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「鬼の河原(かわはら)」と皆が恐れる同心の河原小平次(こへいじ)には秘密が二つある。甘い菓子にはめっぽう目がなく、じつは幽霊が大の苦手。「この家には幽霊がいます」と家賃の値下げを迫る店子の僧侶・蒼円に、秘密を二つとも見破られた小平次は、それが人知れず殺された女の霊と知り、蒼円の推理を元に下手人を探し出す――。異能を持つ美貌の僧侶と、強面だが心優しい同心が、市井の謎を解く大江戸人情推理帖。(解説・恩田陸)
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Posted by ブクログ
強面の同心と、幽霊が見える僧侶。『弟を助けて』幼馴染に訴える、事故死した大店の主人の幽霊。彼の弟を救うため動き出すが…幽霊を上手く取り入れた、ストーリーも魅力的なミステリ。真面目な小平次とちょっとイケズな蒼円のバディも最高! サブタイトルが『坊主と同心、幽世しらべ』なので、オカルト色が強いかと思った...続きを読むら、なかなかガチのミステリだった。謎、キャラクター、ストーリー、どれもめちゃくちゃ好み。何とぞ続編を!!!
無口さと顔面の怖さから鬼瓦になぞらえ「鬼の河原」と称される河原小平次同心。 彼の貸し長屋に飄々とした風変わりな坊主・蒼円が住み始めたことから小平次の日常は一変する。 蒼円はなんと、小平次が大の苦手な幽霊を見ることが出来るのだ。死者の声を聞いて未解決事件の謎を解く、心優しい強面同心と美しき坊主コンビの...続きを読むお江戸人情推理帖。 本当の自分を捨てることなどできない、みんな隠してそのまま忘れているだけ。本当の自分を思い出すためのものを、心に一つだけ持っておくといい。 作中でのこの蒼円の台詞が妙に印象的でした。実際に、作中で巻き起こった騒動はみな、自分を見失った瞬間に起きたことだからかと。きっとこれが話の核なのでしょうね。 あらすじに「人情推理帖」とあっただけに、まさに人情が交差し時に涙し時に前を向く2時間ドラマのようなストーリーでした。 話の核は事件だけのものだけではなく、主人公コンビの関係性までもを表していてまぁーー大変エモかったです。 ものすごくはっきりとした伏線があったので大体の予想はつきました。しかし、きちんと本人の口から詳細を語ってもらえるとは。 少々説明しすぎかなと思う気もしますが、人情ものの醍醐味なのかもしれません。
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鬼にきんつば―坊主と同心、幽世しらべ―(新潮文庫)
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笹木一
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