突然、身代金の受け取りを放棄、子供を解放した。釈然としない吉敷。犯人の目的は何か?――従来の誘拐物の類型を脱し、野心的な着想で挑んだ会心の長編推理力作。
  • ら抜き言葉殺人事件~吉敷竹史シリーズ13~
    3.0
    1巻495円 (税込)
    ピアノと日本語を教えている笹森恭子が、自宅のベランダで首吊り自殺をした。部屋には、ある作家に誤りを指摘した手紙に対する返信が残されていた。警視庁捜査一課の吉敷竹史は、現場に不審を抱き、殺人説を唱える。そんな時、またもや自殺者が。しかも、恭子に来ていたのと同じ作家からの葉書が……。本格推理の鬼才が、現代の世相を鋭く抉った異色の長編力作。
  • 羽衣伝説の記憶~吉敷竹史シリーズ12~
    3.5
    1巻517円 (税込)
    警視庁捜査一課の吉敷竹史刑事は、ふと足を止めた銀座の画廊で、作者名のない“羽衣伝説”と題された彫金を目にした。これは、別れた妻・通子の作品では!? 彼女への思いをかきたてられた吉敷は、ホステス殺しの真犯人を追いつつ訪れた伝説伝承の地で、意外にも通子の出生の秘密に行きあたる! 好評吉敷シリーズ異色のラブ・ストーリー。
  • 幽体離脱殺人事件~吉敷竹史シリーズ10~
    3.5
    1巻550円 (税込)
    警視庁捜査一課・吉敷竹史の許に、一枚の異様な現場写真が届いた。それには、三重県の観光名所・二見浦の夫婦岩で、二つの岩を結ぶ注連縄に、首吊り状態でぶら下がった中年男の死体が写っていた。しかも、死体の所持品の中から、吉敷が数日前、酒場で知り合った京都在住の小瀬川杜夫の名刺が……!? 本格推理の鬼才が圧倒的筆力で描く、トリック&サスペンス!
  • 展望塔の殺人~吉敷竹史シリーズ7~
    3.8
    1巻550円 (税込)
    東京・飛鳥山公園の展望台で平凡な主婦・井上典子が、売店のアルバイト学生・矢部富美子に刺殺された。捜査一課の吉敷刑事は捜査に乗り出したが、典子には人に怨まれるところはなく、加害者・富美子との接点もまるでない。だが事件の裏には恐るべき狂気が……。(表題作) 鬼才が全力を傾け、絶対の自信をもって放つ極上の傑作集。
  • ジャーロ No. 87
    -
    1巻550円 (税込)
    ●第26回日本ミステリー文学大賞受賞者インタビュー:【大賞】有栖川有栖、【新人賞】柴田祐紀 ●読み切り短編:浅倉秋成、犬飼ねこそぎ、佐川恭一、結城充考 ●快調連作・連載陣:五十嵐貴久、大崎 梢、恩田 陸、笠井 潔、坂木 司、長浦 京、額賀 澪、誉田哲也、薬丸 岳、イクタケマコト ●島田荘司・誌上講演「ミステリー近現代史と吉敷竹史(前編)」 ●アフタートーク 大沢在昌『黒石 新宿鮫XII』
  • 夜は千の鈴を鳴らす~吉敷竹史シリーズ9~
    3.3
    1巻605円 (税込)
    JR博多駅に到着した寝台特急〈あさかぜ1号〉の二人用個室(デュエット)から、女性の死体が発見された。彼女は鬼島総業の女社長・鬼島政子で、検死の結果、死因は心不全と判明。だが、前夜、政子が半狂乱になり口走った「列車を停めて、人が死ぬ! ナチが見える」という意味不明の言葉に、捜査一課の吉敷竹史は独自の捜査を開始する。本格推理の鬼才が時刻表を駆使した自信作!
  • 灰の迷宮~吉敷竹史シリーズ8~
    4.3
    1巻605円 (税込)
    新宿駅西口でバスが放火され、逃げ出した乗客の一人がタクシーに撥ねられ死亡。被害者・佐々木徳郎は、証券会社のエリート課長で、息子の大学受験の付き添いで鹿児島から上京中の出来事だった。警視庁捜査一課の吉敷竹史は、佐々木の不可解な行動や放火犯として逮捕した男の意外な告白から、急遽、鹿児島へ……。アッと驚く犯人像! 鬼才が放つ新機軸の本格推理。
  • 消える「水晶特急」~吉敷竹史シリーズ4~
    3.5
    1巻605円 (税込)
    1985年4月、国鉄が誇る〈水晶特急(クリスタル・エクスプレス)〉が、上野から酒田まで、マスコミ関係者を乗せて処女旅行に出発した。その直後、列車強奪(トレイン・ジャック)に遭う。犯人は大物代議士・加灘耕平の旧悪告白を要求し、人質の中の週刊誌記者・蓬田夜片子に、マスコミ公表の役目を命じた。だが、驀進する列車は人質もろとも突然消失した!? 奇想天外な大トリックを駆使し、華麗に描く傑作長編。
  • 光る鶴~吉敷竹史シリーズ16~
    3.6
    1巻660円 (税込)
    捜査一課の吉敷竹史は、知人の葬儀で九州・久留米市へ。そこで出会った青年から、義父の再審への協力を頼まれる。26年前、三人の女性を殺して死刑判決を受けた「昭島事件」。すでに人の記憶は風化しており、冤罪事件を覆す証拠は見つかるのか(「光る鶴」)。――吉敷竹史は、なぜ刑事になったのか(「吉敷竹史、十八歳の肖像」)の他、「電車最中」を収録。
  • Yの構図~吉敷竹史シリーズ6~
    3.3
    1巻660円 (税込)
    昭和61年8月18日、上野駅の隣接するホームに相前後して到着した上越、東北新幹線の中から、女と男の服毒死体が発見された! 男は盛岡の中学教師、女はその教え子の母親であった。二つの死体の側にはなぜか花束が……。自殺か? 他殺か? 警視庁捜査一課の吉敷竹史は、不可解な事件の謎を追い盛岡へ――。いじめ問題を素材に、著者が渾身の筆で描いた本格推理!
  • 飛鳥のガラスの靴~吉敷竹史シリーズ14~
    3.5
    1巻715円 (税込)
    映画俳優の大和田剛太の自宅に、差出人不明の郵便小包が届いた。なかから、塩漬けにされた剛太の手首が……! 剛太自身は行方不明のまま、事件は迷宮入りの様相を呈した。警視庁捜査一課の吉敷竹史は、この管轄違いの事件に興味を抱く。彼は主任と衝突しながらも、敢然とこの難事件に挑むが……。日本古来の民話を題材に、本格推理の鬼才が描く長編力作!
  • 奇想、天を動かす~吉敷竹史シリーズ11~
    4.3
    1巻715円 (税込)
    浅草で老人が、消費税12円を請求されたことに腹を立て、女性店主をナイフで刺殺した。だが老人は氏名すら名乗らずに完全黙秘を続けている。この裏には何かがある!? 警視庁捜査一課の吉敷竹史は、懸命な捜査の結果、ついに過去数十年に及ぶ巨大な犯罪の構図を突き止めた! 壮大なトリックを駆使し、本格推理と社会派推理とを見事に融合させた傑作!
  • 涙流れるままに(上)~吉敷竹史シリーズ15~
    4.5
    1~2巻935~990円 (税込)
    吉敷竹史の元妻・加納通子は、「首なし男」に追われる幻影に悩まされていた。その原因は、数奇な運命に翻弄されてきた自らの半生にあるのではないかと思い至る。過って級友を死なせた事件。婚礼の日に自殺した麻衣子と、直後の母の変死。そして柿の木の根本に埋めたあるものの忌まわしい記憶!? 通子は少女時代に体験した数々の悲劇の真相を探る決心をしたが……。
  • 吉敷竹史シリーズ〈4~16合本版〉
    -
    1巻8,580円 (税込)
    警視庁捜査一課の刑事・吉敷竹史が不可能犯罪に挑む! トラベルミステリーと本格推理が見事に融合した唯一無二のシリーズが、電子書籍で復活。さらに合本版が初登場しました。島田荘司による壮大なトリックの数々と、吉敷刑事の活躍を一挙にお楽しみください。【講演】「ミステリー近現代史と吉敷竹史」を特別収録。社会派大傑作から、異色のラブ・ストーリーまで13作品まとめて!
  • 悪口と幸せ
    3.8
    1巻1,760円 (税込)
    昭和の少女雑誌に掲載された絵物語「王女アンナ」。半世紀前の奇妙な物語の世界に、元子はいつのまにか引き込まれていく。(「王女アンナ」) 女優・紫さぎりは長きにわたり人気女優として活躍しているが、彼女には大きなコンプレックスが……。(「女優さぎり」) 昭和・平成・令和、それぞれの時代の風俗を巧みに取り込みながら容姿への疑問と不安を物語に昇華させた、姫野カオルコの真骨頂となる連作小説集。
  • まもれ最前線! 陸海空自衛隊アンソロジー
    3.5
    陸海空、それぞれの自衛隊を舞台に、自衛隊員たちを描いた3作品で編む日本で初めてのアンソロジーが登場! 収録作品【陸上自衛隊】元自衛官の神家正成「迷彩の天使」。【海上自衛隊】旧日本海軍の祖父をもつ山本賀代「氷海」。【航空自衛隊】自衛隊の深い取材を続けてきた福田和代「空のプライド」。「新型コロナ下」という限界状況を設定し、各自衛隊の特性特徴を活かした読み応えあふれる新しいエンターテインメント!
  • 花だいこん
    3.8
    1巻1,980円 (税込)
    一膳飯屋「だいこん」を知人に譲ったつばきは、父安治と母みのぶと、新たな三人暮らしを始めた。不景気風が吹く江戸の商いはどこも経営不振でどの店も苦労していた。ある日、富岡八幡宮に参拝した安治は、薬種問屋「蓬莱屋」が看板の思案を求めていることを知り、渡世人の弐蔵と講釈師で絵心のある三太郎を仲間に、巨大提灯という壮大なスケールの看板を提案する。果たして一世一代のその勝負、勝ち取ることができるのか。
  • やせる石鹸(上)初恋の章
    -
    1~2巻660~715円 (税込)
    たまみは見る人がぎょっとするほどの「巨デブ」。そんな彼女は「デブ専」男子から告白されるが、今まで散々「デブは醜い」とディスられながら生きてきたゆえ、「デブだから好き」などというくらいの言葉では、到底救われないのだ。そんな中、たまみは中学時代の同級生でやはり巨デブだったよき子と偶然再会する。よき子はまるで別人のようになっていた……。
  • 無縁坂~介錯人別所龍玄始末~
    3.7
    牢屋敷の首打役を務める別所龍玄二十二歳。介錯人・別所一門の名を背負い、切腹する侍の介錯を頼まれることもある。小柄で物静かな姿は童子のようでありながら、その介錯を知る者の間では凄腕と囁かれる。斬る者と斬られる者、その一瞬に生まれる心の働きだけが、ただそこにある――。不浄と呼ばれ、恐れられる首斬人の生き様と矜持。涙溢れるシリーズ第一作。
  • 翔べ、今弁慶!~元新選組隊長 松原忠司異聞~
    3.3
    「四番隊隊長、松原忠司に切腹を申し付ける」新選組副長・土方歳三はこう断罪した。鉄鉢巻をつけて大薙刀を携える様から「今弁慶」と称された松原忠司。潔く自刃しようとした瞬間、意識が途切れる――そして、目が覚めると、そこは源義経の生きる世界だった。歴史の動乱に巻き込まれた不器用な松原の生きざまを骨太に描く。
  • 春を嫌いになった理由 新装版
    3.8
    フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母に超能力者エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。嫌々同行したロケ現場で、エステラの透視通りミイラ化した死体が発見された――。一方、妹と中国から日本に密入国した林守敬は、過酷な運命に追いつめられていた。様々な因縁が交錯する先に立ち現れる驚愕の事件とは? 著者初期の傑作サスペンス長編!
  • そのひと皿にめぐりあうとき
    4.5
    1946年、戦争で両親と住まいを失った里見滋は、焦土と化した東京を放浪し、飢えと貧困に苦しむ。2020年の東京、コロナ禍で自粛生活を続ける洲崎駿は、父の勤務先が倒産し、楽しかった高校生活が破綻する。絶望の淵から這いあがろうともがくふたりを待っていたのは、驚くべき運命の巡りあわせだった。心にしみる感動と勇気がみなぎる傑作長編。
  • 馬疫(ばえき)
    -
    2024年、欧州での新型コロナウイルス感染爆発により、夏季五輪は再び東京で開催されることに。しかし、五輪提供馬の審査会で突如、馬を狂暴化させる「新型馬インフルエンザ」が発生。開催に向けて、過去に例を見ないウイルスとの闘いに獣医師たちは奔走するが、それが想像を絶するカタストロフィへの幕開けとなるとは、誰にも想像しえなかった――。第24回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
  • エンドレス・スリープ
    -
    大井の港湾倉庫で火災が発生。湾岸署の刑事・矢島は、被害のあった現場の冷凍庫から身元不明の5体の死体を発見する。そして、死体の中でいちばん最初に身元が判明したフリーライター・如月啓一の遺稿には、6人の名前が記されていた……。死体は、何のためにわざわざ冷凍保管されたのか? 死に直面した人間の絶望と再生への執着を描いた意欲作。
  • 肌色の月~探偵くらぶ~
    -
    宇野久美子はアパートを引き払い、和歌山に帰ると周りに告げていた。しかし、それは自身をこの世から消し去る演出だった。死に場所に選んだ湖に向かうべく伊東で列車を降りるが、予想外の雨。濡れた彼女に声をかけた紳士の誘いを断り切れず、車に乗ると――。(「肌色の月」) 絶筆となった表題作を始め、多彩なジャンルで活躍した著者のミステリ作品傑作集!
  • マーキュリーの靴~鮎川哲也「三番館」全集 第2巻~
    -
    東京に雪の降った夜、推理作家の今井とも江が自室で不審な死を遂げた。屍体の状態から当初は自殺説が有力だったが、死亡推定時を過ぎた早朝に被害者は友人の電話に出て、背後には落語が流れていたというのだ。遺族の依頼で私立探偵のわたしは調査を始めたが謎は益々深まるばかり。結局は西銀座のバーテンの知恵を借りることに……。大好評の「三番館」全集第2巻!
  • 死刑囚メグミ
    4.0
    覚醒剤密輸の罪により、マレーシアで死刑判決を受けた小河恵。何故、海外でこんな事態に陥ってしまったのか? 東北の小さな町に生まれ、東京に出て准看護婦をしていた恵は、借金返済のために夜はホステスをして稼ぐようになっていた。そんなとき、病院の同僚、鹿沼好江からある人物を紹介され、生活が一変する……。究極のバタフライエフェクト小説が登場!
  • 同調者
    4.3
    マルチェッロが殺人を犯したのは13歳のとき。以来、日常生活のなかでは「正常」であろうと努め、果てはファシズム政権下のイタリアにて政治警察の一員に。人並みな結婚を目前にある暗殺計画に関わることになるが、任務中に思わぬ欲望が芽生えて……。映画『暗殺の森』原作としても知られる、20世紀最大の小説家の一人による円熟期の代表作。
  • 三毛猫ホームズと炎の天使
    4.0
    事故で洞窟に閉じ込められてしまった男女7人。闇に包まれ酸素が薄まり全員が朦朧とするなか、何者かが過去に犯した殺人の告白を始めた……。間一髪、奇跡的に全員が無事救助されたが、あの告白が誰のものなのかは謎のままだった。やがて、命拾いした7人のうち、若くにぎやかだった女性が刺し殺され、その直後、やはり生還した会社員がひき逃げに遭い命を落とす。片山兄妹はホームズと連鎖する事件の真相に迫る。シリーズ第55弾!
  • ぼくは古典を読み続ける~珠玉の5冊を堪能する~
    4.1
    1巻1,540円 (税込)
    古典を読めば、人間がわかる。考える力がつく。世界とつながる――。出口治明さんの白熱講義、ついに書籍化! 光文社古典新訳文庫の中から出口さんが『種の起源』『ソクラテスの弁明』『地底旅行』『市民政府論』『歎異抄』の5冊をセレクト、その楽しみ方をくまなく案内していただきました。思わず本が読みたくなる! 書店に行きたくなる! ポジティブな読書論です。
  • 白ゆき紅ばら
    3.6
    1巻1,760円 (税込)
    行き場のない母子を守る「のばらのいえ」は、志道さんと実奈子さんが、「かわいそうな子どもを救いたい」と理想を掲げ営む家。そこで育った祐希は、未来のない現実から高校卒業と同時に逃げ出した。十年後のある日、志道さんが突然迎えに来る。しらゆきちゃん、べにばらちゃんと呼ばれ、幼少の頃から一心同体だった紘果を置いてきたことをずっと後悔してきた祐希は、二度と帰らないと出てきた「のばらのいえ」に戻る決意をするが。
  • 探偵は田園をゆく
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    椎名留美は元警官。山形市に娘と二人で暮らし、探偵業を営んでいる。便利屋のような依頼も断らない。ある日、風俗の送迎ドライバーの仕事を通じて知り合った女から、息子の捜索を依頼される。行方がわからないらしい。遺留品を調べた留美は一人の女に辿り着く。地域に密着した慈善活動で知名度を上げたその女は、市議会への進出も噂されている。彼女が人捜しの手がかりを握っているのか。タフなシングルマザー探偵の活躍、再び!
  • 彼女はひとり闇の中
    3.9
    1巻1,870円 (税込)
    十月の日曜の朝、横浜・日吉に住む千弦は昨夜近くの小道で女性が刺殺されたことを知る。しかもそれは昨夜「相談したいことがある」とのみLINEを送ってきた幼なじみの玲奈だった。相談は事件に関わるものだったのか――悩んだ千弦は真相をさぐろうと決意する。未来と仲間の見えない時代に凄絶な孤独が引き起こした悲劇の結末とは――。
  • クワトロ・フォルマッジ
    3.5
    1巻1,870円 (税込)
    丘の上の小さなピッツェリア。閉店間際に飛び込んできた男性客が、マルゲリータを食べた途端、絶命した。ピザに毒が入っていたのか? 今夜はオーナー不在、店のスタッフは4人……ということは、犯人はこの中にいる!? 離れて暮らす娘を持つ仁志、なぜか仁志に敵意を見せる女子大生・映里、天真爛漫を装う小悪魔・久美、実はピザが嫌いな伸也。誰もが秘密を抱えていて、誰もが怪しい――。仕掛け満載のワンナイト・パズラー!
  • 60%
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    選考委員満場一致! 第26回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝く、圧倒的ノワール――容姿端麗、頭脳明晰のカリスマ極道・柴崎純也は、マネーロンダリング専用の投資コンサルティング会社「60%」を立ち上げる。従来の反社会組織とは違う不思議なコミュニティを形成し強い絆で勢力を拡大していく中、「60%」の存在意義に変化が訪れる……やがて来る絶体絶命の破滅。信ずるべきは誰なのか。ハミダシ者たちの苦悩の選択が始まる。
  • 遠い空の下、僕らはおそるおそる声を出す
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    長崎の中学校で仲良くなった同級生のすぐりと気持ちがすれ違ったまま、親の仕事の関係でニューヨークに移住し、高校生となった一葦(いちい)。激動する社会で悩み、恐れ、ふさぎ込みそうになる。そんな彼を救ってくれたのは、NYの高校でオタク友達(ナーズ)と一緒に始めた“アカペラコーラス”だった。障害にぶつかりながらも、彼らの歌声は海を越えて、遠い長崎のみならず世界とも繋がっていく――。
  • 決闘・柳森稲荷~日暮左近事件帖~
    -
    公事宿『巴屋』の出入物吟味人・日暮左近は、倒れていた少女を救う。秩父から出てきた少女の代わりに父親捜しをすることになった左近は、江戸を騒がす押し込み強盗の企みに気づく。阻止に動いた左近だったが、命を狙われ窮地に陥る。左近の危機に懇意の秩父忍びたちも合流し、忍び同士の未曾有の闘いが始まった――。ド迫力剣戟溢れるシリーズ第十五弾。
  • なぜ、そのウイスキーが謎を招いたのか
    3.0
    ここは仙台のバー。坂本には酒と一緒に飲み干したい一つの疑問があった。バーテンダーの安藤がその思いに気づき問いかけると、中学時代の女友達が一年前にかけてきた電話から始まる一件について語り出した。夫が亡くなり、コレクションのウイスキーを売りたい、と彼女は言うのだが……。(「何故、フォア・ローゼズの天使の分け前がなくなったのか?」) 話を聞いた安藤が解き明かす真相とは!
  • 三つのアリバイ~女子大生桜川東子の推理~
    3.0
    バー〈森へ抜ける道〉の近くで久しぶりの宝石窃盗事件が発生。工藤と山内に不審の目が注がれるなか、酔いどれ推理談義が始まった。例によって散々遠回りしながらもたどり着いた容疑者には“アリバイ崩しの東子”最後の事件にふさわしい鉄壁のアリバイが。そしてヤクドシトリオに隠された仰天必至の秘密とは? 笑えて泣ける好評バー・ミステリついに完結!
  • レオナール・フジタのお守り
    4.5
    脳梗塞で倒れた老作家の昇治のもとに届いた一通の手紙。宛名を見た彼は衝撃を受ける。村田さゆり――彼女は50年前、戦時下で昌治と結婚の約束をした相手だった。元妻の明日香の助けを借りて京都へと向かった彼の前に、待っていたのは二人を引き裂いたあの日の真実、そして希望を与えた一枚の絵だった……。京都を舞台にすれ違う愛と鎮魂を描いた感動作!
  • 一分(いちぶん)
    5.0
    時は幕末の天保十年。丹波篠山藩青山家の馬役を務める小柴陽太郎は剣術の稽古に余念がない。謎の過去を持つ父は訳あって藩士を辞めて町道場を開いており、母は貧しさゆえか妹を連れて家を出ていった。下士として耐えていた人生が、藩の剣術試合に出場したところから急展開し始める。その先に陽太郎を待っていた劇的な運命とは――。鬼役の坂岡真が描いた震えるもうひとつの代表作。
  • スノーバウンド@札幌連続殺人
    -
    札幌の街中でナンパされ、誘拐された久美子の「目の前」で、誘拐犯である浩平が殺された。その犯人も見つからないうちに、久美子の父親が殺されるという第二の事件が起きてしまう。旅行に来て、事件に関わった弁護士・山崎千鶴は、当事者たちに話を聞いていくのだが――。関係者たちが自身の言葉で事件をノートに記す、という形で進む、驚愕の本格ミステリ!
  • ブルシャーク
    3.9
    不二宮市職員の矢代は、開催が迫った来常湖トライアスロン大会の準備に奔走していた。そんななか水質異常に気づいた同僚が検体を取りにいくと言い残して失踪し、キャンプにきていたカップルも荷物を残して姿を消す。海洋生物学者の渋川まりは、この湖にオオメジロザメがいるというが、これはサメの仕業なのか……? 映画顔負けの迫力に圧倒される本格サメ小説!!
  • 友が消えた夏~終わらない探偵物語~
    3.7
    一級建築士で探偵の蜘蛛手啓司は、相棒の宮村達也からある事件の記録を渡される。名門大学演劇部の劇団員たちが、夏合宿中、一夜にして首なし白骨死体と化した衝撃的な事件。その詳細な記録が、連続窃盗犯の所持品から見つかったのだ。犯人と目された人物の死体も発見され、事件は一応の決着を見ていたのだが――。本格界の鬼才が剛腕から放つ前代未聞のトリック!
  • 郵便局
    4.5
    仕事は楽勝、配達先で女ともヤレて……のはずが、試験を受けて代用の郵便配達人になってみるとむちゃくちゃキツい。正職員の連中はひどい雨の日や配達量が多い日には欠勤しちまうし、ボスは意地悪だ。それでも働き、飲んだくれ、女性と過ごす、そんな無頼生活を赤裸々に描いた自伝的長篇。
  • 鮫島の貌(かお) 新宿鮫短編集
    3.7
    新宿署に異動直後、上司となる桃井と鮫島との出会い。飛び降り自殺を図ろうとした少年と関わる晶。鮫島の宿敵・仙田、鑑識官の藪……。シリーズに登場する個性的な人物たちの意外なエピソードから、人気コミックの主人公である両津勘吉や冴羽との共演まで。孤高の刑事・鮫島の知られざる一面が垣間見える短編が勢揃い。「新宿鮫」にしかない魅力が凝縮された全10作品。
  • ジャーロ dash No. 86【無料版】
    無料あり
    4.0
    ミステリー誌「ジャーロ」の無料試し読み版「ジャーロ dash」始めました! ミステリーを掘り下げるエッセイ・評論、マンガ、新刊ミステリー書評や最新映画レビューなどの情報ページを、「ジャーロ dash」では無料で読むことができます。また、長編連載、連作短編、読み切り短編の小説も、冒頭部分を試し読みOK! 今号は誉田哲也〈姫川玲子〉シリーズ、五十嵐貴久〈PIT 特殊心理捜査班〉シリーズの長編連載がスタート!
  • ジャーロ No. 86
    -
    1巻550円 (税込)
    ●新連載:誉田哲也〈姫川玲子〉シリーズ、五十嵐貴久〈PIT 特殊心理捜査班〉シリーズ ●読み切り短編:岩井圭也、東川篤哉、方丈貴恵、古野まほろ ●快調連作・連載陣:大倉崇裕、大崎 梢、西條奈加、坂木 司、長浦 京、額賀 澪、薬丸 岳、イクタケマコト ●笠井潔『煉獄の時』刊行記念特集 ●「アフタートーク・著者×担当編集者 白井智之」 ●「カッパ・ツー第三期」決定
  • 未成年1
    3.5
    複雑な出生で父と母とは無縁に人生を切り開いてきた二十歳の青年アルカージー・ドルゴルーキー。誇大妄想的な夢の実現に邁進する彼の目の前に、ある日、謎だらけの父親がとつぜん現れる。いったい何者なのか。父親も許せないが、自分も許せない。そう、心は揺れ、憎悪しつつも惹かれる日々。主人公を取り巻く魅力的な「女性」と「悪人」たちが暗躍する。ドストエフスキー後期の傑作。
  • 土竜(もぐら)
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    侠客の父と、ネグレクトの果てに自死した母。17歳で天涯孤独となった彼は、喧嘩と女に明け暮れ、全財産6万円を握りしめ上京する。そして、薬物に溺れ逮捕された――。昭和の高知を舞台に、どん底まで堕ちていく男のやるせない人生と、彼を巡る人間たちに光をあてる、絶望と再生の物語。壮絶な過去と向き合いすべてを曝け出した、自伝的初小説集。読書人を唸らせた唯一無二の世界がここに。
  • 答えは市役所3階に~2020心の相談室~
    3.7
    1巻1,760円 (税込)
    コロナ禍がもたらした、幾つもの「こんなはずじゃなかった」。市役所に開設された「2020こころの相談室」に持ち込まれるのは、切実な悩みと誰かに気づいてもらいたい想い、そして、誰にも知られたくない秘密。あなたなりの答えを見つけられるよう、二人のカウンセラーが推理します。『トリカゴ』『十の輪をくぐる』『あの日の交換日記』最注目の気鋭がストレスフルな現代に贈る、あたたかなミステリー。
  • 月まで行こう
    4.2
    大手製菓会社勤務のタへ、ウンサン、チソン。20代後半、独身、経済的余裕がなくワンルームで一人暮らし、と共通点が多い。ある時、ウンサンが仮想通貨投資を始め、面白いように儲かるという。当初懐疑的だったタへとチソンも投資を始め、3人は通貨価格のアップダウンに一喜一憂しながら、自らの人生を見つめていくことになるが――厳しい時代を生きる若者たちの、切実ながらも逞しい姿を描いた韓国の“ハイパーリアリズム”小説。
  • たらしの城
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    永禄三(1570)年、織田信長の美濃攻めが始まる。斎藤龍興領の要衝、墨俣に一夜にして城をつくり、敵はおろか信長の度肝を抜いた藤吉郎の奇想天外な策略の数々とは? そして、いつもその傍には野心家の兄を支える弟・小一郎の姿があった。次々に加わる仲間たちと藤吉郎一家が、力を合わせて乱世を生き抜いてゆく! 史上まれにみる出世街道を突き進んだ戦国武将・豊臣秀吉の青年時代を描く、魅力あふれる物語
  • ずっと喪
    4.0
    過疎化が進み、観光資源もないわが村。村おこしの秘策は「桜前線を断ち切って村に留めてしまおう」だった。成功すれば一年じゅう桜が咲くはずだ。(「円い春」) 雄太郎には生まれたときから母がいない。技師である父親は、彼のために「義母」を作るのだが……。(「義師」) ぶっ飛んだ設定とまったく先の読めない展開。ショートショート界に爆風を吹き込んだ異才が放つ22編!
  • ちびねこ亭の思い出ごはん~からす猫とホットチョコレート~
    4.5
    保育士の佐藤理々は、22歳のときにできた初めての子を死産した。夫と誕生を心待ちにして、名前も彩葉と決めていた女の子。あのとき転んだせいではないか。自分を責めずにいられなかった。7年後、理々は「死んだ人に会える食堂」へと向かっていた。ひと目も会うことができなかった我が子に会うために――。温かい感動が胸に迫る、好評シリーズ待望の第6弾。
  • 影武者~日暮左近事件帖~
    -
    馬喰町の公事宿『巴屋』で出入物吟味人をする日暮左近は、主の彦兵衛の頼みで、物の怪が出るという話の真偽を確かめることとなった。物の怪騒ぎを調べ始めたところ、裏に怪しい寺の存在が浮かび上がる。そして、そこから左近はより大きな騒動に巻き込まれていく。剣は瞬速――。左近の剣が弱き者たちを守る! 涙溢れる物語と迫力の剣戟満載のシリーズ第十四弾。
  • 影忍び~日暮左近事件帖~
    -
    公事宿『巴屋』出入物吟味人の日暮左近は、偶々通りかかった場所で襲われていた旅姿の若侍を救った。若侍は美濃国岩倉藩の国許から出てきた密使だった。若侍を襲ったのは尾張藩の者と判明、背後に尾張藩と弱小藩との対立が浮かんできた。大名同士の対立の原因を突き止めた左近がとった行動とは……。壮大なスケールの物語と迫力の剣戟が満載の人気シリーズ第十三弾。
  • 無駄死に~日暮左近事件帖~
    -
    公事宿『巴屋』に呉服屋『角菱屋』の主が、旗本に貸した五十両を返してもらう方法はないかと相談に来た。巴屋主の彦兵衛は、出入物吟味人の日暮左近にその一件を依頼する。調べを進める左近に次々と新たな「事件」が持ち込まれ、周りには裏柳生の忍びと仙台藩の忍び黒脛巾組の影が。壮絶な忍び同士の殺し合いの結末とは……。迫力の剣戟に人情が香るシリーズ第十二弾。
  • ブラックウェルに憧れて~四人の女性医師(仮)~
    3.9
    20年前、中央医科大学の解剖学実習で組まれた女性だけの班――長谷川仁美、坂東早紀、椎名涼子、安蘭恵子の4人は、城之内泰子教授の指導のもと優秀な成績で卒業しそれぞれの道を歩んできた。順調に見えるキャリアの裏には、女性ゆえの苦労もある。人生の転機を迎えた彼女たちに、退官する泰子が告げる驚きの事実とは? 今こそ読まれるべき珠玉の人間ドラマ!
  • みどり町の怪人
    3.5
    一見、ありふれた日常が流れる、どこにでもある小さな郊外の町、みどり町。ただある一点、「怪人がいる」という“非日常”を除いては……。時は1990年代初め。奇妙な都市伝説の裏には、未解決のまま20年以上が過ぎた凄惨な母子殺人事件が隠されていた――。
  • テレビドラマよ永遠に~女子大生桜川東子の推理~
    -
    バー〈森へ抜ける道〉を舞台に繰り広げられる酒呑みトークやみんな大好き未解決事件の話、そして東子さんの名推理。これが全部、登場人物のひとりが書いた小説だったって……一体どういうこと!? それはさておき今度のお題は飛行機から消えた殺人鬼の謎に25年前の資産家令嬢行方不明事件。テレビドラマの蘊蓄もたっぷりの好評バー・ミステリ第8弾!
  • 断罪~悪は夏の底に~
    4.0
    警視庁捜査一課の青山陽介は担当した殺人事件で、犯人だと目された男とは別に真犯人がいるとにらんだ。その働きを認めた検事の稲城から、不審な行方不明事件が続く武蔵野東警察署に出向くよう命じられる。そこで出会った検案医、夏目塔子に何かを感じるのだが――。抜群の推理力を発揮する同級生・小鳥冬馬の助けを得て青山が辿り着く戦慄の真実とは!
  • 第四の暴力
    -
    集中豪雨で全滅した山村にただ一人生き残った男を、テレビカメラとレポーターが、貪るようにしゃぶりつくす。男は怒りを爆発させ、暴れ回る。その引き金を引いた女性アナウンサーは業界を去るが、彼女もまたマスコミの犠牲者だったと男は気づく。その二人が場末の食堂で再会した時……。強烈な皮肉と諧謔でギョーカイを鋭く抉る、超激辛の問題作登場!
  • 火の神(アグニ)の熱い夏
    3.2
    実業家・加瀬恭治郎(かせきょうじろう)が、焼死体で発見された。刺殺された上に、部屋に火をつけられたのだ。6年前には、加瀬の妻が殺され、未解決となっていた。ふたつの事件は繋(つな)がっているのか!? 死体の傍らに落ちていた鍵、焼け跡から見つかった「もう一本のナイフ」……バラバラに見えた手がかりがひとつに収束(しゅうそく)するとき、驚愕の真相が──。名探偵・南美希風(みなみみきかぜ)の鮮やかな推理!
  • 妖霧の舌
    3.0
    連日の異常気象、多発する少女誘拐未遂事件……と、不穏な空気が漂う東京都世田谷区。ある日、パソコン売場のモニターに「悪魔の警告!!」から始まる予告文めいた怪文書が現われた。翌日、若き天才囲碁棋士・牧場智久の対局相手・桃井四段が失踪。さらに、「十二歳」の少女たちが次々と殺されて!? 牧場智久&武藤類子コンビの推理やいかに。驚愕の本格推理!
  • 風水火那子の冒険
    3.0
    7軒がひしめくラーメン横町で、料理評論家の田岡が殺害された。その日、全店を取材する予定だった彼は、奇妙なダイイング・メッセージを残していた……。死の間際、ある店ではトッピングのみを口にし、ある店では一口も食べなかったりと、不可解な行動をとっていたというが……。(「麺とスープと殺人と」)新聞配達員にして名探偵。美少女探偵の華麗なる推理4編。
  • 蜃気楼・13の殺人
    3.3
    栗谷村の村おこしマラソン大会の最中、忽然とランナー13人が消えた! 戦国時代の山城・十三曲坂を使った10キロのコースは、途中で抜け出ることのできない、いわば大密室……。後日、消えたランナーの一人が、木に突き刺さった無惨な姿で発見された。奇妙なことに、この一連の出来事が、150年前の古文書に書かれていた!? 奇才が挑んだ空前のトリック!
  • 緑衣の牙
    3.3
    深い森に囲まれた北海道函館近郊の美しい学園・星辰女子学園で惨劇が起きた! 2年生の朝倉麻耶が水死体で発見されたのだ。さらに、麻耶の死んだ沼の岩に『罪ハ血デ贖ヘ』の血文字が……。学園のマドンナ的存在だった彼女に何が!? 悪魔と戯れる少女たちの密儀とは? 連続殺人に挑む天才少年・牧場智久と女子高生・武藤類子。鬼才・竹本健治の意欲作!(『眠れる森の惨劇』改題)
  • 凶区の爪
    3.0
    会津地方一の名家・四条家で惨劇が起きた! ――17歳で史上最年少の囲碁・本因坊となった牧場智久たちが、四条家に招かれた翌朝だった。蔵の白壁に首なしのバラバラ死体が埋め込まれていたのだ。さらに翌日、蔵の中に、狂女の面をかぶった長女・石蕗の惨殺死体が! 村に伝わる陰惨な言い伝えどおりに起きた連続殺人 ――鬼才が放つ、本格推理の力作!
  • 狂い咲く薔薇を君に~牧場智久の雑役~
    3.3
    津島海人は明蜂寺学園高校一年生。憧れの先輩・武藤類子とともに、学内で続発する怪事件に立ち向かう! ……のだが、自らが疑われたり的外れな推理をしたり、と失敗ばかり。そこに登場するのが、端正な美貌と天才的頭脳を持つ名探偵・牧場智久だ。しかも類子先輩の友達だという。海人は、恋敵に闘志を燃やすが……。ユーモラスで痛快! 学園本格ミステリの傑作。
  • 風刃(ふうじん)迷宮
    -
    インドの古代遺跡で火災が発生。死者も出たこの事故で、牧場典子は、幸運にも逃げ出すことができた。「体を屈めながら走るんだ」という謎の声に従って……。次々に事件が起こった。六本木の路上での殺人、巣鴨での質屋の女主人の失踪――。一見関連性のない、不可思議な事件の真相は、一体どこにあるのか? 天才囲碁棋士・牧場智久シリーズ!
  • シクラメンと、見えない密室
    3.2
    扉を開けるとオジギソウが挨拶をしてくれる、花いっぱいの喫茶店。美しくミステリアスな店主(ママ)とその娘が、悩める客の持ち込む不可解な謎を、鮮やかに解き明かしてゆく。遠隔殺人、見えない密室、同時に4つの場所に出現した男……不可能を可能にする驚愕のトリックとは? さらに最終章では、とんでもない大仕掛けが明らかに――。柄刀マジックの真骨頂!
  • アリア系銀河鉄道~三月宇佐見のお茶の会~
    4.3
    紅茶を深く愛する科学者、宇佐見護(まもる)博士の前に、突然、人語を話す白猫が現れた。博士の時空を超える旅の始まりだった! 2億年前の地球ではノアの方舟(はこぶね)に乗り、銀河鉄道で星空を巡る……そこで出合う謎の数々を、博士が解き明かしてゆく。美しき幻想(ファンタジー)と、卓越した論理(ロジック)の奇跡的な結婚! 作家、評論家から絶賛を浴びた、詩情あふれる連作ミステリ!

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