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行き場のない母子を守る「のばらのいえ」は、志道さんと実奈子さんが、「かわいそうな子どもを救いたい」と理想を掲げ営む家。そこで育った祐希は、未来のない現実から高校卒業と同時に逃げ出した。十年後のある日、志道さんが突然迎えに来る。しらゆきちゃん、べにばらちゃんと呼ばれ、幼少の頃から一心同体だった紘果を置いてきたことをずっと後悔してきた祐希は、二度と帰らないと出てきた「のばらのいえ」に戻る決意をするが。
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Posted by ブクログ
重く暗いものを抱えながら生きる人の闇、強さを感じた作品。 「のばらのいえ」をめぐる様々な話が少しずつ解き明かされていく構成に、最後まで引きつけられました。
行き場のない母子を救う家、そこは汚れていて曇っていて息苦しい。 終わりになるにつれて、真相が見えるにつれて、その息苦しさというか曇りが晴れていくのにも関わらず眉根による皺は増える。 祐希は紘果のめに、紘果も祐希のために。 お互いが希望だった。 これまでされてきた記憶は一生残るかもしれないけれど、...続きを読むどうか今まで以上に幸せであることを願う。
もう何とも言えない気持ち悪さが終始ついて回る。慈善事業というものは決して『心の綺麗な強く優しい人』が、これまた『心の綺麗な困っている弱者』を救済し、感謝に涙を流すといった童話のようなものではない。それをまざまざと見せつけられたように思う。介護や福祉の体制が中々完全に整わないのは仕事の大変さや賃金の問...続きを読む題もあるが、この助ける側と助けられる側の意識の乖離が大きいような気がする。 志道も実奈子も、『偽善者』というのがピッタリの人間だけど、この物語に出てくる全ての人が多かれ少なかれこれにあてはまる。祐希を助けてくれた人達も皆どこか完全ではない。 読後は完全にスッキリとはしないが、少しの希望が救われる。
初寺地はるな作品。想像以上に現実感があって、「弱い」子どもと大人が描かれていた。 『ゆきばらとべにばら』は読んだことあった。色んな訳があるらしいが、私が幼い頃に読んだのはこれだ。 私もこれを読んだ当時びっくりした記憶がある。物語の最後に急に王子の弟が出てきて、姉妹と結婚する。 なぜ急に弟が出てきた...続きを読むのか。答えはもちろん姉妹がそれぞれ結婚して、両方とも幸せになるためだ。明らかな帳尻合わせで苦笑した。 祐希と紘果も「幸せの条件」を勝手に決められて育てられた。 でも2人は物語のお姫様とは違う。 長い時間をかけてお姫様じゃなくなっていく。
良かった 寺地さんの作品は人の弱い部分を上手に描く。 対照的な二人の、それぞれの苦しみ、戦い方が印象的だ。 子供の無力さ、子供を子供でいさせない大人、自分の出せない答えを子供に押し付ける大人、搾取する大人… 春日先生のような大人が一人でもいてくれて良かった…
「のばらのいえ」という母子シェルター的な施設で育った、祐希と絋果。 重くてしんどい中にも時々光が差し込むような、暗く長いトンネルを抜けるような。 言葉は呪いになる。けれどもその呪いを解くこともできる希望が見えた。 2人の道がこの先、別れようとも幸せになれますように。
行き場のない母子が暮らす「のばらのいえ」。そこで育った祐希は未来のない現実から高校卒業と同時に逃げ出す。それから10年。のばらのいえに連れ戻された祐希は、ずっと心配だった幼馴染の紘果と再会を果たす。 性的虐待、ネグレクト、ヤングケアラー、子どもたちを見下し搾取する大人たちがひたすら悍ましいが、祐...続きを読む希と紘果の優しい想いが僅かな救い。グリム童話の「しらゆきべにばら」が象徴的に引用される。 女性の幸せは男性から与えられるものではない。重苦しい話ですが、どうか祐希と紘果に自由な明るい未来が開けますように。いい子は天国に行ける、悪い子はどこにでも行ける。
これはダークサイドな寺地はるなさん。 寺地さんのダークな本はあまり好んでいなかったけど、この本はこれまで読んだダークなものの中では一番良かったと思う。 「君は何も出来ない」「出来ない君を守ってあげる」 そういうことを言う男、虫唾が走りませんか? 志道という男に支配された「のばらのいえ」。 そこで育...続きを読むち、召使いのように障害のある子どもの世話を押し付けられた祐希。なにもできない子と言われ続けた紘果。 色々な方法で、色々なかたちでの束縛。愛のようで、身勝手なもの。 この本の中で、祐希が紘果にナイフを持たせてキウイフルーツをカットさせる場面がある。 なんてことない、多分半分に切っただけ。それをスプーンですくって食べる。でも、はじめて自分でできた、紘果は美味しいと感じる。 このシーン、すごく印象に残って、なんだか心が揺さぶられた。 はじめて自分でできた喜びのようなもの、最近感じることないなぁ・・・という自分についても思ったし、私も息子が「できない」と決めつけて先回りしてしまったり、息子の機会を奪ってしまっているのではないか、と我が身を振り返った。 志道とは種類が違うが、祐希の紘果への執着も、相当強いと思う。 その根っこにあるものは何なのか、刷り込みなのか、友情なのか、愛なのか、最後までよく分からなかったんだけど、そうしたら、最後の祐希の言葉。 「その全部で、それよりももっと良いもの。」 なんか、人と人の関係、つながりに名前をつけよう、ラベルを貼ろうとする自分の了見の狭さに痛み入りました。 個人的に、最後の火事のところがドラマチックすぎて逆に冷静になってしまったけど(断ち切るためにそこまでしなくても良いのではないかと思った)、いい本でした。
引き取られ、のばらの家に暮らす祐希。6歳の時に同じ歳の紘果と出会う。 自分達をグリム童話の『白ゆき紅ばら』姉妹になぞらえる。のばらの家に別な立場でしばられる2人だが、祐希は高校卒業間際に逃げ出した。 始めはシェルターでの話かと思ったのだが、ドロドロとしたそれぞれの人の気持ちが入れ乱れ、読みながら気...続きを読む持ちが沈みかける。寺地はるなさん作品にしては少し重い。 祐希を助けてくれる人々の深い想いと、⦅白ゆき紅ばら⦆二人の生きる希望が見えるラストに、いつもの安心感を取り戻すことができた。
のばらのいえというシェルターで生活している祐希と紘果と保。弱者に寄り添っているように見せかけて歪んだ実奈子と志道に色んなものを搾取され続けた幼少期から青年期。 そこから逃げたした祐希が10年ぶりに戻ってきて紘果を取り戻す。 寺地さんにしてはちよっとバイオレンス気味だった。英輔の存在が明るさや希望が持...続きを読むてた。
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