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法月綸太郎の消息
名探偵が挑む、名探偵たちの謎。 法月綸太郎 VS ホームズ、そしてポアロ。 名作に隠された驚愕の「真実」が今、明かされる! 躍動するロジック! これぞ本格ミステリの純粋結晶。 待望のシリーズ最新作!! ☆☆☆ ホームズ探偵譚の異色作「白面の兵士」と「ライオンのたてがみ」。 この2作の裏に隠された、作者コナン・ドイルをめぐる意外なトラップを突き止める「白面のたてがみ」。 ポアロ最後の事件として名高い『カーテン』に仕組まれた、 作者アガサ・クリスティーの入念な企みとは? 物語の背後(バックステージ)が息を呑むほど鮮やかに解読される「カーテンコール」。 父・法月警視が持ち出す不可解な謎を、息子・綸太郎が純粋な論理を駆使して真相に迫る、 都筑道夫『退職刑事』シリーズの後継というべき2編「あべこべの遺書」「殺さぬ先の自首」。 スマートで知的で大胆不敵。本格ミステリの魅力に満ちた傑作作品集、待望の文庫化! -
晴れ、時々くらげを呼ぶ
彼女と出会った。僕の日常は変わった。 純度100%! 小説現代長編新人賞受賞作。 売れない作家だった父が病死してから、越前亨は日々をぼんやり生きてきた。亨は、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。 図書委員になった彼は、後輩の小崎優子と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。 くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見ていた亨だったが、いつしか自分が彼女に興味を抱いていることに気づく。 自分の力ではどうにもできないことで溢れている世界への反抗。本への愛。父への本当の想いと、仲間たちへの友情。青春のきらきらがすべて詰まった一作。 -
レジデンス
湾岸に立つ「湊レジデンス」は普通のマンションだ。どこにでもいるような人が暮らし、どこにでもあるような生活を送っている――はずだった。学校では成績優秀な反面、夜な夜なひったくりを行っている中学生・望。自転車泥棒に制裁と称し暴行を働く弓矢。マンション内で乱れた関係を作る、弓矢の異母兄・充也。事故に遭い就職を失敗したフリーターの根岸。事情を抱える4人の行動が繋がる時、人間の悍ましい本性と残虐性が彼らに牙をむく――。錯綜する”衝動”と”本性”を描く、たった三日間の群像劇。 『ひと』小野寺史宜の、もう一つの顔を刮目せよ。衝撃の「黒小野寺」小説! -
不時着する流星たち
盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪れる破調の予感を見事にとらえた、物語の名手のかなでる10の変奏曲。 -
姉と鞭
「姉さん、これからはぼくの奴隷になれ」離婚訴訟中の姉・裕子はカーテンの閉ざされた部屋で、弟の一彦が振りおろす鞭に夜ごと甘美の声をあげる。やがて、二人だけの陵辱の世界に満足できなくなった一彦に、SM撮影会のモデルとなるように命じられた裕子は、見知らぬ男たちの眼前で縛られ、容赦ない鞭にうち震えつつも、快楽の海に耽溺していく。 -
触診
「触ってください、好きなところを」鷹見クリニックを経営する女医・令子は、患者である福川隆介のインポテンツを治すため、黒いガーターストッキングの上に白衣だけを纏って診察を始めた。細い指先で滑らかな愛撫を続け、はだけた白衣の隙間から体を隆介にまさぐらせるうちに、令子自らも欲望の疼きを覚えていく。魅惑の女医シリーズ第一弾。 -
目かくしがほどかれる夜
夜毎、地下室で繰り広げられるのは、ローションでぬめる少女の体を組み敷き、執拗に責め苛む男の倒錯したプレイだった。しかし、手錠をかけられ無防備な姿で嬲られるうちに、あどけなさの残る少女の目にも妖しい光が宿り始める。ED治療の名目で、合法的レイプを行う治療院の存在を知った女医・令子は…。艶麗な女医シリーズ第三弾。 -
令夫人
着物の胸元に両手を入れ左右に大きく割る。「いや……しないで」抵抗することを諦めた言葉だけの拒絶が唇からかすかに洩れた。製菓会社の社長夫人・友香は、待ちぶせしていたかつての恋人・鹿島に強制的にホテルに連れ込まれる。たった一度だけの過ちのはずだった。が、貞淑な妻は、平穏な家庭を守ろうとすればするほど過酷な罠に堕ちてゆく。 -
昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学
桃太郎はなぜ桃から生まれ、犬と猿と雉を味方につけたのか。 浦島太郎が玉手箱を開けて死ぬ定めにあるのはなぜか。 人間を喰らおうとする山姥の正体とは──。 誰もが知りながら、荒唐無稽で謎めいた昔ばなしの世界。 しかし多様な伝承の森に深く分け入り、古代神話や民間信仰に その足跡をたどるとき、死と再生、性と笑い、 異界とこの世をめぐる共通の世界観が浮かび上がる。 現代人が忘れてしまった豊かな意味を取り戻すための神話学。 ※本書は、山川出版社より二〇一三年に刊行された『昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語』に大幅に加筆修正し、改題して文庫化したものが底本です。 【目次】 はじめに 第一話 桃太郎――桃太郎はなぜ犬と猿と雉を連れていくのか 第二話 かちかち山――トリックスター、稲羽の素兎の末裔たち 第三話 花咲爺さん――お爺さんはなぜ犬の灰をまくのか 第四話 浦島太郎――分断された乙姫の玉手箱 昔ばなしの論理を読み解く(1) 第五話 鬼の子小綱――笑いと性の力が春を呼ぶ 第六話 三枚の護符――便所はあの世の出入り口 第七話 蛇婿入り――苧環はなぜ蛇を退治するのか 第八話 蛇女房――無欲と貪欲の報酬 昔ばなしの論理を読み解く(2) 第九話 産神問答――魂を掃き出す箒の力 第十話 ミソサザイは鳥の王――仁徳はいかにして聖帝になったか 第十一話 ホトトギスと兄弟――夜鳴く鳥の悲しい前世 第十二話 鉢かづき姫――顔を覆い隠す花嫁 第十三話 一寸法師――脱皮する少年たち おわりに -
人間失格 アニメカバー版
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫ 無頼の生活に明け暮れた太宰自身の苦悩を描く内的自叙伝であり、太宰文学の代表作である「人間失格」と、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描き、命日の由来にもなった「桜桃」を収録。 <シリーズ累計250万部突破!「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――! -
三浦綾子 電子全集 氷点
北海道旭川市を舞台に人間の「原罪」をテーマにした著者のデビュー作であり、代表作。 ある夏、北海道旭川市郊外の見本林で3歳の女児が殺される。父親、辻口病院院長の啓造は出張中、母親の夏枝は眼科医の村井の訪問を受けている最中の出来事だった。夏枝と村井の仲に疑いを抱いた啓造は、妻を苦しめたいがために、自殺した犯人の娘を引き取ることにする。事実を知らない夏枝はその娘に陽子と名付け、失った娘の代わりにかわいがる。夏枝や兄の徹らの愛情に包まれて明るく素直な娘に成長していく陽子だったが、いつしか家族に暗い影が忍び寄る―。 三浦綾子の朝日新聞の懸賞小説当選作であり、デビュー作。 そして、1969年(昭和44年)、1970年(昭和45年)、1981年(昭和56年)、2006年(平成18年)と昭和から平成にかけて4度にもわたりテレビドラマ化された、空前の名作である。 「三浦綾子電子全集」付録として、懸賞小説の当選発表記事や受賞の言葉などを収録! -
モノノ怪
戦乱の時代。常人離れした体躯と武勇を持つが、実際は心優しき乙女の小梅。そのあまりの強さから「鬼御前」と異名をとっている。その小梅と山で恋に落ちたのが、帆足鑑直。玖珠郡帆足郷の若君だ。二人の父親はかつては手を組んでいた当主同志なのだが、訳あってお互いをけん制しあっている。帆足孝直の父は帆足郷の当主で山間の小領主として苦労が絶えない生活を送っており、息子はその苦労を間近で見ていた。小梅の父は古後摂津守で、玖珠郡の盟主として人望はあるが、一方で小賢しい策を弄しがちだ。小梅は鑑直と結婚するが、島津軍が攻めてくる。「鬼道」と自ら呼ぶ妖の術を操る僧は人々を惑わし妖怪たちが跋扈し始めたその時――薬売りが現れ、モノノ怪を斬る! 「モノノ怪」スピンオフ時代ものシリーズ第2弾! -
翼竜館の宝石商人
疫病と洪水の恐怖が迫る街。 死んだはずの宝石商が 二重密室に蘇る。 レンブラント vs. 謎のペスト医師。 2018 Apple ベストミステリー 「さっきお前は男は内科医だと言ったな? 顔を見せようとしなかった、とも」 「はい。鍔広の帽子と顔にかかるくらい襟の高い服をお召しで、 その方は仕事柄あまり人に顔を見せたがらないと いうようなことをおっしゃっていました」 「ペスト医師だ」 画家レンブラントのもとにやってきた、ある宝石商からの急ぎの使い。父の代理でその館を訪れたティトゥスは、憔悴しきった宝石商と会うが、宝石商はその夜ペストで命を落とす。そこに現れた瓜二つの男――。蘇った死者。二重密室。疫病と洪水の恐怖が迫る十七世紀アムステルダムで謎が謎を呼ぶ傑作ミステリー。 -
暴君公爵の不敵な溺愛 「思い出すまで逃がさない」と迫られてます
見知らぬ場所で目覚めたルチェラ。 そこは美しくも尊大、暴風公爵と悪名高いカイの屋敷だった。 カイは現在皇帝殺しを疑われている。 潔白を示すには現場に倒れていたルチェラだけが頼りらしいが――ルチェラは記憶を失っていた。 記憶を取り戻すため、ルチェラは事件に関わる場所を連れ回されることに。 解放されたい一心で従うが修道院で虐げられた辛い記憶まで蘇る。 だがカイは過去も肯定し、ルチェラを必要としてくれた。 噂とは裏腹に真に国を思うカイを助けようと真相に迫るが、思いがけずルチェラの秘密も暴かれ――。 ==登場人物== ルチェラ 皇帝が死亡した現場近くに、修道服を着て倒れていた。 感情が高ぶると金色に光る特別な瞳には、皇国の根幹に関わる秘密が隠されていて――? カイ マルジョッタ皇国の皇帝を支える八公爵の一人。美青年だが傲岸不遜。 領民の生活向上のために改革を進めているが、その強引さゆえになかなか理解されない。 ※紙書籍初版&電子特典として、書き下ろしショートストーリー【暴君公爵と無敵の賭け事】を収録 詳細は紙書籍の帯、電子書籍の巻末をご確認ください -
文庫ギャラリー ちひろのアンデルセン
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ちひろの描いたアンデルセンの世界。ファンタジーの名作をちひろの絵と言葉で再発見!――アンデルセン童話の世界に深く共鳴し、数多くの作品を描き続けたいわさきちひろ。『人魚姫』『赤いくつ』『絵のない絵本』など、くり返し描いた作品を中心に、アンデルセンの様々なお話の絵を一堂に集め、ちひろ自身が語った言葉や取材旅行記などと共に、人の世の真実を描いたアンデルセンへの思いを浮き彫りにする。 -
あやかし民宿の愉怪なおもてなし
ほんの少しでも悪意を持って見た相手を、体調不良にさせてしまう「呪いの目」を持つ孤独な少年・夜守集(やもり しゅう)。 高校進学を機に、妖怪の町・鳥取県境港市にある、祖母が経営する民宿「綾詩荘(あやしそう)」に居候することに。 しかしそこは、あやかしも泊まれる宿だった! 祖母に上手く丸め込まれ、宿で働くことになった集はある日、フクロウの体に幼い男の子の魂が憑いたあやかし「たたりもっけ」と出会う。 自分の死を理解できないまま、この夜を彷徨う彼に、集はもう一度家族に会わせてあげたいと奮闘するが――。 のんびりゆったり居候……のはずが、手のひらサイズのお部屋掃除に、10メートルの布団干し!? 愉怪で奇怪なお宿、営業中です! -
モノノ怪
15年経った今でもノイタミナ全70作中第1位(※「あなたが選ぶ思い出の3作品」2005年―2009年制作部門1位)という人気を誇る和製ホラーアニメ作品『モノノ怪』。その作品世界を踏襲したスピンオフ小説を「僕僕先生」「黄泉坂案内人」 シリーズで人気の仁木英之が書下ろす。 猪苗代湖畔の天守に夜になると現れる姫、深川の長屋住まいのつくり花師を取り込んだ妖狐、古戦場に現れる獰猛な妖怪、本郷前田藩の屋敷近くに出る顔をはぐ怪物など、モノノ怪あるところに現れる妖しき薬売り。「形」「真」「理」の3つが揃うとき、薬売りの持つ”退魔の剣”の封印が解かれ、モノノ怪を斬る! 斬新な世界観で多くのファンを魅了した和製ホラーアニメ『モノノ怪』に登場する謎多き薬売りのスピンオフ小説、全6話。 -
つたない舌
社内の何者かに電話で脅迫され、目隠しのままレイプされた千穂は、いつしか男からの連絡を待つようになった。そして、その疼きを満たすために働き始めたSM風俗店で、客として来た叔父の昭彦と遭遇する。夜毎、昭彦に凌辱され、言い知れない興奮を覚え始めた千穂は、命じられるままに高級クラブでストリップを演じ、未知なる快楽に溺れていく。 -
秘密診察室
「大丈夫、誰も見ていないから」十八歳の看護婦・祐美は、鷹見クリニックを経営する女医・令子が、深夜に極秘で行っているED治療を手伝うことになった。ボディコン型の白衣を纏って患者の股間を揉みしだき、意のままに自らの体をまさぐらせるだけだったはずが、いつしか令子の指示は激しさを増して…。妖艶な女医シリーズ第二弾。 -
魔界
そのとき、ブレーキの軋みと、若い男の叫ぶと、衝突音が同時に起こった。“はねてしまった……!”道路に倒れている男は動かない。が、彼は辺りに誰もいないことに気付いた……。車体の傷から轢き逃げの発覚を恐れた彼は、車を修理に出した。が、あとで、車の損傷部分をカメラに納めて帰った男がいることを知らされた。そして、その男の正体が、会社の陰険な部下であることを知ったとき、彼は心にどす黒い殺意が吹き上げてくるのを覚えた! ある日の出来事をきっかけに、平穏な日常から恐ろしい魔界に落ち込む、人間の恐怖と戦慄を描くブラック・ロマンの世界。全5篇収録! -
大江戸テクノロジー事情
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 遊び心あふれる江戸人たちの科学技術を紹介。暦、和時計、からくり人形、錦絵、花火など、大江戸のユニークな創意工夫に注目! 今こそ、学ぼう! 大江戸の知恵と心――暦、和時計、からくり、錦絵、天文学、花火など、江戸時代の様々な創意と工夫を紹介。江戸の人びとが、科学知識や技術を軍事よりも、遊びや楽しみの手段に力をそそいだ様子を、生き生きと伝える。目先の利益と効率ばかりを追う、テクノロジー大国・日本に警鐘を鳴らす、好個の一冊。大好評の「大江戸えねるぎー事情」姉妹編。 -
紅い糸のその先で、
この運命を結んで欲しい。この苦しみを解いて欲しい。 縁もゆかりも関係ない、君と一緒にこの先の人生を紡げるのなら、 いつかそれが運命だったと言える日まで共にいよう――。 子供の頃から「運命の糸」が見えていた主人公・つむぎは両親の不仲は糸が繋がっていないせいだと思っていた。 生きている全ての人間には小指に運命の赤い糸が結ばれていて、誰かと必ず結ばれているというのが彼女の見ている世界だった。 なので、自分が付き合うのであれば必ず赤い糸が繋がっている相手がいいと思っていた。 高校生になったつむぎは入学式でとある男子生徒とぶつかる。 気怠そうな雰囲気で目の下に隈を作っていた彼は驚いた表情を浮かべるも緩く口角を上げて去っていった。 偶然、その男子生徒と委員会が一緒になった。名前は解人。 委員会の仕事を通して解人と仲良くなっていくつむぎだったが、ある日衝撃の告白を受ける――。 『僕と彼女の365日』の著者が紡ぐ、運命の物語。 -
いつか深い穴に落ちるまで
だって、近道じゃありませんか。戦後まもない日本で、ブラジルまで直通の穴を掘る前代未聞の新事業が発案された。極秘事業の「広報係」となった鈴木一夫は、計画の前史を調べ、現在まで続く工事の進捗を記録していく。地球の裏の広報係との交流や、事業存続の危機を経て、ついに「穴」が開通したとの報告を受けるが……。奇想天外な発想力で多くの本読みたちを唸らせた、唯一無二のサラリーマン小説。第55回文藝賞受賞作。 この小説は、突拍子もないのに生真面目で、奇妙なのに誠実で、愛おしいけれど残酷な、私にとって忘れ難い物語でした。 村田沙耶香氏 作り込まれたリアリティーと荒唐無稽なファンタジーの狭間を行き来する異空間的小説。 ニシダ氏(ラランド) -
マルクスその可能性の中心
作品を読むことの意を問う、画期的マルクス論。作品の外に、どんな哲学も作者の意図も前提にしないで読むこと、まだ思惟されていないものを読むこと、可能性の中心においてマルクスを読むとは、そういうことである。柄谷行人の不朽の名作。 ◎ある作品の豊かさは、著作家が意識的に支配している体系そのものにおいて、なにか彼が「支配していない」体系をもつことにある。……私にとって、マルクスを「読む」ことは、価値形態論において「まだ思惟されていないもの」を読むことなのだ。……マルクスをその可能性の中心において読むとは、そういうことにほかならない。<「序章」より> -
夢魔
新幹線の車中で、美しい和服の女が発病した。医師と名乗る黒背広の男に治療をうけた彼女は、京都で下車した。が、その瞳はどこか虚ろだ。ルポライター・渋谷は、彼女を尾行する。それは、奇怪な体験であった。京都の有名な料亭の若夫人である彼女が、娼婦のように彼に身を任せたのだ。しかも彼女は、その悦楽の情事を一切記憶していない、という。この日から渋谷の周囲に「夢魔」にあやつられた女たちが、続々と登場する。女は鍵言葉(キー・ワード)で、やすやすとその白い肉体を開き、没我の欲望に狂うのだった……。深層催眠を利用して女体を弄ぶこの「夢魔」の正体を渋谷は追う……。 -
遺跡発掘師は笑わない 元寇船の紡ぐ夢
天才発掘師・西原無量は鷹島沖の海底遺跡で黄金の剣を発見するが、何者かに奪われてしまう。 同じ調査チームのダイバー・黒木と共に犯人捜しをはじめるが、犯人とおぼしき男は死亡。 その背後には、国際窃盗団コルドとその幹部バロン・モールの暗躍があるらしい。 この剣は高麗の「忠烈王の剣」か、あるいは黒木家に伝わる家宝「アキバツの剣」か? 歴史に秘められた真実がまた一つ明らかになる! 文庫書き下ろし、シリーズ第7弾! 【目次】 第一章 真実は海の底に 第二章 太祖が愛した勇者 第三章 広大の秘密 第四章 交渉人・相良忍 第五章 刀剣の眠る海 第六章 バッカスの宴 終 章 -
嘘はほんのり赤い
真っ赤な、までは行かない嘘とは、どのようなものか? この小説のタイトルを確認してから読み始めれば、 その「嘘」というのはおそらくこのことだろう、 という察しは、たいていの読者にはつくのではないか。 だからその「嘘」はそれほど巧妙に仕組まれたものではない。 そのことよりも、男が2人、女が1人というその力関係と 女性が持つ魅力のための軽い装置として「嘘」はあると考えていい。 3人がライダーであるならば、いささか大掛かりな「嘘」の仕掛けも 「真っ赤な嘘」までは行かない、ほんのりと赤く染まる程度なのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
彼のオートバイ、彼女の島
夏と、島と、オートバイ。 退屈を知らない日々のためには、 まずその3つが必要だ。 一度目は高原の道で。二度目は共同浴場で。 偶然の出会いが2度あった「彼女」は、 もう無関係な他人ではない。 仕事や悩みが毎日の多くの時間を占めてしまったとしても ひとたびオートバイに乗り、歓びを分かち合う人が隣にいて 風が、道が、光が、山々が、自分と一体になってしまえば もはやそこに退屈の入り込む隙間はない。 夏という時間、島の時間を生きる彼ら彼女らは 限りなく自由だ。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
ここはとても速い川
読んでいる間、ずっと幸福でした。――川上弘美 保坂委員が説明の途中で嗚咽した場面は 野間新人賞の選考の歴史に刻まれよう。――長嶋 有 選考委員--小川洋子、川上弘美、高橋源一郎、長嶋 有、保坂和志-- 満場一致の、第43回野間文芸新人賞受賞作 【あらすじ】 児童養護施設に住む、小学五年生の集。 一緒に暮らす年下の親友ひじりと、近所を流れる淀川へ亀を見に行くのが楽しみだ。 繊細な言葉で子どもたちの目に映る景色をそのままに描く表題作と、 詩人である著者の小説第一作「膨張」を収録。 選考委員の絶賛を呼び、史上初の満場一致で選ばれた、第43回野間文芸新人賞受賞作。 -
死にたいあなたに男子大学生がお肉をごちそうしてくれるだけのお話
「料理好きの男子大学生」。最近、私が夢中になっているお料理動画アカウントだ。 疲労と憂鬱を溜め込んだ重たい体で帰宅して、スマホで彼の動画を見るのが唯一の癒し。 どうやらお肉が大好きらしい彼は、ハンバーグにサイコロステーキ、メンチカツなどなど、いつも素敵なレシピを解説付きでアップしてくれる。 その軽快なトークと、柔らかい語り口に、私はすっかりハマってしまっている。ああ、今日もなんて美味しそう……! 寄生ぶりっ子マウント女、純情女子大生から金も身体も巻き上げるクズ男、同担拒否SNS粘着女。 嫌なことは全部この包丁で刻んだのちにじっくり焼いてコトコト煮込んで、ハンバーグにしちゃいたい! 読めばスカッと、大人のための暗黒童話的メシウマ小説! -
とにかくウツなOLの、人生を変える1か月
幸せって何なんだろう……。慢性的な倦怠感を抱く20代後半のOL奈緒が出会ったのはメンタルジムのカウンセラー・ヒカリ。「頭の中を変えるためには言葉を変えればいい」「運を落とすのは迷いなの」「幸せとお金を切り離して考えられない限り幸せにはなれないわ」。仕事に恋にお金、人間関係、ダイエット……人生にまつわる悩みが尽きない奈緒がヒカリの言葉で変わっていく! 今をしなやかに生きるヒントが詰まった応援小説。 <目次> プロローグ メンタルジムとの出会い 1 心と体のダイエット 2 仕事のやりがい 3 時間の余裕を作るには? 4 お金に振り回されないために 5 人間関係は変えられない!? 6 恋の第一歩とは、自分を愛すること エピローグ カウンセリング最終回 -
多摩川のミーコ
星も見えない真っ暗な夜。子ねこのぼくは、人間に捨てられた。ごうごうと低くうなる、 恐ろしい音がする闇の中、温かく抱き上げてくれたのは、ほこりと汗の匂いのする一人の男性だった……。 多摩川の河川敷で、ホームレスの“おっちゃん”に拾われた捨て猫のミーコは、同じくおっちゃんに拾われた白ねこのたまさんと、一人と二匹で暮らし始める。厳しくも温かい日々の中、良い人間も、悪い人間もいることを学び、少しずつ人との絆を深めていくミーコ。成長するにつれ、おっちゃんやたまさん、自分の家族を守ろうと考え始めるようになる。しかしその矢先、大型台風が河川敷を襲って……。「おっちゃんの大事なねこ」になるために、ミーコが選んだ決断とは……? 2007年に関東を襲った大型台風「台風9号」。その裏で起きた、温かくも悲しい感動の実話。 【目次】 その一 春 その二 青葉のころ その三 夏 その四 秋 その五 台風 その六 台風のあと その七 冬 その八 ふたたびの春 あとがき 寄り添いあう世界 ※本電子書籍は、角川つばさ文庫『多摩川にすてられたミーコ』を改題の上、加筆・修正した文庫が底本です。 -
和泉式部日記
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 弾正宮を喪い、人の世を「夢よりもはかなき」ものと観じ、頼りない式部の心に、四月(うづき)青葉の頃、弟宮帥(そち)宮との恋が始まる。「あやしかりける身のありさま」と嘆く身も、五月雨、七夕、紅葉やがて雪の頃と季節が移り、交わす心持も深まる。南院に迎えられるまで十ヵ月余の恋の哀歓を、贈答歌を骨子につづる。黒川家旧蔵の寛元本を底本に、「和泉式部日記は藤原俊成の作」とする川瀬一馬氏の校注になる「日記」。 -
慶長大判
関ヶ原の戦いの翌年、徳川家康は江戸大判座で大型金貨を鋳造し、日本で初めての全国的流通金貨とした。その金貨を届けるために男たちは……という表題作はじめ、人情や愛嬌のある人々を描いた、8作品の短編集。 -
算士秘伝
現代での数学=算法を操る者たちの悲喜こもごもを描いた表題作や、超能力である千里眼を持つという女と、そこに群がる者たちを描いた『千里眼』など、時代物の短編集、全7編。 -
喋る男
日堂テレビの安道紳治郎は、窓際でくすぶるアナウンサー。 まだまだ現役として活躍していたいのに、来るのはアナウンサー養成学校の講師の依頼ばかり。 そんな安道のもとに、日堂テレビが買収されるという話が飛び込む。 前代未聞の大事件に安道も戸惑うばかりだが、そんな中、新規事業に参加してほしいと指名される。 恐る恐る行ってみた先には、あまりにも先進的なオフィスだった。 その上、そこで行われていたのは、安道の生きがいともいえるアナウンサーの仕事を全てAIで賄えるようにすること。 アナウンサーでいたい自分と、人間からアナウンサーの仕事を奪っていく自分、二つの間で揺れる安道が選んだ答えとは!? 『ファミリーラブストーリー』『ボクの妻と結婚してください』の著者が贈る、窓際アナウンサーの快進撃!
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