異型の深夜

異型の深夜

小説・文芸
660円 (税込)

3pt

3.0

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黒光りする一挺の拳銃が、老女から主婦へ渡り、主婦からさらにさまざまな人の手に…。日常生活に忍び込んだ冷たい凶器。それを手にしたとき、人は別な人格に変貌する。彼らは未来に向かって引き金を引くのか? それとも地獄に向かうのか? 一挺の拳銃が浮き彫りにするさまざまな人生の断面。

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    異型の深夜

     一挺の拳銃、コルト45M1911を案内役にさまざまな人生の断面が描かれる。しかし拳銃の銃爪が引かれることはない。

     相沢邦子は夫の上司の妻である大津隆子に執拗ないじめを受けていたが.....
    『邦子は一挺の拳銃を手中にして、凝縮した殺意を指先にこめ、大津隆子を銃口の前においていた。』

     小柴新次と中臣時枝は店のタブーを破った禁断の恋が発覚し、小柴は見せしめの屈辱を受けるが.....
    『なぜ時枝が拳銃をもっているのか分からない。わかるのは、獰猛な殺意を秘めた銃口からヒタヒタと押し寄せる殺気が本物であることだけである。ホステスが悲鳴をあげた。「小柴さんを放すのよ。早く!」 』

     内海晴彦はある現場を覗き見た阪田蓑吉に生殺与奪を握られたのか疑心暗鬼である.....
    内海は『偶然から一挺の拳銃が彼の手中に転がり込んで来た。試みに構えてみた銃口の先に坂田の貧相な顔が浮かんだ。銃には実弾が装填されている。高架の私鉄駅フォームから坂田の仕事部屋まで、ちょうど絶好の射程ではないか。』

     植村まつ枝の副業は「オビ屋」と呼ばれるピンクテープの製造卸屋であり、盗聴録音で危ない橋を渡っていたが、とうとう.....
    『男達がまつ枝を拉致しようと迫ったとき、彼女は自分でも信じられないような素早い動きでたったいま手中に転がり込んできたばかりの拳銃の銃身で火災報知器の発信ボタンを叩くと、その銃口を男達に向けた。彼らはまつ枝に手中に握られているものを見てギョッとした。「動かないで」まつ枝は言った。』

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    2026年01月31日

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