国内文学作品一覧
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-米国最北端の町で繰り広げられる人間ドラマ。 ――彼等はみんなその祖先に流れ者の血を持っているので、流れ者に対して寛容であり、理解もあった。―― 命からがらの逃避行でロシアから逃れ、中国、そしてアメリカ最北端へと流れ着いたマリヤ。マリアの飼う4頭のシベリア犬に飼い猫を殺されたにもかかわらず、友人づきあいをする日本人アヤ。そのアヤは、前夫との子を連れ日本に一時帰国するが、元夫とはやはり心を通わせることができず、親子ともどもさみしい思いを抱いてアメリカに戻る。 アヤとも知り合いのカルロスはスペイン、中米から自作のヨットで漂着し、そのまま居着いてしまった印刷屋の主人。ある日フェリーでやってきた東洋系の女性と知り合うが、彼女もまた、韓国系の母親と日本人の父親を持つ“漂流者”の一人だった――。 第14回女流文学賞を受賞した名作長編。
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-元海軍将校が目にした戦後日本の悪しき荒廃。 海軍兵学校出身のエリート将校・守屋恭吾は、公金に手をつけ引責辞職後、祖国には戻るまいと賭博の眼力を養いつつ、欧州各地を放浪していた。やがて、ある事情から“帰郷”することになった守屋は、大きく変貌した戦後の日本に落胆と義憤を感じる。 戦争という過去の記憶から逃れようとするあまり日本の伝統や誇りまでも失ってしまった国民たち。――戦前と戦後の日本人は何が変わったのか? 大佛次郎が当時の日本人へ自戒のメッセージを込めた記念碑的名作で1948年毎日新聞に連載され後に映画化、欧米でも高く評価された。
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-商家の主人とその義子、弟らとの葛藤を描く。 「晋! お前のお父つあんやぞ。お前のお父つあんが、美代に子産ませよつたんやぞ。」 あまり家業に熱心ではない近江商人の主人・藤村治右衛門と、正反対な性格の弟・真吾、そして、治右衛門の義子・晋。真吾が密かに心を寄せ、晋の母親がわりを務めていた女子衆の一人・美代が、治右衛門の子を死産し精神を病んでしまう。やがて真吾に結婚話が持ち上がったとき、断固として首を縦に振らない裏には、美代の一件によるわだかまりがあった――。 商家に生まれた著者が、その体験から描く「商店もの」3部作の第1作にして、第1回芥川賞の候補にもなった名作。
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-戦争を冷徹な目で見つめた梅崎春生の出世作。 「ねえ、死ぬのね。どうやって死ぬの。よう。教えてよ。どんな死に方をするの」 米軍上陸が迫るなか、桜島の海軍通信基地に異動になった村上兵曹は、一夜をともにした女性に、そう詰められる。しかし、どういう死に方をすればいいのか、そのときになってみなければわからない。ただ、死が目前に迫っていることをひしひしと感じるだけだった。 生きることへの執着と諦観、どうせなら美しく死にたいという願望と、それはかなわないだろうという無力感……。背反する思いを抱えたまま散歩に出た村上に、グラマンの銃弾が降り注ぐ――。 出世作「桜島」に、戦地で自死同然に亡くなった弟の足跡を、双子の兄たちがたどっていく芸術選奨作「狂い凧」を併録。
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-運命に翻弄される占領下の日本人たち。 1945年8月、広島と長崎に原爆が投下され、その直後に迎えた敗戦。GHQ占領下の卑屈な統治時代を、市井の人たちがどのように生き抜いたのか、ある海軍中将一家の目線で描く。 未亡人となり家財総てを失った中将夫人、米軍人に求婚される長女、原爆被害で恋人と離ればなれになってしまった長男、その長男を想いながらも米兵に身をゆだねてしまう恋人……。 戦勝国・アメリカを呪いながら、その助けなしには生きていけない日本人の哀切と、それでも新時代に向けて歩みを始める強さを、心の奥底を揺さぶる独特な筆致で綴った秀作。
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5.0乾いた筆致で描くある主婦の“孤独と倦怠”。 異国に暮らす由梨は、夫と自分双方の浮気相手が集うホームパーティーに参加する気になれず、ひとりで外出してしまう。 遊園地の民芸館で知り合ったアメリカ男に誘われ、海辺のドライブについて行き、そこで男は、赤いネオンが点滅している宿「三匹の蟹」へ行こうと誘うのだった。 果てしない存在の孤独感、そして愛の倦怠が引き起こす生の崩壊を乾いた筆致で描き出した「三匹の蟹」は第59回芥川賞を受賞。「三匹の蟹」以前に執筆された日本人女性留学者の青春への決別を描いた連作「構図のない絵」、「虹と浮橋」も併録。
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-喪われた時を取り戻そうとする二人の男たち。 太平洋戦争を示唆したと思われる「戦慄すべき時期」「精神の衝撃」のために、青年期の記憶をほとんど失ってしまった主人公の〈私〉。そして、定年間際の銀行マンで、流されゆく人生に疑問を抱いてしまった〈私〉の学生時代の友人〈K〉。 50代になったふたりが、30数年前に輝くようなひと夏を過ごした高原の避暑地を再び訪れ、青春時代の記憶を辿って歩く。短くとも濃密な旅を終えたふたりに宿った思いとは――。 『夏』『秋』『冬』と続く4部作の第1作目にして著者の代表作。作家・加賀乙彦氏の解説を再録。
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-団塊世代のバイブルだった著者の未完作品撰。 「白く塗りたる墓」は、1960年代の高度成長期における公害汚染や原子力発電所の安全などの社会問題をベースに、報道機関の公器性や良心を問うた意欲作。 TVカメラの持つ同時性から一躍花形産業となったTV報道の視座をフィルターにして、現実と報道との葛藤に苦悩するテレビマンの狂気と孤独もドラマティックに描いている。 もう1作は、ニヒリストの医者の堕落と病院に関わる人間の業を描いた「もう一つの絆」。共に第1部までの未完作であるが、著者の新境地ともいえる作品で、現代に連なる荒廃を予見している秀作である。
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-台南を舞台にした表題作等、珠玉の短編5編。 明治、大正、昭和の3つの時代にわたって、詩歌や小説、文芸評論など幅広い分野で足跡を残した佐藤春夫の、珠玉の小説アンソロジー。 表題の『女誡扇綺譚』は、日本時代の台南を舞台に、鄙びた町の姿や、没落豪族の娘の霊との出会いを描いた作品で、作者自ら「五指に入るであろう」と評した幻想的な傑作。 改稿を重ねた渾身の一作『田園の憂鬱』は、田舎に移り住んだものの周囲と溶け込めず、次第に病んでいく文学志望の青年を描く。 他に処女作品『西班牙犬の家』のほか、『のんしゃらん記録』『美しき町』を収録。 『大正幻影』で佐藤春夫を掘り下げた評論家の川本三郎氏が解説。
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-全共闘世代のバイブルだった高橋和巳の長編。 博物館に勤める青年・時枝正和は機動隊と学生の衝突で、一人の学生が橋から転落する様を偶然目撃する。 煩雑な人間社会から逃れるように古美術世界に沈潜していた時枝だったが、この出来事により、閉ざしてきた外界に対する怒りと悲しみが再び覚醒する。事故死と報道された学生の死――だが、時枝は死んだ学生のガールフレンドに会い、事件の深層に迫ろうとするのだった。 全共闘世代に多大な影響を与え、早世した作家・高橋和巳が、その晩年、理想と現実に引き裂かれる内面の荒野を描き、未完のまま絶筆した長編小説の復刻。
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-中上健次、もう一つの遺作も初の電子化! 「路地」の解体時期に父親(浜村瀧造の朋輩・ヨシ兄)殺しに手を染め、「路地」から逃れた鉄男は、やはり夫・セキグチジュンを殺した女・セキグチマリと出会う。女は鉄男にそれまでと異なった衣装を着せ、ジュンと名付け、ジュンという<物語>を背負わせる。 マリが精神病院の患者同士として知り合った友人で、富豪の“太った女”水島エリは、鉄男を教祖とあがめる新興宗教に加わろうとし、道すがら出会った暴走族の首領の若者も、これまた鉄男の教祖としての雰囲気に惹かれていく。 そして、鉄男、マリ、エリ、暴走族の若者とその妹は、南の地・シンガポールへと向かうのだった……。 中上作品の中でも最もエンターテイメント色の濃い作品で、雑誌「SPA!」に連載中に未完のまま絶筆した。
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-待望の上・下巻合本版!! 中上健次、もう一つの遺作も初の電子化! 「路地」の解体時期に父親(浜村瀧造の朋輩・ヨシ兄)殺しに手を染め、「路地」から逃れた鉄男は、やはり夫・セキグチジュンを殺した女・セキグチマリと出会う。女は鉄男にそれまでと異なった衣装を着せ、ジュンと名付け、ジュンという<物語>を背負わせる。 マリが精神病院の患者同士として知り合った友人で、富豪の“太った女”水島エリは、鉄男を教祖とあがめる新興宗教に加わろうとし、道すがら出会った暴走族の首領の若者も、これまた鉄男の教祖としての雰囲気に惹かれていく。 そして、鉄男、マリ、エリ、暴走族の若者とその妹は、南の地・シンガポールへと向かうのだった……。 中上作品の中でも最もエンターテイメント色の濃い作品で、雑誌「SPA!」に連載中に未完のまま絶筆した。
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4.0戦後、突然の凶行に走った男の“心の曠野”。 かつて理想に燃え、幻の帝国「満洲国」建設に青春を賭けた主人公の青木隆造――。 敗戦後は福祉事業団兼愛園の園長となり混血児収容、保護教育を自己の責務として全うするのだったが、その内面には果てない曠野が拡がっていた。 その業績が表彰された時、彼は突如崩壊し、凶行に走る。自己の内部にわだかまる「見極めがたい曠野のイメージ」と「喪った時間の痛み」とが「隠微な軋み音」を響かせ解かれてゆく。 全共闘世代に多大な影響を与え早世した作家・高橋和巳が、日本民族の夢想と悲劇をえぐり出した、晩年の問題作が甦る。
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-新五千円札「津田梅子」の傑作評伝。 日本の女子教育の近代化に生涯を捧げ、新五千円札の肖像画にも選定された津田梅子。 ある日、梅子が創設した津田塾大学(女子英学塾)の倉庫から、おびただしい数の手紙が発見される。それは梅子と、留学先の里親アデリン・ランマンとの往復書簡の束であった。 完全にアメリカナイズされた梅子と日本文化とのギャップ、開明的な政治家・伊藤博文一家との交流、女子教育にかける熱意などが生々しく記された手紙の真意を、同じく津田塾大学出身の著者が自らの渡米経験も踏まえて読み解いていく。 第42回読売文学賞(評論・伝記賞)を受賞した傑作評伝。
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-人気絶頂で引退宣言の背景に中上健次が迫る。 「春美は普通の子と違います」 浪曲が好きだった北村春美の母は、春美の才能を信じて“うなり”を教え込み、それによくこたえた春美は全国規模のコンクールで優勝。翌年、都はるみとしてデビューすると、「アンコ椿は恋の花」「涙の連絡船」「好きになった人」と毎年のようにヒットを飛ばし、当代随一の歌手に上り詰めた。 ところが、それから20年後、都はるみは「普通のおばさんになりたい」と突然、芸能界からの引退を宣言。その背景には何があったのか――。 都はるみ本人はもちろん、市川昭介ら関係者への丹念な取材をもとに中上健次が綴った、渾身のノンフィクション小説。
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4.0北欧で消息を絶った日本人女性の精神的彷徨。 織物工芸に打ち込んでいた支倉冬子は、一枚のタピスリに吸い寄せられ、魅惑されてしまう。ついにはヨーロッパに留学する決意までした冬子。だが、冬子は、ある夏の日、その地方の名家ギュルンデンクローネ男爵の末娘エルスと孤島にヨットで出かけたまま消息を絶ってしまう。 冬子が残した手記をベースに、生と死、または愛の不安を深く掘り下げた小説となっている。絶対的な孤独の中、日本と西欧、過去と現在を彷徨しながら、冬子はどのように再生していくのか……。 辻邦生が自著『生きて愛するために』で語った「死というくらい虚無のなかに、<地上の生>は、明るく舞台のように、ぽっかり浮かんでいる」という彼の死生観とともに、西欧的骨法によって本格小説を日本に結実させんとした、辻文学初期傑作の一つである。巻末に「創作ノート抄」を併録。
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-中上健次、未完の遺作が初単行本化&電子化! 1個3億円のエメラルド3個を携え、ブラジルから来日したオリエントの康の遺児タケオは、新宿で「中本」の一統である“毒味男”や、オリュウノオバの甥っ子である“九階の怪人”と出会う。 “毒味男”の一味は、最初に地上げ屋の斎藤順一郎を焼き殺したが、彼らの周囲をGメンが嗅ぎ回り始めので、一味は共に紀州・新宮へ舞い戻る。そして、次の標的に土地の実力者・佐倉(この時、130歳近い年齢だが)を選ぶのだが……。 新たな抗争の予感を湛える長編。「千年の愉楽」の続編ともいえる未完作。「週刊ポスト」にて連載中に絶筆した。
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4.0事故で記憶をなくした男の“再生”物語。 ――見えないはずの物が見え、覚えているはずのことが消えて何が悪い? おれの記憶の中心には穴がある。それが〈現実〉というもので、掛け値なしの現実は何と異常で気味悪く透明なものだろう。―― 月面基地での作業中に事故に遭った〈男〉。帰還したものの強い逆行性健忘症になってしまい、さまざまなことが思い出せない。 しかし、中国人看護師との会話や、放浪していたところをかくまってくれた老婆、ホームレスの老人との出会いによって徐々に記憶を取り戻していく。はたして、〈男〉にとって光とは、闇とはなんだったのか――。 近未来を舞台に、物質文明や人間の陰陽を見事に描出した傑作長編。第47回読売文学賞受賞作。
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-世間を震撼させた猟奇事件に中上健次が迫る。 海と山に囲まれた熊野の寒村。そこでひときわ広い土地を所有する池田家の長男・達男は、小さいころから悪行が絶えず、猿の肉を食べたり、神事に使う魚を獲るなどやりたい放題。それでも面と向かって文句を言う者は誰もいなかった。 そんななか、何者かがハマチの養殖場に重油を流して地元に大損害を与える事件が発生。次いでぼや騒ぎまで起きた。だれもが達男の仕業だと考えたが――。 実際に起きた「熊野一族7人殺害事件」をもとに、中上健次が映画シナリオを書き下ろした話題作と、のちに雑誌連載されたノベライズ版を収録。
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4.0映画化もされた戦前のベストセラー作品。 「私にとっては、霧島家の貧寒で乱雑な空気だけが身を置くべき場所となっていた。泥水の中でなければ落ちついて棲むことのできないある種の魚たちのように……」 大学生の〈私〉は、学校にも学友ともなじめず、下宿していた叔父一家ともしっくりいかずに、貸間と貼り紙のあった霧島家の6畳間を借りることになった。 ところがその主人・嘉門は自分勝手な暴れ者で、幼いふたりの子を抱えたクリスチャンの妻・まつ子を泣かせてばかり。しかし〈私〉はなぜか嘉門を嫌いになれず――。 原節子出演で映画化もされたベストセラー作品。 旧制高校の同窓会を通じて、戦後の現実をシニカルに描いた「アルト・ハイデルベルヒ」を併録。
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-デビュー作「ブルジョア」を含む初期作品集。 父が天理教に入信し、叔父夫婦に育てられた芹沢光治良。帝国大学卒業後、農商務省に入省したが、経済の研究を志してパリに留学するもそこで結核に感染し、フランス、スイスで療養生活を経験する。そんな体験から書かれたデビュー作品集である。 雑誌「改造」の懸賞創作で1等に入選した「ブルジョア」は、結核患者が集まる町を舞台に、病に侵された夫と妻、多国籍の入院患者らの懊悩を描いた作品。 「結核患者」「昼寝している夫」「椅子を探す」は、杉夫妻を主人公に、結核に倒れた夫が心身ともに復活していく様子を描写し、「橋の手前」「風迹」は、共産主義に対する市井の人々のとらえ方を描出している。
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-兵士の日常を描いた芥川賞受賞の戦争文学。 第2次大戦後、戦犯容疑でサイゴン刑務所に抑留された日本兵の鬱屈した日々をユーモア交えて描いた第63回芥川賞受賞作「プレオー8の夜明け」。 他に筆者処女作「墓地で」から、晩年の名品「セミの追憶」(第21回川端康成文学賞作品)まで、戦争の記憶をつむぐ短編16作を収録。 戦後すでに70年を超え、戦下の記憶は風化するにまかされる。30年にわたる筆者の貴重な営みを通じ、名もなき兵士たちは、何を考え死んでゆき、生き残った者たちは何を思うのか――今改めてその意味を問いかける、珠玉の“戦争文学短編集”。
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-一特派員がたどり着いたベトナム戦争の真実。 すでにAPの記者たちが打った電報のカスを、まるで残飯を恵んでもらうような調子で拝読させてもらう自分の姿が、私には全然気に入らなかった。(中略)心の中で固く決心した――彼らの世話になんかなるものか、おれはおれの情報源と判断で対等に仕事をしてみせる。(本文より) 新聞記者として戦地に赴任した著者は、特約を結んでいるアメリカの通信社からの情報や、ベトナム政府の公式発表、米軍のブリーフィングなどを鵜呑みにするのではなく、自分の足で開拓したニュースソースや自身の臭覚などを頼りに、ベトナム戦争の“真実”に迫ろうとする。 のちに芥川賞を受賞する作者の、原点ともいえる作品。
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4.3中上健次が故郷紀州に描く“母の物語”。 「秋幸もの三部作」よりも以前の時代を描く、秋幸の母・フサの波乱の半生を描いた物語。 海光る3月。私生児としての生い立ちに昏い痛みを覚えながらも、美しく利発な娘に成長したフサは、十五になった春、生まれ育った南紀の町をあとにした。 若々しい肉体の目覚めとともに恋を知り、子を孕み、母となって宿命の地に根をおろすフサ。しかし、貧しくも幸福な日々は、夫・勝一郎の死によって突然に断ち切られた。 子供を抱え、戦時下を生き延びる過酷な暮らしの中で、後に賭博師の龍造と子を為し、秋幸と名付ける。しかし龍造が賭博で刑務所に入っている間、他の二人の女を孕ませていたことを知り、フサは秋幸には龍造を父と呼ばせぬと宣言する……。 中上健次が実母をモデルに、その波瀾の半生を雄大な物語へと昇華させた傑作長編。
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-妖しい洋館が舞台のロマネスクな人間模様。 大都会・東京の真ん中に静かに佇む洋館に心惹かれた「私」は、得体の知れない不動産屋に誘われるままにその館を訪ねることになる。 そこには幻想的な少女・霧子や近寄りがたい老主が住んでいた。身を固く包んで口さえ開こうとしない霧子に、私の興味は膨らんでいく。 主である霧子の祖父の依頼で、彼女の家庭教師として洋館に同居することになる私……。そこで、この一家の住人たちは数奇な運命に翻弄され始めるのだった。 「ある夕陽」で芥川賞を受賞した日野啓三が幻想的作風で新境地を開き、泉鏡花賞に輝いたロマネスク小説の傑作。
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-青春=戦時下だった吉行の半自伝的小説。 昭和19年8月――、僕に召集令状が届いた。その後の入営は意外な顛末を迎えるが、戦時下という抑圧された時代、生と死が表裏一体となった不安を内包し、鬱屈した日々を重ねていく。まさしく「焔の中」の青春であった。 狂おしいほどの閉塞感の中にあっても、10代から20代の青年らしい友人との、他愛のない会話、性への欲望、反面、母への慕情など巧緻な筆致で描かれる。また、戦争とは一線を引いたかのような、主人公の透徹した眼差しと、確固たる自尊心は一貫しており、吉行自身のメンタリティが垣間見える、意欲作である。
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-帆船という“劇場”で巻き起こる人間ドラマ。 海を愛する若者が生の歓びを求め、ブリガンティン型帆船<大いなる(グローセル・)眞晝(ミッタ-タ)>号に乗り込んで船出をする。 「無一物主義」という哲学思想をもつベルナールを船長に、フランソワ、ターナー、ケイン、女性のファビアン、そして日本人の私など11人のクルーは、ヨーロッパから日本を経由して、一路、太平洋へと航海を続ける。 やがて、南太平洋に入ると、荒れ狂う颶風(ぐふう)圏に突入していく中、嵐のさなかに恐るべき事件が起きてしまう。帆船の船内は、さながら芝居の劇場のように複雑な人間関係が入り組んで、それは悲劇への序章にふさわしい舞台だった。 辻作品らしい“詩とロマンの薫り”に満ち溢れた長編小説。
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-多彩な野坂ワールド!オリジナル編集短編集。 徹底的に現実を拒否し、次々に湧き上がるおぞましき妄想を、世紀の美女・モンローに仮託して謳い上げた作家自身の“私小説”である表題作「マリリン・モンロー・ノー・リターン」。 ほかに老いと介護をテーマとした「死の器」、大学落研の青春を描いた「ああ軟派全落連」、原発建設がもたらす悲劇を描いた「乱離骨灰鬼胎草」、怪奇幻想小説「砂絵呪縛後日怪談」等々、遠国の美女への願望、女たちの執念、反逆的なヒューマニズムや現実逃避をテーマとして、多面性に富んだ作家・野坂昭如ワールドが味わえるP+D BOOKSオリジナル編集版。
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-武蔵野を題材にさまざまな明と暗を描く。 「おい、日清戦争の前の年まで、今の東京都下は神奈川県だったのを知っているか。……都下という言い方、いかにも東京白人の発想だ。植民地扱いじゃないか」 関東大震災後に郊外に移ってきたサラリーマンの子・太田久雄は、武蔵野にルーツを持つ中学時代の友人たちからそう指摘される。彼らは自らを「武蔵野インディアン」と称し、地に足がついておらず「紙とインクの世界しか知らない」都会の“白人”とは一線を画する存在だというのだ――。 武蔵野を題材に、都会と地方、戦前と戦後、保守と革新といった、さまざまなコントラストを見事に描出した珠玉作。
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5.0鬼気迫る“自殺者と自殺幇助者”の心理葛藤。 噴煙吹き上げる春まだ浅い三原山に、女子大生がふたり登っていった。だが、その後、夜更けに下山してきたのは、ひとりだけ――。 遡ること1ヶ月前、同様の光景があり、ひとり下山した女子大生は同人物だった。自殺願望の若い女性ふたりに、三原山まで同行して、底知れぬ火口に向かって投身させた自殺幇助者の京大生・鳥居哲代。 生きていることに倦んだ高学歴の女学生たちの心理を精緻に描き、自殺者と自殺幇助者の軌跡をミステリー風に仕立てた悽絶な魂のドラマ。高橋たか子の初期長編代表作で第4回泉鏡花賞を受賞。
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4.5“中年の危機”の男を描く「男性研究の書」。 1955年から56年にかけて読売新聞に連載され、大反響の下、流行語にもなった「四十八歳の抵抗」。 55歳が停年の時代に、真面目一筋に勤めてきた48歳の保険会社次長、西村耕太郎は恵まれた家庭を持ち、傍目には幸せそうな日々を送っているが、実のところはなにやら満たされない。 その心中を見透かしたように社内の島田からヌード撮影会に誘われる。そして一度も恋愛をしてないという焦燥から、耕太郎はバーの娘で19歳のユカリを口説いて熱海の旅館に出かけるのだが――。 社会的な地位があり体裁を繕って生きてはいるが、まだ燃え上がる激情も秘かに抱えた“ミドルエイジ・クライシス”を描いた普遍的な「男性研究の書」である。
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4.0「色好みの伝統」「サブカルのルーツは江戸文化」「一葉の作品はフリーター小説」など、古典から漱石・一葉らの近代文学、太宰・安吾らの戦後作品、さらにAI小説までを、独自の切り口で分析。創造的誤読、ユーモアの持つ効能、権威を疑う視線といった、作家ならではのオリジナリティあふれる解釈で、日本文学の深奥に誘う。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 南北朝時代のさきがけとなる両統迭立時代を生きた第九十二代天皇伏見院(1265~1317)の和歌三千首以上を収録。伏見院自身の筆になる「伏見院御集」は、古来「広沢切」として、その卓越した歌・筆跡が尊ばれ、多くの人々を魅了、諸家に分蔵されることになった。現段階において、その「広沢切」を可能な限り収集・翻刻。重出歌や他文献所載歌は洩れなく注記した。京極派和歌を考える際の最も基礎的で、不可欠な資料がここに誕生。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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4.0元山形新聞記者が『ひさし伝』(新潮社)に続き、「東京に住んでいながら顔はいつも山形のほうを向いています」と藤沢周平自身が語る、その山形にスポットを当て、69年の人生を辿った独自の伝記。 市井に生きる人々に注がれるやさしいまなざし、忘れられかけている日本の原風景の再現、端正で清冽な詩情あふれる文章などの魅力で、今なお人気の高い作家の人生が、これまでと一風異なる視点から浮かび上がってくる。 山形新聞での井上ひさしとの対談、東京の冬と比較した寄稿など、単行本未収録の作品も紹介されており、丹念な調査から、藤沢周平の「自慢はしない」「普通が一番」という人生哲学が描かれていく。 旧制中学に通いながら文選工として働き、山形師範学校卒業後中学校へ赴任するも、肺結核に罹り東京で療養。退院後は業界新聞を転々としながら小説家への志を抱き続け、ようやく生活が安定するも妻が癌で他界、昭和46年、44歳でようやく「溟い海」でオール讀物新人賞、同48年「暗殺の年輪」で第69回直木賞を受賞し、人気作家になる様子や、『たそがれ清兵衛』『蝉しぐれ』といった名作の背景も詳細に明かされていく。藤沢ファンは必携の一冊だろう。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「自己の内なる文学を理論化し、普遍化した思想が必要だ」と言い続け、思想の深化を常に自己に問うた著者の幻の名著、名論文、未発表稿ほか、中古・中世・近世和歌研究の全業績を網羅した決定版。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 藤平先生はまた、現代短歌のすぐれた読み手でいらしたので、それが和歌論の場に反映するという魅力があった。学問と文芸のごく近い関係を読み味わえる幸いである――馬場あき子氏。解説 兼築信行。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 氏は、知識どまりの知識の虚しさや、表現の誇張にきわめて鋭敏であり、感動不在の分析のための分析の不毛について深く嘆かれるお人であった。―竹西寛子氏。解説 松野陽一〈刊行だより〉上條彰次・國東文麿。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 藤平氏の視野広く、精緻で、しかもみずみずしい感性に富む諸論考は、漢詩文集ではないが、「軸々に金五の声あり」の白楽天の語句を想起させる。若い研究者諸賢もこの著作集を通して啓発されるところ多大であろう―樋口芳麻呂氏。解説井上宗雄。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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-良介は適齢期の双子の娘・朝子と夕子の縁談探しに苦労していた。亡くなった妻から「同じようなお婿さんを見つけて、同じ日に結婚式を挙げて」と遺言で頼まれていたからだ。ところがある日、良介は病院で夕子とばったり。調べてみると、妊娠3ヶ月。帰宅した良介はあわてるあまり、朝子を夕子と間違えて怒鳴りつけてしまう。だが、朝子も好きな人がいると言い出し、良介は大ショック! 脚本の矢田陽子は向田邦子の筆名で、「(書くの)やだよー」のもじりとか。出演・ザ・ピーナッツ(伊藤エミ・ユミ)、船越英二、賀原夏子、加藤治子ほか。演出・小杉芳生。昭和47(1972)年に日本テレビ系で放送。
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3.6※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第37弾は、文豪・谷崎潤一郎×イラストレーター・夜汽車のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 その悶えは苦しいと同時に甘かった。 幼いときから稚児として寝食を共にしてきた千手丸と瑠璃光丸。何をするにも一緒だった二人の運命は、成長とともにそれぞれの道へと分かれていく。 谷崎潤一郎の名作が、ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼び、本シリーズでは江戸川乱歩『人でなしの恋』、谷崎潤一郎『刺青』、坂口安吾『夜長姫と耳男』を担当するイラストレーター・夜汽車によって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
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5.0七一三年の官命によって編纂された「風土記」。全国各地の産物や土地、神話などを記す古代の貴重な資料である。その地誌としての性格をふまえ「風土記」を読み解けば、日本人に通底する心のありようが見えてくる。 【目次】 はじめに 第一章 「風土記」とはなにか 第二章 「風土記」の時間 序 説 第一節 「風土記」の時間認識 ―「古」「昔」「今」― 第二節 神の歴史 ―オオナムチ神話の国作り― 第三節 天皇の歴史 ―風土記巡行伝説― 第四節 祖先の歴史 ―「祖」「初祖」「遠祖」「始祖」「上祖」の世界― 第三章 「風土記」の空間 序 説 第一節 神話の空間認識 第二節 里長の役割と「里の伝承」 第三節 巡行伝承の空間的再配置 第四章 「風土記」からみた日本文化 序 説 第一節 松になった男女の「罪」と「恥」 第二節 天女の追放 終章 「風土記史観」でみた古代の日本 おわりに 引用文献および参考文献
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-北沢家は元連隊長の厳格な祖父・健吉、商事会社の部長・遼介、賢夫人タイプの母・あや子、長男の菊男、長女の大学生・直子の5人家族。菊男は高校時代に犯した万引き事件を引きずっており、25歳の今も就職もせずにフラフラしていた。ひょんなことから小さな靴屋でアルバイトを始め、その店の老夫婦と家族のような時間を過ごす。やがて恋人も出来る。ある日、堅物に思えた祖父に愛人がいることを知る。祖父にももうひとつの“家”があったのだ。出演は根津甚八、志村喬、木村功、加藤治子、大滝秀治、赤木春恵、いしだあゆみ、藤田弓子ほか。企画・木下恵介、演出・服部晴治。昭和52(1977)年TBS系で放送。向田邦子の単独執筆。全10回を掲載。
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-昭和短歌界に颯爽と出現した中城ふみ子。 彼女の歌集『乳房喪失』は、歌集として異例のベストセラーとなる。 その美貌と才能に恵まれながらも、乳がんを患い、激しく生き抜き、31歳で夭折した女流歌人・中城ふみ子の評伝。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
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-「古川ロッパ昭和日記」「下司味礼賛」などの名作・代表作を一冊に収録した電子版古川ロッパ(緑波)全集。五十音順の目次一覧から読みたい作品をすぐにお読みいただけます。 ●目次 ああ東京は食い倒れ 浅草を食べる 色町洋食 うどんのお化け 想い出 甘話休題 牛鍋からすき焼へ 下司味礼讃 神戸 氷屋ぞめき このたび大阪 清涼飲料 駄パンその他 食べたり君よ 八の字づくし 富士屋ホテル 古川ロッパ昭和日記 昭和九年 古川ロッパ昭和日記 昭和十一年 古川ロッパ昭和日記 昭和十二年 古川ロッパ昭和日記 昭和十三年 古川ロッパ昭和日記 昭和十四年 古川ロッパ昭和日記 昭和十五年 古川ロッパ昭和日記 昭和三十三年
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