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まんぷく旅籠 朝日屋 ぱりとろ秋の包み揚げ
お江戸日本橋に、ちょっとワケありな旅籠が誕生!? 料理屋「夕凪亭」の娘ちはるは、雇われ人の裏切りで両親と店を失い、長屋でひとり借金苦に喘いでいた。そこに元火付盗賊改の工藤怜治が現れ、借金を清算してしまうと、日本橋室町に新しくできた旅籠「朝日屋」を手伝うようちはるに迫るが、ちはるには素直に頷けない事情があり……。 お腹も心も満たされる「朝日屋」の物語、ここに開店! ●主要登場人物● ちはる――17歳。いまはなき料理屋「夕凪亭」の一人娘 工藤怜治――28歳。朝日屋の主。元は腕利きの火付盗賊改で熱血漢 慎介――54歳。朝日屋の料理人頭。朝日屋の前身である料理屋「福籠屋」の主で、料理の腕前はピカイチだったが…… たまお――31歳。水茶屋の茶汲み女。外見はおっとりしているが、客あしらいがうまい。過去に悲惨な事件を経験している 綾人――16歳。乙姫一座の女形。かつての奉公先で事件に遭い、怜治に救われた過去を持つ 慈照――27歳。眉目秀麗な「天龍寺」の住職。幼い頃からちはるに目をかけている。甘党 柿崎詩門――24歳。火付盗賊改で、怜治の元同僚。怜治と違い、品のいい優男だが有能 -
深川二幸堂 菓子こよみ
「餡子だけじゃつまらねぇ。菓子を作れよ、孝次郎―」 深川で菓子屋「二幸堂」を始めた兄・光太郎と弟・孝次郎。 ほんのり甘酒香る薄皮饅頭「斑雪(はだれゆき)」、桜の花弁を模した上生菓子「恋桜(こいざくら)」、黄身餡が贅沢な「天道(てんとう)」と十四夜の月の如く控えめな甘さの「幾望(きぼう)」、柳の青葉が風情涼やかな錦玉羹「春の川」、薄紅色の白餡大福「紅福(べにふく)」。 ―不器用な職人・孝次郎の作るとびきりの菓子が、人と人を繋げ、出会いをもたらし、ささやかな幸福を照らし出す―。 江戸の菓子屋を舞台に描かれる、極上の甘味と人情と、つたない恋。兄弟の絆と店を支える人々の温かさに心震える珠玉の時代小説! -
潜入、諸国廻り 鬼の首を奪れ
将軍家斉の御落胤・飛川角之進。 彼は諸国悪党取締出役を任ぜられ、各地にはびこる悪人を、 補佐役の春日野左近と手下の草吉とともに退治している。 若年寄の指示で、みちのくの小藩・陸中閉伊藩に向かった角之進たちは、不穏な噂を耳にする。 この地は、もともと鬼の棲み処だというのだ。 おまけに、一昨年くらいから、藩主の顔を見たら、目が潰れるとまで、領民たちに言われていて……。 書下し痛快時代小説。 【目次】 第一章 江戸出帆 第二章 釜石まで 第三章 鬼伝説の地 第四章 城下潜入 第五章 山城へ 第六章 御前試合 第七章 攻防戦 第八章 念彼観音力 第九章 光と闇の戦い 第十章 最後の砦 第十一章 それぞれの味 終章 次なる雲 -
駆け込み船宿帖 ぬくもり湯やっこ
極上ご飯は新たな人生を歩ませる力となる。 江戸深川に建つ船宿「山谷屋」の主・志津は、微笑をたやさない童顔がお地蔵さんめいた十八歳。 六年前に死んだ父の跡を継いで、たった一艘しかない船をやり繰りしながら、大叔父の捨蔵と宿を営んでいる。 そんな山谷屋に、鼻筋の通った二十歳の船頭・百助が、川面に浮かんでいた若い女を慌てて担ぎ込んできた。 志津が作った貝柱の出汁で煮込んだ粥で、生気を取り戻した女は、「どうしておとっつぁんは、あんな目に遭わされてまで、『怨らんじゃならねぇ』だなんて言うの……きっと仙蔵に復讐してやる」、そう呟いた――。 おみねと名乗る女に、いったい何があったのか? 志津と捨蔵、そして百助は、手をかけた料理と知恵を絞った妙策で、おみねを絶望の淵から救おうと奔走する。 世話好きの三人をよく知る同心の後藤多一郎から助太刀を得たものの、最大の危機が訪れた! 「辛い過去を背負った客を癒し、新しい人生への船出を手伝う、温かい船宿」山谷屋にかかわる、輝く人々を描く、感動の文庫書き下ろし連作時代小説。 -
広島の二人 人間愛を無慈悲に打ち砕く原爆の悲劇
★広島県知事・湯崎英彦氏推薦 一瞬にして多くの生命と暮らしを奪った原爆投下。 しかし、その広島から時代や国籍を超えた 人間愛の物語を生み出す 『作家の想像力に心が震えた』 ■広島の二人 友情を無慈悲に打ち砕く戦争と原爆の悲劇 脚本家・菊島隆三から未発表脚本「広島の二人」を託された保坂延彦が、 脚本の後日談となる「ミツ子の物語」も加えて小説化。 「8.6」を心に刻み、 受け継ぐ人々の姿を、時に切なく、時に逞しく描く。 1945年8月広島。 捕虜となった米国兵アーサーは、持ち前の反骨心により藤田軍曹と常日頃から対立していた。 一方の藤田は、捕虜生活の中でも誇りを失わないアーサーに対し、内心では秘かな敬意を抱いていた。 だが、藤田の内心を知らないアーサーは、かねてから画策していた脱走計画を実行する アーサーの身を案じ、単身で追跡する藤田。 二人の奇妙な旅路はやがて奇妙な友情を生む。 しかし、そんな二人の頭上から、敵味方を問わない無慈悲な黒い雨が降る。 そして数十年後「広島の二人」の物語が再び始まる。 ■著者 保坂延彦(ほさか のぶひこ) 映画監督・脚本家・小説家 1945年山梨県身延町生まれ。 明治大学文学部卒 「アフリカ物語」 80で監督補、総編集を経て監督デビュー。 斬新な映像感覚は80年代のヌーベルヴァーグとも評された。 (主な作品)「父と子」「愛しき日々よ」「国士無双」「そうかもしれない」「潜伏」の脚本・監督。 その他、ドキュメンタリー、アニメーション作品等を多数創作し独自の世界観に評価が高い。 ■原案 脚本家 菊島隆三(1914~1989)(後にシナリオ作家協会により菊島隆三賞創設) 黒澤映画にも多数脚本を執筆し、日本映画遺産となる代表作品を生み出し海外からも高く評価されている。 菊島隆三作品は、時代や国境を超える普遍性を持っており、 国内外の映画やドラマのリメイク作品として多数製作されている。 ■原案 脚本 安藤日出男 -
襲来
安房国の港町・片海で漁師をしていた見助は、京の寺々に遊学していたという僧侶と出会う。僧はやがて日蓮と名を改め、鎌倉の松葉谷に草庵を構えて辻説法を始める。見助も鎌倉まで従い、草庵で日蓮の身の回りの世話をするようになる。その後日蓮は、他宗派への攻撃を強め「立正安国論」を唱える。幕府がこのまま邪宗を放置し法華経を用いなければ、国内の災難が続き他国からの侵略を受けると主張した。そして見助は日蓮の予言に伴い、九州の対馬に一人で赴くことになる。日蓮の目となり耳となるために。鎌倉から京の都までは陸路、京から博多さらに壱岐・対馬までは海路だ。遥か遠国の地への、見助の苦難の旅が始まった。 -
新地奉行 太田太田太
上から読んでも下から読んでも、太田太田太──。人を食ったような名であるが、この男、歴とした直参旗本の書院番士である。そんな太田太が出役として「新地奉行」へ配転となった。新地奉行とは屋敷改とも言われ、江戸市中の屋敷の所在地、坪数、相続などを調べ、届出を諸屋敷帳に記すのがお役目である。そして、その記録を残すために、どこのどんな屋敷にも立入り御免という役得があったのである。大名家や旗本家も例外ではない。宏大な屋敷でも新地奉行の検めは行なわれた。だが正義漢の強い太田太は、家に隠された重大事の匂いをかぎ取る。闇の空間に悪事の証を見つけ出し、目上の者でも迷わず成敗する特命奉行。その活躍を描く期待の新シリーズ! -
円也党、奔る 光秀の忍び
稀代の大うつけ・織田信長を天下人に! 戦国版「スパイ大作戦」ここに開幕! 智将・明智光秀が抱いた無謀ともいえる野望を叶えるべく、 天下無双の忍びたちが暗躍する! 書き下ろし時代活劇。 元亀三年(1572)秋。 織田信長は、小谷城で籠城を続ける浅井、朝倉連合軍を攻めあぐねていた。 織田家家臣の明智光秀は、朝倉に兵を引かせるため、 密かに円也党一味を朝倉の国許越前へ向かわせる。 かつて越前で牢人生活を送った時に知己を得た遊行僧百鬼円也率いる忍び集団だ。 念仏踊りで敵を惑わす一舎、 催眠術を操る茜、 怪力の妙林坊、 美丈夫の来栖…… 一味は国内を攪乱すべく動き出す。 -
殉国 陸軍二等兵比嘉真一
14歳の少年は、何を見たのか。 少年の体験を通して、すさまじい沖縄戦の実相をつぶさに描いた長篇小説。 「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」 太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。 実在の人物の体験を、ことこまかに聞きとり、特異な事実をそっくりそのまま写し取った外面的リアリズムが、読む者の胸を強く打つ。 1991年に刊行された文庫本の新装版。元本は、累計102000部のロングセラー。 解説・森史朗 ※この電子書籍は、1911年11月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。単行本は1982年6月に筑摩書房より「陸軍二等兵 比嘉真一」として刊行されました。 -
突きの鬼一 春雷
秘術を尽くす忍び!迎え撃つ“秘剣滝止”! 北山城下の寒天問屋から多額の賄賂を手にしていた江戸家老・黒岩監物がついに牙をむいた。次男・重二郎を溺愛するあまり、監物と手を組んで嫡男の一郎太追い落としを謀っていた桜香院が翻意したと見るや、忍びの棟梁・東御万太夫に殺害を命じたのだ。これまでの恩讐を越え、少しは母と心が通い合うようになった一郎太は江戸屋敷に桜香院を訪ね、監物の不穏な動きを耳に入れる。時あたかも、国元より「重二郎の一粒種・重太郎が病に倒れた」の報に接した桜香院は、取るものも取りあえず江戸を後にする。陰ながら桜香院一行を警固する一郎太と、竹馬の友にして国家老・神酒五十八の嫡男・藍蔵。その後を追って、隙あらばと機を窺う万太夫。さらに一郎太の身を案じ、慌ただしく旅装を整え、北山に旅立つ正室・静。昼九つ近く、一行は甲州街道布田五宿に差し掛かった。指定の御膳所で昼食を摂るはず、と読んだ一郎太は、思い当たった善桐寺に先回りする。間一髪、敵の魔の手を防いだ一郎太だったが、それは御嶽山麓の隠れ里で待ち受ける万太夫との死闘の始まりにすぎなかった!?大好評書き下ろし痛快時代小説第6弾。突きの鬼一シリーズ前半のクライマックス! -
信長・秀吉・家康 天下人の夢
危機の時代、真のリーダーの戦略と決断とは!? 〈戦国〉の第一人者が三人の覇者を語り尽くす! 英傑の天下取り戦略とは?戦国の新常識がわかる! 戦国時代を終わらせた、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら三人の英雄の戦いや政策、人間像を、『下天は夢か』など「夢」三部作で戦国小説の第一人者となった津本陽と、多くの大河ドラマの監修を務める歴史学者・二木謙一との対談で解き明かす。「長篠の合戦」「本能寺の変」「関ヶ原の戦」など歴史的事件も詳細に解説、図版も多数収録。戦国ファン必読! 目次 第一章 織田信長 辛抱強かった若き日の信長 信長のリーダーシップ 信長の人材活用術 信長の派閥対策 信長の経済政策 信長流部下の使い方 信長の宗教政策 信長の演出力 信長必勝の戦略 第二章 豊臣秀吉 秀吉の読心術 秀吉流金の使い方 秀吉の使われ方 秀吉による人の動かし方 黒田官兵衛の引き際 第三章 徳川家康 家康の経験値 家康のナンバー2活用術 二代目、三代目の甘さと徳川家 ◎CLOSE UP 戦国合戦・戦国時代 桶狭間の合戦 楽市・楽座 本能寺の変 信長の親衛隊 一向一揆と石山合戦 長篠の合戦 安土城 木津川口の合戦 山崎の合戦 高松城水攻め 戦国の軍師 九州の関ヶ原 三方ヶ原の合戦 小牧・長久手の合戦 関ヶ原の合 -
まぼろし成敗
勘定奉行の配下として関八州を巡回し、治安の取り締まりにあたる関東取締出役。通称「八州廻り」の一人・藤掛右京には、もうひとつの顔があった。役目で訪れた各地の料理を仕入れ、江戸・平川天神裏に開いた小料理屋「八味」で客に振る舞う包丁人でもあったのだ。その裏の顔を知るのは同僚で画芸の得意な江坂三十郎と「八味」の料理人・佐吉だけ。そんな右京と三十郎に、相州(神奈川県)を荒らし回る盗賊・追手風の甚兵衛捕縛の命が下った。右京と三十郎は大磯と大山の二手に分かれて探索に当たるが、彼らを待っていたのは、敵の仕掛けた思わぬ罠だった…。傑作長編時代小説、シリーズ第一弾。 -
100%ムックシリーズ 完全ガイドシリーズ288 東京&京都 魔界地図 完全ガイド
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 東京と京都の闇と歴史を 写真と地図で巡る!! 日本を代表する都市、東京&京都。 歴史あふれる二大都市には、令和の今になってもモノノケや怨霊がいっぱい! ビルの合間に佇む恐怖のスポットや歴史ある遺物に残された身も凍るような逸話の数々をご紹介していきます。 コロナウイルスに負けない寺社仏閣情報や魔界に詳しい達人のインタビューなど、内容も大充実。 東京と京都の魔界スポットが一目でわかる大判マップ付きです! -
童の神
「世を、人の心を変えるのだ」「人をあきらめない。それが我々の戦いだ」――平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。彼らは鬼、土蜘蛛……などの恐ろしげな名で呼ばれ、京人(みやこびと)から蔑まれていた。一方、安倍晴明が空前絶後の凶事と断じた日食の最中に、越後で生まれた桜暁丸は、父と故郷を奪った京人に復讐を誓っていた。そして遂に桜暁丸は、童たちと共に朝廷軍に決死の戦いを挑むが――。差別なき世を熱望し、散っていった者たちへの、祈りの詩。 第10回角川春樹小説賞(選考委員 北方謙三、今野敏、角川春樹 大激賞)受賞作にして、第160回直木賞候補作。 -
三島屋変調百物語 おちか編5冊合本版 『おそろし 三島屋変調百物語事始』~『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』
十七歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。合本版には、宮部みゆきによるあとがきとイラストギャラリーを収録! ※本電子書籍は「おそろし 三島屋変調百物語事始」「あんじゅう 三島屋変調百物語事続」 「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」「三鬼 三島屋変調百物語四之続」 「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」を1冊にまとめた合本版です。 -
老侍
群雄割拠の戦国時代。武士たちは身命を賭して主君に仕え、家を守り、己の矜持のためにその生涯を生き抜いた。どんなに老いて体が衰えたとしても、その経験と智慧が輝きを失うことはない。 常に戦いの中に身を置き、死を傍らに感じる中で、武将たちはいかに考え、いかに生き残っていったのか。 最期の最期まで「侍」であることにこだわり続けた、六人の武将の生き様を描く作品集。 戦国時代に、「定年」はない――。 「意地の天寿」……龍造寺家兼(齢九十三) 「勝てば良かろう」……朝倉宗滴(齢八十二) 「不屈なれ」……長野業正(齢七十一) 「捨て身の思慕」……宇佐美定満(齢七十六) 「魂の檻」……武田信虎(齢八十一) 「過ぎたるもの」……島左近(齢六十一) -
P+D BOOKS 喪神・柳生連也斎
“剣豪小説の名手”の世界に浸る11篇。 豊臣秀次の剣の師で「夢想剣」を名乗る瀬名波幻雲齋とその娘・ゆき、そして幻雲齋が父の仇でありながら、門下生となって修行を積む松前哲郎太重春。奇妙な3人の絆は、やがて哲郎太とゆきが契りを結ぶまでに深まっていく。 そんななか、哲郎太は身重のゆきを残して武者修行の旅に出ようとするが――。 第28回芥川賞に輝いた出世作「喪神」のほか、柳生流新陰流正統を継いだ連也斎とライバルとの決闘を描く「柳生連也齋」、剣豪が巨人軍の強打者として大活躍する異色作「一刀齋は背番號6」など、剣を題材にした珠玉の11篇。 -
ひとめぼれ
累計130万部突破、大人気「まんまこと」シリーズの第6弾。 札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする。そして新たな出会いが?(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。 いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。 解説・紗久楽さわ〈「まんまこと」を自由に漫画で描けた幸福〉 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
音四郎稽古屋手控 音わざ吹き寄せ
血を分けた兄妹でも知らぬことがいいことがある 元吉原の北、長谷川町に住まいする役者あがりの音四郎と妹お久。 足に大けがを負い舞台から去った異父兄にはお久の知らぬ事情が……。 江戸・元吉原の「猫返しの神さま」 と言われる三光神社近くの長屋で、 長唄を教えている音四郎、お久の兄妹。 将来を期待されていた歌舞伎役者だった兄は足に傷を負って役者を辞め、稽古屋を始めた。 負傷にはなにやら因縁があるようだ が、お久には知らされていない。 兄にはまだ他にも、人に言えぬ秘密があるようだ。 「大女」「ならのかんぬし」「いぬぼうざき」「はで彦」「宵は待ち」「鷺娘」「菊の露」「丙午」「にせ絵」。 弦音ひびく江戸情緒あふれる9編を収録。 解説・吉崎典子 -
脱藩さむらい
『付添い屋・六平太』に続く新シリーズ! 香坂又十郎は、石見国、浜岡藩城下に妻の万寿栄と暮らしている。お役目は、市中警護、犯罪の取り締まりや犯人の逮捕に奔走する奉行所の町廻り同心頭である。田宮神剣流の使い手であり、御前試合で十人抜きを果たした剣の腕を買われ、斬首刑の執行も行っていた。 浜岡藩は、海に恵まれた土地でもある。漁師の勘吉と釣りに出かけた又十郎は、外海の岩場で脇腹に切り傷のある水主の死体を見つける。浜で検分を行っていたところ、大目付の下知により、死体は持ち去られてしまった。又十郎の義弟兵藤数馬は、水主の死について不信を抱いていた。数馬によれば、水主の正体は、公儀の密偵ではないかというのだ。後日、当然城内に呼ばれた又十郎は、謀反を企んで出奔した藩士を討ち取るよう命じられる。追うべき藩士の名は、兵藤数馬であった――。追討をしくじれば、罪は縁戚にも及ぶという。又十郎の重く孤独な追跡行が始まる! -
遊戯神通 伊藤若冲
天才絵師の素顔と技法に迫った長編小説。 若冲没後百年を経た明治37年、セントルイス万博に〈若冲の間〉というパビリオンが出現する。この時〈Jakuchu〉の名を世界に広めたのは誰だったのか? 京都の図案家・神坂雪佳は、若冲の末裔という芸者から〈若冲の妹〉と呼ばれた美しい女性の話を聞く。 宝暦13(1763)年、京都錦の青物問屋〈枡源〉に、一人の少女がやってきた。主の若冲が飼う鶏や、珍しい鳥、美しい毒草などの世話をするために。美以という名の少女の体からは不思議な芳香が漂っていた。その匂いに、若冲はかつての異国の女の面影を重ね合わせながらも、美以を自分の弟に嫁として与えてしまう。若冲を慕う美以は、以後〈若冲の妹〉として思いを秘めたまま生きていくことになる。 『動植綵絵』の完成間際に、錦市場を揺るがす事件が起こり、弟が謎の死を遂げる。彼は本当は若冲の何だったのだろうか。さらに天明の大火による被災……だが、若冲が本来の絵師として蘇生するのはそれからだ。そして、いつも傍らには〈妹〉の姿があった。 心の中の〈奇〉を描かずにはいられなかった絵師、若冲。時空を超え魅了し続けるその素顔と秘密に、江戸と明治の二つの時代軸で迫った長編小説。 ※この作品は過去に単行本版として配信した『遊戯神通 伊藤若冲』の文庫版です。 -
恩讐の香炉 居眠り同心 影御用
シリーズ開始から丸9年――最終回、第30弾 元老中松平定信が白昼、居眠り同心の目の前で「貴船党」に拉致された。 家宝「鳳凰の香炉」と交換に定信の身を返すとの文が。 大納言三条錦卿が三十年前、老中定信に受けた遺恨を晴らすためだというが……。 北町奉行所の元筆頭同心で今は“居眠り番”の蔵間源之助は、元老中で隠居の白河楽翁と鉄砲洲の鰻屋で食事をした直後、店の前で何者かに襲われ昏倒。その隙に楽翁は貴船党を名乗る一団に拉致され、身代金として松平家の家宝「鳳凰の香炉」を要求された。翌早朝、奥女中が貴船党の指定場所に香炉を運び、楽翁は……。家宝の香炉はいつの間にか贋物にすり替えられていた。 -
艶娘まくら絵草紙
北関東の小藩・北川藩の見回り役、大河原家の厄介者・真吾は剣術より絵が得意で、いつか江戸に出て絵師になることを夢見ていた。だが、そんなある日、兄の突然の死で運命は大きく変わってしまう。家名の存続のため兄嫁の志穂と添うことを強いられた真吾は、ついに藩を出奔することを決意した。 おりから、藩の剣術使いを斬り殺した女武芸者・山吹真弓の追捕を命じられた真吾は、思いを寄せていた村娘の芙美と江戸を目指す。だが、旅の途中で無頼に襲われる危機を救ったのは当の真弓。二人の美女と熱い情交を重ねつつ、江戸に辿り着いた真吾だが、そこでは、女たちのさらなる濃厚な媚香が待ち受けていた…。傑作長編時代小説。 -
酔どれ副将軍 徳川萬次郎
荒くれ人足や大工左官、香具師の酔客が夜な夜な集う深川の「のぶ」。女将の信が切り盛りする居酒屋であったが、今日は見かけない客がひとり。一見、浪人のような若侍だが、腰には見栄えする刀を帯びている。萬次郎と名乗るこの風来坊、その正体たるや、将軍・家治の実の弟にして、御三卿・清水家の初代当主・徳川重好、その人であった。仲の良い兄を助けようと、庶民と同じ暮らしをして政を見直すべく、町に出ていたのだった。そこで見聞きしたのは、萬次郎と同じ御三卿・一橋家の横暴な策略。一橋治済は、野菜の産地を将軍家の鷹狩り場にしようと土地を買い占め、農民たちを苦しめていたのだ。兄とともにその野心を阻もうと立ち上がる萬次郎。民の願いは果たして天に通じるのか──!? -
小説伊勢物語 業平
千年読み継がれてきた歌物語の沃野に分け入り、美麗な要望と色好みで知られる在原業平の生涯を日本で初めて小説化。現代語訳ではなく小説に紡ぐことで、日本の美の源流が立ち現れた。これは文学史的な事件である! 歌物語の不朽の名作にして、「恋の教科書」ともいわれることもある「伊勢物語」。その主人公とされる在原業平の一代記を「伊勢」の百二十五章段の和歌を物語の中に据えて大胆に周到に小説化。やまとことばに注目の集まった令和改元をはさみ日経新聞夕刊に連載された本作は、平安時代の古典に、千年かけて培われてきた日本人の情感、美意識を現代小説として吹き込み、活き活きとよみがえらせた傑作長編。連載時に小説に平安の都の風を吹き込んだ大野俊明氏の挿絵もカラーで16点収録。この作品を読んでから「伊勢物語」を読めば平安の「みやび」を五感で味わうことができるだろう 【著者「あとがき」より抜粋】 古典との関わり方として、私は現代語訳ではなく小説化で人物を蘇らせたいと思ってきました。千年昔には身体感覚において、どこかが違う人間が生きていて、私たちは、現代にも通じる部分においてのみ、かの時代の人間を理解しているのではないか。この疑問は、書くことに矛盾をもたらし、文体を模索させました。平安の雅を可能なかぎり取り込み、歌を小説の中に据えていくために編み出したのが、この文体です。味わい読んでいただければ、在原業平という男の色香や、日本の美が確立した時代の風が、御身に染みこんでいくものと信じます。 -
母の祈り 風烈廻り与力・青柳剣一郎
「恋」を知った女は、慈母にも、鬼女にもなる! 連続盗賊殺しの裏に隠された驚愕の真相とは!?……五年前、奉行所は盗賊鈴鹿一味の塒(ねぐら)を急襲。頭目の伝蔵は自ら娘を斬り、火を放って死んだ。からくも逃げおおせた手下の扇蔵は一味を再興、江戸に戻ると、雪駄(せった)問屋から一千両を奪った。しかし次の狙いを定めた矢先、仲間の千吉が刺殺され、さらに次々と手下が何者かに命を奪われた。疑心暗鬼の扇蔵の前に立ったのは、風烈廻り与力・青柳剣一郎だった。巡り巡ってついに剣一郎が辿り着いた盗賊殺しの真相とは? 不動の人気を誇る長大シリーズ、迫力の第49弾! -
駄犬道中
日本アカデミー賞作家が描く愉快痛快珍道中。 時は文政十三年(天保元年)、おかげ年。民衆は六十年に一度の「おかげ参り」に熱狂していた。 博徒である辰五郎は、深川の賭場で多額の借金を背負った夜、お伊勢講のくじに当たり長屋代表として伊勢参りの旅へと出発する。 途中で出会った代参犬の翁丸、奉公先を抜け出してきた子供の三吉、訳ありな美女・沙夜と家族のふりをしながら旅を続けるなか、ダメ男・辰五郎の心にも変化があらわれて……。 借金を回収しようと追いかけてくる殺し屋・菊佐から逃げ回り、ひしゃくとガマの油で路銀を稼ぎ、地元の名産品には舌鼓。笑いあり、涙あり、美味(グルメ)ありの愉快痛快珍道中。 『超高速!参勤交代』『引っ越し大名!』の著者による傑作時代長編! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『駄犬道中おかげ参り』 の文庫版となります。 -
戦国業師列伝
剣豪、茶聖から大泥棒まで 神業で時代を変えた男たち 業師といわれるほどの人は、その道において、特異な感覚といってもよい能力をそなえている。人柄はおおむね明るい。一見暗く見えていても、本質は陽気だ。そうでなければ、人からほめたたえられるほどの才能を発揮できない。――(まえがきより) 新陰流の流祖で柳生石州斎にその神髄を相伝した上泉伊勢守信綱。無類の武辺者でありながら奇矯なかぶき者として知られた前田慶次。信長・秀吉と真っ向から対峙した茶聖・千利休。そのほか築城・藤堂高虎、水墨画・長谷川等伯、大泥棒・石川五右衛門ら、戦国の世、神の〈業〉で時代を変えた十人のカリスマの生き様を歴史小説の泰斗が描く傑作列伝。 〈目次〉 【剣豪】上泉伊勢守信綱 【かぶき者】前田慶次 【茶聖】千利休 【築城名人】藤堂高虎 【絵師】長谷川等伯 【水軍大将】久鬼嘉隆 【外交僧】安国寺恵瓊 【鉄砲衆】雑賀孫一 【大泥棒】石川五右衛門 【山師頭領】大久保長安 解説/末國善己 -
正邪の武士道 居眠り同心 影御用
不可解な辻斬りが続発。背中から斬りつけ、銭六文だけを残す……。 六文は三途の川の渡し賃。単なる洒落ではあるまい。 四万五千石の大名の後継ぎに絡む「影御用」を受けて、元筆頭同心の源之助は……。 不可解な辻斬りが続発。侍ばかりが背中から斬りつけられ、遺体には銭六文だけが残されていた。北町奉行所の元筆頭同心で今は閑職“居眠り番”の蔵間源之助に駿河三島藩四万五千石の藩主後継から、奇妙な影御用が舞い込んだ。側室にと見初めた町娘の素性調査。あまりに単純な御用に思えたが、折りからの辻斬り事件との絡みで、意外な展開が待ちかまえていた。 -
海賊とよばれた男
すべてのビジネスマンに捧ぐ。 本屋大賞の話題作、早くも文庫化! ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。 一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。 石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。 「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。 -
さむらい道
最上義光、山形に立つ。父・義守との家督相続争いや天童・白鳥氏、そして伊達氏らとの峻烈な内憂外患をいかに乗り越え、山形に君臨することができたのか!? 伊達政宗との抗争から上杉軍と激闘を繰り広げた一六〇〇年九月の〝北の天下分け目の戦い〟まで、義光の「負けまい、勝つまいの戦」を見よ! 山形在住の直木賞作家による渾身の長編歴史小説。 (本文より) 遠国の大名を滅ぼして天下統一をくわだてるのは覇道であって、義光の考えるさむらい道とはあい容れない。武辺にのみ頼る武士は、それによって身を滅ぼす。義光はそう思っていた。 (目次より) 一章 小僧丸/二章 人質/三章 本懐/四章 御所の方/五章 四面楚歌/六章 天童合戦/七章 宿敵/八章 その君の名を -
さむらい道(合本版)
最上義光、山形に立つ。父・義守との家督相続争いや天童・白鳥氏、そして伊達氏らとの峻烈な内憂外患をいかに乗り越え、山形に君臨することができたのか!? 伊達政宗との抗争から上杉軍と激闘を繰り広げた一六〇〇年九月の〝北の天下分け目の戦い〟まで、義光の「負けまい、勝つまいの戦」を見よ! 山形在住の直木賞作家による渾身の歴史巨篇。 (目次より) 一章 小僧丸/二章 人質/三章 本懐/四章 御所の方/五章 四面楚歌/六章 天童合戦/七章 宿敵/八章 その君の名を/九章 出羽の大守/十章 伊達政宗/十一章 大崎内紛/十二章 お東様/十三章 奥羽仕置/十四章 三条河原/十五章 天下分け目 -
服部半蔵 日と影と
室町時代末期、下克上が横行し時代が戦国に移っていく中、一人の男を世に出すために、生涯を人の影で生きて、闇に死んでいくことを決意した男がいた……。彼は、父・服部半三保長から何を学び、友や兄弟たちと何を育んできたのか。日本最高の忍者・服部半蔵の少年時代を描く。伝奇時代小説。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。 -
開眼活人剣 傑物列伝
刀を早く抜くためには、足さばき、腰のひねり、手の返しを一体とすることが必要なのだ。走ることによって身体が不安定に揺れては出来ぬ技であろう。「つまりは……」己は動かず、相手の近寄るのを待つ。それしかない。居て仕合う。居ついて斬る。「居合い斬り、抜刀の術!」林崎甚助は、己の思いつきに快哉をあげた。(「甚助抜刀術」より) 宮本武蔵、柳生十兵衛、荒木又右衛門といった剣豪にまつわる秘話を描く。7本の短篇を収録した傑作剣豪小説集。 *甚助抜刀術 *夫婦武蔵 *死霊又右衛門 *中風越後 *千鳥助九郎 *志織円明剣 *宗次郎応じ返し ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。 -
ガラシア祈祷書
寛永十四年。九州は島原地方において、年貢の取立てと仕置きの厳しさに反抗した百姓一揆が起こり、また、怪しげな切支丹伴天連の預言が広まっていると噂された。細川藩が放った密偵・松井寄之と阿修羅衆のくノ一・不知火。この男女が切支丹一揆の真っ只中に潜入し、そこで見たものは……。 捕縛された隠れ切支丹が囁いた“ガラシア・オラショ”とは何を意味するのか? 天童・天草四郎との関係は? 島原の乱を斬新な発想で描いた長篇時代小説。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。 -
十六武蔵
慶長一七年四月一三日。関門海峡に浮かぶ小島「船島」に於いて、巌流・佐々木小次郎と播州牢人・宮本武蔵の試合が行なわれた。小倉細川藩主の厳命で、勝者を藩の剣法指南役に推挙するというものだった。結果、小次郎が敗れ、九州一円から巌流の流儀が消えようとしていた。後日、遺族や弟子たちは、師・小次郎の死は、藩と武蔵の策謀だと悟るや、仇敵武蔵討つべし! と立ち上がった……。 その生涯について、不明な所が多い剣豪の中の剣豪・宮本武蔵。本書は、彼のもう一つの武蔵伝として書かれた小説で、巌流島の決闘から始まる。巌流と武蔵のその後にテーマを当て、佐々木小次郎の遺族たちの確執を軸に展開し、武蔵漂泊の三十年を一気に駆け抜ける。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。 -
天下を駆ける
用心棒の仕事を終え、帰宅した浪人・一色彪馬──。そこで目にしたのは、血まみれで倒れていた父の姿だった。父は間もなく息絶えたが、翌日、宍戸徳兵衛と名乗る旗本の訪問を受ける。御城へ登城せよ、というのである。待っていたのは、なんと将軍・家斉であった。浪々の身である自分がなぜ?家斉は、元々名門である一色家を再興し、徳川を支えて欲しい、と懇願。京へ赴き、新しい高家として天皇家に官位をもらい、政をほしいままにする老中の企みを、朝廷と組みして探って欲しいという。葵の御紋入りの短刀を受け取り、彪馬はいざ京へ。御所では天子さまに拝謁、短刀にはもう一つ、恐れ多い御紋を刻まれる……!天下無二の拝領剣を手にした彪馬が、朝廷と幕府に仇なし、父を襲った悪を裁く!! -
初霜 橋廻り同心・平七郎控
幼くして親に捨てられた娘が、恩義を感じた商家の主人夫婦。だが彼女が受けたのは、本物の人の情けだったのか――。幼い頃、父母の喧嘩が元で顔に火傷を負った娘・お花。親に捨てられ奉公先でも揉め事に巻き込まれて、今は御茶問屋「山城屋」の女中をしていた。絶品の御茶を淹(い)れるお花だが、店(たな)の奔放娘・お鶴の不始末の尻ぬぐいを押しつけられる。お鶴が、逢い引き相手に他家との祝言を告げるや、男が逆上したのだ。男は旗本家次男の札付きのワルだった。お花の目の前で修羅場が展開、主(あるじ)夫婦に恩を感じるお花は思わぬ行動に……(「初霜」)。同心・平七郎の人情裁きが冴える、大好評シリーズ第13弾! -
夜盗狩り 助立屋始末
妻殺しの濡れ衣を着せられ、国を出奔した泉州岸山田藩勘定方・竹中信兵衛。真の下手人である城代家老の甥・富樫与三郎を討ち取り、追っ手から逃れるように江戸に流れて来た信兵衛が辿り着いたのは、奇しくも与三郎の落とし胤・竹太郎を預かる浅草の米問屋『佐野屋』だった。あるじの幸左衛門の厚意のもと、三津五郎と名を変え士分を捨てた信兵衛は、商人として生きようと模索をはじめる。だが、その矢先『佐野屋』を凶事が襲った。三津五郎の留守中に夜盗が佐野屋に押し込み、あるじ親子・奉公人たちの命と金を奪ったのだ。残されたのは竹太郎と妹の伊予の幼子ふたり。兄妹の仇を討つべく下手人の探索に挑む三津五郎だが、事件は町方同心も手に負えぬ混迷を深めて…。 -
おとぼけ兵庫と姫将軍
春の江戸に突如としてあらわれた、謎の娘と深編笠の侍――。怪しげなふたりに難癖をつけ、素性を探ろうとする御用聞きの千八であったが、ぬらりくらりと相手にされぬ。それどころか、その場のなりゆきで、事件の探索をともにすることになってしまった。南町奉行所同心・弓川心十郎をくわえ、奇妙な仲間となった四人であったが、この謎の男女こそ、町にくだった男装の女将軍・徳川家重と、幕府一の権力者である側用人・大岡兵庫であった。ひとりの娘として江戸の町を謳歌するあおいと、茫洋としながらも切れ者のお目付役・兵庫が、身分を隠して悪党を成敗する!『ぼんくら同心と徳川の姫』を引き継ぐ、痛快時代の新シリーズ! -
贖罪 ナチス副総統ルドルフ・ヘスの戦争
構想20年、同じ時代に行きあわせた証しとして書き上げた、吉田喜重監督(『エロス+虐殺』『鏡の女たち』)渾身の長編小説! ドイツの闇の歴史に切り込む――。 ナチス副総統、ルドルフ・ヘス。「わたし」という主語がない奇妙な手記を通して、謎に満ちたヘスの生き様を掘り尽す。 ナチス・ドイツによる絶滅戦争=ソ連侵攻を控えた1941年5月10日、ヒトラーの代理人といわれたヘスは 単身メッサーシュミットを操り、スコットランドをめざしてミュンヘンを飛び立った。イギリスとの講和工作のために。 しかし、それを知ったヒトラーは激怒し、チャーチルはとりあわなかった。世界は破滅へ向かって動きはじめる……。 ヘスの罪と罰を辿る、大作歴史小説。