歴史・時代小説作品一覧

  • 季節の無い街
    -
    山本周五郎の現代小説。ある極貧の下町の長屋に住む人々を描いた群像劇。貧しいくも逞しい生活の日々。不幸、笑い、恋愛、不倫。社会の底辺から見る当時の世相。個性的な人物たちの切ない話や不幸の連続な境遇にもはや諦観するしかない人々。「季節のない街」他に「正体」「藪落し」を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 深川日向ごよみ(1) 凍て蝶
    -
    1~3巻495円 (税込)
    花夜叉との異名を持つ剣の達人、時津日向子が探屋稼業に奔走する  深川の南、永代橋近くの一色町。故あって国許を離れ、長屋暮らしの時津日向子、大助母子。小野派一刀流の遣い手でもある日向子は、骨董屋〈天秤堂〉の裏の仕事を手伝い糊口を凌いでいた。物探しや人探し、平たくいえば探屋である。時には一筋縄ではいかない相談事が持ちこまれる。そんな折、記憶喪失にかかった侍から「忘れた過去を探してほしい」との難解な依頼が持ち込まれる……。巻末に「電子版あとがき」を追加収録。 ●六道 慧(りくどう・けい) 東京の下町・本所生まれ。今も長兄が実家で小さな小さな町工場を営んでいる。1988年、朝日ソノラマから『大神伝(1) ムーの大神』でデビュー。以来、ライトノベル、時代物、そして警察小説とジャンルを変えながら挑戦してきた。「継続は力なり」が信条。
  • 風の忍び 一、風魔の六代目
    -
    徳川家康との約定により、影で江戸の鎮護を任される風間家。その実態は風魔一族を率いながら、無役の小普請組だった。だが平穏な江戸を打ち破る者が現れた。風間六代目の伊織が、江戸を護るために動き出す!
  • 高く翔べ 快商・紀伊國屋文左衛門
    -
    第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞作 大根おろしの中に小判がざくざく!? 祭りのために命がけで蜜柑を運ぶ!? 江戸っ子たちの英雄だったこの男は、なぜ一代で店を閉じたのか? 謎に満ちた紀伊國屋文左衛門の生涯に迫る、痛快なる歴史×経済小説 時は元禄。文吉は、幼い頃に巨大な廻船に憧れたことをきっかけに、故郷の紀州で商人を志す。だが許嫁の死をきっかけに、彼は「ひとつの悔いも残さず生きる」ため、身を立てんと江戸を目指す――。蜜柑の商いで故郷を飢饉から救い、莫大な富を得ながらも、一代で店を閉じた謎多き人物、紀伊國屋文左衛門。天才商人の生き様に迫る痛快作。
  • 100%ムックシリーズ 完全ガイドシリーズ404 江戸の暮らし完全ガイド
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【大河ドラマ】も【人気時代劇】も千倍面白くなる! 人物や出来事から、流行・娯楽・衣食住、そして災害まで── 江戸時代の背景が[全方位]まるわかり! 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の放映で 知ってるようで知らない江戸中後期が注目! そこで! その前後を含めた江戸時代全278年 (1590年 家康の江戸づくり開始~1867年 慶喜の大政奉還)を完全ガイド まずは! オリジナル年表・マップと 人気「大河&時代劇の主役級人物」相関図etc.でわかりやすい [特別企画]サクっとわかる! 江戸時代 便覧 そして! [水道・お金・交通][武士や町人の仕事][衣食住][娯楽]などの 生活事情から、[幕末の人物・抗争・思想]まで挿入した[全方位図鑑]入り! 江戸暮らしの真実100 さらに! 伝承絵図でわかる江戸の災害 これで! 江戸時代の「大河ドラマ」も「人気時代劇」も面白さ千倍!
  • 清吉捕物帖
    -
    十手が光る、推理が冴える、粋でいなせな岡っ引! 昭和26年刊行の江戸捕物帳を復刊、時代小説の名手による珠玉の短編集! 豆腐屋佐兵衛の店に貧しい身なりの侍が現れ、「その油揚を百文くれ」と言ってその場で美味そうに食べるが…(「狐侍」より)。
  • 茜唄(上)
    4.2
    祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。朗々とした唄、琵琶の音が闇夜に響く。何者かが男に伝える、二十余年の歳月を要して編み上げた物語。その名は――。平氏棟梁・平清盛が四男・知盛。清盛最愛の息子とまで呼ばれた彼だが、幼い頃から病弱で出世は遅かった。だがそんな彼にも源氏という時代の荒波は容赦なく襲い掛かる。弟分で「王城一の強弓精兵」と呼ばれた教経と共に否応なく前線に立つ知盛。没落に向かう平氏を盛り返すことはできるのか。直木賞作家による、熱き血潮が巡る「真」平家物語!(全二巻)
  • 往来絵巻 貸本屋おせん
    3.7
    事件を呼ぶ本の虫・おせんが導く出版捕物帳 デビュー作『貸本屋おせん』で歴史時代作家協会賞新人賞を受賞、 業界最注目の著者による、看板シリーズ第2作! 文化年間の江戸浅草。 主人公は女手ひとつで貸本屋を営む〈おせん〉。 謎があるとつい首を突っ込んでしまう、事件を呼ぶ「本の虫」です。 表題作「往来絵巻」は、神田明神祭りが舞台。 宝くじが当たるより稀有でありがた~い、特別な「行列」を出すことになった与左衛門は、我らの偉業を絵として残そうと提案した。 金に糸目を付けず、1年待ってようやく仕上がった祭礼絵巻がついに完成。 しかし…… 絵には一人足りない人物が。消えた「あいつ」は何者だ? 〈おせん〉の推理がさえわたります。 蔦谷重三郎を巻き込んだ江戸出版界を揺るがす謎や、 〈おせん〉の父の死の真相、本仲間で絵師の「燕ノ舎」の最期……。 ちょっとビターで、心温まる、本好き必読の一冊です! 時代を超えて本好きを魅了する出版文化の豊饒さをお楽しみください。
  • 貸し物屋お庸謎解き帖 絵草紙と隠金
    4.0
    物だけでなく知恵も貸す江戸のレンタルショップには、 口は悪いが情に厚い娘店主を頼って 今日も訳ありのお客がやってくる── 読み心地満点の書き下ろし時代小説 第6弾! 「試してみな。駄目だったら相談に乗るぜ」 江戸庶民の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の娘店主お庸は、 口は悪いが気性は真っ直ぐで、厄介事を丸く収めると評判の江戸娘。 そんな湊屋の暖簾を、今日も事情を抱えたお客がくぐる──。 軽業を披露する旅回りの童が全財産を損料にして借りた物とは? 深夜の店に忍び込み、何も盗らずに出て行く賊の正体は? 絵草紙に描かれた隠金の言い伝えの虚実は? 庸の家に現れた赤子の化け物が家人を脅す目的は? お客が求める貸し物の陰に隠れた秘密を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、大人気書き下ろし時代小説、待望の第6弾! <目次> 十六文の貸し物 風鈴を三十 絵草紙と隠金 名残雪の別れ
  • 角を曲がれば謎がある 大奥様陽だまり事件帖
    -
    四百五十石の旗本・羽鳥弥左衛門利宣(はとりやざえもんとしのぶ)の母、嬉代(きよ)は六十三になる寡婦で、屋敷の離れに住んでいる。 良家の子女に書を教えたり、句会を催したりして過ごしているが、頭の回転が早く、人の機微にも通じ、洞察にも優れているので、様々な人がなにかと相談事を持ち込んで来る。 当主の弥左衛門は、人は好いが優柔不断で、日頃から嬉代に頭が上がらない。妻女の民江(たみえ)は、嬉代の大胆な行動に戸惑いがちだ。嫡男(孫)の俊之輔(しゅんのすけ)は、おとなしく、学問所に通っている。孫娘の那美(なみ)は、旗本の姫としては、活発で、早とちりもあるが聡明。嬉代と波長が合い、時に持ち込まれる相談事の解決の手伝いをしている。 嬉代主催の俳諧の集いに来ていた町名主、三左衛門(さんざえもん)が、大工の棟梁の耕吉(こうきち)が愛用の道具箱を盗まれ、困惑しているという話をする。耕吉は若くして棟梁になって、評判も良く、道具を大事に使っていた。道具箱がなくなっては、仕事にならない。 腕が良くて仕事が早い耕吉は、手間賃も比較的安いので、他の棟梁連中から妬み嫉みを受けることもあった。そういう連中の誰かの嫌がらせだと考えているらしい。だが盗まれたという証拠もない。役人は取り合ってくれない。興味を覚えた嬉代が乗り出したところ、意外な事実が明らかになった。子供たちの親を思う心と、職人気質の大工同士が引き起こした小さな事件が四方丸く収まって、めでたしめでたし。そして、また、新たな相談が嬉代のもとに……。江戸の町で起こる、小さな事件が老女の機転と洞察力で、丸くおさまり、今日も江戸は平和に暮れてゆく。
  • バサラ将軍
    -
    勝手放題な「バサラ」と呼ばれた足利義満は、恋の苦しみを能を通じて描かせ……(「バサラ将軍」)、尊氏・直義兄弟の葛藤(「兄の横顔」)など、激動の室町初期を舞台とした歴史小説短編集。幻のデビュー作「矢口の渡」を書籍初収録した新装版。《解説・大矢博子》
  • 貸本屋おせん
    3.5
    オール讀物新人賞を満場一致で受賞! 高荷を背負って江戸の町を巡るおせん。板木盗難や幽霊騒ぎ、幻の書物探しなど様々な事件に巻き込まれながら好事家たちに本を届ける! 解説=久田かおり 単行本 2022年11月 文藝春秋刊 文庫版 2025年5月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • さざなみの彼方
    4.0
    時は戦国。茶々(淀殿)は幼い頃、住んでいた城を信長に落とされた。父が自害に追いやられるも、生まれた時から共に育ってきた大野治長に守られ、逃げることができた。治長は茶々を一生守ると誓い、茶々も彼にそばに居てもらいたいと願う。その後、ふたりは柴田勝家の元に身を寄せたが、今度は秀吉に城を攻められ、茶々の母が自害する。そして二度目の落城を経験した茶々は、秀吉に側室になれと言われてしまい・・・・・・。二度の落城。許されぬ裏切り。家康の脅威。運命に翻弄されながらも、互いを思い合う茶々と大野治長の姿を描く、歴史恋愛小説!
  • 剣士の薬膳 世嗣暗殺
    -
    父のお役御免によって御家人の身分を失い、剣の道のかたわら、医師・柴垣青山のもとで医術を目指すことを決意した清河涼介。 涼安と名を変えた彼が修業のため始めた養生食は評判を呼び、旗本や大店に請われて薬膳を振る舞うまでになっていた。 そんな涼安が依頼されたのは、西国の大名・猪狩宗盛の御膳。不調を訴える宗盛の身体の質を見立て、涼安が供した薬膳によって宗盛は復調。涼安は役目を果たしたかと思われた。 だが、涼安は屋敷の奥に不穏な動きがあることを知る。世嗣の鶴丸が急に寝込むようになり、それには家老が雇ったもう一人の薬膳師が関わっているらしいのだ。 幼い命を脅かすのは邪な薬膳なのか?気鋭が贈る書下ろし長編。
  • てきてき 浪華のおなご医師と緒方洪庵
    3.0
    人気シリーズ「お江戸やすらぎ飯」の著者による最新刊! 大坂が舞台の医療時代小説!! 「私、みなを救うお医者になりたい。」 江戸から単身、大坂へーー 男たちの中で、ただひとり適塾の門を叩いた少女の物語。 大坂にある医師の家に許嫁としてやってきた亜弥。 医師の嫁ではなく、自身も医師を目指す彼女は、 名医・緒方洪庵が開いた適塾の門を叩く。 女性として初の入塾者となった亜弥は、 持ち前の食事療法の知識から洪庵にも一目置かれるようになるが、 ある時、体調不良を訴える男性に自分の判断で 誤った薬を処方してしまう・・・・・・。
  • 太平洋食堂
    4.0
    消された歴史に命を宿す傑作歴史長編! こんなに魂に沁みる小説はめったにない! 今こそ、読むべき物語だ。(作家・藤沢周) 一九〇四年(明治三十七年)、紀州・新宮に西洋の王様がかぶる王冠のような看板を掲げた一軒の食堂が開店した。 「太平洋食堂」と名付けられたその店の主人は「ひげのドクトル(毒取る)さん」と呼ばれ、地元の人たちから慕われていた医師・大石誠之助。アメリカやシンガポール、インドなどに留学した経験を持つ彼は、戦争と差別を嫌い、常に貧しき人の側に立って行動する人だった。 やがて幸徳秋水、堺利彦、森近運平らと交流を深めていく中、“主義者”として国家から監視されるようになった誠之助に待ち受ける運命とは――。 歴史の闇に埋もれた傑士の半生を描く傑作長編小説。
  • 橘花の仇 鎌倉河岸捕物控<一の巻>
    5.0
    江戸鎌倉河岸にある酒問屋・豊島屋。看板娘しほの唯一の肉親である父が、橘の鉢をめぐって御家人と諍いをおこし、御家人に斬り殺される事件が起きる。その御家人は、狂乱高騰する橘景気を背景に新しい店を開くというが、呼び物のひとつが、しほの父の血を浴びた「血染めの橘」。父の死を商売のたねにして弄ぶ御家人は許せない――しほと、幼馴染である政次、亮吉、彦四郎の三人が立ち上がります。 また、しほの両親をめぐって、あらたな事件が姿をあらわし……。 江戸開闢以来の町・鎌倉河岸を舞台に、若者四人と、よき理解者である金座裏の御用聞き・宗五郎親分が難事件を解決する、“青春捕物グラフィティ”。
  • 幕府は倒壊へ……我らはどうなる
    -
    旗本から見た「幕末から明治へ」。──旗本の松野家では当主が急死し、まだ幼い芳保が家督を継ぐことに。時は幕末、黒船が来航し世を騒がせていた。松野家の家老・半田と用人の西橋は、世の動きを知行地の若者に探らせることにする。しかしその動きは早く、また松野家は幕府側、主体的な行動はできないまま、幕府終焉の時をむかえるのだった…。
  • 与一と坂額 天慶前夜
    -
    「魔物のように、ひどく醜い女武者。そのように耳にしていた。だが噂とは異なり、花のように美しい、凛とした女であった」甲斐源氏の男と越後平氏の女。二人の運命は……(「与一と坂額」)。藤原清貫は本当に、内裏の落雷によって命を落としたのか……(「天慶前夜」)。鎌倉時代初期を舞台にした「陰謀」、平安中期の人間模様を描いた「能円法師」を加えた、歴史小説四編を収録。
  • 皇女と宿星の女たち
    -
    飛鳥京の世──恋人を殺された天文博士の娘・婁は、二上山中に秘密の“おなごの邑”をつくる。男に虐げられて生きるのが当たり前だった時代、そこは女たちのシェルターとなり、陰謀により死ぬ運命にあった山辺皇女までもが逃げ込んでくる。村から次々と女の姿が消えていくのを男たちは訝しみ、それを都の貴族・藤原不比等が知ることになり……。古代の飛鳥を舞台にしたヒューマンドラマ。
  • 隋唐演義一 群雄雌伏ノ巻
    完結
    3.3
    六世紀末の中国、隋によって天下は統一され、平和と安定がもたらされるかに思われた。しかし、政治はさらに乱れ、激動の時代はつづく。数多の英雄、豪傑、智将、そして美女たちが織りなす歴史絵巻。『三国志演義』に勝るとも劣らぬ演義の傑作、第一巻。
  • 田沼と蔦重(新潮文庫)
    3.0
    次々とヒット作を生み出し出版界の寵児となった蔦重こと蔦屋重三郎。老中の田沼意次を庶民の理解者と評価する重三郎は文化人たちと築いたネットワークを駆使し、田沼のため情報収集に奔走することに。一方、獄死と偽り田沼邸に匿われていた平賀源内は、幕府財政再建を図るべく夷地の富に目を付けた意次の意を受け北に向かう。型破りで「べらぼう」な男たちを描く書下ろし長編歴史小説。(解説・木村行伸)
  • 広重と女八景
    -
    「七夕の晩、また君恋橋で逢おう」と男から錦絵を渡された女。 その話を聞いた絵師は、落款から己の描いた絵だと気付き、二人の邂逅を見届けたいと二十数年ぶりに彼の地へ向かう(「小金井橋夕照」)。 名所絵の依頼を受けた歌川広重が「江戸近郊八景」を描く道すがら、人々の抜き差しならぬ恋模様を覗く傑作八篇。 『恋々彩々』改題。〈解説〉細谷正充
  • 女人入眼
    4.0
    第167回直木賞候補作、待望の文庫化! 「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。 その背後にあったのは、国の実権をめぐる女たちの政争。 そしてわかり合えない母娘の悲しい過去だった。 「大仏は眼が入って初めて仏となるのです。男たちが戦で彫り上げた国の形に、玉眼を入れるのは、女人であろうと私は思うのですよ」 建久六年(1195年)。京の六条殿に仕える女房・周子は、宮中掌握の一手として、源頼朝と北条政子の娘・大姫を入内させるという命を受けて鎌倉へ入る。気鬱の病を抱え、繊細な心を持つ大姫と、大きな野望を抱き、それゆえ娘への強い圧力となる政子。二人のことを探る周子が辿り着いた、母子の間に横たわる悲しき過去とは――。「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。その背後には、政治の実権をめぐる女たちの戦いと、わかり合えない母と娘の物語があった。
  • 潮音 第一巻
    4.0
    宮本文学初の大河歴史小説、堂々の開幕篇! 幕末・維新の激動に立ちむかった「富山の薬売り」たちの知恵と勇気。 人を導く、「大いなる力」とは何か? 人間を描き続けてきた宮本文学の集大成にして初の歴史小説、堂々の開幕篇。 幕末の越中富山に生まれた川上弥一は、藩を挙げての産業・売薬業に身を投じる。 やがて薩摩藩を担当する行商人となった弥一は、じょじょに薩摩藩の内情に通じてゆき、薬売りと薩摩藩をつなぐ「秘密」に気づき始める―― 黒船来航、幕府の危機を背景とした壮大な物語が、今はじまる。 第二の開国(グローバリゼーションや通貨変動)にさらされる現代日本人にとって「羅針盤」となる大長編! ※初回配本限定特典「讀む藥」は、電子書籍版には収録されておりません。ご了承のほど、お願いいたします。
  • 実さえ花さえ
    4.0
    デビュー作にしてこのハイクオリティ! 今や歴史・時代小説の大家となった朝井まかての初めての小説は、著者がこよなく愛する「江戸の園芸」をモチーフに、今も変わらぬ「人の世の情」を鮮やかに描き出す。 第3回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
  • 夢の痕 古道具屋 皆塵堂
    3.4
    古道具屋皆塵堂は、小僧の峰吉で回っている。自在な客あしらい、目利きの確かさ、道具の修繕は職人並みの腕前、と釣り好きで店になかなかいない店主の伊平次に代わって、皆塵堂を切り回している。曰くつきの古道具を手に入れても、峰吉は幽霊を見ないから平気だ。向かいの油屋の小僧参太は、峰吉と違い、幽霊が見える。よその店の古道具の憑きものを見ては、いつも震えさせられている。 それが悔しくてたまらない参太は、一度くらい峰吉に幽霊を見せて、震え上がる姿を見てみたいと思う。幽霊話を仕入れては、峰吉に幽霊を見せようとするが、実際に見て怖い思いをするのはいつも参太ばかり。 そんな参太をご隠居の清左衛門たちも応援にまわる。大人の巳之助、茂蔵、円九郎がとっておきの幽霊話を引っさげ、峰吉に怖い思いをさせる刺客としてやってくるのだが……。 参太のまわりに集まってくるのは、夢がらみの幽霊譚。 夢はお告げか、誰かが救いを求める声か? 職人のじいさんが隠した櫛が気になって成仏できないばあさん。隠し先を峰吉は見破ろうとするが? 二階からあるいは草むらから自分の姿も見える夢を見る菊次郎、誰が夢を見せようとしているのか?  幸ちゃんとしか覚えていない幼なじみの夢を見る円九郎。やっと町名を思いだした円九郎は、峰吉と向かうが、蕎麦打ちに行き詰まり、首を吊ろうとしていた男と出くわした。 ……などなど。他人の夢の話はつまらない、とうそぶきながらも、峰吉は、夢の謎を解く鍵を見つけていく。 皆が期待する峰吉が震え上がる日は来るのか?
  • きよのお江戸料理日記
    3.7
    逢坂の油問屋の子として生まれた「きよ」は、とある事情から屋敷の奥でひっそりと暮らしていた。そんなある日、弟の清五郎が問題を起こし、逢坂にいられなくなってしまう。両親は清五郎を江戸にやることにしたが、きよも弟の世話係として共に行くことに。ふたりが向かう先は、父の知人が営む料理屋『千川』。そこで清五郎は配膳係として、きよは下働きとして働くことになったのだが、ひょんなことからきよが作った料理が店で出されることになり……。「居酒屋ぼったくり」著者の新境地、ここに開幕!
  • 根津や孝助一代記
    3.0
    薬種商の手代・孝助、齢十六。 草鞋を購う一文を切り詰め、立身出世の道を拓く! 元銀行マンの著者が初めて挑む、感動の時代小説 日本橋の薬種商「養生屋」に、一人の勤勉な手代がいた。 名は孝助、十六歳。父を知らず母に捨てられ、医師の徳庵に拾われて医術の手ほどきを受けた苦労人だ。丁稚らが足を傷めていると知れば履き潰した草鞋を工夫して編み直し、無駄な費用も切り詰める。 そんな孝助のもとに、父と名乗る男が現われ……。 ひたむきで実直な青年の姿が胸を打つ、人情と栄達の時代小説。
  • 皆ごろしの城 謙信を狙う姫
    3.0
    軍神を討て! 関東の覇権争いに巻き込まれた騎西城。 難攻不落の城が落ちた時、城主の娘の運命は――。 謙信の蛮行に復讐を誓う姫の生涯を描いた、歴史エンターテインメント! 武州騎西城は四方を沼に囲まれた、難攻不落の城――。この地は関東における上杉・北条の勢力境界線だった。 永禄六年(一五六三)、城主の小田家国が北条方に与し、激怒した上杉輝虎(謙信)が大軍を差し向けてきた。 奇策で沼を突破した輝虎は、籠城する六百名を次々と斬り捨てる。城主の娘月乃は、燃え盛る城を背に槍の名手五郎太と落ち延びる。 やがて月乃に復讐心が芽生え……。
  • 口出し屋お貫
    3.8
    「口入れ屋は商売だけど、口出しするのは性分なんで」 若き女主人と元花魁が、人にからまる糸を解く! 著者好評の江戸人情話、最新作! 二十七にして三度目の奉公先から暇を取ったおれんは、昔馴染みの口入れ屋を訪ねた。帳場には見慣れぬ小娘。 口入れ屋の主人と言えば、酸いも甘いも噛み分けた食えない年寄りが相場である。ただの留守番に違いない――が。 「あたしは先代時三の孫で、貫と申します。二年前にこの店を継ぎまして、今年二十二になります」 それぞれの奉公先を辞めた経緯を語らせるお貫に反発して、おれんは店を飛び出す。別の口入れ屋に断わられ、通りで再会した元の主人には不義理をなじられ、疲れ果てて戻った部屋には、お貫が待ちかまえていた……。
  • 斑鳩の地で ─聖徳太子の思い出
    -
    聖徳太子は、馬子が崇峻天皇を弑逆した東漢直駒を処刑する光景を悪夢として思い出しながら、この悪夢は果たしてどこから始まったのかと思索し、日本の歴史を思い出しつつ自らの人生を思い巡らせていく。太子を聖人として扱わず、時代を手探りで生きた不器用な人物として描きながら、後に仏に導かれた太子が、夢で馬子と対決し思想を昇華させていく意識を辿る小説。
  • 腫面
    -
    時は平安中期。戒定寺を乗っ取り、さらに殿上人となるため、あれこれと画策する豸恵と実仞。その野望の障害となる、清少納言の夫、橘則光の暗殺を企て、さらに藤原道長に近づくため、その妻に対して自作自演までして信頼を得ようとする。さて、豸恵らの野望は達成されてしまうのか。則光の命は、源頼信、高僧・治恵の運命は如何に! 最後に老婆の「腫面」顔になるのは誰?
  • 渦巻いて 三河牧野一族の波瀾 〈上巻〉
    -
    1~2巻1,144~1,320円 (税込)
    今川氏、松平氏(後の徳川氏)のはざまにあって、戦国の世を生き抜き、その後5つの近代大名・牧野氏の流れを輩出した「三河牧野氏」の100年に及ぶ壮大なる物語。一族はどのようにして勢力を広げ、城を築き、戦ってきたか、上巻・下巻に分けてお届けします。織田、豊臣のように誰もが知る人物ではありませんが、地元民でなくても、きっと興味深く読めること間違いなしです。
  • 黄塵の彼方
    -
    第二次世界大戦が終結したその日、北京の町中が青天白日満地紅旗で埋まった。やがて、日本軍の全部隊が武装解除すると北京城内は百鬼夜行の恐怖の町と化した。そんな時、無実の罪で投獄された日本人の男が獄中で出会ったのは、半白の頭をした日満混血の男だった。男の語った波瀾万丈の日々とは……。史実に基づいた緻密さと大胆な発想、流麗な文体で綴られた小説。
  • 士・黙示録 ─政宗が南蛮の天際へ放った、中世の〈はやぶさ〉─
    -
    慶長十八(一六一三)年九月、伊達政宗は支倉常長に密命を下し、宣教師ソテロとともに秘かに使節を奥南蛮(ヨーロッパ)へと送り出す。伊達の黒船〈サン・ファン・バウチスタ号〉は太平洋の嵐を乗り越え、見事ヌエバ・イスパニア(メキシコ)に到着。施設はローマ教皇との謁見にも成功したのだが……。全てを失った彼らに“復活”はあるのか。時代に〈黙殺〉された伊達・遣欧使節の不運!
  • 義妹にちょっかいは無用にて : 1
    3.7
    理世は長崎の商家から旗本家に嫁ぐために江戸に来て大平家の養女となった。大平家の三男、将太は子供時分は鬼子とも呼ばれる暴れん坊だったが今は手習所の師匠として筆子を教えている――二人は仮そめの兄妹になった。が、将太は〝 美しい妹にひと目惚れ〟してしまう! 苦悩しつつ想いを封印し、縁談を反故にされてひとりぼっちの理世を守ると決意する将太だが……。人気シリーズ『拙者、妹がおりまして』に連なる、新たなる兄妹の物語、いざ開幕!
  • ああうれしい
    3.7
    大好評「まんまこと」シリーズ、ついに第10弾! 子が生まれ、張り切る新米父の麻之助だが、相談事は待ってくれない。 悪友に妻たちまで巻き込み、 時に怠けながら、今日も果敢に揉め事を捌く! (※よく叱られます) * * * 〈あらすじ〉 「ふじのはな」 高利貸しの婚礼話。めでたい席の前に各所が荒れ模様に―― 「おとうと」 “町名主見習い”の義弟を手伝う麻之助は猫探しを相談されて 「ああうれしい」 “ああ嬉しい”と思わせて欲しい――って、それ町名主の仕事!? 「縁談色々」 縁談の相手探しを次々頼まれる麻之助。ふと見つけた妙案とは 「むねのうち」 与力の屋敷の台所で高価なかんざしが消えた。盗人はどこに? 「だいじなこと」 友人の家で病に倒れた麻之助は“何か”を忘れてしまった気が……
  • おやごころ
    4.0
    大好評「まんまこと」シリーズ第9弾。麻之助、ついに父に――! 前作でお和歌と婚礼をあげた麻之助。今作ではお和歌に男の子が生まれます。 お気楽者の麻之助もこれで少しはしゃっきりするだろうと、町の面々もほっとしてお祝いムード。 子どもの名前を考えながら、麻之助は今日も町の揉め事に立ち向かいます。 〈文庫解説〉 杉江松恋 たのまれごと  嫡男の悪行で家が滅ぶと愚痴る旗本だが、悪行は見当たらず…… こころのこり 大店から大事なものが失せるのは、ある芝居のせいだというが よめごりょう  妻のお和歌と結婚するはずだったと息巻く男が突然現れた 麻之助走る  妻が子を宿した麻之助。何かが気になり支配町を走り回るが 終わったこと  与力の娘につきまとう謎の男。麻之助は真犯人に辿りつけるか おやごころ  息子が生まれたばかりの麻之助の周りに親子の相談事が続々と 単行本 2023年5月 文藝春秋刊 文庫版 2025年4月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 人よ、花よ、 上
    4.3
    1~2巻1,999~2,200円 (税込)
    軍神と崇(あが)められる楠木正成を父に持つ正行は、戦なき世を求めて、北朝に降(くだ)る決意を固める。それは、楠木家こそ挽回の鍵だと頼みにしている南朝を滅亡に向かわせることに他ならないのだが……。朝日新聞連載の歴史巨編、待望の単行本化!
  • 表裏の旗 戊辰野辺地戦争秘聞
    -
    侍とは何か、忠義と何か、汚名を覚悟してなお生きる道とは  風雲の幕末期。大政奉還により誕生した新政府軍、旧江戸幕府を支持する奥羽越列藩同盟との間で板挟みになる弘前藩(現在の青森県西部)。軍備も思惑もばらばらな同盟軍が新政府軍に勝てるわけがない。だが新政府に恭順すれば他の同盟藩から攻撃される。混迷を深める政治情勢の中、頭脳明晰ながら人付き合いが苦手な弘前藩家老・西舘宇膳と、剣の達人、絵の名手として名高い藩士・小島左近。固い友情で結ばれた二人は、土地と民草の生活を守り抜くため、命を賭して奔走する……。  戊辰戦争の戦いの一つである「野辺地戦争」を材に取った歴史小説。電子オリジナル作品。 ●葛西伸哉(かさい・しんや) 1965年、青森県木造町(現・つがる市)生まれ。92年『ソードワールド短編集 スチャラカ冒険隊、南へ』収録の「かくもささやかな凱歌」でデビュー。98年から本格的な作家活動を開始し、シリアスからコメディまで多彩な作品を手がける。岸杯也(きし・はいや)の名義で手がけた『しゅらばら!』(MF文庫J)は全11巻を重ねるヒット作。
  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女
    3.8
    時代小説界最後にして最強の新人!  主人公・秋月六平太は、かつて信州・十河藩の供番(籠を守るボディーガード)を務めていたが、家中の権力闘争に巻き込まれゆえあって浪人となった。いまは裕福な商家の子女の芝居見物や行楽の付添い屋(これもボディガード)で身を立てている。  血のつながらない妹の佐和は、六平太の再士官を夢見て、浅草元鳥越の自宅を守りながら、裁縫で家計を支えているが、本人にその気はない。相惚れの髪結い・おりき、音羽界隈を取り仕切る毘沙門一家の菊次とともに、浮き草な日々を過ごしながら、付添稼業を続ける日々だ。  その六平太のまわりには、幸せになりきれないが、一生懸命生きている人たちの悩み事が今日も迷い込むのだった。妹・佐和の祝言までを描くシリーズ第一弾。「雨祝い」、「初浴衣」、表題作「留め女」、「祝言」の四話を収録。人情話ここにあり!
  • 手籠め人源之助秘帖 みだらくずし
    -
    兵藤三郎は貧乏御家人の三男坊。学問所で医術に秀でていた三郎は、町医者の鉄丸源斎から請われて養子となる。 だが、この源斎にはもうひとつの顔があった。彼は鉄魔羅の源――手籠め人という裏稼業を持っていたのだ。養父の死後、三郎は鉄魔羅の二つ名を継いで源之助と名乗る。 手籠め人の元締めである薬種問屋の女将・お美津から色事の手ほどきを受けた源之助。絵草紙屋の女将・香代、旗本の女剣士・雪絵と情交を重ね、経験を積んだ彼は、男と女の痴情のもつれを解きほぐす、手籠め人として江戸の闇の中への第一歩を踏み出すが……。 鬼才が放つ傑作時代エンターテインメント!
  • めおと旅籠繁盛記
    3.3
    無宿者と寂れた旅籠。奮闘の再出立物語!  やくざ者の下働きをして暮らす無宿者の直次は、ある日、賭場検めに現れた捕り方を誤って傷つけてしまう。もう、江戸にすら居場所はない……自らも重傷を負い朦朧としながら逃げてきた中仙道で、直次は追剥に襲われていた娘の危機を救う。  気を失った直次が目覚めると、そこは助けた娘・お路の両親が営む板橋宿の旅籠松丸屋だった。主人のお人好しが災いし、借金も抱える今にも潰れそうな松丸屋だが、その上、近頃は徒党を組んだ追剥が出没し、板橋宿全体が寂れ始めていると言う。  怪我の完治までせいぜい利用してやろうと決めた直次だが、穿鑿もせず受け入れてくれる松丸屋の居心地を、悪くないと感じ始める。提灯屋の若旦那・定之助をはじめ、余所者の直次を警戒する者も多いが、その働きぶりに少しずつ直次を認める住人も出て来た。  そんな折、いよいよ追剥被害が頻発。なぜ、板橋宿近辺ばかりが狙われるのか。直次は「最後の恩返し」として、道中奉行の命を受けた江戸四宿見廻り役・恩間満之助と共に解決に乗り出す。 全てを失った無宿者が旅籠を盛り立て、帰る場所を作ってゆく、奮闘の再生物語。 (解説・理流)
  • 風を紡ぐ
    3.8
    消えた花嫁衣裳と竹刀 不可解な盗人の正体とは―― 深川の縫箔(刺繍)屋・丸仙の娘、おちえの竹刀が盗まれた。 おちえの父が、ある大店のため縫い上げた花嫁衣裳にも不穏な影が忍び寄る。 剣の達人であった職人・一居でさえも、その気配に気づくことができなかった賊の意外な正体とは。 一方、おちえにも突然求婚者が現れて――大人気時代青春ミステリー〈針と剣〉、風雲急を告げるシリーズ第3弾!
  • 蒲生氏郷 信長に選ばれた男
    3.0
    信長に愛され、秀吉が怖れた。 信長の人質から92万石の大名に――時代の先陣を駆けた戦国武将! 信長に寵愛された勇将が見据えた「天下三分の鼎」とは? 近江国日野を治める領主・蒲生氏の嫡子・鶴千代(後の氏郷)は、齢十三にして織田信長の人質になる。 信長の側で戦いを学び、常に先陣を切る氏郷に、信長は娘の冬を娶せる。 織田家の重臣となるべく、阿修羅のごとく奮闘するが、信長は本能寺で討死。 その後、豊臣秀吉に仕え、伊勢松坂、奥州会津若松の礎を築いた猛将の生涯。 『蒲生氏郷』改題
  • 純忠 日本で最初にキリシタン大名になった男
    完結
    3.5
    当時、異彩をはなっていたであろう大名・大村純忠について、清涼院流水氏が7年の取材をもとに記した渾身の歴史エンタテイメント。 「人は、俺を人外と呼ぶかもしれぬ。だが、それが何であろう。」 歴史の闇に葬られたキリシタン大名の全貌が、今、蘇る! 信長より1年早く生まれ、戦国時代を生き抜き日本で初めて洗礼を受けた大名「大村純忠」(おおむら すみただ) ザビエル来日の前年に18歳で当主となり、数々の合戦を戦い抜き、長崎港を開き、領内の寺社を焼き払い、天正遣欧少年使節をローマに派遣した稀代の戦国武将、大村純忠の波乱万丈の生涯。
  • ばけもの厭ふ中将 戦慄の紫式部
    3.7
    時は平安。「今源氏」と噂される色好みの貴公子・雅平は、数々の女性と浮き名を流していた。恋文一つ返せないほど奥手な上総宮の姫君、廃屋での逢瀬を約束した昼顔の君など、今夜も恋人と甘い時を過ごすはずの雅平を、紫式部の祟りが襲う!? 『源氏物語』を思わせる怪事に次々と見舞われ、怪異好きの友人・宣能に、たまらず泣きつくが・・・・・・。大人気「ばけもの好む中将」シリーズ、待望のスピンオフ作品。恋を追いかけ、あやかしに追われるドタバタ平安怪異譚!
  • 楊花の歌
    4.0
    1941年、大阪松島遊廓から逃走して、日本占領下の福建省廈門に辿り着いたリリーは、抗日活動家の楊に従い、カフェーで女給として働きながら諜報活動をしていた。あるとき、楊から日本軍諜報員の暗殺を指示され、その実行者として、琥珀色の瞳と蛇の刺青が印象的なヤンファという女性を紹介される。ヤンファに惹かれていくリリーにとって、彼女と過ごす時間だけが生への実感を持てるひとときになっていた。しかし、楊から秘密裏に課されていた指令は、暗殺に失敗した場合はヤンファを殺せというものだった・・・・・・。戦時下を舞台に流転する女性たちの愛と葛藤を描く、圧巻の熱量を放つ第35回小説すばる新人賞受賞作!
  • 偽装同盟
    4.0
    日露戦争に「負けた」日本。 ロシアの属国と化した地で、男は、警察官の矜持を貫けるのか――日露戦争終結から 12 年たった大正 6 年。敗戦国の日本は外交権と軍事権を失い、ロシア軍の駐屯を許していた。3月、警視庁の新堂は連続強盗事件の容疑者を捕らえるが、身柄をロシアの日本統監府保安課に奪われてしまう。新たに女性殺害事件の捜査に投入された新堂だったが、ロシア首都での大規模な騒擾が伝えられ……。「もうひとつの大正」を描く、入魂の改変歴史警察小説、第二弾。
  • 布武の果て
    4.5
    永禄11年、織田信長が足利義昭を奉じて上洛する。貿易による富で自治を貫く堺の納屋衆、中でも今井宗久、千宗易、津田宗及は天下の趨勢を見定めようとしていた。納屋衆内では、新興勢力である信長に賭けることに反対の声もあがったが、次第にその実力を認めていく。一方、今井、千、津田は信長から茶堂衆に任じられ、茶の席で武将たちの情勢を探り、鉄炮や硝石の手配を一手に握るようになっていた。天正8年、石山本願寺を降伏させることに成功した信長の天下は、目前に迫っていた。しかし、徳川家康の腹心で一向宗徒の本多弥八郎が怪しい動きを見せはじめ・・・・・・。茶室を舞台に繰り広げられる、圧巻の戦国交渉小説!
  • みわがしろ 豊後府内城普請異聞
    -
    歴史の波間に埋もれた人柱伝説の真相とは? ある姫の数奇な運命を描く歴史物語 戦国末期、日向を追われ豊後に落ち延びた名門・伊東一族。 気高く優しい心と類まれな美貌で多くの人から愛される伊東家の姫・美夜、天正遣欧使節として世界を見た兄・虎千代(マンショ)、新たな地で信仰を伝える宣教師たち――権謀術数が渦巻く戦国の世で、誰もが懸命に生きていた。 そんな折、大地震と津波で被災した豊後府内で新城建設が始まると、工事の難航を理由に人柱が求められ……。 歴史の過渡期を生きた人々の祈りと決断、そして絆の物語。

    試し読み

    フォロー
  • 信長様と猿 小牧城から天下布武への思い出
    -
    織田信長との邂逅が運命を動かした——。 桶狭間の戦いや美濃攻略、そして信長の死。二人の運命が交錯する歴史の裏側には、どんな思いが隠されていたのか?「猿」と呼ばれた秀吉が激動の戦国を駆け抜けた、知られざる波乱と栄光の物語。

    試し読み

    フォロー
  • 言志録物語
    -
    江戸時代末期に誕生した語録「言志録」に触発され、人生の厳しさと美しさを学ぶ三人兄弟の旅を描く。貧しさや困難を乗り越え、各自が人生と向き合い、成長していく過程を繊細に、そして力強く描写する。読者に対し、自己反省と人生の価値を見出すきっかけを提供し、心温まる絆と真実の探求を通じて、感動と共感を呼び起こす。時代を超えて響く、生き方について深く考えさせる小説である。
  • 修羅奔る夜
    4.0
    女ねぶた師が彩る日本一の熱い夜! ねぶた師の兄が倒れたと聞き、紗栄子は急遽青森へ帰郷した。だがそこで見たのは、ねぶたに取り憑かれ、製作のために寿命を縮めようとしている兄だった。なぜそこまで――。兄を手伝う紗栄子だったが、いつしかねぶたに魅了されていて、女ねぶた師となることを決意。だが、資金や協力者、地元のしがらみが紗栄子の心を砕く……。日本で一番暑い日、一瞬の輝きを女ねぶた師が夜空に放つ。 歴史を紡ぐ稀代の小説家が日本一の夜を活写する!
  • 最古参の新選組隊士
    -
    時は幕末──讃岐高松藩浪人の子として生まれた蟻通勘吾は、「武士の矜持を守れ」という父の教えに従うべく京へ向かうが浮浪者同然となってしまい、小料理屋を営む後家のツネに拾われ男女の仲に。うどん打ちの腕が幸いして平穏な生活を手に入れたが、「新選組」の前身「壬生浪士組」が隊員を募集していることを知り、「武士としての職にありつける」と入隊を決意するのだが……。
  • 義経北へ ─純愛と悲劇の生涯─
    -
    その軍才と奔放な性格が兄・頼朝に疎まれ、邪魔者扱いされた源義経。危険を察知し京を脱出した彼は、北を目指し藤原秀衡を頼って奥州へ。しかし、鎌倉による追撃は厳しく、平泉は安住の地にはならなかった。どんな災難が襲おうとも、その愛ゆえに決して彼を見捨てなかった二人の女性、郷御前(正室)と静御前(愛妾)をも巻き込み、その運命は思わぬ方向へと転がってゆく──。
  • 織部の妻
    4.6
    織田信長に仕え、千利休に師事した古田織部。武人であり茶人としても名を遺した彼にはたったひとりの妻がいた。戦国武将・中川清秀の妹、仙。幼い頃に戦の混乱で家族と離れ離れになってしまった彼女は、叔父の城で少年高山右近と出会ったことをきっかけに、キリストの教えを心の支えとする。古田織部との政略結婚を通じて、二人は信長、秀吉、家康とめまぐるしく変遷する戦国の世を駆け抜けながら、共通する志を抱く夫婦となってゆく。二人が命と引き換えにしても守りたかったものとは──。
  • 女たちの本能寺
    4.0
    乱世に生きた女性たちの運命と実像 NHK大河ドラマ『麒麟がくる」で注目を集める明智光秀。 光秀は天正10年(1582)6月2日、織田信長を本能寺に討つ。 しかしその天下は、わずか11日で潰えた。 信長も光秀も滅び、羽柴秀吉が天下人となるのは周知のとおりだ。 では、この本能寺の変は光秀と信長を取り巻く一族の女たち――正室、側室、娘、妹の運命をどう変えたのか。また、彼女たちの知られざる側面と一次史料から分かった新事実とは。 信長の正室・濃姫は、ドラマで描かれるように本能寺で長刀を振るったのか。 光秀の正室・煕子は『明智軍記』の記述どおり坂本城で果てたのか。 徹底した史料吟味と現地取材で戦国時代の女性たちの実像に迫り、 女性の視線で乱世を見渡す画期的な1冊。
  • 新装版 海賊モア船長の遍歴
    -
    大冒険小説の傑作を新装刊 海賊が跋扈する17世紀末。 海賊討伐の命を受けて出帆するも自ら海賊船へと姿を変えた「アドヴェンチャー・ギャレー」号。 航海士としてこの船に乗り組み、やがて海賊船の船長となったジェームズ・モアは、ユニークで頼りになる仲間たちとともに大海原をゆく。 海賊としての輝かしい成果と数々の危機。痛快な大冒険。そして因縁の対決へ――。 1998年初版、傑作海賊冒険小説を新装版として刊行
  • 味ごよみ、花だより
    完結
    4.2
    小石川御薬園同心の岡田弥一郎は、同輩の佐々木六郎太に誘われ上野の小料理屋にやってきた。そこで弥一郎は、思わぬ人物に再会する。数日前、彼は、女性のお供を連れた老爺が道端で苦しんでいたのを助け、小料理屋まで運んだのだった。その時の女性が、目の前にいる時枝だった──。優しさを秘めながらも、言葉にできない弥一郎と、自らの苦境に耐え続ける時枝。二人の再会は偶然か、それとも運命なのか。書き下ろし時代長篇。
  • すずめのお師匠 身代わり与力捕物帖
    -
    草加冬吾は、手習い所・雀堂の師匠として子らに読み書きを教えている。ある日、深川で料理茶屋の手代が殺された。冬吾の兄で与力の紀一郎はさっそく科人を追うが、冬吾も町暮らしの身軽さを活かし聞き込みを手伝うことに。一方、彼は兄との関係に複雑な思いを抱えていた。二人は双子であり、それゆえ弟の冬吾は世間から隠されるようにして生きてきたのだ――。わだかまりに向き合いながら互いに助け合う、江戸の家族の物語。
  • 芝居茶屋たけの家味ごよみ 大根役者といかのぼり
    4.0
    行き遅れを心配されつつも両親の小茶屋「たけの家」を手伝っていたおなつ。ところが火事で父は亡くなり、母は寝込んでしまった。浅草猿若町に店を移して再起を図るが、他の店に出遅れた上、奢侈禁止の世とあってなかなか客が入らない。重責と不安に潰されそうな彼女だったが、不器用ながらも自分を励ましてくれる弟をはじめ周囲の支えに気付き、やがて店を背負う覚悟を固めてゆく――。美味しくて温かな新シリーズ、開店!
  • 仁王の本願
    3.5
    15世紀末の北陸加賀に「百姓ノ持チタル国」が建てられ80年。武士の支配を退け、民衆が自ら治める一向衆の政は、内外の戦に明け暮れるうちいつしか腐敗していた。織田信長や上杉謙信、朝倉義景ら強大な外敵に囲まれ、窮地に陥った加賀に現れたのは、「仁王」こと本願寺最強の坊官・杉浦玄任。加賀から越前、さらには日本全土に「民の国」を築くため、救いなき乱世で戦い続ける玄任の生き様をドラマチックに描いた意欲作!
  • 北条は退かず(上) 激闘、三増峠の戦い
    完結
    3.0
    全3巻1,320~1,474円 (税込)
    小田原城主・北条氏康の子として生まれた北条氏邦。幼くして政略により親元を離れ遠く北武蔵の藤田家へ養子に出された氏邦は、北条家の血に翻弄されていく。さらに武田信玄の脅威が迫ろうとしていた……。
  • 八ヶ嶽の魔神
    -
    日本の伝奇小説を大きく発展させたと言われる国枝史郎の三大伝奇長篇。かつて八ヶ嶽を舞台に、一人の姫をめぐる兄弟の対立。果てもなく続く一族の血塗られた歴史の発端だった。憎悪は憎悪を呼び、復讐は復讐を生む。山窩族と水狐族に分れて争う末裔たち。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 御家人風来抄(1) 天は長く
    -
    1~6巻495円 (税込)
    御家人の意地と生計のため、あらゆる仕事を引き受ける風来屋が剣を振る  貧乏御家人の緒方弥十郎は、美丈夫で剣の腕も確か。贅沢な母親を満足させるための風来屋稼業では、色恋がらみの用心棒や御家騒動の肝煎役、喧嘩の仲裁役と、様々な依頼が舞い込む。二晩、褥をともにしたおりょうが、謎の死を遂げた。別れ際に彼女が発した「後朝の別れでござんすねえ」の一言が気になった彼は、この言葉を手がかりに真相を調べ始める。表坊主の宗順、小者の也寿たちの手を借り、弥十郎が解明した真相とは? 巻末に「電子版あとがき」を追加収録。 ●六道 慧(りくどう・けい) 東京の下町・本所生まれ。今も長兄が実家で小さな小さな町工場を営んでいる。1988年、朝日ソノラマから『大神伝(1) ムーの大神』でデビュー。以来、ライトノベル、時代物、そして警察小説とジャンルを変えながら挑戦してきた。「継続は力なり」が信条。
  • 署長シンドローム
    3.7
    周囲から「変人」と言われながらも、数々の難事件を解決に導いてきた大森署署長の竜崎伸也。 そんな『隠蔽捜査』でおなじみの竜崎が大森署を去り、後任として、キャリアの藍本小百合がやってきた。 ある日、管轄内の羽田沖海上にて、武器と麻薬の密輸取引が行われるという知らせが入るーー新署長の手腕や、如何に?
  • 消えた狐丸 公家武者 信平(一)
    4.0
    公家大名として知られる実在の人物・松平信平の物語。公家から武家となった信平が、幕府転覆を目論む強敵を秘剣・狐丸で倒してから三年、愛妻・松姫、愛息・福千代との平穏な生活を送っていた信平だったが、命を狙われた松姫の心の傷は未だ癒えない。しかし、剣客を狙う辻斬りが出没していると聞いた信平の心に正義感が蘇る。封印した愛刀がついに鞘から抜かれるのか? 大人気・公家武者新シリーズ、講談社文庫より見参!
  • 夫には 殺し屋なのは内緒です
    3.6
    ごく普通の結婚をした隠密同心の嫁は、じつは優秀なアサシンだったのです!──待望の書下ろし時代小説シリーズ、スタート! 月(つき)は北町奉行・柳生久通の庶子。武芸に秀で、中でも殺しの才に恵まれていたため、柳生の一族は月を殺し屋に育て上げた。一方で久通は月を可愛く思い、隠密同心の花川戸要(かなめ)に嫁がせることにした。真面目で堅物なのが取り柄。そんな月のもとに夫には内緒で、今日も暗殺の指令が届いた……。
  • 若さま九郎と岡っ引弁慶
    -
    名門佐竹家につらなる大名の竹藤家。現当主である竹藤出羽守良房は、いま混乱の真っ只中にいた。跡継ぎの藤千代が原因不明の高熱におかされ、時を同じくして雪山から謎の若者が現れたのだ。 その若者、ほとんどの記憶を失っており、しかもおのれのことを源氏九郎義経……源平の世にいた悲劇の名将・源義経などと自称している。 ふだんであればそのような戯言、誰も信用はせぬ。放っておけばよいのだが、竹藤家にはちょうど年頃の合う、行方不明となったご落胤の若さまがいたのであった……。 大名家の支援を得て江戸に出てきた謎の若さまが、手下の岡っ引を弁慶に見立ててさまざまな謎に挑む。痛快娯楽時代の傑作シリーズ、ここに開幕!
  • 鳥刺同心 遅い春
    -
    定町廻同心・小鳥遊篤右衛門は息子に家督を譲って俳諧三昧の日々。宝永五年師走、煙管屋市兵衛の店に来た押し売りが猫殺しを企む。立て続けに篤右衛門の旧友・喜田屋庄兵衛が誘拐される――。生類憐れみ令を背景に策謀する犬目付・深見の真の狙いとは?
  • 日露戦争と雪原の騎兵隊
    -
    本書は日露戦争の勝利という明治期になしえた日本の奇蹟の物語であり、秋山好古が率いた騎兵たちの胸躍るドラマである。明治38年1月、騎兵旅団長の秋山が戦線に送り出した三つの挺進隊の奮闘を丹念に追った書。
  • 父よ子よ 風烈廻り与力・青柳剣一郎[67] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    剣一郎、父子の業を断ち、縁をつなぐ! その行脚僧は、満月の夜に起きる不審火を予言した。 五年余りも江戸をさまよう僧の真の狙いは―― 「月に魂を奪われた者が凶事をなす」五年前、胡乱な行脚僧の言葉に、風烈廻り与力・青柳剣一郎は戦慄した。 直後、百数十町を焼く大火が起きたのだ。そして今また、満月の夜に不審な火事が! 火盗改の強引な探索が進む中、剣一郎は行脚僧を捜すことに。そんな折、深川で小間物を商う男が刺殺される。 定廻り同心・植村の探索は、やがて剣一郎が追う事件と重なり……。
  • 火盗改・中山伊織<一> 女郎蜘蛛(上)
    -
    悪が慄く、鬼の火盗改長官。 今夜の敵は、凶賊一味。 果断な探索と苛烈な仕置きで、江戸の民を護る。 旗本先手組・中山伊織が火付盗賊改方長官を拝命し、江戸の治安維持に奔走しはじめた矢先、一軒の米問屋から火の手が上がる! 不穏な噂を感知しながら、伊織は押し込み強盗を防げなかった。一味の頭は、閻魔の藤兵衛。証人を残さぬ非道な犯行を二十年余りも重ねていた。伊織は賊の壊滅を誓うが……。 悪を憎む鬼面の下に、仏の心あり。火盗改の活躍描く傑作捕物帳。  【『女郎蜘蛛』改題作品】
  • 摘み草の里 千光寺精進ごよみ
    4.0
    江戸のはずれ、目黒の尼寺千光寺には、悩みを抱えた女たちが集まってくる。女同士話して聞いて、庵主の慈恵尼と野山を歩き、野山の恵みをいただくために。たやすく解決しない人生の難問に寄り添う、癒やし系書き下ろし時代小説、新シリーズ!
  • 銭売り賽蔵
    5.0
    金貨や銀貨を町人が普段使う文銭に両替する銭売り稼業。深川界隈で元締めとして銭売りを束ねる賽蔵は、幼なじみで小料理屋を営むおけいや仲間たちと力を合わせ、人々の暮らしの根元を高いこころざしで支えようと奮闘する。深川の人情に満ちた時代小説。
  • 騙された! おやこ相談屋雑記帳
    4.0
    妻・波乃、娘・七五三、愛犬・波の上の信吾一家に、新たな家族が加わる!?――将棋客の老人が、傷ついた烏を世話しているという。動物と話ができる信吾は興味を惹かれ、会いに行く。嫌われることの多い烏だが、そのカア助は・・・・・・(「烏がやって来た」)。岡っ引の権六親分とその息子・吾一の心温まるお話や、ある日突然一家ごと姿を消した幼馴染との逸話など全四話。落語的な話芸を楽しみながら、やがてじんわり、ホロリとさせられる人情もの。なぜ本書が「騙された!」と題されているのかは、全て読み終えてのお楽しみ!!
  • 初瀬屋の客 狸穴屋お始末日記
    3.2
    断ち切れぬ相手への想い。繋がる縁もわかれ縁も―― 人情時代小説の名手が描く江戸の離婚模様 〈離婚調停のスペシャリスト〉たちが営む公事宿、狸穴屋。 自らも亭主に三下り半を突きつけた絵乃が立ち向かう次なる難題は――? ◎収録作品 祭りぎらい…浅草三社祭りが離縁の種に!? 三見の三義人…200年前、質に入れられたのは「海」だった 身代わり…訴えられたのはなんと、評定所のお偉方 夏椿…離縁を承知しない夫に嗅がせた妙薬とは? 初瀬屋の客…公事師の娘の頼みは、「客の後をつける」こと 証しの騙し絵…30年前に別れた夫が町へ戻ってきたらしい。狙いは?
  • 鄙の国
    -
    遺跡の発掘を媒介にして、奈良時代と現代とを往き交う歴史小説。奈良時代当時に、権勢をふるっていた藤原仲麻呂の力添えで、東国『鄙の国』へ国守として赴いた山口沙弥麻呂だったが、藤原仲麻呂の乱によって、沙弥麻呂もまた歴史の中に消えていく……。そして、当時の遺跡が発掘された現代では、その遺跡の保存と工場誘致をめぐって、市政が揺れていた。
  • ヲガタとイマムラ
    -
    朝日新聞編集局長のヲガタと日本陸軍大佐のイマムラ。二人が初めて出会ったのは満州事変が起こる直前であった。太平洋戦争、終戦、日本の独立とめまぐるしく歴史が動くなか、言論人のヲガタと軍人のイマムラはそれぞれの立場で激動の運命をたどっていく。片や内閣国務大臣、片や戦犯裁判の被告。戦後再会した二人は何を語ったのか? 現代史の深層を克明に探っていく。
  • 旗本改革男
    5.0
    令和のサラリーマンだった「俺」は、江戸住まいの旗本八男坊・徳山安十郎として生まれ変わった! 安十郎は、とても早熟な若者として成長する。その好奇心のおもむくまま、『解体新書』を著す前野良沢や杉田玄白らと交流し「本所の麒麟児」として評判になる。やがて、御三卿・田安家の七男・賢丸(後の松平定信)の命を蘭学(と未来の知識)を駆使して救ったことで幕府からも注目される。しかし、類稀な異才を警戒する権力者たちの魔の手も忍び寄ってきていた――。 八男坊は 本所の麒麟 令和の知恵で 江戸を糺す!? 装画/おおさわゆう 装幀/二見亜矢子
  • 幸村を討て
    4.5
    徳川家康が最も恐れた男、真田幸村の謎に迫る! 「歴史ミステリとして、そして本格ミステリとして、実に優れた一作」 ――大矢博子(解説より) 徳川・豊臣両家や諸将の思惑が交錯する大坂の陣。 亡き昌幸とその次男幸村――何年にもわたる真田父子の企みを読めず、翻弄される東西両軍。徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永、ついには昌幸の長男信之までもが、口々に叫ぶ。「幸村を討て!」と……。戦国最後の戦いを通じて描く、親子、兄弟、そして「家」をめぐる、切なくも手に汗握る物語。 『塞王の楯』「羽州ぼろ鳶組」シリーズの熱さと『八本目の槍』の緻密な叙述を兼ね備え、家康を「探偵役」に紡がれた、単行本時各紙誌絶賛の傑作歴史ミステリーが待望の文庫化! 【目次】 家康の疑 逃げよ有楽斎 南条の影 名こそ又兵衛 政宗の夢 勝永の誓い 真田の戦 解説 大矢博子 〈大坂の陣410周年〉
  • 克己
    -
    守られた権益か、勝ち取る未来か 今や、海外から日本人のメンタリティーと誤解されている、切腹や、戦前の価値観では美徳とされた『死を持って失敗の責を償い』それを命じた権威。その考えや行為、その存在の愚かさを彼は、この時代に既に喝破し、故に、参集してきた若者に説きたかったのだろう。(本文「克己」より)

    試し読み

    フォロー
  • 恋する女帝
    4.0
    奈良の都、最大の醜聞 女帝×「日本三悪人」道鏡――許されぬ恋の真相は? 天平文化華やかなりし世に即位する孝謙天皇(のちに称徳天皇として重祚)は、「奈良の大仏」造立で知られる父・聖武天皇の後継者として、21歳で史上唯一の女性皇太子となった。皇位継承後、近臣・藤原仲麻呂に支えられ治世は安定しているかと思われたが……。 平城京が騒然とした皇室スキャンダルと、天智天皇以降の皇統の謎を解き明かす、中山義秀文学賞受賞第一作。 「女帝はみな、わが腹を痛めた子への橋渡しとして、帝の役目を果たしてきた。しかし、朕は違う。朕は朕のために玉座につく。この国で初めておのれのための女帝となる」(本文より) 【目次】 序章 神託 一章 うるわしの姫天皇 二章 弓削から来た禅師 三章 奴を王と呼ぶとも 四章 大枝の里の刺客ども 五章 東の国の空の下
  • 日本橋恋ぞうし おるうの嫁入り
    -
    武家出身の美鳥は、実家の三津瀬家を助けるためにおるうと名を変えて身分を偽り、骨董商を営む佐久良屋に嫁入りをする。夫の燕七は端整な顔立ちで優しい性格だが、なぜかおるうには遠慮がちで冷たく接する。ある日、店先に現れた乱暴者をおるうは小太刀術で懲らしめる。奉公人を救ったことで、店に馴染んでいったおるうは、おかみとしての新生活を歩み始める――。訳あって結婚した夫婦が心を通わしていく様子を描いた、恋愛時代小説。
  • 虎の城 上
    4.0
    2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」主人公・豊臣秀長に仕え、戦国を生き抜いた武将 藤堂高虎の波乱の生涯 七度主君を変え、武勇と知略でのし上がった男 戦国の世、近江から立身出世を夢見て浅井氏に仕えた藤堂高虎は、その巨躯と槍働きで活躍するも、正当な評価を得られず悶々とした日々を送っていた。やがて主人を幾度か変えた高虎は、織田信長の台頭で天下の趨勢が見えてきた頃、羽柴秀吉の弟・秀長に見出される。運命の主君に出会った高虎は秀長のもとで算用や築城術を習得、自らを変革し徐々に名声を高めていく。だが頭角を現わしていた秀吉の側近・石田三成と対立を深め……。
  • 桃中図 自選短篇集
    4.0
    人生のせつなさ、ふしぎさ 生きること、生かされること。そのせつなさ、不思議さが、よみがえる……。宮城谷昌光が傘寿を迎えて自ら選んだ中国歴史小説の珠玉。 【収録作品】 桃中図 歳月 指 布衣の人 買われた宰相 侠骨記 宋門の雨(単行本・文庫未収録作品) 花の歳月
  • 松の露 宝暦郡上一揆異聞
    -
    浪人の奥津慶四郎は、郡上領で年貢算定法が変更され、領民が重税に苦しむさまを知る。村を代表する惣次郎を慶四郎は助け、領主の金森頼錦の非道を江戸に訴えるが、頼錦はさらなる圧政で人々を苦しめる。慶四郎は惣次郎が命を賭してとる最後の手段を見届け…… 朝日時代小説大賞と小説野性時代新人賞を受賞した実力派が描く渾身の歴史時代小説!
  • 威風堂々(上)-幕末佐賀風雲録<文庫版>
    4.0
    天保九年。佐賀城下にひとりの男子が誕生した。幼名を八太郎、後の大隈重信である。藩主鍋島直正に、その才能を見いだされ、同じく熱い志を持つ仲間たちと、激動の幕末へ乗り出した重信。西郷隆盛や坂本龍馬をはじめ、錚々たる志士たちと巡り会い、佐賀、そして日本の未来のために奔走する! 近代国家日本の礎を築いた偉人の生涯を描く歴史巨篇。
  • 天地震撼
    3.8
    時は戦国時代中期、東国では武田、上杉、北条が、畿内では織田信長が、領国支配を広げていた。自らの死期が近いことを悟った信玄は、自身の死後も武田家を安泰とするために、甲斐国を出陣し、徳川領への侵攻を開始する。それを察知した家康も、同盟を結ぶ信長に援軍を要請しつつ、戦国最強の武田軍団と戦うことを決する。西へ西へと着実に歩を進める信玄だったが、残された時間はあまりに短く、やがて息子の勝頼や重臣たちにも明かさない、ある決断をするのだった――。
  • 夢燈籠-野望の満州
    4.2
    歴史小説の第一人者が描く、明治男の一代記。関東大震災、二二六事件、満州国。激動の時代を背景にした傑作大河小説、第一部、開幕!
  • 和算入門 江戸の算数ものがたり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 算術は剣より強し!? 若き日の新選組の斎藤一の兄・公明は、剣術の腕はてんでダメ。だが、得意の算術で人々のさまざまな悩みを解決していく。幕末江戸の痛快人情話。
  • 「江戸の御庭番」シリーズ【全7冊合本版】
    値引きあり
    -
    江戸の隠密仕事専任の御庭番・倉沢家に婿入りした喬四郎。着任早々、八代将軍徳川吉宗から、神田に現れた盗賊・牛頭馬頭の始末を命じられる。嫁の佐奈と仮祝言を上げたのも束の間、喬四郎は探索に乗り出した。盗賊の隠れ家はなんと武家屋敷。背後に潜む者を感じた喬四郎は、次の押し込み先で盗賊頭の義十をわざと逃がし、真相を曝くために後を追うが、義十は謎の武士に斬られてしまう――。息を呑む展開とアクション。時代劇の醍醐味が詰まった傑作時代シリーズ! ※本電子書籍は「江戸の御庭番」シリーズ全7冊を収録しています。【収録作品】『江戸の御庭番』『源氏天一坊』『忍び崩れ』『富籤始末』『はぐれ忍び』『首一つ』『裏切り』
  • ながい坂 合本版
    -
    山本周五郎の長編の歴史小説。合本版で一気に読める。「人間の一生は勝ち負けではないし、仮に勝ち負けがあるとしても、死んでからでなければわからない」藩政を握ろうと企む六条一味との対決はついに頂点に達する。平侍の三浦主水正は幼少時近所の橋が壊され蔑まれたことで世の中に立ち向かう決心をする。学問武芸に精進しついに藩主に見いだされるが、彼の苦悩は続いた。硬直した権力支配とそれを支える御用商人たち。片や藩政改革に燃える若き藩主。常に実直で前向きな主人公に心打たれる。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 侠

    4.1
    かつては名うての博徒、今や寂れた蕎麦屋の銀平。最期に挑むは自らの生を賭した大博奕。人生の黄昏に涙する、時代小説の新たな傑作! 文庫シリーズ『落としの左平次』も大好評の著者、第26回大藪春彦賞受賞作! たとえ落ちぶれようと、塵芥のように死んだとしても、一生懸命に生きたという事実は変わらない。ちっぽけな存在でも、誰かのために命を燃やすことができる。ひとりの男の生涯を通じて、作者は人間の生きる意味を謳い上げているのである。 細谷正充(書評家)――本書解説より
  • 漆花ひとつ
    4.5
    変転する時代を生きのびろ! 平安末期、貴族の世から武士の世に時代が移ろうとする都を舞台に、権力者に翻弄されながらも懸命に生きる人々 の姿を描く。 二十二年前に討たれたはずの悪対馬守が二人舞い戻り、「我こそが本物」と衝突する表題作、内裏に勤める楽人が琵琶の達人を帝の師に迎えるため奔走する「鴻雁北」など至高の五編収録。 必死に足掻いて生き続けるのさ。この国の政がどうあろうともーー。 宮廷を覆う不穏な影。 猛き者たちの世へ時代が移ろう中で、滅びゆくものと、生き続けるもの。 歴史小説の一等星、澤田瞳子が描く至高の短編集。
  • 熊田十兵衛の仇討ち〈新装版〉 人情編
    3.5
    盗賊・雲霧仁左衛門の子分である州走の熊五郎に、目明しの夫を殺されたお延。ある日、お延の茶店に旅の男がやってきて、お延はその男を泊める。やがてふたりは深い仲になるが、お延は男の体の特徴が逃走中の熊五郎とそっくりなことに気づき……(「熊五郎の顔」)、敵もちの小平次は、旅籠で出会ったあばた面の浪人の名を名乗るようになるが……(「あばた又十郎」)など、傑作短編五編を収録。
  • 新・若さま同心 徳川竜之助 : 1 象印の夜〈新装版〉
    -
    田安徳川家の御曹司の身分を隠し、持ち前の機転と練達した剣の腕によって江戸の町を守る見習い同心、その名は徳川竜之助。頻発する辻斬りを捕らえなければならないはずが、同心たちがフグの毒にあたって壊滅状態の南町奉行所で、ひとり無事な竜之助は一手に調べを引き受けることに。しかし、そんな時に限って、象に踏まれたそば屋の死体が見つかったという奇妙な報せが舞い込んできた。果たして竜之助は、続発する奇妙な事件をたったひとりで解決することができるのか? 傑作時代小説シリーズ続編、新装版で堂々登場!
  • 貧乏神あんど福の神
    4.0
    売れない絵師の家に 厄病神が同居!? 貧乏で災難続き、 おまけに事件まで…… 大名家のお抱え絵師だった葛幸助は、 今、大坂の福島羅漢まえにある 「日暮らし長屋」に逼塞中だ。 貧乏神と呼ばれ、筆作りの内職で糊口を凌ぐ日々。 この暮らしは、部屋に掛かる絵に封じられた 瘟鬼(厄病神)のせいらしいのだが、 幸助は追い出そうともせずに呑気に同居している。 厄病神が次々呼び寄せる事件に、 福の神と呼ばれる謎の若旦那や丁稚の亀吉とともに、 幸助が朗らかに立ち向かう。 (書下し痛快時代小説) 第一話 貧乏神参上 素丁稚捕物帳 妖怪大豆男 第二話 天狗の鼻を折ってやれ

最近チェックした作品からのおすすめ