小説作品一覧

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  • 意地悪な母と姉に売られた私。何故か若頭に溺愛されてます
    3.8
     地味で取り柄もない菫。派手好きで浪費家の母と姉に、稼ぎから家の仕事まですべて押し付けられ、身も心もボロボロだった。ある日、姉の借金の取り立てにヤクザが乗り込んできて……返済の代わりに、菫はヤクザに売られてしまった。  家族に捨てられ沈む菫に、何故か若頭の桐也は親切に接してくれる。やがて店に出るため着飾った菫を見て、桐也は意を決したように言うのだった。 「……店に出なくていい。俺の専属家政婦になれ」  ――やがて結婚し幸せになる二人が、お互いの居場所を見つけていく、不器用な溺愛生活がはじまる!
  • いじわるペニス
    -
    1巻528円 (税込)
    3年間を捧げた同僚に振られて、29歳の私は会社を辞めた。彼は同じ会社の別の女と結婚したのだ。あの時から、私は、普通の恋愛というものから、なるべく遠ざかるように生きている…。勃たないウリセンボーイに募る想い、哀しいため息、膨らむレディースローン。最後に二人を結ぶのはお金?それとも愛?このまま、私はどこに行ってしまうんだろう…。

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  • 異人館街殺人事件
    -
    1巻770円 (税込)
    神戸は横に長い街だ。北は六甲山、南は大阪湾に面している。山手には観光名所である幕末から明治時代にかけて建設された異人館街があった。そこから街の中心部へと続く長い坂道。そこで銃声が鳴り響き、通りすがりと思われる男性が倒れていた。 銃弾は既存の銃とは違う口径のものだった。凶器は見つかっておらず、種類も持ち主も特定が難航する。坂道の途中にあったアンティークショップ。そこに全ての謎が隠されていた。
  • 異人館画廊 星灯る夜をきみに捧ぐ
    3.8
    千景が帰国後はじめてのクリスマスが訪れようとしている。昔はクリスマスが苦手だったが、いまは千景を笑顔で迎えてくれる異人館画廊に集う人たちがいるおかげでまったく違う風景に感じられる。だが一方で千景は恩師から再渡英を意味する博士論文の執筆を勧められており…。そんななか不可解な強盗事件に、呪われた絵画が関わっているらしいと京一から相談を受けた千景と透磨は、カラヴァッジョに憑りつかれるように魅せられた男と、父との軋轢に苦しみ続けた女の奇妙な接点に気づいた。見る者の心揺さぶるアウトサイダー・アートの謎を追う中、千景が見つけた自身の過去と未来を照らす「答え」とは? 『異人館画廊』第一部・完結!
  • 異人館画廊 透明な絵と堕天使の誘惑
    3.8
    千景のもとに「――もうすぐ僕は、絵を完成させる。見た人を不幸にする絵だ……」と脅迫めいた手紙が届いた。消えた図像術の研究者、有名な心霊スポット「切山荘」、四つの絵……点と点が線となり、やがて千景の過去へと繋がっていく。誘われるように、自らの失った記憶に向き合おうとする千景を透磨は案じ、守ろうと二人の距離は近づいて――? 待望の第六弾!!
  • 異人館画廊 失われた絵と学園の秘密
    3.8
    自殺未遂した少女、消えた絵……。鈴蘭学園美術部で起こった複数の事件には、図像術につながる何かが感じられる。そんななか鈴子の提案で、千景は生徒の一人を装って、学園の潜入調査を決行することになって……!? 矛盾する少女たちの証言に翻弄されながらも、千景と透磨は、事件と……呪われた絵画「ユディト」の謎を追う――。話題の美術ミステリー、第5弾!!
  • 異人館画廊 当世風婚活のすすめ
    3.7
    成瀬家は、代々“禁断の絵”を守ってきた旧家だ。その絵が盗まれた。当主の美津に絵をさがしてほしいと頼まれた千景と透磨だが、件の絵は異人館画廊に置き去りにされていた。同時期、失踪中の次期当主候補・雪江が遺体で見つかるが、容疑者に浮上した男が千景の誘拐事件の関係者だと判明し!? 深まる謎の中、記憶の封印が次第に解けてゆく。緊迫の美術ミステリー!!
  • 異人館画廊 幻想庭園と罠のある風景
    3.6
    名画を模した庭園にこめられた謎――話題の美術ミステリー!! 図像術の絵を求めて、離島に住むブリューゲルのコレクターを訪ねた千景。絵の持ち主・波田野は、邸の庭園でブリューゲルの絵を再現しようとしているらしい。庭園を完成させれば絵を見せると言われた千景は庭園の謎を追うが、透磨はそれが千景の父・伸郎の設計だと気づく。父の見えない悪意に苦しむ千景は、さらに波田野の息子が起こした事件に巻き込まれてゆき…。
  • 異人館画廊 贋作師とまぼろしの絵
    3.6
    【集英社オレンジ文庫創刊!】真実は、絵の中に。呪いの絵画をめぐる美術ミステリー! 英国で図像学(イコノグラフィー)を学んだ千景は祖母の営む『異人館画廊』で暮らしている。ブロンズィーノの贋作の噂を聞いた千景と幼馴染みの透磨は高級画廊プラチナ・ミューズの展覧会に潜入するが怪しい絵は見つからなかった。が、ある収集家が所持していた呪いの絵画が、展覧会で見た絵とタッチが似ていることに気づく。しかも鑑定を依頼してきたのが透磨の元恋人らしいと知って!?
  • 異人たちとの夏(新潮文庫)
    4.0
    妻子と別れ、孤独な日々を送るシナリオ・ライターは、幼い頃死別した父母とそっくりな夫婦に出逢った。こみあげてくる懐かしさ。心安らぐ不思議な団欒。しかし、年若い恋人は「もう決して彼らと逢わないで」と懇願した……。静かすぎる都会のひと夏、異界の人々との交渉を、ファンタスティックに、鬼気迫る筆で描き出す、名脚本家山田太一の独自の小説世界。第一回山本周五郎賞受賞作品!(解説・田辺聖子)
  • 異人類白書
    -
    1巻495円 (税込)
    置いていたはずのものが見つからないのも、電話が混線して遠い声が聞こえるのも、塗りたてのペンキに手形がついているのも……すべては「異人類」のせいだった! とぼけた博士とお茶目な助手が、まだ見ぬ異人類を求めて奔走する。連作ユーモア短篇小説集。 ●浅暮三文(あさぐれ・みつふみ) 小説家。第8回日本ファンタジーノベル大賞最終候補を経て、1998年第8回メフィスト賞『ダブ(エ)ストン街道』でデビュウ。2003年第56回日本推理作家協会賞を『石の中の蜘蛛』で受賞。他作品に『実験小説ぬ』『ぽんこつ喜劇』、エッセイ『おつまミステリー』など多数。著作はイタリア、韓国で翻訳され、中学校教科書に採用された。日本文芸家協会、日本推理作家協会会員。
  • 王立士官学校の秘密の少女 イスカンダル王国物語
    2.8
    王立士官学校≪黒の門≫。全土から集まる優秀な生徒たちの中に華奢な美少年が一人。イェレミアス・リーヴライン──真の名はアリシアという。その正体は少女だった。 アリシアは入学早々、有力子弟の一派に目を付けられてしまう。立身出世が約束される学園生活。正体を隠しつつ無事卒業しなくてはならない。 だが彼女にも心強い仲間が。常に寄り添う従者ジークハルトに、腕の立つ少年ユスフ。そして彼女自身にも秘めた才能があって? 陰謀渦巻く壮大な学園ストーリー開幕!
  • 椅子がない
    -
    1巻1,089円 (税込)
    私は 捨てようと思った者たちを また 自ら 拾ってしまった……。楽天的でワンマンな夫と、そんな夫を溺愛する姑と共に弁当店を営むのり子は、夫と姑からの心ない言動に耐え、苦しい経営の中でも必死に歯を食いしばって生きてきた。相手には明かせず、明かすこともなかった時々の思いは、嫁という立場から解放されて初めて詩の中に素直に吐露できたのではないだろうか。
  • イスタンブル、イスタンブル
    4.0
    美しき街への痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。  イスタンブルの地下牢獄の一室に、学生のデミルタイ、温厚なドクター、気難しい床屋のカモが閉じ込められていた。苛烈な拷問を待つあいだ、彼らは互いに物語をして時を過ごす。そこに激しい拷問を受けたばかりの老人キュヘイランが加わる。彼は幼い頃から父が影絵で物語ってくれたイスタンブルに憧れていた。彼らはまるで疫病を避けて家に閉じこもり物語をし合った『デカメロン』のように物語り合い、空想の世界でお茶を飲み、煙草を味わう。やがて彼らの過去が少しずつ明らかになり、と同時にそれぞれがまた拷問へと連れだされていく…。  2018年EBRD(欧州復興開発銀行)文学賞受賞。東西が溶け合う美しい街と、その地下で彼らを襲う残酷な現実――クルド系トルコ人の作家がイスタンブルへの痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。 (底本 2023年9月発売作品)
  • 椅子と電車
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
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  • いすみ写真館の想い出ポートレイト
    -
    祖父が遺した「いすみ写真館」を継ぐこととなった駆け出しのカメラマン・透。彼には不思議な力があった。“裸眼でファインダーを覗くと過去の写真を撮ることができる”――。扱いを間違えれば、とても危険なその力を、お人好しの透は人助けのために、少しずつ使うことに決めた。無くしたものを探すために。疑惑の真相を調べるために。消えた少女を見つけるために。写し出された人々の笑顔と、時には涙に触れながら、彼はシャッターを切り続ける。
  • 伊豆・熱海特命捜査官
    -
    熱海の紅葉(もみじ)寄席の最中、女漫才師のすみれが突然死した! 解剖の結果、特殊な医薬品がすみれの体内から検出され、熱海署員は殺人事件と判断する。翌日、相方のぼたんまでが行方不明に。わずか5分の間に忽然と姿を消した彼女を求め、捜査陣は必死の捜査を行なう。だが、無惨な死体となって発見される。所轄署刑事をすべて県警指揮下に置く〃全県一署体制〃を敢行!
  • 伊豆-猪苗代W殺人
    -
    二つの宝石商殺人事件の裏に隠された真相と巧妙な罠!  宝石商を殺害し逃走中の男を偶然目撃してしまった小高昌夫とその婚約者。犯人と乱闘の末、婚約者は殺されてしまう。捜査は難航し、一転、疑いは昌夫に向けられることになった。容疑は晴れたもののいたたまれなくなって故郷を離れ上京した昌夫だが、またもや宝石商殺人事件に巻き込まれる。なぜ彼は似たような殺人事件の現場に出くわすのか…? 二つの事件の裏に隠された謎に敢然と立ち向かう探偵・松平雪雄の推理が冴える。  表題作の中編ミステリ他、四編の短編を収録。 *伊豆-猪苗代W殺人 *湖畔心中の罠 *臆病な誘拐犯 *犯人は通報者 *初恋の人さがします ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 伊豆・踊り子列車殺人号
    3.0
    『伊豆の踊子』にちなみ、開催された“踊り子祭り”。そのイベント会場から、踊り子に扮装した少女が失踪した。同じ夜、河津七滝(かわづななだる)の老舗(しにせ)旅館の主人が死体で見つかる。踊り子の簪(かんざし)に埋もれて!? イベントに参加していた息子の竜におされ、トラベルライター・瓜生慎(うりゅうしん)は、新聞記者・可能克郎と一肌脱ぐことに……。大人の思惑に翻弄される少年少女。社会派鉄道推理意欲作!
  • 伊豆海岸殺人ルート
    -
    OL殺しの容疑で逮捕された男が自殺した。無実を訴える男は、アリバイを主張したが、その証人である写真家夫妻も失踪していた。死の直前に容疑者が明かした写真にまつわる謎を追う十津川警部を嘲笑うかのように、手がかりを握る人物が次々と殺されていく。一枚の写真が招いた殺人の連鎖と、その驚愕の真相! 「殺人ルート」シリーズに燦然と輝く傑作長編推理!
  • 伊豆・河津七滝(ななだる)に消えた女~十津川警部の叛撃~
    2.7
    十津川警部が妻の直子と伊豆旅行中に出会った、OLグループの一人・東郷由美子が河津七滝で行方不明! 一カ月後、彼女の殺害死体が東京・国立市の豪邸地下室で発見された。事件を追う十津川の前に立ちはだかる数々の謎。由美子の隠されたいくつもの秘密!──伊豆の河津・下田、鬼怒川、会津若松……名勝の地を舞台に、十津川警部の叛撃が冴えわたる。

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  • 伊豆急「リゾート21」の証人
    -
    資産家の女性が自宅で雛祭りの飾り付けをしているところを強盗に襲われ、刺殺された。第一の容疑者は被害者の年下の夫。長身で美男の夫は、過去にも年上の妻が不審な交通事故で死んだため、十億の資産を遺産相続していた。警視庁捜査一課の十津川警部はその夫を犯人だと確信し、状況証拠のみで逮捕に踏み切る。ところが、起訴後、この夫は、殺害の時刻に伊豆急の「リゾート21」に乗車していたことが判明。しかもそのアリバイを示す証拠とは、一枚の絵だった……。窮地に追い込まれた十津川警部は、再度、事件の捜査に奔走する! 著者ならではの魅力がたっぷり詰まった傑作長編トラベル・ミステリー。

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  • 伊豆急「リゾート21」の証人(十津川警部シリーズ)
    -
    東京の資産家の女性が、自宅に押し入った強盗に刺殺された。十津川警部は、半年前に結婚したばかりの年下の夫・中西遼を疑う。彼には、過去にも年上の前妻の不審な交通事故死により、10億円の遺産を受け取った過去があった。中西は犯行を否認したまま、状況証拠のみで逮捕される。だが、犯行当日の伊豆急「リゾート21」車内を精緻に描いた絵に中西らしき人物がいて……。十津川警部が鉄道乗車の鉄壁アリバイ崩しに挑む長編旅情ミステリー。
  • 伊豆恋人岬殺意の砂
    -
    血塗られた過去を消し去り“三つの顔”を使い分ける女。末期ガンで寝たきりになりながらも復讐を考え実行しようとする老人。夫の莫大な財産を狙う奔放な妻とその愛人…。美しく描かれる西伊豆の自然とは対照的な、複雑に絡みあった人間関係。彼らの怨念が引き起こした殺人事件とは? 八木沢警部補の推理が冴える長篇ミステリ。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 伊豆高原殺人事件
    -
    警察に追われる男女が忍び込んだ山荘で見たものは!?  地上げ屋の隠し財産を狙った男女は、まんまと数億円相当の金品を盗み出すことに成功する。ところが通行人に犯行を目撃されてしまう。逃げる二人は伊豆高原のある山荘に忍び込むが、住人は強盗に襲われ、殺される寸前だった。自分たちの立場を忘れ強盗を取り押さえた二人は、身を隠す場所を得る。しかし翌日の夜、軟禁した強盗は死体となって転がっていた…。見知らぬ山荘で繰り広げられる謎の惨劇と驚くべき結末とは? 表題作のほか4編を収録した本格ミステリ短編集。 *伊豆高原殺人事件 *激走の罠 *廃屋の美女 *交換劇の結末 *ことわざ連続密室殺人 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 何処へ(1)
    -
    東北A町の中学校へ、英語教師として、東京から赴任してきた伊能琢磨は、駅に降りた早々、おきゃんな芸者・才太郎の胃痙攣を看病させられた。地方文化の向上を志してきた知性の人・琢磨の心は動揺する……。映画化、テレビドラマ化もされた国民的作家・石坂洋次郎の代表作。全2巻。
  • いづこへ
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
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  • いずこより
    5.0
    「出家遁世と放浪は、いまや私のもっとも深い憧れとなって、心をそそのかしてくる」(本文より) 明るくのびやかな少女期から、短い結婚生活を経て、家も子供も捨てて奔った激しい恋。やがて自立の道を求めて一途に文学に志し、いつしか出離の想いに促されるまで。自立する女の新しい生き方を自ら切り拓いてきた著者が、その波乱の半生を鋭い自己凝視で綴る自伝小説の傑作。
  • 伊豆死刑台の吊り橋 赤かぶ検事シリーズ
    -
    下着姿でぶらさがる男女の死体の謎とは!? ――伊豆城ガ崎にある海吊り橋で、柵からぶらさがる男女の死体が発見された。その4ヵ月前、同じ吊り橋の真下の磯で、若い男女の無理心中と思われる遺体が見つかっていて、加えて2人には巨額の保険金がかけられていた。赤かぶ検事は2つの事件の関連性に目をつけるが、その捜査中にも新たな殺人事件が……!?
  • 伊豆七島殺人事件
    2.5
    「もしもし、おい、どうした?」突然切れた電話に不審を抱いた、海洋開発実験中の片桐主任は、水深40メートルの密室“海底の家(マリーン・ハウス)”に潜行した。ここ神津島の新日本重工・海底居住基地では、極秘の実験が進行していたのだ。……海底の密室で刺殺された研究員! 濡れた電話機、床一面に散った揚げ羽蝶は何を物語る? 傑作本格推理!

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  • 伊豆 下賀茂で死んだ女
    4.0
    伊豆下賀茂のテニスコートで、美人プロテニス選手の殴殺死体が発見された。直後、コーチ、大会スポンサー社長と連続して惨殺され、そのすべての現場には何故か「メロン最中」が残されていた……。
  • 伊豆 下賀茂で死んだ女
    -
    伊豆下賀茂のテニスコートで、美人プロ選手中野美代子の殴殺死体が発見された。直後、コーチの須田、大会スポンサー社長と惨殺され、そのすべての現場にはなぜか「メロン最中」が残されていた。そして事件はスポーツ界を巻き込んだ脱税事件に発展する!

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  • 伊豆修善寺殺人事件
    4.3
    日本画家の沢木は、なじみの京都の舞妓たちと正月を過ごすため、伊豆修善寺温泉を訪れた。そのおなじ旅館で、顔見知りの芸妓の死を知らされ愕然とする。だが、京都に戻った彼らをさらに第2の殺人が待っていた。次々と現れては殺されていく容疑者たち。その裏には、投資用絵画の偽造疑惑が絡んでいた……。新春の伊豆と京都を舞台にした傑作ミステリー。
  • 伊豆の朝凪 米沢着15時27分の死者
    3.0
    東京・武蔵小金井で、CD店経営の本橋昌弘が刺し殺された。死に際に残された「ふじ」という言葉、凶器のナイフに付着した指紋から、藤木隆次が容疑者に。実は二人には、和服の似合う謎の「山手婦人」をめぐって、遺恨があった。事件の鍵を握る彼女の正体とは? 浦上伸介が真犯人の時刻表トリックを解き明かす! 伊豆、東京、米沢を結ぶ殺人事件。鉄壁のアリバイを崩す本格ミステリー。
  • 伊豆の海に消えた女
    4.0
    プレイボーイの青年実業家・高原雅之が刺殺され、付き合いのあった五人の女が捜査線上に浮かんだ。直後、その一人であるモデルの片平みゆきが、犯行を認める遺書を残し伊豆・石廊崎に失踪。事件は落着したかに見えたが、恐るべき連続殺人が開始され…!

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  • 伊豆の海に消えた女
    3.3
    東京南青山の高級マンションで、プレイボーイの青年実業家・高原雅之が刺殺された。十津川警部と亀井刑事の捜査で、五人の女の名前が浮かんだ。その一人、モデルの片山みゆきは、伊豆下田に向かったまま行方不明、石廊崎から身を投げたか、水死体で発見。さらに一人が天城峠で殺され……伊豆を舞台に次々起こる殺人。十津川警部の推理が冴えるトラベル・ミステリー。

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  • 伊豆の踊子
    3.7
    孤独な生い立ちの20歳の主人公は、伊豆の峠で旅芸人の一行と出会った。花のように笑い、無邪気に自分を慕う踊子の薫や素朴な人々と旅するうち、彼の心はやわらかくほぐれていくのだった。淡く、清冽な初恋を描いた名作「伊豆の踊子」、「十六歳の日記」など初期の短篇5編を収録。
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇
    3.9
    旧制第一高等学校に入学した川端康成(1899-1972)は、1918(大正7)秋、初めて伊豆に旅をして、天城峠を越えて下田へ向かう旅芸人の一行と道連れになった。ほのかな旅情と青春の哀歓を描いた青春文学の傑作「伊豆の踊子」のほか、祖父の死を記録した「16歳の日記」など、若き川端の感受性がきらめく青春の叙情6篇。

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  • 伊豆の踊り子殺人事件
    -
    伊豆湯ヶ島温泉で評判の美人女将が、奇妙な死に方をした。自らが経営するホテルの部屋から、水の抜かれたプールへのダイビングだった。検死の結果、血液から睡眠剤を検出。故人をよく知る芸者も、弔問先のそのホテルで青酸中毒と見られる変死を遂げた。そして、地元のベテラン看護婦も謎の死を……!? 恐怖の坩堝と化す山間の湯の町を、推理界の重鎮が解明する!
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)
    4.2
    旧制高校生の「私」は、一人で伊豆を旅していた。途中、旅芸人の一行を見かけ、美しい踊子から目が離せなくなる。大きな瞳を輝かせ、花のように笑う踊子。彼女と親しくなりたい。だが、「私」は声をかけられない……。そんなとき、偶然にも芸人たちから話しかけられ、「私」と踊子との忘れられない旅が始まった――。若き日の屈託と瑞瑞しい恋を描いた表題作。ほかに「温泉宿」「抒情歌」「禽獣」を収録。(解説・竹西寛子、重松清)※三島由紀夫による解説は収録しておりません。
  • 伊豆の御社
    -
    1巻1,672円 (税込)
    この世界は、不思議に満ち溢れている 神秘的な御社の主の声、亡くなった犬たちとの会話、憑依した死者からの訴え――。 目に見えない超自然現象や人ならざるものとの交流を描いた五つの短編小説集。 内と外が繋がる「ゾーン」に入ると、時間の感覚が消え、不思議なことがよく起こる。 ある日、愛犬を亡くした女性のために犬の肖像を描いていた時、何かが「ボク」に語りかけてきて……。――『不思議と出逢うところ ―ゾーン―』 薄暗く、鬱蒼と生い茂る木々の中にたたずむ、伊豆の御社。 荘厳な境内に一歩足を踏み入れた瞬間、霊的エネルギーを非現実的と考えていた「ボク」の世界は一変した。――『伊豆の御社』 『不思議と出逢うところ ―ゾーン―』『伊豆の御社』他、三作品を収録。

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  • 伊豆の国にて
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
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  • 伊豆の死角
    -
    秋雨に煙る駿河湾、西伊豆行き連絡船デッキにたたずむ男と女。どうしてこんなに深入りしてしまったのか? 燃えるような愛撫の中で芽生えた殺意。妻に離婚を切りだせないまま、旅に出た歯科医が謀った愛人殺人計画の結末とは? 不倫・裏切り・訣別・罠はなど、欲情に狂える男と打算に惑う女の姿を描いた、全10編の旅情ミステリー傑作集。旅には殺しがよく似合う。
  • 伊豆の旅
    -
    1巻440円 (税込)
    島崎 藤村による作品。
  • 伊豆の旅
    3.6
    1巻1,100円 (税込)
    一高生時代の〈美しい旅の踊子との出会い〉以来、伊豆は著者にとって第二の故郷となった。青春の日々をすごした伊豆を舞台とする大正から昭和初期の短篇小説と随筆を集成。小説は代表作「伊豆の踊子」ほか「伊豆の帰り」など七篇、随筆は「伊豆序説」「湯ヶ島温泉」「温泉女景色」「伊豆の思い出」など二十五篇を収録する。〈解説〉川端香男里
  • 伊豆の旅
    無料あり
    4.0
    1巻0円 (税込)
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  • 伊豆半島殺人行
    -
    東京から伊豆の下田に到着した「踊り子13号」のグリーン車内で、初老の男が意識不明で発見され、間もなく絶命した。残されたドリンク剤の瓶の中から農薬パラコートが検出され、中毒死と判明。自殺か? 他殺か? 下田署は無差別殺人説に傾く。が、車掌が車内に被害者と続き番号の指定席券を持った中年女がいたと証言した。
  • 泉

    -
    イギリス全土で3年にわたって異常な干魃が続いているにもかかわらず、“わたし”がいる農場〈泉〉にだけは雨が降り、草木が青々と茂っている。“わたし”はここで自宅監禁生活を送ることになった。〈無個性〉〈3〉〈ボーイ〉と名付けた男たちに常に監視され、行動を厳しく制限されながら孤独に暮らす“わたし”を、殺人事件の記憶が苦しめる。なぜ家族も友人も失うことになったのか? 自分は何をしてしまったのか? “わたし”は精神のバランスを崩すほど思い悩みながら〈泉〉での生活をふりかえり、殺人犯をつきとめようとする――。異様な状況下で傷ついた女性の、追憶と再生の物語。/解説=川出正樹
  • 泉ある家
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
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  • 泉鏡教授のアメリカ旅行~ボストン・ニューヨーク・ニューオーリンズ~
    -
    1巻550円 (税込)
    名古屋にある女子大学でフォークロア学を研究している教授泉鏡が教え子の女子大生たちと研究旅行に行くが、その旅先で必ずと言っていいほど奇妙な事件に巻き込まれる。事件の舞台は今回はアメリカ。ボストン ニューヨーク ニューオーリンズ ロサンゼルス サンタ・バーバラ。さらに、バルセロナ、フィジーと舞台は広がる。研究のためのリサーチ記録が、心ならずもまたもや事件簿となってしまった。
  • 泉鏡教授の探偵旅行~金沢 鎌倉 サン・ジェルマン・アン・レー~
    1.0
    1巻550円 (税込)
    名古屋にある女子大学でフォークロア学を研究している教授泉鏡が教え子の女子大生たちと研究旅行に行くが、その旅先で必ずと言っていいほど奇妙な事件に巻き込まれる。事件の舞台は金沢の中でも古い町並みを残す味噌蔵町、主計町、兼六園、卯辰山を皮切りに、鎌倉は由比ガ浜、東京は番町、遠くはフランスのパリ郊外サン・ジェルマン・アン・レーにまで及ぶ。本来、研究のためのリサーチ記録が、事件簿となってしまったと言うべきかもしれない。
  • 泉鏡教授の旅行事件簿
    -
    1巻550円 (税込)
    名古屋にある女子大学でフォークロア学を研究している教授泉鏡が教え子の女子大生たちと研究旅行に行くが、その旅先で必ずと言っていいほど奇妙な事件に巻き込まれる。今回の事件の舞台は、ミラノ、エズ(フランス)、松江、三内丸山遺跡、他にわたる。 文化や歴史を研究していると、必ずと言っていいほど何らかの事件に巻き込まれ、旅行記が事件簿になってしまう。
  • 泉鏡花
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 鏡花アンソロジーとして編纂され、小説のすべては、石川県を舞台としている。『義血侠血』、『照葉狂言』、『龍潭譚』、『名媛記』、『海の鳴る時』など、全23編を収録。

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  • 泉鏡花きのこ文学集成
    3.0
    1巻2,970円 (税込)
    「牛肉のひれや、人間の娘より、柔々(やわやわ)として膏(あぶら)が滴る……甘味(うまい)ぞのッ」 “世界に冠たる「きのこ文学」作家”泉鏡花の8作品を集成! 『原色日本菌類図鑑』より、190種以上のきのこ図版を収録! その魅力を説く「編者解説 きのこ文学者としての泉鏡花」付!  お姫様は茸(きのこ)だものをや。  紅茸と言うだあね、薄紅(うすあこ)うて、白うて、美い綺麗な婦人(おんな)よ。  山路はぞろぞろと皆、お祭礼(まつり)の茸だね。坊様も尼様も交ってよ、尼は大勢、びしょびしょびしょびしょと湿った処(ところ)を、坊主様(ぼんさま)は、すたすたすたすた乾いた土を行く。湿地茸(しめじたけ)、木茸(きくらげ)、針茸、革茸(こうたけ)、羊肚茸(いぐち)、白茸、やあ、一杯だ一杯だ。  初茸なんか、親孝行で、夜遊びはいたしません、指を啣(くわ)えて居るだよ。……さあ、お姫様の踊がはじまる。(「茸の舞姫」より)
  • 泉鏡花 現代語訳集1 歌行燈
    5.0
    【あらすじ】 霜月十一月の月の冴えた夜、二人の老人が桑名の駅に降り立ち、宿屋へ向かう人力車の上から、博多節を唄って流す門付けらしい男の姿を目にする。 その男はうどん屋の暖簾をくぐり、そこで酒をあおりながら何故か頻りに按摩の笛を気にするのだった。 一方、宿に付いた二人は、土地の唄でも聞こうと芸者を呼ぶが、残っていたのは三味線も踊りもできない芸音痴。しかし、唯一つ何とか真似ができると始めた舞を見て、老人たちは驚愕する。 この芸者と、うどん屋で門付けの語る身の上話とが、縦糸・横糸となって美しく見事な物語の錦が織り成されていく。
  • 泉鏡花 現代語訳集9 縷紅新草
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    泉鏡花の小説「縷紅新草」の現代語訳。 【あらすじ】 ある小春日和の午後、辻町糸七は、一昨年この世を去った従姉の娘、お米と連れ立ち、故郷の寺へその墓参りに来た。 手に提げた間抜けな昼提灯を、「持ちましょう」とお米が言うのを断ると、「ご自分の手で誰かさんのお墓へお供えなさりたいのでしょう」と藪から棒をくらう。 三十年前、生活に行き詰まった辻町が、自殺しようと城の堀の上を徘徊した際、そこにもう一人、寂しい姿の見えた、初路という若い娘のことを、お米は言ったのである。 もと千五百石の一人娘だった初路は、家が没落して親類へ引き取られ、はんかち工場で刺繍の賃仕事をしていたが、容姿の美しさと針仕事の腕を他の女工から嫉妬され、彼女が考案した、蜻蛉の二つ連なった刺繍の図案に当てつけた中傷を苦に、自ら命を断ったのだった。 あわれな姫君を偲び、その霊も慰めようと墓地へ来た二人の前に、四人の男が慌てふためいて姿を現し、先頭の寺爺が、「蜻蛉の幽霊が出た」と言う。 蜻蛉の幽霊なら怖くはない、とお米が先へ立ってまず母の墓へ、次いで初路の墓へ向かうと、そこには無残にも荒縄でがんじがらめに縛られた石塔が転がっていた。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
  • 泉鏡花 現代語訳集5 義血侠血
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    【あらすじ】 ある夏の日、馬丁とは見えない男の御す、高岡から石動へと向かう乗合馬車に、一人の怪しい美人が客となる。 そこへ普段から反目しあっている人力車が通りかかって、両者は自然相争う形となり、これがもとで御者は職を失ってしまう。 後日、夜更けに涼みに出たその女、実は滝の白糸という評判の水芸の太夫は、浅野川にかかる天神橋の上で先日の御者に出会い、男の身の上を聞いて彼の望みの実現を援助しようと申し出た。 こうして男は東京へ遊学したが、その学業の成就も近くなったとき、白糸は仕送りの金を強奪されてしまう。 悲嘆と絶望とに沈んで街をふらついているうち、見えざる手に導かれるように、今度は自らが強盗の加害者となり、殺人まで犯してしまった彼女は、数奇な巡り合わせにより参考人として裁判に出廷し、そこに思いもかけず先の御者の姿を見るのである。
  • 泉鏡花 現代語訳集3 天守物語
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    【あらすじ】 晩秋のある夕暮れ、姫路城の天守閣に住む富姫のもとへ、猪苗代の亀姫が手毬をつきに遊びに来る。 亀姫が土産として持参したのは、姫路城主・武田播磨守の兄弟にあたる衛門之介の生首だった。 富姫は返礼として播磨守秘蔵の白鷹を誘い捕らえて贈るが、鷹匠・姫川図書之介は鷹を逃がした咎を受け、切腹の代わりに天守の探索を命じられる。 彼が優れた心をもっていることを知った富姫は、理不尽な主君に仕えることをやめて天守閣でともに暮らすよう勧めるが、図書之介は決心がつかず辞退。 しかし、地上へ戻った図書之介は、播磨守家中の者に追われる形で富姫の前へ再度立ち現れるのである。
  • 泉鏡花 現代語訳集7 眉かくしの霊
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    泉鏡花の小説「眉かくしの霊」の現代語訳。 【あらすじ】 境賛吉は、旅の途中、奈良井の駅で急に泊まりたくなった。 旅のあわれを味わってやろうと、硝子張りの明るい旅館をわざと避け、古びた一軒の旅籠屋に宿をとった彼は、翌日、洗面所の蛇口からいたずらに流れる三筋の水の音が、妙に気になった。 さらに夕暮れ時、風呂を使おうと湯殿へ行くと、二つ巴の紋の提灯の暗い明かりのもと、白粉の香りと女の気配を感じ、さらに声まで聞いたのである。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
  • 泉鏡花 現代語訳集11 古狢
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    【あらすじ】 久しぶりに故郷へ戻った帰省者が、その美しい従妹の娘、お町と連れ立ち、昔よく行った蓮池を訪れる途中、北国の冬空らしく、それまで日の当たっていたそこにさっと村雨がかかった。 その雨を凌ぐために入った、土間を奥深く、広々と取った、しんとして暗い、大きな蓮根問屋の縁台で、お町が七輪で焼いた慈姑を肴に麦酒を飲みながら、帰省者は、前々日に泊まった鹿落の温泉で、真夜中、厠の黒い戸の裏側の桟にうねうねと絡む、美しい白い手を見た―と話した。 思わず念仏を唱えるくらいびっくりしたが、何のことはない、ただ先へ入っていた女が、人影が来たので急いで戸を閉めただけのことだ―と続いて説明すると、お町は、鹿落の旅館の、その三つ並んだ真ん中の厠は、取り壊されて今はないはずです―と言う。 そして、ずッと川上の川魚料理の店の、お藻代という女中が、一夜の情事の際の事故が元となり、鹿落の温泉で亡くなった話を語り始めた。 【あとがき より】 本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。 鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。 訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった…
  • 泉鏡花 現代語訳集10 海神別荘
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    【あらすじ】 海底世界の公子は、さまざまな海の宝と引き換えに、貧しい漁師の美しい一人娘を妻として迎えることとなった。 案内の女官に海底へと導かれたその美女は、故郷を離れて嘆き悲しむのではないかという公子の懸念をよそに、彼の力と宮殿の壮麗さ、そこに満ち溢れる金銀宝玉を喜び、人間の世界へなど帰りたくはないと言う。 が、いまや自らの身を包むこの栄華、それは措くとしても、自分が海の底で生きていることだけは、どうしても故郷の人々に知らせたく、そのために一度陸へ戻らせて欲しい―と強く請うた。 それに対し、公子は「人は自分自身だけで生を生きなければならない。それに、ここに来た貴女は、もう人間ではない。」と宣告したのだった。 人々の目に、自分が蛇体に見えることを知った美女は悲泣し、どうか殺して欲しいと公子に願うのである。
  • 泉鏡花 現代語訳集19 河伯令嬢
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    【あらすじ】 昨年、能登の外浦を、半島の奥へ入ろうと思って歩きました時、まだそのほんの入口ですが、羽咋郡の大笹の宿で、可心という金沢の俳人の記した「能登路の記」というのを偶然読みました― 寝床の枕元の、袋戸棚にあったのです。「色紙や短冊などもあるから、ちとご覧ください、」と宿の亭主が言ったものですから― だいぶ、相当に古びていました。その仮綴じの表紙を開けると、題に並べて、「大笹村、川裳明神の由来。」と記してあります。川裳明神…わたしはハッと思いました― 職人、飾り師の上手である小山夏吉は、筆者と炬燵で差し向かい、こう話した。 そして続けて、彼が十七の時に遭遇したという、美しい少女との哀しい事件、さらにその後体験した霊妙不可思議な出来事とを物語ったのであった。
  • 泉鏡花 現代語訳集15 陽炎座
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    【あらすじ】 春たけなわのある日、亀戸天神へ参拝した帰りに、水のぬるんだ、川沿いの通りを陽炎に纏いつかれながら来ると、どこからともなく、遠くで鳴物の音が聞こえ始めた。 「狸囃子というんだよ、昔から本所の名物さ。」「あら、嘘ばっかり。」 ちょうどそこに、美しい女と、若い紳士が居合わせて、こう言葉を交わしたのを松崎は聞き取った。 気をそそって人を寄せる、その囃子に誘われて来ると、ここにも、そこにも、ふらふらと、春の陽を中へ取り込んで、白く点したような行燈を軒に掛けた、木賃宿の並ぶ場所。 周囲とは場違いな、大きく立派な空家が一つあって、それを囲む、二間ほどの高さの古い船板塀の前に、お玉杓子が群がって押し競饅頭しているように、子どもが大勢集っていた。 そこに敷かれた、じめじめした筵の舞台で、飛んだり、跳ねたり、ばたばたばたと演じられていた子ども芝居を何気なく観始めると、先ほどの二人連れが、やはり囃子に導かれて来たらしく姿を現した。 その奇妙な芝居の中で、近頃亡くなった近所の評判娘、忘れ得ぬその娘の名を松崎は耳にする。 そして、美しい女もまた、その名に、帰りかけた足を止めたのであった。
  • 泉鏡花 現代語訳集13 化銀杏
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    【あらすじ】 北陸に旅行して、何かのついでに金沢をお通りになる時、もしあなたが珍しいものを好む心をお持ちならば、「化銀杏の旅館」にお泊まりになるといい。 寝床に入って、夜半の鐘声が森と聞こえ、凄まじい風がざッと吹いて身に沁みる時、長い廊下の最端に、ひたひたと足音が起こり、夜の寂寞を破って近づき来たり、障子の外に黒い影がさッと映って、諸君の寝息を窺うことだろう。 その時、静かにしていなされば、影はすッと障子を開けて、後ろ向きに銀杏返しの髪を見せたまま、諸君の枕辺に近づくはずだ。 諸君が真っ白な細い顔立ちを一目見て、思わずぞッとなさると同時に、影は行燈の火を吹っ消して、闇の中を走り去る… 本作はこの幽霊の謂われを物語る。 【あとがき より】 本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。 鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。 訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった… 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
  • 泉鏡花 現代語訳集17 日本橋
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    泉鏡花の小説「日本橋」の現代語訳。 【あらすじ】 雛の節句の明くる晩、宵に少し降った雨上がり、月は潜んで朧―と言いたいところだが、実際は黒雲が滲んで暗い、一石橋の欄干際。 そこに立つのは、遺憾ながら野暮な野郎の影二つ、しかもその一つは警官である。 もう一人の男が、先ほどから流れに臨んで辺りを見回し、新聞紙に包んだかなり重量のあるものを川へ放り込んだのを見て、警官が、今のは何か―と問うと、男は、姉の志としてあるものを流した―と答える。 その説明に警官が納得せず、尋問の続いているところへ、稲葉家の看板芸妓、錦絵のお孝が微酔い加減で姿を現し、わたしも同じことをしに来たんですよ―。 男は大学の生理学教室に籍を置く葛木晋三。お孝と並び称される滝の家の清葉に姉の面影を見て、長年恋い慕ってきたその思いを、今晩打ち明けたが振られたと言う。 その話が心に沁みたお孝は、清葉への対抗心もあり、葛木の手を引いて抱き込んだのであったが… 激しく、悲しく、そして美しい、人の情念の綾を見事に織り上げた傑作。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
  • 泉鏡花 現代語訳集12 照葉狂言
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    鏡花独特の美しい色彩感覚と、揺れ動く人情とに満ち満ちた、戯曲を思わせる小説の現代語訳。 【あらすじ】 幼くして母を亡くした私の心を慰めてくれたのは、二坪に満たない日陰の庭に大きく育った一本の青楓と、継母のいる向かいの家の、優しい姉上、そしてもう一つ、町の外れの見世物小屋にかかる興行であった。 その入り口には桜の造花を廂に差して、枝々に、「て」「り」「は」と一つひとつ染め抜いた、赤と、白の、たくさんの小提灯を、数え切れないほど吊るして、夕暮にはそれらすべてに灯が入れられた。 毎晩見に行く私の顔を覚えて、ある日、一座の女が、深紅の鹿の子染めのうつくしい座蒲団の上に座らせてくれたが、演目が果てた後、送ってもらって家に帰った私は、我が家の世話をしてくれていた伯母が、警察に捕らえられる光景に遭遇する。 わたしのところへいらっしゃい―と言ってくれる、姉上と女役者の言葉に、私の気持ちが揺れた時、継母の声がしたため、咄嗟に女役者のあたたかい肩掛の下に、小さな私の身体は潜り込んだ。 それから八年、何もかもが変わってしまった故郷へ、その一座の一員として立ち戻った私は、あの青楓のために、懐かしい姉上が不幸な境遇に陥っていることを聞き知ったのであった。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
  • 泉鏡花 現代語訳集18-1 婦系図(前編)
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    1~2巻440円 (税込)
    【あらすじ】 参謀本部でドイツ語の翻訳官を勤める早瀬主税は、師であり恩人でもある文学士酒井俊蔵に秘して、お蔦という芸妓上がりの女と暮らしている。 それが露見する、あるいは既にしたのではないかという心配に加え、新たに生じた懸念は、友人河野英吉と酒井の一人娘妙子との縁談。一族の繁栄のため、娘たちを餌にして婿を釣るような家へなど、断じて妙子はやりたくない―というのである。 そんな鬱屈した気分で薬師の縁日をぶらついている時、早瀬は思いがけず師に出くわし、付いて来いと言われて酒井馴染みの芸者屋へ行った。 そこで恐れていたことが現実となり、娘の縁談を何故邪魔するのだ―という叱責とともに、女を捨てるか、それとも師を捨てるか―という選択を迫られたのであった… 早瀬と、彼を取り巻く女たちを中心に描き出される、絢爛たる人間絵巻の前編。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
  • 泉鏡花 現代語訳集14 伯爵の釵
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    【あらすじ】 ある年、激しい旱魃のあった真夏のこと、北陸の都で、女優を主とした帝都東京の新劇団が七日間の興行をして、湧くような全市の人気を博した。 面立ちの美しく涼しい女優たちの中でも、「一番の明星」と皆に称えられた村井紫玉が、一人でそッと忍び歩きをして、日本三名園の一つに数えられるという、景色の優れた公園で、柳の茶屋という店に憩った。 そこで紫玉は、木陰の暗がりに、空き屋かと思われる、廂の朽ちた誰もいない店と、その軒下の土間の、三味線を背負った乞食坊主を見る。 この情景を目にして、憐れに感じると同時に、忌わしく思った彼女は、指輪を三つも四つもはめた白い指をつッと挙げて、鬢の後れ毛を掻いたついでに、白金の浮き彫りの、白く輝く鸚鵡の釵を抜いて、逆さにして、吸いかけた煙管の脂を取り除いた。 と、坊主が、もぞもぞと肩を揺すり、片目の潰れた青膨れの顔を向けて、じッと紫玉の姿を見たかと思うと、前屈みに、よたりと立って、樹の下の暗がりをたどたどしく下りて来て、はッと紫玉が顔を上げると、既に敷居を越えて、目の前の土間に両膝をついていた。 そして、虫歯が疚いて耐え難いので、まじないとして、紫玉自らの手で、白金の釵を虫歯の穴へ挿し入れて欲しいと乞う。 仕方なく応じた紫玉は、その釵に導かれるように、奇怪な事件へと陥るのであった。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
  • 泉鏡花 現代語訳集16 卵塔場の天女
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    【あらすじ】 能役者橘八郎が、久し振りで勤めのため帰郷することとなり、ちょうど京都へ行く用があった私は自然と誘われ、雪国の都を見物しようと、東京から信越線を使って大回りをした。 当地へ着いた晩の九時、すぐに一風呂浴びて、お膳で銚子を一本という、旅では重要なところだが、八郎は私に向かい、…自分を待っていてくれる女があるので、ちょっと顔を見せて来たい…と言う。 八郎がその女、お悦のために、魂に火を点じて、何とか命を消さずに済んだという話を聞いていた私は、ぜひ会ってみたく、彼と連れ立ち、その家である老舗の紅屋へと赴いた。 そこで親しく旧懐を交わしている内、何のきっかけもなかったのに、お悦が、ふと…おひささん…と言い出した。 間もなく知ったが、お久は、生まれてすぐ養女へ遣られた、八郎の実の妹であった― 流派の名を汚すことなく歩んできた能役者としての自負、矜持と激しい求道心、それが元で生じる親類世間との軋轢を、お悦との関係と絡めて織り上げた、一風奇妙な、それでいて爽やかな物語。 【あとがき より】 本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。 鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。 訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった…
  • 泉鏡花 現代語訳集21 神鑿(しんさく)
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    【あらすじ】 香村雪枝が七つの時、書記官だった父が、巡回先の飛騨の山間の村から、美しい二十くらいの女の彫像を持ち帰った。 重ねた両手が、ふッくりしていて、肩が揺れると、ころりん、ころりんとそれは実に、何とも微妙な音がして幽かに鳴った。 その像が目にも心にも身体にも焼き付いて離れなかった雪枝は、後に彫刻家となる。 あの土地には私の師匠がいる、是非とも訪ねたい―と、信者が善光寺、身延山へ巡礼をするほど切実に願っていたが、いざ、実際、という時、信仰が鈍って、遊びの旅行になった。 婚礼をしたばかりの夫婦連れとして来たのである。 それが祟ったのか、夕暮れ時、仮小屋のようなみすぼらしい小店を覗いて、来世の契りの有無を賭けるための賽子を買い求めた時、隣に袖を並べている新婦の姿が、ずッと離れて遥かな向こうへ… そして、城跡の天守に棲む怪しいものから、女を返して欲しければ、その身代わりとなる美しい像を刻んで差し出せ―との要求を突き付けられたのであった。
  • 泉鏡花 現代語訳集20 菊あわせ・小春の狐
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    【菊あわせ-あらすじ】 親の墓も今はない故郷へ遊びに来た穂坂一車は、帰京する日の朝、「もう一度、水の姿、山の姿を見に出かけよう。」と座敷を出かかった時、女中から来客の知らせを受けた。 「香山の宗参、」との名を聞き、あまりに思いがけないことに、一車は真昼に碧い星を見る気持ちで、その僧形の客を隣の上段の間へ招じた。 昔の思い出話の中で、忘れていた、幼い頃の、町内の美しい娘との出来事を聞かされた一車は、突然、ぞッと、肩をすくめると、「今度は私の話をお聞き下さいまし」と語り出す。 それは、数年前の旧暦九月九日、重陽の節句、菊の日に、浅草の観世音で出逢った、危なく、怪しく、そして美しい女のことであった― 【小春の狐-あらすじ】 村はずれ、軒から道へ出て、乱れた髪の、紺の筒袖を上っぱりにした古女房が、小さな笊に盛られた、真っ黄色な茸を覗いている。 トもう一人、その笊を手にして、服装は見すぼらしく、顔も窶れているが、姿のやさしい、色の白い二十くらいの女。 「そうですな、これでな、十銭下さいまし。」という売り手の若い女に、「えッと気張って。…三銭が相当や。」と、古女房は笊を引っ手繰るのと同時に、すたすたと土間へ入って行く。 あれだけの茸が、たった三銭―気の毒に思いながら、私は腕組みをしてそこを離れた。 「御免なさいまし。」と背後から、足音を立てず静かに来て、早くも慎ましやかに前へ通る、すり切れ草履の踵に霜。 「ああ、姉さん。姉さんの言い値くらいは、お手間賃を上げます。どうかさっきの茸のありそうな所へ案内して下さい、…」私はうっとりしてそう声を掛けた。
  • 泉鏡花 現代語訳集22 星女郎
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    【あらすじ】 以前何度か上り下りしたが、その後は長年麓も訪れていない倶利伽羅峠を歩いてみようと、急坂を上ってきた境三造は、ふと出足を堰き止められた。 路の左右と真ん中へ、三本の竹を立て、それらの間に荒縄を結い渡した縄張は、明らかに通行止めの印である。 さてどうしたものか―と逡巡する三造の目の前に、坂の上から落ちるようにして、ぬッくと立ち止まったのは、異形の面を被った、四十あまりの筋骨逞しい一人の山伏で、面をつけた訳と、なぜ盲滅法に峠を駆け下ってきたか、さらに近頃近隣で囁かれている噂について話し始めた。 今、峠の一軒だけ残った古家には、世にも美しい女が住んでおり、その姿を見たものは命がないと言う。 これを聞いて、山伏と一緒に今来た道を戻ろうかと迷った三造だが、その残った家が思い出深い鍵屋という休み茶屋だと聞き、初志通り峠を越すことにした。 やがて鍵屋へ辿り着いて懐かしそうに進み寄ると、門口に、すらりと草に横になり、膝を折って伏せった美女の姿。 そしてその夜、三造は怪しい体験をするとともに、二人の女の数奇な身の上を聞かされるのである。
  • 泉鏡花 現代語訳集8 草迷宮
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    【あらすじ】 物心つく前の最後の記憶に残る、亡き母の唄っていた懐かしい手毬唄。 それについて思い出したのは、母とよく一緒に毬をついていた三人の娘のことである。 一人は既に亡くなり、一人は嫁いで会うことができず、もう一人は神隠しにあって行方が知れない。 唄への憧れが募り、その文句を求め、その娘を探して、諸国を旅して回っていた葉越は、ある夏、三浦半島秋谷を流れる小さな川で、五色の糸でかがられた美しい毬を拾う。 ちょうどそこに来合わせた爺に、その地で起こった不思議な話を聞いて、彼は黒門の別邸と呼ばれる曰くつきの屋敷の一間を借りることにした。 しばらく滞在して旅の疲れを休めたく、また、そこで自分の望みが叶うような気がしたからである。 街道の茶店で、爺に連れ添う婆から、やはり黒門での無残な出来事を聞き、浮かばれぬ人々の供養を頼まれた旅の僧が、その夜、明と二人、蚊帳の中に枕を並べていると、ぽたりーと何かがその枕元へ落ちてきた。
  • 泉鏡花 現代語訳集 別巻1 外科室・夜行巡査、他4編
    5.0
    1~9巻220円 (税込)
    泉鏡花の短編作品の現代語訳。 【収録作】  外科室・夜行巡査・怪談女の輪・蛇くひ・夜釣・清心庵、以上6編 【あとがき より】 本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。 鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。 訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった… 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
  • 泉鏡花 現代語訳集4 春昼・春昼後刻
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    【あらすじ】 夢を見ないかーと人に勧めているような、この上なく麗らかな春の日に、一人の散策者が三浦半島の付け根にある山寺を訪れる。 あたりに張り散らされた巡礼札の中、美しい女文字で書かれた和歌に目を留めた彼は、寺を守る出家から、この歌にまつわる不思議な話を聞かされる。 それは、互いに触れ合うことも、言葉を交わすこともなく、常識では計り知れない情念の働きかけと受け止めによる、夢の契りで結ばれた男と女の物語だった。 寺を辞し、出家の話に思いを巡らしながら宿へ戻る途中、散策者は自分の行く手にその女主人公の姿を認めるのである。
  • 泉鏡花 現代語訳集6 夜叉ヶ池
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    【あらすじ】 文学士山沢学円は、見物学問の帰り道、三国ヶ岳の麓で、行方不明となっていた親友の萩原と思わぬ再会をする。 萩原も一昨年、この山中にある夜叉ヶ池を見に来て、鐘撞き堂を守ってきた老人の死に遭遇し、さらに人間離れした美しさの娘、百合と出会ったことで、そこに隠れ住むことを決意したのであった。 その鐘は、昔夜叉ヶ池に封じ込められた竜神に、池から出ないという約束を守らせるため、一日に三度撞き鳴らすべきもので、一度でもこれを怠ると、たちまち大嵐が起こり、一帯は水の底に沈むと言い伝えられている。 この約束に縛られ、恋しい千蛇ヶ池の親王に会いに行くことのできない、現在の夜叉ヶ池の主、白雪姫は、自らの手で鐘を打ち壊そうとするが、従者たちの懸命な説得と、ふと聞こえてきた百合の子守唄により思いとどまる。 しかしその直後、旱魃に耐え切れなくなった村の者たちは、雨乞いの生贄とするため百合を捕らえにかかるとともに、萩原には鐘を撞く事を止めるよう迫ったのである。
  • 泉鏡花『高野聖』を読む(文芸漫談コレクション)
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    「二〇世紀のゼロ年代は日本の近代文学史のひとつのエポックです。」(奥泉)。今回は20世紀を目前に発表された、泉鏡花の『高野聖』を読む。 芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2015年1月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • 泉鏡花作「外科室」
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
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  • 泉鏡花先生のこと
    無料あり
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    1巻0円 (税込)
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  • 泉鏡花の「婦系図」 ビギナーズ・クラシックス 近代文学編
    4.0
    早瀬主税は、独文学者酒井に拾われ成長。芸者のお蔦を娶ったことが恩師の逆鱗に触れ、別れを余儀なくされる――。明治の人気作家が描く、一人の青年と彼を取り巻く女たちの愛憎劇をダイジェストで読む! ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 和泉式部集(正集) 水府明徳会彰考館文庫蔵
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 和泉式部の源泉的家集として、歌人和泉式部の人と文学を知る上に、最も重要な歌集をハイライト版にて精密に影印。全歌に通し番号を付け、利用し易いように配慮。各冊末に付した解説では、底本と榊原本・松平本との異同を中心に綿密に検討、彰考館本の重要性を検証する。
  • 和泉式部日記
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 弾正宮を喪い、人の世を「夢よりもはかなき」ものと観じ、頼りない式部の心に、四月(うづき)青葉の頃、弟宮帥(そち)宮との恋が始まる。「あやしかりける身のありさま」と嘆く身も、五月雨、七夕、紅葉やがて雪の頃と季節が移り、交わす心持も深まる。南院に迎えられるまで十ヵ月余の恋の哀歓を、贈答歌を骨子につづる。黒川家旧蔵の寛元本を底本に、「和泉式部日記は藤原俊成の作」とする川瀬一馬氏の校注になる「日記」。
  • 和泉式部日記研究
    -
    1巻10,679円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 和泉式部は『日記』で何を語ろうとしたのか?という問いが本書である。『日記』に表われた歌ことばと『家集』に表われた歌ことばの比較や、和泉式部の和歌を資料として人物像を追い、『日記』を徹底的に解析する。
  • 和泉式部日記全注釈
    -
    1巻13,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現在三伝本が発信しているそれぞれの映像を解読する。三条西家旧蔵本(現宮内庁書陵部蔵)を主底本として、応永本と寛元本を対比させた全注釈。現在主要伝本三本の全体像をはじめて捉えた労作。
  • 和泉式部日記論攷
    -
    1~2巻8,800~14,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 和泉式部日記は問題点を多く抱えた作品である。その本質を論じようとすれば、作者の問題や日記文学とは何かという問題とかかわり、作者を考えれば必然的に読みの基盤となる諸本の本文の異同の多さがたちはだかる。すべての問題はからみあうが、ひとつひとつ基礎的な問題を考え実証していく書。
  • 和泉式部 和歌と生活
    -
    1巻6,380円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 彼女は、どんな暮らしをしていたのだろう。作品の記述を丁寧に読み取り、従来の研究では見落とされてきた和泉式部の暮らしの種々相、生活者としての哀歓などについて考察。全編ほぼ書き下ろし。
  • 泉はかれず
    5.0
    一代で堀江酒造株式会社を築き、大阪の財界でも女傑でとおっている堀江ギンは、孫娘の晴子に早くも結婚の相手をみつけるのに、夢中だった。当の晴子は、まだ学生だから、将来の夢と考えている。しかし、堀江家は、代々、女が家を継いで発展してきたから、晴子にもいい養子を、というギンの持論で、ともかく、晴子は見合いをした。相手は、汽船会社の重役のぼんぼん。奇妙なことに、その青年よりも、ちょっと変わっていて口の悪い脇村のほうが、晴子には好ましく印象づけられた。そして、だましうちの見合いよりも、晴子に瓜二つの美しい弓子の登場が、彼女の心を強くゆさぶった……。
  • 泉山問題について
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    -
    1巻0円 (税込)
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  • エムブリヲ奇譚
    4.2
    1~2巻781~825円 (税込)
    旅本作家・和泉蝋庵の荷物持ちである耳彦は、ある日不思議な”青白いもの”を拾う。それは人間の胎児であるエムブリヲと呼ばれるもので…。迷い迷った道の先、辿りつくのは極楽の温泉かはたまたこの世の地獄か――
  • イズムと云ふ語の意味次第
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  • イズムの功過
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  • 出雲いにしえ殺人事件
    4.0
    1巻550円 (税込)
    除福伝説に興味を持った橋田久子は、取材に出かけた玉造温泉で何者かに日本刀で惨殺された。しかも手には日本史を書きかえるほどの「金印」を握っていた。捜査に乗り出した宮之原警部は、久子の陰に見え隠れする男の存在と紛失した原稿の行方を追う。大人気宮ノ原警部シリーズ。

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  • 出雲神々の殺人
    3.0
    「神が人を殺した。これは神々の殺人の始まりだ」連続殺人の刺殺体の上には奇妙なメモが残されていた。十津川警部はメモを手がかりに出雲へ。そして無人島・祝島に辿り着き、島の神主の息子を容疑者と特定するが…。
  • 出雲 神々への愛と恐れ
    -
    K美を殺してやりたい──呪いの絵馬を出雲大社に掲げた堀井恵が殺された。ジョギング中に轢き逃げされたのだ。十津川警部らの捜査によって、K美とは、モデルあがりのデザイナー井崎清美と判明。当初、エリートサラリーマン栗田信彦をめぐる三角関係のもつれかと思われたが、栗田が、岡山から出雲へ向う特急「やくも」の車中で毒殺され、事件は予想外の展開を……!? 傑作長篇ミステリー。
  • 出雲 殺意の一畑電車
    -
    山陰の小さな私鉄線ホームで、名誉駅長で元俳優の田宮始が、白昼、射殺された。被害者の制服から発見されたノンフィクションライター五十嵐昭の名刺には、一畑電車への強い悪意を示す言葉があった。だが、その五十嵐は4日前、すでに東京で殺害されていた! 十津川班が島根県警の協力を得て2つの殺人捜査を進めると、やがて、意外な真相が浮上した……。
  • 出雲信仰殺人事件
    3.0
    都心の高層ホテルの一室に死体がひとつ、毒蛇が8匹! 日本神話のヤマタノオロチ伝説を連想させる衝撃の毒殺事件がすべてのはじまりだった……。朝比奈耕作の友人で転職マニアの平田均がスカウトされたのは、出雲大社のおんぼろ旅館。その改装大作戦の責任者に任命されたが、元日未明、泊りの客の男が近くの砂浜で変死をとげる。死体のそばには、またもヘビ! 平田は応援を求めて朝比奈を出雲へ呼び寄せるが、そこで第3の殺人が。こんどの犠牲者は因幡の白ウサギ状態。つまり……。
  • 出雲神話論
    3.0
    1巻3,762円 (税込)
    【担当編集ノート】三浦佑之さんといえば、大ベストセラー『口語訳 古事記』の著者にして現代古事記研究を牽引する人です。お嬢さんの三浦しをんさん曰く「コジオタ(古事記オタク)」。その三浦さんの主張の核心こそ「『記紀』の呪縛からの解放」です。簡単にいえば「多くの人は『古事記』と『日本書紀』を似たようなものと考えがちだが、それは大きなまちがい。ふたつの書物はまったく別の意図をもって編纂されたと考えるべきで、その証拠が出雲神話とよばれるものである」ということ。古事記は、上・中・下の3巻から成り、神々のことは上巻において大河小説のように語られます。そのなかで、出雲神話と呼ばれる部分はおおむね以下の部分です。1)アマテラスの弟スサノヲが高天の原を追放され、出雲の国の肥の河の上流にやってきて、コシノヤマタノヲロチを退治し、生贄になって喰われるはずのクシナダヒメ(櫛名田比売)を助けて結婚し、子孫が繁栄する話。2)スサノヲから数えると7代目にあたる子孫オホナムヂが傷ついたウサギを助けたり、命を狙う兄たちから逃れて根の堅州国に行くなどの試練と成長を語る冒険物語。3)オホナムヂがなぜかスサノヲの娘スセリビメと結ばれ、スサノヲからのさまざまな試練を克服し、最後には、スサノヲのもつ呪宝を奪いスセリビメを連れて地上にもどる話。4)逃げるオホナムヂに向かってスサノヲが「大国主」となって地上を支配しろと祝福し、オホナムヂは地上にもどって兄たちを追い払う。スサノヲのことば通りにオホクニヌシとなって地上の主として君臨する話。5)地上の王となったオホクニヌシと女たちをめぐる物語、および国作りを助ける神の話。オホクニヌシとその子孫たちの栄華。じつはこのほとんどが『古事記』のみにある記述であり、『日本書紀』の正伝(書紀の編者が、正統な伝えとして採用した本文)には存在しないのです。なぜ『古事記』にだけ出雲神話があるのか、またそれに続く、俗に「国譲り神話」と称される出雲の滅びの物語にはなにが隠されているのか? ここに徹底的に焦点を絞りながら『古事記』神話、ひいては古代における日本列島の姿を考えてみたいというのが、三浦さんのもくろみです。本書は三浦さんの古事記研究生活50年余の総決算ともいうべき一書です。広く江湖の諸子に問うしだいです。
  • 出雲鉄と安来節
    無料あり
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    1巻0円 (税込)
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  • 出雲松江殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    警察庁の宮之原警部は、島根、鳥取の二つの県をまたぐ捜査相互乗り入れ実験のアドバイザーとして松江に滞在していた。そこで海岸の洞窟に打ち上げられた刺殺死体が見つかった事件に巻き込まれてしまう。行方不明になった義兄の安否を気遣う女性と知り合ったこともあった。 身元はほどなく判明したが、立て続けにその関係者が横浜、東京と殺害され、広域事件の様相を見せ始める。その人間関係を捜査するうちに22年前の高校生刺殺事件と容疑をかけれた同級生の存在が浮かび上がる。長編旅情ミステリー。
  • 伊豆誘拐行
    4.0
    人気スター、桂アヤが誘拐され1億円の身代金を要求する脅迫状が届く。巧妙な手口で身代金は略取された。彼女の部屋には“伊豆長岡へ行け 青い蛇“のメッセージが残されていた。事件の追及を続ける十津川警部の前に、「誘拐団(青い蛇)」の組織が浮かぶ。次々と起こる誘拐事件には必ず、哀しみにくれる事件被害者の家族の姿があった。ナゼ? 十津川警部、伊豆へ向かう。

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