小学館 - セール作品一覧

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  • 名探偵コナン歴史まんが 世界史探偵コナン1 大ピラミッドの真実
    値引きあり
    5.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 コナンと一緒に、今度は“世界”を冒険だ! 名探偵コナンがナビゲートする歴史まんがに、新シリーズがまたしても登場します。その名も『世界史探偵コナン』! 青山剛昌先生原作のこのシリーズは、すべての小学生必読の書といっても過言ではない大人気シリーズに成長しました。 新たに加わわる『世界史探偵コナン』の舞台は、その名の通り「世界の歴史」。前シリーズ『日本史探偵コナン』同様、コナンと少年探偵団は、過去へと飛ばされた子どもたち「時の漂流者=タイムドリフター」とともに、謎と真実を求めて旅に出ます。彼らの行く手には、またしても、怪盗キッドに操られた謎の存在によって、さまざまな邪魔や妨害が入ります。さらなる困難を乗り越えて、果たして彼らは、無事に歴史冒険を終えることができるのか!? 全12巻をつらぬく、ワクワク、そしてドキドキの物語をぜひ見逃さないでください。 コラム“コナンの推理ノート”には、ためになる歴史知識も満載! 知識ゼロからでも徹底的に楽しめる“歴史エンターテインメントまんが”にご期待ください。 (2020年11月発行作品) ※この作品はカラー版です。
  • 黒羽刑務所 潜入撮
    値引きあり
    5.0
    1971年に設立され、政治家やタレントなど著名人の受刑者も多く服役した栃木・黒羽刑務所は2022年3月末、51年の歴史に幕を降ろした。跡地はドラマ『六本木クラス』の撮影にも使われ話題を集めたが、その閉庁を機に刑務所などの矯正施設で慰問ライブを続ける音楽ユニット「Paix2(ぺぺ)」が潜入取材した。内部の貴重なカットをおさめたデジタル写真集。 Paix2(ぺぺ) 2000年にデビューした音楽ユニット。井勝めぐみ、北尾真奈美の2人組で日本全国の刑務所や少年院などを巡り、「Prisonコンサート」と称して慰問ライブを行う。公演回数は500回以上を数え、2022年10月には令和4年安全安心なまちづくり関係功労者内閣総理大臣賞を受賞した。
  • 官能文学電子選集 団鬼六『新・修羅の花道』
    値引きあり
    5.0
    父の仇討ちの旅に出た城下一の美人姉妹だったが、本懐を目前にこともあろうに仇に捕まってしまう。そして陵辱の限りを受けるのだが・・・・・・。 江戸から明治に世の中が変わっていくところ、伊豆・長岡の荒れ寺に坊主のふりをして住み込んだ半次郎が、有料の世相講釈で、村人や山賊の人気を博していた。会津出身で、若松城が落ちてから流れてきたのだが、実は官軍との戦の中で、指揮官と主を仲間の甚八と共謀して殺害していた。勝てぬ戦を前にしてふたりの首を官軍に差し出し、褒美を得ようとしたのだ。が、主を裏切ったふたりは武士の風上にもおけないと官軍からも追われる。ケンカ別れのあと三島の女郎屋に身を潜めていた甚八から、久しぶりの連絡が入る。殺した主の妻の志乃とその妹美雪、指揮官の息子の梅三郎が仇討ちのために、近くまで来ているというのだ。志乃は会津白菊隊の隊長だった。討ち死にしたと思っていたが、生き延びていた。白菊隊の隊員だった美雪ともども、腕がたつ。そこで甚八たちは山賊に助っ人を求め、三人を待ち構えるのだった。ところが、本懐を前に、志乃、美雪らは半次郎たちに捕まってしまう。そして陵辱の日々が始まる。心では嫌悪しているものの、次第に身体は正直に反応していく。甚八に犯されながらも、志乃は熱病に冒されたように全身をぶるぶると震わせる。そして、甚八が鋭くうめいて射精する。志乃は熱い男の体液が激しい勢いで自分の体内に放出されたことを知覚すると大きくうなじをのけぞらせるのであった。
  • 官能文学電子選集 藍川京『紅蕊日記』
    値引きあり
    5.0
    夫の再就職問題で知人だった佐久間に相談したことで、美人妻・千亜紀の運命は急転していく・・・・・・。 夫・真人が勤めていた大手銀行が倒産。再就職に悩む真人のために29歳になる貞淑な妻・千亜紀は学生時代にバイトしていたときに知り合った大手損害保険会社の元専務だった佐久間德二郞に相談した。すると、佐久間からはかつていた会社への再就職を条件に千亜紀の体を弄ぶ。そして、要求は次第にエスカレートしていく。夫のためとはいえ、佐久間に体を許したことが千亜紀の胸に悔恨の念を宿す一方で、体は佐久間にされた破廉恥な行為を待ち望んでいくのであった。そして、佐久間の命令で入った華道教室で講師として待ち構えていたのは佐久間の後妻である美和だった。バイセクシャルである美和のテクニックに千亜紀は頭では拒むものの、体はいつしか美和を求めるようになっていく。精神的に崩壊しそうになると思いつつも、抗うことのできない快楽に千亜紀は溺れていくのであった・・・・・・。
  • P+D BOOKS 天上の花・蕁麻の家
    値引きあり
    5.0
    1~2巻462円 (税込)
    萩原朔太郎の長女が描く、壮絶な物語2篇。 「天上の花」は、詩人・三好達治を、幼いころから三好にかわいがられていた著者ならではの目線で描く。三好は前妻(佐藤春夫の姪)と別れ、朔太郎の妹・慶子と付き合うようになるが、きらびやかな生活を好む慶子と、貧しくても平和な暮らしを望む三好の愛の生活は、やがて破滅的な最後を迎える――。第55回芥川賞候補作。 「蕁麻の家」は、母親が他の男のもとに走ったことが原因で、幼少期から祖母、叔母など家族みんなに疎まれ、頼みの父親からも避けられてしまう主人公の、まさに棘に囲まれているような生活を描いた秀作。第15回女流文学賞を受賞。
  • こちら亀有幽霊相談所…ではありません!
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    5.0
    不本意ながら「見える系」になりました…。 三十オーバー、仕事にやりがいはあるけれど、そろそろ長年付き合った彼氏との結婚も視野に――と思っていた矢先にその彼氏が別の女性と結婚することになり、突然失意のどん底に落ちた中川世絆。さらに不幸は重なるもので、傷心のまま道を歩いていたときに、世絆は交通事故に遭ってしまう。彼女を車ではねたのは地元・亀有で不動産会社に勤務する綾瀬暁大。責任をかんじた綾瀬は何かと気を遣ってくれて、多少は心が慰められた世絆だったが……その事故以来、なんと彼女は幽霊が「見える」ようになってしまう。いや、正確にいえば、昔は少し見えていたのだが、いつの間にか消えていたその「見える」能力が、このタイミングで復活してしまったのだった。  妙な縁で知り合った綾瀬はといえば、「見えない」けれどそういう事象に興味津々なタイプで、年下の遠慮のなさで世絆にぐいぐい近づいてくる。そんな綾瀬の仕事が不動産の仲介業ということもあり、心機一転、新居を探してもらうことにした世絆は、そこからなぜか、仕事とは関係ない部分でも綾瀬と行動を共にすることになり……?  東京都葛飾区亀有を舞台に、オトナ女子の迷いと元気回復をえがく、ほっこり癒やしのオカルトストーリー!
  • マエストロ・ガールズ このコルネット、憑いてます。
    値引きあり
    5.0
    イマドキ女子と幽霊少女の感動吹奏楽小説!  女子高生の美香が帰宅途中のゴミ捨て場で見つけたのは、トランペットより一回り小さい金管楽器、コルネット。なんの気なしに美香がその楽器を掴むと、なぜか近くから女の子の声がした。 「あ、そこ触らないでほしい」  なんとそのコルネットには、かつての所有者で、天才演奏家だった少女・紫乃の幽霊が憑いていたのだ!  小さい頃から練習漬けで十七歳で病死したという幽霊の紫乃。普通の高校生活を送って青春してみたかった、という紫乃の願いを叶えようと、美香は吹奏楽部に入ることを決意する。  紫乃に体を預けることでコルネットが吹けるようになった美香は、学校にコルネットを持ち込み、突然天才的な演奏を披露して周囲を驚かせる。吹奏楽部からの誘いも受けて意気揚々と入部した美香だが、意外とキツい練習が続き、気持ちはだんだんと引き気味に。音楽の知識もないうえ、もともと努力なんて無縁の性格、何事にも真剣味が足りない美香の態度は、紫乃に怒らせるばかりか、クラスメイトの吹奏楽男子・川崎も苛立たせてしまって……。  天才幽霊少女とともに生み出す音色が、イマドキ女子高生を変えていく。感動の青春×吹奏楽小説!
  • P+D BOOKS 誘惑者
    値引きあり
    5.0
    鬼気迫る“自殺者と自殺幇助者”の心理葛藤。 噴煙吹き上げる春まだ浅い三原山に、女子大生がふたり登っていった。だが、その後、夜更けに下山してきたのは、ひとりだけ――。 遡ること1ヶ月前、同様の光景があり、ひとり下山した女子大生は同人物だった。自殺願望の若い女性ふたりに、三原山まで同行して、底知れぬ火口に向かって投身させた自殺幇助者の京大生・鳥居哲代。 生きていることに倦んだ高学歴の女学生たちの心理を精緻に描き、自殺者と自殺幇助者の軌跡をミステリー風に仕立てた悽絶な魂のドラマ。高橋たか子の初期長編代表作で第4回泉鏡花賞を受賞。
  • P+D BOOKS ばれてもともと
    値引きあり
    5.0
    人や生き方を独自の視点で描いたエッセイ集。 “昭和最後の無頼派”といわれた色川武大が人生のさまざまな局面で得た人生訓の数々を縦横無尽に綴った最後のエッセイ集。 川上宗薫や深沢七郎、フランシス・ベーコンから井上陽水までもが採り上げられ、ほかに、戦争が残した痛ましい傷痕からあぶり出された人生観や犯罪者に同化する複雑怪奇な心情などが精緻に綴られる。 既成の文学通念に縛られることのなかった著者ならではの直感や洞察、そして卓抜した表現で読む者を色川ワールドに引き込む珠玉の47編!
  • P+D BOOKS 宣告(上)
    値引きあり
    5.0
    1~3巻693円 (税込)
    「死刑の意味」を問う死刑囚の赤裸々な実態。 殺人犯を意味する収容番号末尾ゼロの「ゼロ番囚」たちは、拘置所二階の特別頑丈な独居房に収容されている。T大卒の楠本他家雄は、いつくるか分からない“お迎え”に常時怯えていた。 女を崖から突き落とした砂田や一家四人を惨殺した大田なども同様に死者の部屋で怯え暮らしている。他家雄の奇妙な墜落感を丹念に診る若い医官で精神医の近木のあまりに生々しい接見記録と、生と死の極限で苦悩する死刑確定囚たちの拘禁ノイローゼの実態や日々の会話を克明に描いた類のない傑作。 第11回日本文学大賞受賞作で全三巻。
  • P+D BOOKS 岸辺のアルバム
    値引きあり
    5.0
    1巻693円 (税込)
    昭和ホームドラマの金字塔、その原作小説。 1977年夏にTBS系列で放送され、「辛口ホームドラマ」として放送史に燦然と輝く名作。その原作小説は1976~77年にかけて東京新聞ほかで連載された。 高度成長期の大企業に勤めるモーレツサラリーマンの夫・田島謙作。傍目には恵まれた貞淑な妻・則子。才気煥発な女子大生の娘・律子と気弱な高校三年生の息子・繁。一見すると、郊外の戸建て住宅に暮らす幸福そうな一家が、ある1本の電話から破綻に向かって走り出す。主婦の浮気、レイプなど当時は斬新なテーマを意欲的に描いた、脚本家・山田太一の代表作。
  • P+D BOOKS 三匹の蟹
    値引きあり
    5.0
    乾いた筆致で描くある主婦の“孤独と倦怠”。 異国に暮らす由梨は、夫と自分双方の浮気相手が集うホームパーティーに参加する気になれず、ひとりで外出してしまう。 遊園地の民芸館で知り合ったアメリカ男に誘われ、海辺のドライブについて行き、そこで男は、赤いネオンが点滅している宿「三匹の蟹」へ行こうと誘うのだった。 果てしない存在の孤独感、そして愛の倦怠が引き起こす生の崩壊を乾いた筆致で描き出した「三匹の蟹」は第59回芥川賞を受賞。「三匹の蟹」以前に執筆された日本人女性留学者の青春への決別を描いた連作「構図のない絵」、「虹と浮橋」も併録。
  • 江戸川乱歩 電子全集1 明智小五郎 登場編
    値引きあり
    5.0
    名探偵の冒険は、ここから始まる!乱歩がその作家生活のごく初期に描いた、若き日の明智小五郎。 大正14年に書かれた『D坂の殺人事件』。ここに初めて素人探偵気取りの若き高等遊民として登場するのが、乱歩作品を代表するキャラクターであり、日本で最も有名な探偵の一人、明智小五郎である。初回は、彼が活躍する作品の中からごく初期の10作を、執筆年代順に並べてお届けする。後に変装の名手となり、時に超人的な活躍を見せるヒーロー・明智とはひと味違った、若き日の名探偵の姿をお楽しみいただきたい。また、掲載誌の編集長であった横溝正史の意向で後半大きく作風が変わり、その部分が別のタイトル『白蜥蜴』となった『猟奇の果』については、昭和21年に乱歩が改めて執筆した『もうひとつの結末』も収録。心理戦の面白さで読ませる『心理試験』や怪奇・幻想小説『一寸法師』など、バラエティに富んだラインナップで、まさに乱歩ワールドの入門編ともいうべき内容となっている。他に『黒手組』『幽霊』『屋根裏の散歩者』『蜘蛛男』『何者』を収録。 さらに、初回配信記念として、乱歩の『人間豹』を歌舞伎にアレンジして上演した歌舞伎役者・市川染五郎の特別インタビューを収録。現代のトリックスターが語る乱歩とその作品世界の魅力もまた、一編の物語である。 付録:インタビューとコラム&フォト&自筆年譜 【ご注意】※この作品は一部カラー写真が含まれます。
  • P+D BOOKS 単純な生活
    値引きあり
    5.0
    淡々と湘南暮らしの日々を綴った自伝的作品。 母の死や息子の受験など煩雑な現実に振りまわされながらも、“もっと単純に生きられたら”と、心ひそかに願う中年の男。 心臓を患った彼は、年寄りの医者にもっと海でも眺めていろと通告され、そんな偏屈さに妙なシンパシーを抱く。「単純」とははたして何か――。 期間にして2年半の日々を、静かに、淡々と綴った阿部昭の自伝的作品であり、妻への思い、3人の息子それぞれに対する複雑な思いなどがユーモアと深いペーソスで綴られている。
  • P+D BOOKS 魔界水滸伝 全20巻 合本版
    値引きあり
    5.0
    地球を侵略せんとする邪神クトゥルーと、それを迎え撃つ地球古来の神々。人類も巻き込んで今、壮絶な戦いがはじまる! 〈溶ける……溶けてしまう〉――ごく平凡な大学生・伊吹涼は連夜にわたって、からだがどろどろと溶けてゆこうとする悪夢にさいなまれていた。同じ夢にうなされる複数の人々、そしてその夢を操るあやしい女。「目覚めよ、古の者の裔よ」と囁く声と、謎の画家・葛城繁が残した奇怪な絵に導かれて彼らが集った時、古き者、クトゥルーの神々との、凄絶な戦いの火蓋が切って落とされた。左翼あがりのルポライター・安西雄介とその弟・竜二の助力を得て、不本意ながらも涼はその戦いに巻き込まれていくのだった。 合本版だけの付録として、永井豪がイラストを担当した『魔界水滸伝1~20』単行本初版書影写真、イメージアルバム『SOUND NOVEL 魔界水滸伝』のジャケット写真、ライナーノーツなど。 栗本薫が圧倒的な筆力で現代日本にクトゥルー神話を甦らせた超伝奇シリーズ全20巻のすべてがここにある! ※この作品はカラー画像が含まれます。
  • P+D BOOKS 宿敵 上・下巻 合本版
    値引きあり
    5.0
    待望の上・下巻合本版!! 加藤清正と小西行長 相容れない同士の死闘。  秀吉の臣下、武人・加藤清正と商人・小西行長好対照をなす武将だった。  清正が尾張中村の鍛冶屋の息子、あくまで「土の人」である一方、行長は海外貿易で隆盛を極めた、堺の貿易商・小西隆佐の息子で「水の人」である。  徒手空拳、自分しか頼れなかった清正に対し、堺の会合衆の富と政治手腕を後ろ盾にもつ行長・・・両者は出発から違っていた。  そんな二人を秀吉は見事な近習操縦術で競わせる。しかし、武人と商人とは根底では手を握れない。  やがて2人のライバルは、死闘を演じる宿敵となっていった……。
  • P+D BOOKS 風の息 全3巻 合本版
    値引きあり
    5.0
    待望の全3巻合本版!! 日航機「もく星号」墜落の謎を追う問題作。 昭和27年4月9日、突然消息を絶った日航定期便福岡行き「もく星号」は、羽田を離陸した20分後に消息を絶った。 乗客には八幡製鉄社長・三鬼隆、漫談家・大辻司郎など著名な顔ぶれも混じっていた。翌日、伊豆大島三原山噴火口付近で、バラバラになった機体が発見されたが事故原因は特定されないまま。朝鮮戦争の最中に起ったこの事故は、果たして偶然か謀略か? 筆者代表作「日本の黒い霧」などと同様に、昭和の“謎”事件の真相を解明するため、記録的手法を導入して真正面から挑んだドキュメントタッチの長編小説。
  • P+D BOOKS 都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト
    値引きあり
    5.0
    澁澤が最後に描いた“偏愛の世界”随筆集。 少女、鉱物、交友、幻想、書物――1987年夏、咽頭癌が原因で惜しまれつつも帰らぬ人となった澁澤龍彦が、その晩年に表題作だけが定められた一冊のエッセイ集刊行を約していた。 晩年の澁澤のエッセイを元に編まれた、文字通り「最後の著作」には、鬼才が偏愛した世界が珠玉のように散りばめられている。 あとがきとして、妻である澁澤龍子が澁澤の闘病生活と、“最期”の場面を克明に描いており、貴重な記録でもある。
  • P+D BOOKS 男と女の子
    値引きあり
    5.0
    吉行文学の真骨頂、繊細な男の心模様を描く。 戦後の混沌とした時代、男は安定を求めて大会社のサラリーマンとなった。 だが、人員整理でクビとなり退職金を受け取った日、ヌードモデル志望の少女と出会う。丸顔に濃い化粧、大きな頭でアンバランスな躰の彼女にやがて愛憐の情が湧きはじめる――。 空虚感を纏いながらこの時代を生きていく男と雑誌編集者の友人との交流、戦禍に散った友人への回顧など、卓越した心理描写で綴られた珠玉の作。 他に「水族館にて」「白い神経毬」「人形を焼く」の短編3作品を収録。
  • 宮脇俊三 電子全集1 「時刻表2万キロ/汽車旅12ヵ月」
    値引きあり
    5.0
    鉄道紀行作家誕生! 宮脇俊三のデビュー作『時刻表2万キロ』と、初期作『汽車旅12ヵ月』の2作品を収録。 『時刻表2万キロ』は宮脇俊三のデビュー作で、中央公論社退社後10日目の1978年に河出書房新社より刊行された。これは中央公論編集長から常務取締役まで務めあげ、名編集者と評価された宮脇が、社業と趣味を厳格に分け隔てた結果であった。当初、作家として自立できるかどうかいささかの不安もないではなかったが、作品の評価は高く、宮脇の描く鉄道紀行への原稿依頼は順調に続いていった。本書は、会社員として週末という限られた時間を使いローカル線に乗り続け、乗り残していた国鉄の路線が2700キロになったころに国鉄全線完乗を心に決め、その完乗までを綴った紀行文である。『時刻表2万キロ』刊行後その反響は大きく、順調に版を重ねていく。原稿依頼も着実に増え、同年雑誌『潮』に『汽車旅12ヵ月』の連載を始める。「私には故郷がない」で始まる1月から、季節によって印象の変わる旅の姿を鉄道旅行に力点を置いて歳時記風に綴った鉄道紀行が本書である。 付録:宮脇俊三アルバム、連載『最長片道切符の旅』自筆原稿 など2点 【ご注意】※この作品は図表が含まれるのと、付録の原稿が手書きのため、お使いの端末によっては読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
  • P+D BOOKS 夜の三部作
    値引きあり
    5.0
    1巻693円 (税込)
    人間の“暗黒意識”を主題にした三部作。 人間の奥深い内部で不気味に蠢き、内側からその人を突き動かそうとする“暗黒意識”を主題に書かれた『冥府』『深淵』『夜の時間』の三部作。 作家・福永武彦の死生観が滲み出た作品群だが、各ストーリーにつながりはない。 「僕は既に死んだ人間だ。これは比喩的にいうのでも、寓意的にいうのでもない。僕は既に死んだ」という書き出しで始まる『冥府』は、死後の世界を舞台にした幻想的な作品。 『深淵』は敬虔なクリスチャンの女性と、野獣のごとき本能むきだしの男との奇妙な愛を描いた物語。二人それぞれが一人称の告白体で、サスペンス的な要素も色濃い作品。 『夜の時間』は、男女の三角関係を、過去と現在の二重時間軸構造で描くロマンあふれる作品。
  • P+D BOOKS 罪喰い
    値引きあり
    5.0
    1巻616円 (税込)
    夢幻が彷徨い時空を超える赤江瀑珠玉の6編。 週刊誌の告知板に、建築家・秋村黒人が<罪喰い>という死者儀礼についての問合せを出していた。 それを見た京都の精神科医・水野は、2年ほど前に奈良・高畑の新薬師寺本堂前で出会った青年を思い出す。水野が持っていた伐折羅大将とよく似た木彫像裏の「都美波美黒人」の字を「罪食み黒人」と読めると話した青年が、その建築家だと思った彼は手紙を送る。 しかし、突然訪ねてきた秋村はあの時の青年とは全くの別人だった……。<罪喰い>という魔の言葉に取り憑かれた新進建築家の混迷を描く表題作は、第69回直木賞候補となっている。 「花夜叉殺し」は、主人公の亡き母の記憶と重なる物語。月明かりの夜にこそ幽玄の魅力を秘めた銀閣寺の庭と、一方、香花木で埋め尽くされた屋敷の絢爛たる庭とを対比しながら、庭の魔性に惑わされた若い庭師の惨劇が描かれている。ほかに赤江瀑初期の代表的短編「獣林寺妖変」「ライオンの中庭」「赤姫」「サーカスの花鎮」を収録。
  • P+D BOOKS 宿敵 上巻
    値引きあり
    5.0
    加藤清正と小西行長 相容れない同士の死闘。  秀吉の臣下、武人・加藤清正と商人・小西行長好対照をなす武将だった。  清正が尾張中村の鍛冶屋の息子、あくまで「土の人」である一方、行長は海外貿易で隆盛を極めた、堺の貿易商・小西隆佐の息子で「水の人」である。  徒手空拳、自分しか頼れなかった清正に対し、堺の会合衆の富と政治手腕を後ろ盾にもつ行長・・・両者は出発から違っていた。  そんな二人を秀吉は見事な近習操縦術で競わせる。しかし、武人と商人とは根底では手を握れない。  やがて2人のライバルは、死闘を演じる宿敵となっていった……。
  • 開高 健 電子全集18 50代エッセイ大全
    値引きあり
    5.0
    想像の欲求を完全に満たしてくれる本、眠るのも惜しい、オシッコに行くのも惜しい、そういう古今東西の名著を厳選してテキストとし、開高健が教授となり、助手と、人生、自然、そして文学などを語った『名著ゼミナール 今夜も眠れない』をはじめ、毎日新聞夕刊に掲載された『この人と』他、1981年~1989年(没年)まで、58歳の若さでこの世を去った開高健、50代のエッセイをほぼすべて網羅しています。 【収録数】エッセイ193篇 付録:開高健ゆかりの編集者による回顧談など4点
  • 三浦綾子 電子全集 あなたへの囁き―愛の名言集
    値引きあり
    5.0
    誰かを力づけ、慰めることができればと祈って60余の著作から拾い集めた名言集。 「人生には確かに耐えがたい苦難がある。しかしそれだけに尚のこと、感謝の種を数えて生きぬく者でありたいと思う」(「忘れえぬ言葉 私の赤い手帖から」)。 「素直とはね、人のいうことをハイハイとうなずくことではないんだ。わたしがいうのは、心理に素直であるということだよ」(「積木の箱(上)」)。 自身が書いた60余冊の小説・随筆の中から、誰かを力づけ、慰めることができればと祈って拾い集めた名言集。 「三浦綾子電子全集」付録として、三浦綾子の人生の方向付けをした前川正の人柄と言葉について、初代館長・高野斗志美氏が書いたエッセイを収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 北国日記
    値引きあり
    5.0
    日常風景から人生を語りながら、癌と闘う姿を日記風に綴ったエッセイ。 「私の日記のテーマ、というより生きるテーマは、『死』である。『死』を考えることによって私は『生』を考える。つまり『死』について思いを深めることが、私には『生』を深めることになる。」(「おわりに」より)。 人間関係を日録ふうに綴りながら、一方では癌発病におびえ、生と死の葛藤がめぐる。さまざまな日常風景を、透明で明るい筆致で著した、感動のエッセイ。 「三浦綾子電子全集」付録として、「小説すばる」に執筆した本書の紹介エッセイを収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 海嶺(上)
    値引きあり
    5.0
    海の自然とちっぽけな人間の闘いを描いた実話を元にした大漂流記。 天保3(1832)年、知多半島の小野浦から江戸に向かって出航した千石船宝順丸は、遠州灘で嵐に遭い、難破してしまう。1年2か月間の漂流ののち、宝順丸は奇跡的に北アメリカのフラッタリー岬に漂着する。14名いた乗組員はこのときすでに、10代の音吉、久吉、そして舵取りの岩松だけとなっていた……。 強大な自然にも負けない人間の強さを描いた大長編。 1983年(昭和58年)に松竹で映画化。西郷輝彦、竹下景子の主演で話題となった。 「三浦綾子電子全集」付録として、著者がキリスト教関係の雑誌「けつたん」に載せたエッセイを収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 天の梯子
    値引きあり
    5.0
    自分本位の生き方へのテーゼから、「私」ではなく「我ら」のための祈りのあり方を説く入門書。 「私たちの心は、本当に自分中心で、人をねたみ、恨み、憎しみ、一日として人を責めない日のない、情けない状態にあるのではないだろうか」。だからこそ「主の祈り」や「神との対話」が大切であると説く、著者が心をこめた生き方の解説書であり、入門書になり得る随筆集。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「妻を語る」のエッセイを収録!

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  • 変人のサラダボウル
    値引きあり
    4.8
    異界の麒麟児、混迷の時代に笑顔をお届け! 貧乏探偵、鏑矢惣助が尾行中に出逢ったのは、魔術を操る異世界の皇女サラだった。 なし崩し的にサラとの同居生活を始める惣助だが、サラはあっという間に現代日本に馴染んでいく。 一方、サラに続いて転移してきた女騎士リヴィアは、ホームレスに身をやつしながらも意外と楽しい日々を送る。 前向きにたくましく生きる二人の異世界人の姿は、惣助のほか、鬼畜弁護士、別れさせ工作員、宗教家といったこの地に生きる変わり者達にも影響を与えていき――。 平坂読×カントクコンビがこの時代に放つ、天下無双の群像喜劇、堂々登場! ※「ガ報」付き! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • 裏世界旅行
    値引きあり
    4.8
    誰かの夢の中に入り込めるとしたら?  毎晩、同じ世界の夢を見ることができるツキコ。一本の巨大樹を中心に、豊かな緑が広がるその広大な夢の世界には、ツキコ以外は誰もおらず、鯨や怪獣に似た不思議な生き物だけが静かにのんびりと動き回っている。現実世界――通っている高校でツキコは少し浮いた存在で、友人と呼べるのは幼馴染みのヒナタだけ。相手を和ませる性格のヒナタは皆に好かれているが、誰ともかかわろうとしない自分は孤立気味だ。そんなモヤモヤする現実に比べ、誰の目も気にせずのんびりと過ごせる夢の世界は、ツキコにとって癒しの場。心からリラックスできる空間なのだ。  ところがある晩、ツキコの大事な夢の世界に見知らぬ青年が入り込んでくる。ギョッとするツキコに青年は名乗りもせず、なぜか不機嫌そう。不遜な態度の彼を問い詰めたところ、彼は「裏世界」と呼ぶ他人の夢の世界を旅しているらしい。青年とともに「裏世界」を巡ることになったツキコは、ミステリアスな世界の謎を解き明かしていくが…?  『最後の医者は桜を見上げて君を想う』の著者が描く、感動と発見の青春ファンタジー!
  • 三浦綾子 電子全集 心のある家
    値引きあり
    4.7
    日々の生活から心に映った風景を書き留めた愛のエッセイ集。 「随筆というのは、その時その時の心に映った風景である。(中略)いわば心のスナップ写真とでも言えようか。」(あとがき)。 一本の電話から、行きずりの子供の姿から、取材旅行先の並木道から、等々、日々の生活から生まれたさまざまな思いを綴った愛のエッセイ集。 「三浦綾子電子全集」付録として、「ゆるす」というテーマのエッセイを収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 あさっての風-あなたと共に考える人生論
    値引きあり
    4.7
    人生で本当に大切なことは何かを、日々の生活の中で問う珠玉のエッセイ集。 「目先のことを一つ一つやっていくことが、果たして本当に人生の目的と合致するのだろうか。生きるということが、本当にそれだけであっていいのだろうか。」「人間は、褒められる時が危険なのだ。人間誰しも褒められるとうれしくなる。褒められると人間は馬鹿になる。」――かけがえのない命の日々を生きていく私たちのためのエッセイ集。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏のエッセイ「妻を語る/手作りの写真帖」を収録!

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  • 火の神さまの掃除人ですが、いつの間にか花嫁として溺愛されています
    値引きあり
    4.6
    追放されて醜い神の溺愛花嫁に!? 物が発する言葉にならない声。小夜は、その声を聞くことができる〈蝶の耳〉という繊細な能力を持っているが、そんなちっぽけな力など、異能を用いて神々を喜ばせ、神々を繋ぎとめる巫の役目を代々果たしてきた石戸家にあっては、何の意味もない。母が亡くなり義母がやってきてからは、小夜は使用人のような扱いを受け、虐げられるようになる。やがて義姉の企みによって石戸家を追放された小夜は、異界に棲む猩々に売り飛ばされてしまう。  猩々の屋敷で裁定を受けていた小夜は、そこで火の神・鬼灯が作った勾玉の声を聞いたことが縁となり、鬼灯の屋敷の掃除を任されることに。  それにしても、小夜には不思議に思うことがあった。醜く恐ろしい神と呼ばれ、呪われた存在として忌み嫌われ、過去六人の花嫁に逃げられたという鬼灯は、「普通の人間であれば、この醜さに目を背けるのに、お前はそうしなかった」と小夜に感謝の言葉を告げる。しかし小夜の目には、鬼灯が強く美しい男神にしか見えないのだ――。  呪われた屋敷に入るための条件として契約花嫁になった掃除人・小夜と、あくまでも花嫁として小夜を扱いたい火の神・鬼灯の、大正溺愛ファンタジー!
  • 猫に嫁入り ~黄泉路横丁の縁結び~
    値引きあり
    4.5
    千年を生きる猫又の仮花嫁になりました。  上司のパワハラとブラックな会社の空気に耐えながら、憂鬱な毎日を送っている弥琴。もう限界…と思いつつの帰宅途中、気づくと弥琴は見知らぬ街に迷い込んでいた。深夜にもかかわらず営業している結婚相談所を見つけた弥琴は、今の状況を変えようと婚活を決意。相談員の狐塚から勧められるまま、「ウチ一番の優良物件」だと紹介された燐という青年とお見合いをすることに。  ようやくとれた休日。直接先方を訪ねてください、と狐塚に指示された弥琴は、渡された地図をもとに燐の家へと向かう。だが、目的地は建物の隙間にのびる狭い路地の先にあるらしい。訝しみながらも先へ進むと、その奥には不思議な雰囲気の古い街並みの通りが開けていた。  通りの突き当たりにある大豪邸が燐の家だと気づいて気後れするものの、意を決し、門の向こうに声をかける弥琴。そして出迎えてくれた着物姿の美形青年・燐を見て、弥琴は内心ひどく動揺する。目が離せないのだ……燐の猫耳と尻尾から!  お見合い相手は、齢千年を超える猫又!? この街と燐の事情を聞いた弥琴は、お互いの目的のために“仮の結婚”をすることになるが――。
  • 桃殿の姫、鬼を婿にすること 宵の巻
    値引きあり
    4.5
    姫君を守るのは美しい鬼…平安恋物語!  右大臣の跡取りである父親が怪しと関わったことが原因で、魔の姫に目を付けられてしまった娘の真珠。屋敷の中にまで物の怪が現れて家中が混乱し、陰陽師たちも対応に苦慮する中、三滝という家司が“近江の白銀”と呼ばれる鬼を呼び寄せる。白銀の一家は他の鬼のように人間を食わず、話が通じるのだと三滝は語るが、一同は半信半疑。だが、白銀は一瞬で物の怪を屋敷から追い払ってくれた。これで一安心、のはずが、白銀の息子である瑠璃丸によると、真珠には魔のにおいがつけられているらしい。数日後、またしても屋敷の中に物の怪が出現。襲われそうになった真珠は、思わず瑠璃丸の名を呼んでしまう…。  魔のにおいを消すためには、それよりも強いもののにおいをつければいい。魔だろうが怪しだろうが俺が守ってやる――瑠璃丸のその言葉に、后候補のはずだった真珠は、瑠璃丸と結婚しようと決める。瑠璃丸は真珠の側にいるために、人間として生きることを選ぶが…!?  白銀色の髪を持つ美しい鬼と魔に狙われた姫君の、平安恋物語!
  • 妹さえいればいい。
    値引きあり
    4.5
    “はがない”の平坂読が放つ衝撃作!! 「アマゾンレビューは貴様の日記帳ではない!」  荒ぶる小説家・羽島伊月は、未だ見ぬ究極の妹を創造すべく日夜奮闘する現代のピグマリオンである。彼の周りには、作家やイラストレーターや編集者や税理士など個性的な人々が集まっている。愛も才能もヘビー級、残念系美少女のハイエンド・可児那由多。恋に悩み友情に悩み夢に悩む青春三冠王・白川京。闘志を秘めたイケメン王子、不破春斗。人生ナメてる系天才イラストレーター・ぷりけつ。頼れるけど頼りたくない鬼畜税金セーバー・大野アシュリー。闇を抱えた編集者・土岐健次郎――。 それぞれ迷いや悩みを抱えながらも、ゲームをやったり旅行に行ったりTRPGをやったり、たまには仕事をしたりと、賑やかで楽しい日常を繰り広げる伊月たち。そんな彼らを温かく見守る完璧超人の弟・千尋には、ある重大な秘密があって――。 各界から絶賛の声多数(本当)! 『僕は友達が少ない』の平坂読が放つ、日常ラブコメの到達点にしてライトノベル界の現実を赤裸々に晒す衝撃作。言葉の鋭刃が今、世界と担当編集の胃に穴を穿つ――!!!! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • P+D BOOKS 四十八歳の抵抗
    値引きあり
    4.5
    1巻616円 (税込)
    “中年の危機”の男を描く「男性研究の書」。 1955年から56年にかけて読売新聞に連載され、大反響の下、流行語にもなった「四十八歳の抵抗」。 55歳が停年の時代に、真面目一筋に勤めてきた48歳の保険会社次長、西村耕太郎は恵まれた家庭を持ち、傍目には幸せそうな日々を送っているが、実のところはなにやら満たされない。 その心中を見透かしたように社内の島田からヌード撮影会に誘われる。そして一度も恋愛をしてないという焦燥から、耕太郎はバーの娘で19歳のユカリを口説いて熱海の旅館に出かけるのだが――。 社会的な地位があり体裁を繕って生きてはいるが、まだ燃え上がる激情も秘かに抱えた“ミドルエイジ・クライシス”を描いた普遍的な「男性研究の書」である。
  • 僕の耳に響く君の小説
    値引きあり
    4.5
    恋心と才能への嫉妬の狭間で揺れる青春純愛。 人気絶頂の女性作家、27歳の冬月朧が死んだ。朧が死んだ日、朧と大学文芸部の同期だった朔太郎は、朧に会いたいと言われていたがむげに断っていた。 二人は大学時代、お互いのために小説を書くことがなにより楽しく、夏休みもカフェで小説を書き合い、やがて互いに恋心を抱くように。そんな中、朧だけが小説家デビュー。以来ずっと朔太郎は、朧の才能への嫉妬を抱くようになってしまう。そしてぎくしゃくした関係が何年も続いていたなかでの、朧の死。朔太郎は朧の死をどう受け止めていいのかわからない日々を過ごしていた。そんなある日、朧が死んだ日に会いたがっていたカフェに、朔太郎は足を運んだ。するとそこには朧そっくりの少女がいて…! 恋心と才能への嫉妬の狭間で失った大切な恋を描いた、青春純愛! 小説に引き寄せられ、小説に引き裂かれた恋とは!? 切ない恋に涙があふれる!
  • P+D BOOKS 黄金の樹
    値引きあり
    4.5
    1巻423円 (税込)
    恋と政治に揺れる東大生を活写した青春小説。 昭和20年代後半、文学への志を抱えながらも東大・経済学部に進んだ倉沢明史は検事である父の呪縛に抗いながら、己が人生を模索していた。 朝鮮戦争、血のメーデー事件、米国によるMSA援助の見返りとしての日本の再軍備問題と、時代は熱い政治の季節――。 その一方で家庭教師先の人妻・麻子に胸を焦がし、自らの欲望に悶々とする。そして、失ったはずのかつての恋人・棗との再会。 “内向の世代”を代表する作家・黒井千次が「春の道標」の後日譚として、彷徨する生真面目な青年の内面を繊細に描いた自伝的青春小説の完結編。復刻記念に著者のあとがきを特別収録。
  • 神様の護り猫 最後の願い叶えます
    値引きあり
    4.5
    あやかし猫が起こす再会の奇跡!  ストレスで体調を崩し、会社を退職。初めての彼氏にも浮気されてあっさり失恋。うまくいかない人生に打ちのめされた美琴が逃げこんだのは、亡くなった祖母が住んでいた田舎の空き家だった。  誰とも接触せず、引きこもり気味に一人暮らしをはじめた美琴だが、気分を切り替えようと訪れた近くの神社で、見習い神主の青年・千早と、人の言葉を話す猫・モーと出会う。モーの不思議な力によって過去の自分の姿を見せられた美琴は、心の奥に押し込めていた後悔と向き合うことに……。  花咲神社は生者死者の再会が許されている場所。神様の眷族だというモーは、それを必要としている人々の手助けをするのだと千早は言う。特別なこの神社で、美琴が選んだ未来とは――?  心から誰かに再会したいと願えば、きっと叶えてくれる神様の猫がここにいる。現世〈うつしよ〉と隠世〈かくりよ〉をつなぐ花咲神社で、優しい神主見習いと毒舌猫とともに働くことになった美琴の、奇跡と涙と感動の物語!
  • P+D BOOKS フランスの大学生
    値引きあり
    4.5
    1巻500円 (税込)
    仏留学生活を瑞々しく描いた著者デビュー作。 1950年、27歳の遠藤周作は文学研究のため、いち留学生としてフランスに渡る。 そこにはいまだ大戦の荒廃が色濃い日々の暮らしがあった。ナチスの残虐行為、肉欲、黒ミサ、サド、ジイド等々、ときに霧深いリヨンの街で、あるときは南仏の寂しい曠野で、人間の魂の暗部を擬視しながら綴った思索の足跡――。  愛とは、信仰とは? 本書は、戦後初の留学生として渡ったフランスでの学生生活について日本に書き送った原稿をまとめたエッセイ集であり、著者の原点ともいえるデビュー作である。
  • P+D BOOKS 山中鹿之助
    値引きあり
    4.5
    松本清張、幻の作品が初の電子化!  主君・尼子家の再興を願い、大敵・毛利に果敢に挑み暴れた、山陰の戦国猛将・山中鹿之助の、短くもドラマチックな生涯を生き生きと描く。 没落しつつあった尼子家一筋に全てを捧げ、月山富田城を取り囲む毛利元就の大軍を、その抜群の勇力と才智により何度も跳ね返し、武名を高めた鹿之助だったが、最終的に尼子義久が毛利の軍門に下り、富田城を明け渡すことになった。  その後、牢人をしながらも尼子家再興を使命とし、尼子勝久を擁立し、幾度の苦難を乗り越え、石見国入りし新山城を占拠するも、毛利勢との戦に敗れ富田城へ入城することは叶わなかった。  さらに、10年後、織田信長の毛利攻めに乗じ、再び、尼子軍を再興した鹿之助だが……。  100度打ちのめされ、1000回も挫折を味わう壮絶な鹿之助の人生、しかし、進むことはあっても退くことはなかった、その義勇の名は、天下に鳴り響いた。  弊社雑誌「中学生の友」に1年間連載された、松本清張、幻の作品。著者が代表作「点と線」を執筆した頃に同時に描いた、名作が50余年の時を超えて甦る。
  • 三浦綾子 電子全集 私にとって書くということ
    値引きあり
    4.5
    作家としてものを書く姿勢、自作に寄せる思いなどを綴ったエッセイ集。 「私は精一杯力をこめて書いた。その災難に死んで行った人のことを思い、後に残された人の辛さを思い、時には声を詰まらせながら口述した。筆記する三浦も涙をぬぐいながら筆記した。」(「小説『泥流地帯』を回顧して」)。自作を書き終わっての感想などを綴った「作品と私」、小説のタネ、登場人物の名前など執筆時の裏話などを綴った「私にとって書くということ」、文学者論などを集めたエッセイ集。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・光世氏のエッセイ「戦後六十年と企画展」を収録!
  • 三浦綾子 電子全集 明日のあなたへ―愛するとは許すこと
    値引きあり
    4.5
    生きることへの指針は「許す」ことだと説く心温まるエッセイ集。 「自分自身の身に起きたことなら嗤(わら)えぬことを、他人事なら嗤うという冷たさは、決して許されることではあるまい。嗤うべきことは、他人の失敗や不幸を見て嗤うおのれ自身の姿ではないだろうか。人を嗤った時、その時の自分こそ嗤われる人間なのだ。わたしたちは何を嗤うべきかを知らねばならぬ」。 生きるとは、愛とは、罪とは何か、そして淋しさから立ち上がるための心のあり方を説く温かいエッセイ集。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「氷点」執筆前後のことを記したエッセイ「わたし、小説家になれる?」を収録!
  • 三浦綾子 電子全集 草のうた
    値引きあり
    4.5
    生きること、死ぬこととは何か、三浦綾子の原点を描く幼少期の自伝的小説。 1922(大正11)年、7人きょうだいの次女として旭川で生まれた綾子は、生来体が弱く臆病な子供だった。のちに綾子を献身的に支える前川正の妹・美喜子に誘われ、教会のクリスマスに参加したが、教会よりも寺に興味を持ち、禅寺の日曜学校に通うようになる。5年生になり、異性への憧れにも目覚めた綾子は、ふたつの人の死に遭遇するが、悲しいという感情の不確かさを思い、死や大人になることについて考えるようになる。三浦綾子の原点である幼少期(小学校6年生まで)を綴った自伝的小説。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」と、3歳ころの写真を収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 愛すること信ずること
    値引きあり
    4.5
    自らの夫婦生活を素直に、ユーモラスに語りながら、人生を深く見つめた随筆集。 「肺結核と脊椎カリエスで9年来臥ていて、今もなお、ギプスベッドに絶対安静で、ときどき喀血する。年齢も2つ上で、美人ではない。枕もとには死んだ恋人の写真と骨が飾ってある。いつ治るかわからないが、ぼくは彼女が治るのを待って結婚する。治らなければ、ぼくも結婚しない」という、考えれば考えるほど不思議な光世さんと結婚した著者。「悪妻の見本」という著者が素直に、ユーモアあふれる語り口で、人生の送り方を深く見つめた随筆集。本書のことを記した「随想・地球の上にある」を付録として追加。 「三浦綾子電子全集」付録として、本書のことを記した「随想・地球の上にある」を収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 氷点(上)
    値引きあり
    4.5
    北海道旭川市を舞台に人間の「原罪」をテーマにした著者のデビュー作であり、代表作。 ある夏、北海道旭川市郊外の見本林で3歳の女児が殺される。父親、辻口病院院長の啓造は出張中、母親の夏枝は眼科医の村井の訪問を受けている最中の出来事だった。夏枝と村井の仲に疑いを抱いた啓造は、妻を苦しめたいがために、自殺した犯人の娘を引き取ることにする。事実を知らない夏枝はその娘に陽子と名付け、失った娘の代わりにかわいがる。夏枝や兄の徹らの愛情に包まれて明るく素直な娘に成長していく陽子だったが、いつしか家族に暗い影が忍び寄る―。 三浦綾子の朝日新聞の懸賞小説当選作であり、デビュー作。 そして、1969年(昭和44年)、1970年(昭和45年)、1981年(昭和56年)、2006年(平成18年)と昭和から平成にかけて4度にもわたりテレビドラマ化された、空前の名作である。 「三浦綾子電子全集」付録として、懸賞小説の当選発表記事や受賞の言葉などを収録!

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  • 恋をし恋ひば かんなり草紙
    値引きあり
    4.4
    運命の人はかつての許婚?平安後宮ロマン!  大納言だった父と母を続けて亡くし、他人に騙されて家の財産も失ってしまった沙羅。親が決めていた縁談もあっさりとなかったことにされ路頭に迷いかけた沙羅だったが、入内した従姉妹の女房として内裏に入り、今は幸せだった頃をときおり思い出しながら、梅壺で静かな日々を過ごしている。  そんなある日の夜。主が飼う猫の散歩につきあい、月明かりの中で一人ぼんやりと庭をながめていた沙羅の前に、宿直装束姿の男が現れる。親しげな様子で話しかけてくるその男は、右近少将藤原朝蔭と名乗った。その名を聞いて衝撃を受ける沙羅。それは忘れたくても忘れられなかった、かつての許婚(いいなずけ)の名前だった――。  運命に翻弄され、裏切られ、過去の悲しみの中ですべてを諦めるかのように生きてきた沙羅だったが、強引なほど沙羅との距離を詰めようとする朝蔭の態度に、いまさらと思いながらも、ゆっくりと心を開きはじめる。だが、右大臣家の姫君と朝蔭の縁談が調ったという噂を、沙羅は耳にしてしまい……。  運命の恋を描く、平安後宮ロマン!
  • そして8日目に愛を謳った。
    値引きあり
    4.4
    世界が終わる前に探し出した、本当の自分。  わたしはこの世界が嫌いだ。  そんな気持ちを誰にも知られないように、周りが期待する「わたし」らしさを装って、当たり障りのないよう生きてきた女子高生の佐伯真魚。ある日、差出人不明の手紙で校舎の屋上に呼び出された真魚は、手紙の送り主がクラスメイトの九条シキだと知って驚く。いつも暗い雰囲気を漂わせて教室の隅にいる九条。だが、目の前の九条は晴れやかな笑顔を見せている。そしてその背中には、白く大きな翼が。人畜無害だと思っていた地味な男子生徒が、実は天使を演じるイタい人種だった…? そっと引き返そうとする真魚に、九条は謎めく言葉を告げた。 「佐伯さん、聞いて。あと七日で世界が終わるんだ」  世界を滅ぼすかどうかの選択者に、真魚を選んだという自称・天使の九条。そして滅亡を避ける方法は、真魚自身をこの世界から消す、というものだった。九条の言葉を信じられない真魚だが、翌日、いつもの景色から何かが失われていることに気づいてしまう――。  世界の未来をその手に握る真魚が、最後の一週間で見つけた“答え”とは? 若者の圧倒的支持を集める沖田円が描く、感動の青春小説!
  • 三浦綾子 電子全集 泥流地帯
    値引きあり
    4.4
    誠実に生きる人間に自然は容赦なく襲いかかる。「苦難の意味」を真正面から問いかける感動の長編。 上富良野郊外で、開拓農民の祖父母や兄、姉、妹と暮らす耕作は、中学進学をあきらめ、小学校の代用教員として、一家の生活をわずかながら支えている。そこへ、長い間離れて暮らしていた母が帰ってくるという吉報が届く。そんなとき、十勝岳が突然大噴火、一帯を泥流が襲う……。1926(大正15)年5月に実際に起こった十勝岳大噴火を背景に、懸命に生きる人間の姿を描く感動の長編。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」、十勝岳中腹に立つ著者写真等を収録!

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  • 大阪マダム、後宮妃になる!
    値引きあり
    4.3
    コテコテのアラサー大阪女子、後宮妃に転生。 「理想の男性……そりゃあ、バースですわ」  凰朔国一の豪商、鴻家の華やかな屋敷で、うっかりそう口にしたのは令嬢の鴻蓮華。蓮華には誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶があること。日本という国の大阪で生まれ大阪で育ち大阪で死んだアラサー女子、という前世だ。  父親によって後宮に放り込まれることになった蓮華は、集められたたくさんの妃嬪候補たちとともに花嫁修業を始めるが、うっかり大阪弁が出てしまったり、成り上がりの娘と蔑まれたりとトラブル続き。だが、商魂たくましい蓮華は、妃になるより後宮で商売をして生き抜こうと心に誓っていた。  そんなある日、蓮華の部屋に一人の男が現われる。不遜な態度を見せる男を不審に思う蓮華だが、ここは後宮。入ることができるのは、皇帝の天明だけだ。自分が皇帝に選ばれるわけはないと困惑する蓮華に、天明は極秘命令を下す。政治の実権を握る皇太后を倒すため、自分に協力せよ――。立場を利用して後宮で商売ができるなら、と考えた蓮華は、天明に協力を約束するが……。  コテコテな大阪魂を持つ蓮華が、力業で後宮を変えていく!? 異色の転生×後宮×コメディ!
  • 王妃になった魔女様は五人の王子に溺愛される
    値引きあり
    4.3
    魔女ナユラは王子達のよき母を目指すが!?  ――北の森には恐ろしい魔女が住んでいる。  リンデンツ王国にはそんな言い伝えがある。森の奥に棲みつき、幾度も王国に災いをもたらしてきた「北の森の魔女」は、十年前、先代王妃が亡くなったあと王宮にやってきて、まんまと新たな王妃に座におさまってしまった……らしい。  魔女の名はナユラ。見た目は十八歳ほどにしか見えない美女だが、実年齢は三百歳になる立派な化け物だ。口さがない連中は「魔女が国王や息子たちを洗脳したため、五人の王子は適齢期を迎えてもいっこうに結婚しない」などと囁くが、本当のところ、この王子たちは継母であるナユラにベタ惚れで、誰ひとりとして貴族の令嬢に目を向けないのだった。  しかし、息子たちの熱烈過ぎる愛情にまったく気づかないナユラは「引きこもりの不気味な魔女(私)に育てられた王子だから、きっと普通の令嬢は怖がるのね……」と見当違いの懸念に心を痛めつつ、結婚から十年間こんこんと眠りつづける病床の国王の唯一の願い――「息子たちを守ってくれ」という言葉を胸に、全力の代理婚活を始めるのだった。  「むしめづ」の宮野美嘉が送る《家族全員ヤバい!?》痛快ファンタジー誕生!
  • 死神の初恋 犠牲の花嫁は愛を招く
    値引きあり
    4.3
    愛を知らない死神に嫁いだ没落華族の娘。  正岡千鶴は、家族も家も失った元子爵令嬢。天涯孤独の身となった今は、帝都・小石川にある三条家で使用人として働いている。紡績業で成功した新華族の三条家は、小石川に工場を持ち地域のまとめ役にもなっていたが、もともとは立場が上の旧華族だった正岡家の千鶴には残酷な態度をとり続ける。千鶴は、日頃から嫌みや蔑みの言葉を投げつけられていたが、華族としての矜持を忘れずにいようと心に誓っていた。  そんな頃、街で流行病が猛威を振るい、人々が次々と倒れる事態に。不気味なことに、亡くなる人は、枕もとに死神が立ったと言って息を引き取るらしい。三条家には恐慌状態の人々が押し寄せるようになり、死神の怒りを鎮めるためとして、千鶴は生贄の花嫁に選ばれてしまう。  死神の花嫁――それは死を意味する。だが、苦しむ人々の役に立つのならと千鶴は覚悟を決め、夜の闇の中、花嫁衣装で死神が祀られている神社の鳥居をくぐる。ところが、現われた死神・八雲は「妻など娶らぬ」と冷たく千鶴に告げた。すでに帰る場所もなく、街の人々のためにも引き下がるわけにいかない千鶴は、生贄の花嫁として、愛を知らない死神のもとで暮らすことになるが…!?
  • 長崎新地中華街の薬屋カフェ
    値引きあり
    4.3
    お疲れ女子を癒す、中華菓子と極上美青年!  ドラッグストアで働く藤子は、優秀な営業成績を認められて、長崎の店舗へと配属されることに。中華街の近くにある新しい職場で心機一転、がんばろうと張りきるが、売上げのプレッシャーにさらされ、お客様のクレームにあたふたし、スタッフの複雑な人間関係に翻弄され……心労がたまった藤子は、もはやダウン寸前! ある日の仕事帰り、ついに道ばたでうずくまってしまう。そんな藤子を助けてくれたのは、華やかな中国服を着た、人懐こい“わんこ系美青年”だった。  長崎新地中華街にある「薬屋カフェ」で働いているという青年ワンは、美容と健康にいい中華菓子と中国茶に、いまの藤子に必要な成分がぎゅっとつまっているという。黒蜜牛乳プリンに馬拉カオ、南瓜の花巻に飴餡の焼き餅、雪花氷。豊富な薬膳知識ととびきりの笑顔でワンが勧めてくれるのは、美味しくて体に優しい甘味たち。その甘さと彼の笑顔で、藤子はゆっくりと自分を癒していく――。  お疲れならば、長崎中華街へ! 働く女子の心と体にうれしい、癒しと恋の物語。
  • 海と月の喫茶店
    値引きあり
    4.3
    温かな涙を誘う、思い出のおやつ。  祖母の死を機に田舎から街に引っ越して、父親と弟との三人暮らしを始めた女子高生の香月。だが、転校先では友達ができず、母親代わりの家事もうまくこなせず、父親ともぎくしゃくして、居場所を見つけられないまま、寂しい気持ちを抱えて毎日を過ごしている。  ある日、隣の席にすわる男子生徒のノートを間違えて持ち帰った香月は、そこにいくつものデザートレシピが手書きされているのを見ておどろく。「あの間宮くんが、ケーキ作り?」  クラスの中心人物である間宮立海は、いかにも都会的な洗練された男の子。気後れするほど苦手なタイプの彼が、誰にも内緒で菓子作りをしているらしい。立海の意外な趣味を知った香月は、秘密を守る代わりに、菓子作りを教えてほしいと持ちかける。渋々ながらも、立海は香月の師匠役を引き受けてくれることに。  夜だけ開く喫茶店でデザート作りをする立海を手伝いながら、懐かしい祖母のおやつを思い出す香月。ホットケーキ、プリン、かぼちゃぜんざい。誰かに認められるために、自分なりの味を作ろうと気負うけれど……。  思い出の味は、きっと幸せの味。切なくて優しい青春ストーリー!
  • 君のいない町が白く染まる
    値引きあり
    4.3
    第18回小学館文庫小説賞受賞、泣ける恋!  3月23日、僕は高円寺に引っ越した。駅を出ると、炭に焼かれる焼き鳥の匂いが鼻腔をくすぐり、路上ライブの弾き語りが響いてくる。僕の社会人生活がいよいよここから始まるんだと思いながら眠った深夜、幽霊のアカネが現れた。この世を彷徨い続ける彼女はここに置いてくれと懇願してきた。正直に言おう、僕は極度の怖がりである。生きてる人間は怖いが、死んでる人間なんて気絶する。とにかく呪いが怖い僕に選択肢などない。アカネを追い払えず幽霊と同居することになったのだ。その結果、僕はアカネにどうしようもなく恋してしまった。  これは、12月24日深夜に彼女をあの世に見送るまでの、僕の恋の日記であり、彼女を取り巻く人達の話だ。  ――アカネ、僕は君をどうすれば引き留められたのかな。 第18回小学館文庫小説賞受賞作!
  • P+D BOOKS 鳳仙花
    値引きあり
    4.3
    1巻693円 (税込)
    中上健次が故郷紀州に描く“母の物語”。  「秋幸もの三部作」よりも以前の時代を描く、秋幸の母・フサの波乱の半生を描いた物語。  海光る3月。私生児としての生い立ちに昏い痛みを覚えながらも、美しく利発な娘に成長したフサは、十五になった春、生まれ育った南紀の町をあとにした。  若々しい肉体の目覚めとともに恋を知り、子を孕み、母となって宿命の地に根をおろすフサ。しかし、貧しくも幸福な日々は、夫・勝一郎の死によって突然に断ち切られた。  子供を抱え、戦時下を生き延びる過酷な暮らしの中で、後に賭博師の龍造と子を為し、秋幸と名付ける。しかし龍造が賭博で刑務所に入っている間、他の二人の女を孕ませていたことを知り、フサは秋幸には龍造を父と呼ばせぬと宣言する……。  中上健次が実母をモデルに、その波瀾の半生を雄大な物語へと昇華させた傑作長編。
  • 三浦綾子 電子全集 忘れえぬ言葉―私の赤い手帖から
    値引きあり
    4.3
    心に残るさまざまな言葉を思い出とともに綴った愛のエッセイ集。 毎日の平凡な生活の中で、ふと聞いた言葉や面と向かって言われた言葉が、心に残って消えない時、その言葉もまた肉体に刻まれた傷跡と同じように、その時の状況が瞬時に甦ってくる・・・。感動した言葉、おりにふれて思い出す言葉、自らを戒めるものとして受け入れた言葉、力と希望を与えてくれた言葉、愛の言葉などをまとめた心に残るエッセイ集。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏によるエッセイ「妻を語る」を収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 塩狩峠
    値引きあり
    4.3
    明治42年に実際に起こった鉄道事故を元にした人間のあり方と愛と信仰の物語。三浦綾子の代表作であり、多くのファンに愛される大ベストセラー作品! 東京で、父と厳格な祖母に育てられた信夫は、祖母の死後、キリスト教徒であったために家を出されていた母親とも暮らすようになる。母と妹、そして父までもが信じるキリスト教に違和感を抱きながらも、まっすぐに成長していく信夫。やがて、少年時代からの友人・吉川に誘われ北海道に渡り、鉄道会社で働くようになる。この地で信仰に目覚めた信夫は自らも洗礼を受け、吉川の妹・ふじ子との結婚を決意する。結納のために汽車で札幌に向かうが、塩狩峠の頂上にさしかかったとき、信夫の乗った客車が突然汽車から離れ、暴走を始めた……。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」などを収録!

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  • 暗号解読士 九條キリヤの事件簿
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    4.2
    暗号に隠された思いを解き放つ!  九條キリヤ。通称『暗号解読士』。類い稀なる数学的センスで事件現場に残された暗号を解き、難解な事件をいくつも解決に導いてきた警察の民間協力者――。  担当する殺人事件の捜査のため、キリヤがいると教えられた大学へ向かった警視庁の新米刑事・七瀬光莉。構内で学生に間違えられた光莉は面倒ごとに巻き込まれそうになるが、突然現れた青年に助けてもらう。見たことがないほど美しい顔で毒舌を振るい、信じられないほど無愛想に対応するその青年がキリヤ本人だと知り、驚く光莉。そしてキリヤは、光莉たちがどうしても解けなかった暗号を難なく解き、その実力を光莉に見せつけるのだった…。  暗号を作った人を知ることこそが、暗号を解く近道になる。そう語るキリヤとともに、暗号に隠された意図を探るため、関係者への聞き込みを進める光莉。だが、捜査の最中、光莉たちは何者かに襲われ、キリヤが怪我を負ってしまう!?  他人との深い関わりを拒みながらも、暗号に込められた思いや願いを探り解き放つ、大学生キリヤ。彼が探し続ける〈最期の言葉〉とは? 暗号にまつわる数々の事件と秘められたキリヤの過去を描く、暗号解読ミステリー!
  • 咎人の刻印
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    4.2
    《吸血鬼×殺人鬼》のダークファンタジー! 「令和の切り裂きジャック」と畏れられる殺人鬼・神無が、自分に愛を告げる女を手にかける理由は――相手の体を裂いてまで探しているものは、たったひとつだ。 「人は、誰かに対して『愛してる』って言うだろ。でも、その愛って何処にあるんだろうと思って」  探しものを見つけることができない青年の前に現れたのは、陶器人形のような美しい少年・御影。 「それが欲しいなら、おいで。愛してあげる」  神無が招かれたのは、都心にあってそこだけ異空間のような古びた洋館だった。ここで一緒に暮らすのだと、御影は平然と神無に告げる。そのあまりに強引な展開に戸惑う暇もなく、すぐに神無は身をもって御影の正体を知ることになる。御影は、ひとの生き血を吸う吸血鬼だったのだ。  これは、罪を犯して人の道を外れ、罰の証の如くスティグマと呼ばれる刻印を身に宿した、異能の者達の、血塗られた戦いの物語。……究極のダークファンタジー、始動!
  • えんま様の忙しい49日間
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    4.2
    地獄でまた会おう。  古いアパートに引っ越してきた青年・炎真の正体は、休暇を過ごすため百年ぶりで現世へやってきた地獄の大王閻魔様。  地獄で働き詰めの炎真の願いは、ひらすらだらだら過ごす癒やしの休日。ところが、ふらふらとさまよう幽霊を街角で見かければ説教してあの世に送ってみたり、目の前で起きている犯罪を見逃せず生者の面倒まで見てしまったり。そのたび「また働いてしまった!」と、秘書の小野篁に向かって嘆きながら、後悔ばかりしている。  おまけに、現世で不動産業を営む地蔵菩薩からも霊がらみの案件を任されて、「面倒くさいことこの上ねえ!」と憤慨する炎真。駅の自動改札機に冷や汗をかき、人混みに目を回し、コンビニスイーツに舌鼓を打ちながら、トラブル解消のために百年ぶりの現代日本を駆け回ることに……!  世話焼きな同居人の秘書・小野篁、記録係のお子さまズ・司録&司命も加わって、現世に閻魔様の裁きが下される!? にぎやかに繰り広げられる、地獄行き事件解決録!
  • ようこそ紅葉坂萬年堂
    値引きあり
    4.2
    深くてアツい万年筆の《沼》へようこそ!  日々の生活に疲れ、働く意味を見失ってしまった綾瀬葵は、ある日、紅葉の美しい坂の途中にある、小さな店にふらりと立ち寄った。そこには美しいペンがずらりと並んでいて、まるで小さな美術館のようだった。  「紅葉坂萬年堂」という名前のその店は、万年筆などのペンを専門に扱う店で、年若いながらも落ち着いた店主の宗方士貴は、ペンの知識が豊富な人物。彼から手ほどきを受けるうちに万年筆の世界に魅せられた葵は、店に貼られた急募の紙に背中を押され、萬年堂のスタッフに加わる決心をした。なにより、商売道具の手を怪我して困っているという宗方の姿に、同情とほんのすこしのドキドキを感じてしまったいうのが決め手だったのだが。 「もし、あなたがいまの生活を変えたいとお思いなら、この万年筆は、きっとあなたのお役に立ちますよ」  万年筆を持つということは、万年筆の世界ごと手に入れるということ――。そんな宗方の言葉に深く感銘を受け、新米店員として奮闘する葵のもとには、今日もさまざまな思いを抱えたお客様がやってくる。それぞれの心の心に寄り添って、最適なペンと出会わせるという仕事に、葵はやりがいを感じるようになって……。
  • 三浦綾子 電子全集 母
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    4.2
    『蟹工船』の著者・小林多喜二の母・セツの波乱に富んだ生涯を描いた伝記小説。 秋田の貧しい家に生まれたセキは、農家の小林家に嫁ぐが、長男の死を機に北海道小樽に一家で渡り、パン屋を経営する。伯父の援助で進学した次男の多喜二は、卒業後、銀行に勤め、家計を支えるようになるが、反国家権力の小説により、何度か投獄され、そしてついには・・・。 プロレタリア文学で後生に名を残した『蟹工船』の著者・小林多喜二と、その母・セツの波乱に富んだ生涯を描いた伝記小説。 「三浦綾子電子全集」付録として、「母」を元にした舞台上演への寄稿文、夫・三浦光世氏による「創作秘話」、愛用のパーキンソン病患者用の椅子写真を収録!
  • 三浦綾子 電子全集 細川ガラシャ夫人(上)
    値引きあり
    4.2
    女性が人間らしく生きるとは?ガラシャ夫人を通して語りかける著者初の歴史小説。 明智光秀の娘・玉子は、織田信長の命により、16歳で細川忠興に嫁いだ。戦乱の世の常の政略結婚で、多くの女性がそれを運命として疑うことをしなかった中、玉子は、女たちが道具のように扱われることに、耐えられぬ思いを抱いていた。人間としての自我にめざめていた玉子(後のガラシャ夫人)を通して、女性が人間らしく生きることの意味を問う著者初の歴史小説。 「三浦綾子電子全集」付録として、『信徒の友』に掲載された著者談話「細川ガラシャ夫人を書き終えて」、西教寺住職の説明を受ける著者写真を収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 この土の器をも ―道ありき 第二部 結婚編
    値引きあり
    4.2
    愛を持続させることはいかに大切であるか――。新婚生活から新聞懸賞小説に入選するまでを綴った自伝的小説。 37歳で結婚し、綾子の実家に近い一間だけの小さな新居で始まった結婚生活。新聞社の1,000万円懸賞小説に『氷点』を投稿し、入選するまでの愛と信仰の日々を描く。「大きな愛」に包まれた「小さな家」には、さまざまな人が立ちあらわれる。また日常生活の中で、人を信じる、愛することの重要性を説く。 「道ありき 青春編」の続編。 「三浦綾子電子全集」付録として、週刊新潮1999年10月28日号の記事「墓碑銘・作家、三浦綾子さんの苦難を支えた信仰と夫の愛」を引用収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 道ありき 青春編
    値引きあり
    4.2
    著者の二十歳代前半から療養生活、自殺未遂、光世氏との結婚までを記した自伝的小説。 小学校の教師をしていた綾子は、敗戦を迎え、それまで教えてきたことが間違いだったのではとの思いにさいなまれ、虚無感を覚える。教師を辞め、結婚を決意するが、結納が届くその日に倒れ、その後、肺結核を発病する。長い療養生活の中で婚約解消、自殺未遂などを経験するが、同じ結核患者でクリスチャンの幼なじみ前川正の献身的な支えを得て、生きる希望を見いだしていく。その後、脊椎カリエスを患った綾子は、受洗する。そんな折、前川正が危険な大手術を受けることになり……。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」を収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 ひつじが丘
    値引きあり
    4.2
    過ちを犯さない人間はいない。だからこそ愛することはゆるすこと。永遠の愛のテーマ。 牧師の家に育った奈緒美は高校卒業後、友人・京子の兄、良一から求婚される。やんちゃな面を持つ良一に奈緒美は惹かれていくが、良一の人間性に不安を感じ取った両親は反対する。一方、奈緒美の高校時代の担任で、良一の女性遍歴を知る竹山もまた、奈緒美への密かな思いを抱くだけに祝福することができなかった。周囲の声に反発する奈緒美は函館に帰る良一を送りに行き、そのまま結婚生活を始めてしまう。だが、そのわずか数か月後には、良一の冷酷な面を知ることになるのだった。 「三浦綾子電子全集」付録として、 夫・三浦光世氏による「創作秘話」などを収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 銃口 (上)
    値引きあり
    4.2
    人間の本質に迫る三浦文学の最高傑作! 昭和元年、北森竜太は、北海道旭川の小学4年生。父親が病気のため納豆売りをする転校生中原芳子に対する担任坂部先生の温かい言葉に心打たれ、竜太は、教師になることを決意する。竜太の家は祖父の代からの質屋。日中戦争が始まった昭和12年、竜太は望んで炭鉱の町の小学校へ赴任する。生徒をいつくしみ、芳子との幸せな愛をはぐくみながら理想に燃える二人の背後に、無気味な足音……それは過酷な運命の序曲だった。 「第1回井原西鶴賞」受賞作品。三浦綾子、生前最後の小説。 1996年(平成8年)、NHKで「銃口 竜太の青春」としてテレビドラマ化され、作品が第14回ATP賞‘97奨励賞を受賞した。

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  • 蟲愛づる姫君の婚姻
    値引きあり
    4.1
    変わり者の姫の結婚相手は隣国の国王で!?  この世には〈蠱毒(こどく)〉というものがある。壺に百の毒蟲(どくむし)を入れて互いに殺し合わせ、最後に生き残った一匹が猛毒を持つ〈蠱〉となるのだ。それを古来〈蠱術〉といい、操る術者を〈蠱師〉という。  大陸でもっとも強大な斎帝国の第十七皇女・李玲琳は、気味の悪い蟲(むし)と、その蟲から生成される蠱毒をこよなく愛し、周囲からひそかに「毒の姫」とあだ名される風変わりな姫だ。ある日、最愛の姉である斎国の女帝・彩蘭の指示で魁国の王・楊鍠牙のもとへ嫁ぐ。ところが、結婚生活は前途多難。  まず、せっかく大国から迎えた若く美しい花嫁が、華やかな衣裳やきらめく宝石よりも蟲が大好きで蠱毒をつくりまくる蠱師だと判明してしまい、魁国の者たちはドン引き。鍠牙の命が何者かに狙われている――という噂が立つと、毒殺犯の容疑をかけられた玲琳の立場はますます危ういものになって……。  運命は自分で切り開く。最強毒姫の冒険!
  • 三浦綾子 電子全集 千利休とその妻たち(上)
    値引きあり
    4.1
    精神の自由と情熱をつらぬいた茶聖・千利休の半生記を描いた歴史長編。 三好長慶を異母兄に持つお稲は、武力の強さにあこがれ、茶の湯の天才である夫・利休を軽んじていた。利休はそれでも家族を大切にしていたが、能の天才・宮王三郎の妻女・おりきに出会い、激しく心を奪われてしまう・・・。 利休の、反権力的な堺町人文化の一頂点でもある茶の湯の道を極めていく縦軸と、おりきへの激しい思いを横軸に、戦国時代を描いた歴史長編。精神の自由と情熱をつらぬく強さを持った男の半生記でもある。 「三浦綾子電子全集」付録として、著者が裏千家茶道の機関誌である月刊茶道誌『月刊淡交』に寄稿したエッセイ、著者の手によるぐい呑み写真を収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 天北原野(上)
    値引きあり
    4.1
    運命や自然に翻弄される人間の愛とエゴイズムを描く長編小説。 貴乃と孝介は結婚を誓い合った仲だったが、貴乃に恋慕する完治の策略によって、孝介一家は村から追いやられ、貴乃は強引に完治の妻にさせられてしまう。それから10年。樺太に渡り、金持ちになった孝介が貴乃と完治の前に現れ、完治の妹のあき子を嫁にほしいと告げる……。運命や自然に翻弄される純愛を通し、十字架を背負った人間たちのドラマを描く長編小説。 1977年(昭和52年)にテレビドラマ化され話題を呼んだ。 「三浦綾子電子全集」付録として、1977年のTVドラマ化に際し毎日新聞に載せたコメントを収録!

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  • 三浦綾子 電子全集 続 氷点(上)
    値引きあり
    4.1
    人間にとっての「ゆるし」とは何かを問いかけるベストセラー『氷点』のその後。 自分が殺人犯の娘であると知った陽子は、睡眠薬自殺を図るが、一命を取り留める。意識が戻った陽子に、育ての親である啓造と夏枝は、陽子が殺人犯の娘ではなかったことを告げる。だが同時に、陽子は自分が不義によって生まれた子である事実を知るのだった。潔癖な陽子は、実母への憎しみを募らせていく。そんな陽子に特別な感情を抱く兄の徹は、陽子の実母に接近していき……。 1971年(昭和46年)にテレビドラマ化され話題を呼んだ。 「三浦綾子電子全集」付録として、随筆「『続 氷点』を終って」を収録!

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  • 魔女の結婚~愛し子の世界征服を手伝いますが、転生のことは秘密です~
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    4.0
    皇女になった最強魔女の嫁入り先は……? 「光栄に思いなさい、九垓。このわたしが結婚してあげるわ」  今や驍国の皇帝となった九垓に、そう高飛車に求婚したのは芳国の皇女・璃珠。しかし九垓は冷たくこう応えた。 「誰があなたなど娶るか。俺が愛するのは百花の魔女ただひとり」 この返事に愕然としたのは璃珠だ。九垓が件の「魔女」のことをそんなふうに思っているなんて知らなかった。 なにより、この状況ではとても言えない。自分がその「百花の魔女」――かつて芳国最強の魔女とされ、いわれのない罪で斬首された「華陀」本人だということは。  そもそも九垓は魔女の「愛し子」だ。華陀が幼い彼を拾い、長く育てた。いわば息子のような存在だった。だから奇跡が起きて自分がこの璃珠の身体に転生したとわかったときから、百花の魔女は心に決めていたのだ。彼の 夢も未来も自分が守ってやると。そこで手始めに世界を奪い、九垓に与えてやること――それが愛し子を幸せにする方法だと分かっているのだ。 すれ違う「魔女」と「愛し子」の想いの結末は? 風味絶佳の中華風ファンタジー!!
  • 身代わり皇帝の憂鬱~後宮の侍女ですが、入れ替わった皇帝に全てを押しつけられています~
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    4.0
    もしかして皇帝と私、入れ替わってる!?  田舎貴族の娘・白麗霞は、朝陽国の妃候補・静蘭に仕える後宮の侍女。仲春の満月の夜、後宮の池に落ちかけた皇帝・天陽を助けようとして一緒に池に落ち、ふたたび目覚めたとき、ふたりの中身が入れ替わっていたのだった。これでは大変なことになってしまう……と事情を知る関係者一同は頭を抱えたが、解決方法として提示された「次の満月の夜にもう一度ふたりで池に落ちてみる」を実行するまでの間、実際に中身が入れ替わった状態で生活してみたところ……元々、女子にしてはオトコマエな性格だった麗霞は、実際に男になってみるとカッコいいことこの上なく、のんびりした性格の天陽もまた、侍女役がしっくりハマってしまったのだった。  元々は貰い事故で皇帝(中身)になった麗霞だったが、いざその最上位ポジションで見回してみると、後宮においては皇后である秀雅が強すぎるせいで、天陽自身は妃候補たちにナメられていることがわかった。これを改善すべく乗りだした麗霞は「皇后ぎゃふん計画」を立案。すなわち「自分が皇帝の中身でいるうちに妃候補たちを天陽に惚れさせ、皇后しか眼中にない妃たちをこちら側へ引き込もう作戦」がスタートさせるが……?
  • P+D BOOKS マカオ幻想
    値引きあり
    4.0
    1巻539円 (税込)
    亡くなった年に発表された遺作短篇集。 「もしも日本に帰れずに、かの地で死ぬようなことがあったら、私は必ず前歯にジェズスの教えのみしるしを刻みこんで置きます。」  本家の敷地内から発見された壺の中から、365年前にマカオに流された先祖の“遺言”が発見された。遺骨の行方を捜しにマカオを訪れた千葉裕平は、亡くなった娘・由紀子に生き写しの女性、葉銘蓮と出会う。果たして、“みしるし”を刻んだ遺骨は見つかるのか、そして葉銘蓮の正体は――。  マカオへの幻のような旅を綴った表題作に、八甲田山雪中行軍の外伝「生き残りの勇士」、イギリス公使オールコックが外国人として初めて富士山頂に立った顛末を描く「富士、異邦人登頂」など8篇を収録した短篇集。亡くなった年に出版された遺作のひとつ。
  • P+D BOOKS 街は気まぐれヘソまがり
    値引きあり
    4.0
    無頼派作家のヘソまがりエッセイ集。 「私は富士山が大嫌いである。……即刻切り崩しかきならしてしまうがよろしい。」(富士の裾野の暴風雨) 「私はゴルフもやらない。……皆がやっている遊びをやらなくたって、少しもさしつかえない。」(困ること、腹立つこと) 「日本料理というものは、完全に殿様か老人向けにできていて、ただ害がないというだけのものにすぎなくなっているようだ。」(肉には大根おろしが……)  ギャンブル、食、作家仲間や芸能人との交流……雑多なテーマについて、気の向くままにぶった切る痛快エッセイ集。「アサヒ芸能」に1年間連載された47篇を収録。
  • P+D BOOKS 海の牙
    値引きあり
    4.0
    1巻539円 (税込)
    人間の欲を浮き彫りにする社会派ミステリー。 「工場はおそろしい水銀の水を流している。魚は獲ってはいけない。獲った魚を喰えば死の病いにとりつかれる。  そうだ、この海……この暗い海の底から、目に見えない何ものかが牙をむいて迫っている」  不知火海沿岸で発生した奇病“猫踊り”。魚や貝を食べると、猫はもちろん、人間までも前後不覚になり死んでしまう恐ろしい病気だ。その実態を調べるために東京の保健所から来た男が行方不明になる。警察医・木田民平は勢良警部補とともに、工場や投宿した旅館などを探るが、男はやがて鴉についばまれた死体で発見される。  男はなぜ殺されなければならなかったのか。そこには、さまざまな“欲”が、複雑に絡み合っていた――。  日本中を震撼させた水俣病を題材にし、直木賞候補にもなった衝撃作。
  • 後宮の巫女は妃にならない
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    4.0
    嫌われ巫女、なぜか皇子に溺愛されてます! いにしえの時代、神鬼の意を占う巫女あり。神に通じ、鬼(死者)に通じる彼の者たちは、その力を以て王の治世を補佐したもう。よってその存在、あまねく国の行く末を占うものなり――。  かつては王権のそばにあり、大変貴重とされた巫女。だがこの国ではいつからか、巫女は忌まわしい存在として迫害されるようになってしまった。今は 新しい王朝が立ち、それに従いようやく禁巫の令は取り消されたが、巫女の血を引く者は、長い迫害の期間を経て激減していた。そんな中、巫女の血を誇る祖母に地獄の英才教育をほどこされた螢那は、実はがっつり巫女の力を持っていた。……が、本人の感覚は「ちょっと霊が見えるだけの平凡な女の子」という程度。祖母亡き後、なさぬ仲の義母にいじめられつつも毎日やり過ごしていた螢那だったが、ある日、火事騒ぎに巻き込まれ、そこで出会った男にさらわれて後宮に入れられてしまう。  人さらいはの正体はこの国の皇子・侑彗。いわく「王朝にかけられた呪いを解き、世継ぎ問題を解決できるのは巫女のみ」で、螢那を妻にしたいらしいのだが……!?  後宮を舞台にした、中華風なぞときファンタジー!
  • P+D BOOKS ゆきてかえらぬ
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    4.0
    女性と人間について洞察する著者の真骨頂。  人物評伝では高く評価されている瀬戸内晴美が、自らとゆかりの深い人物について掘り下げた短篇集。  欧州社交界にこの人ありといわれた薩摩治郎八が余生を過ごす徳島に、地元生まれの著者が訪ねていく表題作のほか、太宰治の終焉の地近くに住むことになった著者が、“斜陽の子”太田治子との対話などを綴った「三鷹下連雀」、恋多き男・竹下夢二が最も愛した女性・彦乃との悲しい物語「霧の花」、著者が師事する丹羽文雄と老画家との奇妙な交流と別れを描いた「春への旅」、幸徳秋水の元妻の独白の形で綴られる「鴛鴦」の5篇が、著者ならではの、女性と人間についての深い洞察で描出される。
  • 王と后
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    4.0
    許されざる恋を描く和風王宮ファンタジー!  神話に由来する八つの家が支配する国「千和」。八家の者は「術」と呼ばれる特別な力を持ち、なかでも特に強い術を持つ男が千和の王位に就くことになっている。  七十年前、八家の中で最も神に近い家とされていた天羽家が、突然都を去り、政治を放棄した。天羽の強い力を必要とする七家は、新しい王の即位のたびに、天羽家から后と巫女を兼ねた女子を迎えて祭祀に関わらせるようになる。だが天羽と七家の関係は悪化、都に送り込まれる天羽の娘は、いまや人質同然に後宮で軟禁されることが慣例となっていた。  このたび、新王・一嶺鳴矢の后に選ばれた天羽淡雪も、都での天羽の者である自分の立場はじゅうぶん理解していた。后とは名ばかりで、ここでは異端の者。逃げることもできず、逃げたところで帰る場所もない――。  そんな淡雪には遠くの物事を見る能力があった。後宮からその術を使って鳴矢を見た淡雪は、彼が想像していたような厳しい王ではないことを知り、次第に興味を抱くようになるが……。  触れあうことはおろか話すことも許されない王と后。禁じられた恋と八家の謎を描く和風王宮ファンタジー!
  • P+D BOOKS 早春
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    4.0
    1巻616円 (税込)
    青春の地をたどる、著者の「神戸物語」。 ――神戸に一度でも住んだことのある外国人は、世界のどの都市にも住みたいとは思わなくなるという。……「早春」は小学生の頃から特別な親しみを抱いていた神戸を妻とともに何度も訪ねる話だ――(著者あとがきより)  大阪府出身ながら著者自ら“青春の地”と称する神戸を、著者の同級生や神戸在住の叔父夫婦、貿易商の郭夫妻らとの交流を通じ、さまざまな角度からとらえていく。  会話を丹念に再現することで、戦時中の悲しい思い出や戦後の復興期、ポートピアに沸く人々の華やいだ気持ちなどが手に取るようにわかる、今昔の神戸を描いた秀作。
  • 陸軍将校の許嫁 ~お見合いは幽霊退治の後で~
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    4.0
    薙刀女子と堅物軍人の明治お見合い物語!?  女学校に通う巴は侍より侍らしいと言われる、薙刀好きな変わり者。苦手な音楽の試験で失敗し、落第の危機に直面した巴は、母に命じられて洋琴(ピアノ)の稽古に通うことに。洋琴の長尾先生が住む立派な洋館で四苦八苦しながらの稽古の後、ひとり部屋に残された巴の前に現れたのは、陸軍の軍服を纏った見知らぬ青年将校。長尾先生の親戚だという彼、葛目三郎とともに、なぜかふたりきりでお茶を飲むことになった巴だが、葛目ときたらたいそう無愛想で口数も少ない。しかも、五年前に起きた陸軍兵士と警察官の乱闘事件以来、大阪の陸軍第四師団と大阪府警察本部は犬猿の仲で、巴の父親は警察官なのだ。気まずい時間だと思いながらも、甘いものが苦手らしい葛目の分の饅頭も頬張ってしまう食いしん坊の巴だった…。  そんな頃、巴は女学校で洋館に幽霊が出るという噂を耳にする。しかも長尾家を悪く言う尾鰭も付き、さらには洋館に出入りする巴に関わると祟られるらしい、という話まで広まってしまう。憤慨する巴は噂の出所を探ろうとするが――。  明治の大阪を舞台に繰り広げられる怪しい幽霊騒動。薙刀女子と堅物な青年将校がたどり着く真相とは!?
  • 浅草ばけもの甘味祓い ~兼業陰陽師だけれど、上司が最強の妖怪だった~
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    4.0
    陰陽師な女子社員の上司は京都から来た鬼?  浅草の会社で働く永野遥香は、もう一つ、内緒の仕事を持っている。それは浅草の町を守る『陰陽師』の一族としての仕事。毎晩会社帰りに町を見回り、治安悪化の原因になる怪異を〈甘味祓い〉で祓っているのだ。  昼は会社員、夜は陰陽師として忙しく働いていたある日、遥香の職場に京都支社から新しい係長がやってきた。彼の名は長谷川正臣。イケメンかつ有能で独身の長谷川の登場に、色めきたつ女子社員たち。互いをライバルとみなして火花を散らせる中、遥香は長谷川を見た瞬間に胸が激しく高鳴って、彼以外何も見えなくなる。……これって、もしかして恋!? いや違う。遥香は気づいてしまった。この気配は強大な邪気。彼は人間じゃない、最悪最強の“鬼”だ……!!  遥香が陰陽師だと気づいているのかいないのか、なぜか好意的な態度をみせる長谷川係長。そんな彼に振り回されながらも、なんとか鬼に対抗すべく甘味祓いを仕掛ける遥香。だが、遥香の行動が他の女子社員には『抜け駆けのアプローチ』に見えて――!?  浅草を舞台に、兼業陰陽師の女子社員と京都からやってきた鬼(ホンモノ)上司がスリリングなバトルを開始!? 危険なラブコメディ!
  • 東京かくりよ公安局
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    4.0
    満場一致の「アニバーサリー賞」受賞作!!  ある寒い冬の日、新月の真夜中のこと。東京駅を訪れた青年・西渕真澄は、不可解な現象に巻き込まれる。突然スマホの位置情報画面に現れた《東京幽世(かくりよ)壱番街》の文字。現れる謎の地下街。直後、何か強い力に撥ね飛ばされ、真澄は命にかかわる重傷を負った。そのとき彼を救ったのは、金色の狐耳の少女・こがね。高位のあやかし――天狐であるこがねは真澄の体に入り、消えかけた命を繋いだ。しかし同時にこの出会いは、真澄を「人ならざる者」に変化させてしまったのだった。  不幸な事故からしばらくして、奇跡的に回復した真澄のもとへ「東京幽世公安局」の職員を名乗る戸塚という男が現れた。彼いわく、この世にはふたつの世界が存在していて、ひとつは人間が暮らす「現世」、もうひとつはあやかしが生きる地下異界「幽世」という。戸塚率いる特務課は人と人外の者の混成部隊で、ふたつの世界の均衡を保つため、日々秘密裏に働いているらしい。そして真澄については、きわめてレアな後天的半妖なので監視を兼ねて特務課のメンバーに迎えたい、と戸塚は告げるが……。  小学館文庫キャラブン!「アニバーサリー賞」を満場一致で受賞した傑作ファンタジー、ここに開幕!
  • P+D BOOKS 父・萩原朔太郎
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    4.0
    娘の目に映った“不世出の詩人”の真実。 ――父はお酒を飲むと、まるでたあいない子供になってしまう。そして酔ってくると、次第にお酒をびしゃびしゃお膳にこぼしはじめ、それにつれてお菜を、膝の上から畳の上一面にこぼすのだった。――  室生犀星をして“不世出の詩人”と言わしめた萩原朔太郎。口語自由詩というスタイルを確立し、一躍時代の寵児となった朔太郎だが、その私生活は、風呂嫌いで、女物の下駄を平気でつっかけ、食事のときは前掛けをさせられていた、など驚くべきものだった。  いちばん間近で朔太郎の真の姿を観察していた長女・葉子が、父はもちろん、愛人をつくって家を出た母やいつも辛く当たる祖母のこと、そして室生犀星、三好達治、北原白秋、佐藤惣之助ら作家たちとの交流を克明に描いた文壇デビュー作。
  • P+D BOOKS 光
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    4.0
    1巻616円 (税込)
    事故で記憶をなくした男の“再生”物語。 ――見えないはずの物が見え、覚えているはずのことが消えて何が悪い? おれの記憶の中心には穴がある。それが〈現実〉というもので、掛け値なしの現実は何と異常で気味悪く透明なものだろう。――  月面基地での作業中に事故に遭った〈男〉。帰還したものの強い逆行性健忘症になってしまい、さまざまなことが思い出せない。 しかし、中国人看護師との会話や、放浪していたところをかくまってくれた老婆、ホームレスの老人との出会いによって徐々に記憶を取り戻していく。はたして、〈男〉にとって光とは、闇とはなんだったのか――。  近未来を舞台に、物質文明や人間の陰陽を見事に描出した傑作長編。第47回読売文学賞受賞作。
  • 夢探偵フロイト -マッド・モラン連続死事件-
    値引きあり
    4.0
    “人を殺す悪夢”の正体に挑むミステリー。  ある会社員が、自宅マンションから謎の飛び降り自殺をした事件。ネットのオカルト板で、彼が見ていたのと同じ“悪夢”を繰り返し見る人がいる、という噂が広まる。森の中を逃げ回り、得体の知れない怪物に襲われる――  私立未来世紀大学の夢科学研究所。夢の研究をするフロイト教授と、彼の右腕であるCGクリエイターのヲタ森、彼らの助手をすることになった学生のあかねは、この悪夢の情報を募集する。同じ悪夢に悩まされているという美女・音羽楓花は、ヲタ森が再現した夢のVR映像を見ると恐怖を感じた様子で、行方不明になってしまう。  <MUD MOLAN(マッド・モラン)>――フロイトがそう名付けた夢の中の怪物。それを見る者は次々に謎の死を遂げていて・・・。フロイト達は“人を殺す悪夢”の正体に迫っていく。  大ヒットした『猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子』シリーズで熱狂的に支持される著者による渾身の新シリーズ始動!! 夢を切り口に怪事件に挑む前代未聞のミステリー(2018年2月発表作品)。
  • 小学館版学習まんが 世界の歴史 1 メソポタミアとエジプト
    値引きあり
    4.0
    あの歴史教科書の山川出版社が編集協力!! 歴史教科書で有名な山川出版社の編集協力を得て誕生した「学習まんが世界の歴史」です。山川出版社の世界史教科書の著作者に監修者になっていただき、教科書の流れを意識したつくりにすることに成功しました。受験や学校での日々の勉強にも十分役に立つ内容になっています。 ただ内容は高校生レベルでも、小学校高学年であれば理解できるようにまんがは構成されています。ひいては、「併読すれば教科書や参考書がわかりやすく・おもしろくなるシリーズ」ということもできるでしょう。 第1巻では、世界で最初に文明が発達したとされるメソポタミアとエジプトなど、「オリエント」(中東全域)とよばれる地域を扱っています。
  • P+D BOOKS 冬の宿
    値引きあり
    4.0
    1巻500円 (税込)
    映画化もされた戦前のベストセラー作品。 「私にとっては、霧島家の貧寒で乱雑な空気だけが身を置くべき場所となっていた。泥水の中でなければ落ちついて棲むことのできないある種の魚たちのように……」  大学生の〈私〉は、学校にも学友ともなじめず、下宿していた叔父一家ともしっくりいかずに、貸間と貼り紙のあった霧島家の6畳間を借りることになった。  ところがその主人・嘉門は自分勝手な暴れ者で、幼いふたりの子を抱えたクリスチャンの妻・まつ子を泣かせてばかり。しかし〈私〉はなぜか嘉門を嫌いになれず――。  原節子出演で映画化もされたベストセラー作品。  旧制高校の同窓会を通じて、戦後の現実をシニカルに描いた「アルト・ハイデルベルヒ」を併録。
  • P+D BOOKS オールドボーイ
    値引きあり
    4.0
    1巻500円 (税込)
    遺作「オールドボーイ」含む短編集。  1986年以降に発表された10作品を収録する“無頼派作家”最晩年の短編小説集。  作者以上の無頼派である棋士・芹沢博文との交流と最期を綴った「男の花道」、中年男が嫁探しをする悲喜劇「男の十字路」、あるいは亡くなり、あるいは落ちぶれてしまったかつてのギャンブル仲間の姿を描いた「男の旅路」、無口だが芯のある男らしい男を描出した遺作「オールドボーイ」といった“男シリーズ”のほか、単行本未収録作品である「赤い靴」「青年」「蜘蛛太夫」「道路の虹」などをまとめた、色川ファン垂涎の一冊。
  • P+D BOOKS 伸予
    値引きあり
    4.0
    元女性教師と教え子の恋の結末は――。 「わたしはね、善ちゃんのお嫁さんになりたかったんだ、これでも」  女学校を出たばかりの教師・伸予は、教え子で中学三年生の善吉に恋心を抱いていた。卒業後は交流が途絶え、伸予は許嫁との結婚と死別を経験し、最近は趣味に没頭する日々を送っていたが、教師仲間からの情報で善吉の消息を知り、再会を果たす。  中年になってなお、少女のような純粋さを保っている伸予と、どこか冷めた雰囲気を漂わせている善吉。二度目の逢瀬でついにふたりは結ばれるが――。  第79回芥川賞を受賞した表題作のほか、第37回文學界新人賞受賞作「ぽぷらと軍神」、「清吉の暦」の全三編を収録。
  • 官能文学電子選集 団鬼六『黒薔薇夫人』
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    4.0
    「ああ、沙織は、一体、どうすればいいのっ」、誘拐、凌辱、緊縛……美しき社長夫人が禁断の悦びにすすり泣く。 不動産会社社長の南原耕作には、誰にも言えない悩みがあった。 30以上も歳の離れた後妻・沙織から、3か月ものあいだ寝室を共にすることを拒まれているのだ。 沙織がイタリーの富豪と不貞関係にあることを知り、嫉妬にかられた南原は、部下の津村に極秘の指令を下す。 ――沙織を誘拐、凌辱せよ。津村はサディスト仲間の田村が所有するマンションに沙織夫人を連れ込むが、彼女はイタリー人の愛人から手ほどきを受けた、本格的なマゾヒストだった。 縛り上げられ、2人の男にとことん嬲られながら、屈辱感と被虐性の揉み抜かれるような陶酔感に溺れてゆく沙織。 一方、日本人離れした肉体と、気品ある美貌を備えたマゾヒスト沙織に強い執着を覚えるようになった津村は……。 美しい令夫人への厳しい責めと、その転落を描き、谷ナオミ主演で映画化もされた団鬼六の代表作。 著者・団鬼六に師事、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
  • P+D BOOKS 貝がらと海の音
    値引きあり
    4.0
    1巻616円 (税込)
    老夫婦の穏やかでかけがえのない日々を描く。 「もうすぐ結婚五〇年の年を迎えようとしている夫婦がどんな日常生活を送っているかを書いてみたい」(あとがきより)――。庭に咲く四季折々の花々、かわいい孫たちの成長、ご近所さんが届けてくれる季節の風物など、作者の身のまわりの何気ない日常を、まるで花を育てるように丹念に描く。 「棚からものが落ちてきても、すぐには反応できない」「歩くスピードが明らかに落ちた」などという老いの兆候も、戸惑いながらも受け入れ、日常の一コマとして消化していく。事件らしい事件は何も起こらないが、些細な驚きの積み重ねで読み応えある文学作品にしてしまう、まさに庄野潤三の世界。
  • P+D BOOKS 喪神・柳生連也斎
    値引きあり
    4.0
    “剣豪小説の名手”の世界に浸る11篇。  豊臣秀次の剣の師で「夢想剣」を名乗る瀬名波幻雲齋とその娘・ゆき、そして幻雲齋が父の仇でありながら、門下生となって修行を積む松前哲郎太重春。奇妙な3人の絆は、やがて哲郎太とゆきが契りを結ぶまでに深まっていく。  そんななか、哲郎太は身重のゆきを残して武者修行の旅に出ようとするが――。  第28回芥川賞に輝いた出世作「喪神」のほか、柳生流新陰流正統を継いだ連也斎とライバルとの決闘を描く「柳生連也齋」、剣豪が巨人軍の強打者として大活躍する異色作「一刀齋は背番號6」など、剣を題材にした珠玉の11篇。
  • P+D BOOKS 北の河
    値引きあり
    4.0
    1巻500円 (税込)
    戦争ですべてを失った母の絶望と孤独。  昭和20年、すでに夫を喪い、家も戦火に焼かれてしまった母子が、遠縁を頼って東北の寒村に身を寄せる。だが、そこは安住の地ではなかった。  頼るべき知己もおらず、終戦後は都会に戻るという希望も断ち切られ、迫りくる厳しい冬を前に、母は自ら死を選ぶ……。ノンフィクション作品のような感情を抑えた筆致が、かえって読む人の想像を掻き立てる。  第54回芥川賞に輝いた表題作のほか、やはり身近な人の死をテーマにした「夏の日の影」「霧の湧く谷」、大学の二部に通う学生たちの葛藤を描いた「浅い眠りの夜」の三篇を収録。
  • P+D BOOKS 私版 京都図絵
    値引きあり
    4.0
    作家人生の礎(いしずえ)となった地を、随筆と絵で辿る。 『雁の寺』『五番町夕霧楼』『金閣炎上』他、京都を舞台にした水上作品はいかにして生まれたか――。 僅か九歳で京都の寺に預けられた著者が、精神形成期を過ごしたこの地を、《愛憎もつれあって、悲しみも喜びも、吸いこんでいるつめたい土壌の街だけれども、いつまでたっても、この古都は私から消えぬ。》と綴る。 往時を回想しながら六孫王神社、五番町遊廓、今宮神社、相国寺塔頭瑞春院、衣笠山等持院、東山二条産寧坂、千本丸太町、保津峡、嵯峨鳥居本、大原桂徳院と十の地を巡り、自ら絵筆を揮い、街々の景色を描いた挿絵も掲載。
  • P+D BOOKS フランドルの冬
    値引きあり
    4.0
    1巻693円 (税込)
    狂気の世界に踏み込む精神科医の深淵を描く。 フランス北部に広がるフランドル地方のサンヴナン精神病院に勤務する日本人留学生コバヤシの精神科医としての日々を描く、著者自身の留学経験をベースにした長編処女作。 1967年に発表され、芸術選奨新人賞を受賞。糞臭たちこめる不潔病棟や、素裸の精神病患者――コバヤシは青空が殆どないフランドルで精神科医として働くうち、自己と患者との境界を踏み越えて、正気と狂気の間をさまよい始める。 若い看護師との同棲やフランス人医師たちとの交流も深まるものの、人間存在の孤独に耐えきれなくなっていく……。復刻にあたっての著者あとがきも併録。
  • P+D BOOKS 小説 太宰治
    値引きあり
    4.0
    1巻500円 (税込)
    “天才”太宰と駆けぬけた著者の青春回想録。 作家・檀一雄は太宰治の自死を分析して、「彼の文芸の抽象的な完遂の為であると思った。文芸の壮図の成就である」と冒頭から述懐している。「太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである」とまで踏み込んでいる。 昭和八(1933)年に太宰治と出会ったときに「天才」と直感し、それを宣言までしてしまった作家・檀一雄。天才・太宰を描きながら、同時に自らをも徹底的に描いた狂躁的青春の回想録。作家同士ならではの視線で、太宰治という天才作家の本質を赤裸々に描いた珠玉の一編である。
  • 流星の消える日まで
    値引きあり
    4.0
    繰り返す死から君を救うために。 東京で自分の店をオープンさせるという大きな夢を抱き、アパレル業界でがんばってきたあずみ。だが、SNS上での出来事が原因で仕事を失い、実家がある田舎町へ帰ることに。  数年ぶりの地元に到着早々、あずみは幼馴染の太一とばったり再会する。幼い頃からどんな時もあずみの味方をしてくれた太一だが、高校生の時、太一に好意を寄せる女子生徒に嫌がらせをされてから疎遠になっていた。離れていた時間を感じさせない態度で接してくる太一に、夢を捨てた自分が情けなくて素直になれないあずみ。だが、やがて友人たちの後押しもあり、太一との距離は縮まっていく。  そんなあずみが最近気になっているのは、帰省した日から毎晩見ている夢。流星の降る夜、海辺で横たわる『誰か』の隣で泣き続けている――そんな奇妙な夢を繰り返し見ているのだ。そしてあずみは、太一の様子がどこかおかしいと気づくように。  流星群極大の夜、天体観測をするという友人の誘いで夜の海に向かったあずみと太一。星空の下で、あずみは夢の真実を知る――。  繰り返される死と嘆きの夢。流れる星はあずみと太一のどこへ導くのか。沖田円が描く再生と希望の物語!

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