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侠客の父と、ネグレクトの果てに自死した母。17歳で天涯孤独となった彼は、喧嘩と女に明け暮れ、全財産6万円を握りしめ上京する。そして、薬物に溺れ逮捕された――。昭和の高知を舞台に、どん底まで堕ちていく男のやるせない人生と、彼を巡る人間たちに光をあてる、絶望と再生の物語。壮絶な過去と向き合いすべてを曝け出した、自伝的初小説集。読書人を唸らせた唯一無二の世界がここに。
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Posted by ブクログ
巻末の「初出」という辺りから察すると、文芸誌に6回に分けて掲載されていて、何か「6篇」というように感じないでもない面が在るかもしれない。が、間違い無く最初から「6つの章から成る1つの長篇」という企図で創られた小説であると思う。先の方の篇に現れる話題が、後の方の篇で「回収」という例も多く在るのでそうい...続きを読むうように思った。 本作は「竜二」(りゅうじ)という男を主人公とする物語である。「各篇」というようにも見える「各章」は、各々に視点人物が設定されている。「竜二」自身が視点人物となっているのは2つの篇、または2つの章である。(以降は「章」としたい。) 「竜二」は高知で育っている。冒頭の章は、戦争未亡人であり、苦労しながら4人の子ども達を育てた女性が登場し、視点人物となる。この女性の末の娘が他所で子を産み、女性の所にやって来て「預かってくれ」ということになる。この子が「竜二」である。 以降、「竜二」は中学生、高校生と育ち、高校を卒業した少し後の時期が在って、高知を離れて東京に出る。高知に残った友人が視点人物となる章が入って、5つ目の章では時間が随分と発つ。「竜二」は東京に出て俳優となり、一定の成功も収めるのだが、事件を起こしてしまって悶々と過ごしている最中だった。そして終章だ。 ハッキリ言えば、作者の高知東生(たかちのぼる)の「自伝」というような内容の小説になっている。「竜二」のモデルは御自身であると判る。作中人物達も、小説としての脚色は入ったにしても、手近な人達に直接的なモデル、または何人かのモデルを合わせて造形している人物も在るのだと思えた。また作中の様々な挿話も、実際の出来事や見聞に負うところが多いかもしれない。 複雑な生い立ちで、青春を駆け抜け、養父の事情も絡まって故郷を離れた「竜二」は、掴んだ成功を零して悶々とする中、改めて自身の人生と向き合うことになって行く。凄く引き込まれる物語だった。 作中には「竜二」が生きる時代の情況―世相や話題になった事件等―が示唆される言葉も入っている。そういうのが「判る…」と思ったのだったが、作者は自身より4年程度年長ということで、「自身の頭の中に在る“人生年表”というような諸々の記憶」が被っていることに気付いた。序でに、本作の主な舞台ともなっている高知についても、極短い滞在ながらも一度訪ねた経過が在って、街の様子が頭に思い浮かんだ。そういうような意味でも、本作は面白かった。 作者は色々な活動に携わってもいるようだが、こういう興味深い小説を綴り続けるのであれば、自作も是非読みたいと思った。
**土竜** 高知東生/著 **あらすじ** 侠客の父と、ネグレクトの果てに自死した母の間に育った彼は、17歳で天涯孤独となり、喧嘩と女性関係に明け暮れる日々を過ごします。全財産6万円を握りしめて上京し、やがて薬物に溺れ、人生のどん底に落ちていきます。そんな彼がもがき、周囲の人々との関...続きを読むわりの中で少しずつ再生していく姿を描いた、絶望と再生の物語です。 **感想** 高知東生さんといえば、以前テレビで見かけた程度の印象しかなかった私ですが、本のレビューを目にしてふと興味が湧き、この本を手に取りました。読むうちに、彼の人生はまるで映画やドラマのようだと感じました。芸能界には多様な人生を歩んできた方が多いと思いますが、高知さんの生き方はその中でも特に異彩を放っています。彼が経験した壮絶な過去や葛藤が鮮明に描かれており、ただ単に波乱万丈なだけでなく、土の中でもがく「土竜」そのもののように、彼なりに一生懸命生き抜いてきた姿が伝わってきました。高知東生さんのファンの方にはもちろん、彼のことをあまり知らない方でも引き込まれる一冊だと思います。特に、人生のどん底から再生を目指すテーマが響く方にとっては深く心に残る作品になるでしょう。
半自伝小説という事で、少し下世話な読み方をしてしまった。この先の人生またご活躍される事を影ながら応援している。
自伝的な部分と,フィクションが入り混じっているのだろうか? 表現の素人っぽいところがままあるけど,それも内容に合っててむしろ良いエッセンスになってたりして,良い作品だと思った.が,どう表現して良いか適当な言葉が見つからない. しばらく…心の中で反芻したい.
高知東生の自伝的小説。 どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションかわかりづらいものの、彼の人生を思わせるシーンが随所にあって面白かった。
高知さんのことは存じ上げなかったんだけれど、 ある日Twitterで彼の呟きを読んで、 この人の考え方はいいなあ、と思っていた。 そんな高知さんの半自伝小説が出版とのことで、やっと読めた。 高知さんの人生や人となりはあまりよく知らないが、主人公竜二はほぼ高知さんなんだろうな、と思われる設定が多い。...続きを読む こうやって生きてきたのか、こんな世界があるのか、と、おもしろくすらすら読めた。 ただ小説なので、他者が竜二についてこんな奴だよ、述べてる部分があり、なんかこれ自分で書くの恥ずかしくない?という邪念をモヤモヤさせつつ、最後の章を読んでいた。笑
先に著者の「生き直す」を読んでいたため自伝的内容の部分には驚きは少なかった。 文章も正直作家というには稚拙で直接的な文章で初めは感情移入出来なかった。 ただ途中の思い出深いエピソードの部分では、非常に感情的で真に迫った表現でし世界に引き込まれた。 著者はあまり器用でないと思うが、それが魅力でもあると...続きを読む思う。 これからも、自身の世界を見せて欲しい。
高知東生さんの自伝的小説。 どこまでが事実でどこまでが虚構なのか、調べてみるとほぼほぼ事実のようではあり、小説の形でやわらかく(?)表現されているというところか。 複数の視点から描かれることで主人公の姿をより鮮明に浮かび上がらせる形、素敵でした。
”あの”高知東生が書いたとは思えないほどの出来の良い作品で驚かされた。 しかしながら高知東生のことはほとんど知らない私が上から目線で何を言っているのかとも思うが。 半自伝的小説とのことだが、よく練られていると感心した。 それぞれがどこかでつながっていて、人の気持ちの動きなども丁寧に書かれている。 こ...続きを読むれを読んだので彼の「生き直す」も読んでみたいと思った。
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