何故テディベアが動いて喋るのか。
何なら飲食もできるが、そんな細かいことは気にするな!というスタンスで進むお話。
可愛いは正義である。
細かいことを考えてはいけない。
ファンタジーとして捉えてもよし、奇跡として捉えてもよし。
いや本当に動くものは仕方ない、喋って飲み食いできるのも仕方ない。
受け入
...続きを読むれられる人だけ受け入れてくれな世界で驚いた。
このテディベア、普通に出歩きますから。
かなり大きな(でもティーサロンをするときは踏み台がいる)テディベアなので、動いているところを見た一般人は「着ぐるみかな?」と思うみたいだし、ティーサロンで出会した人は、驚いて逃げ出す人もいるという。
そりゃそうだ。
一応魔法はない、読み手と同じ世界観のようなので。
目の前の現実を受け止めることができた人だけが常連になるティーサロン。
テディベアが動いても寛容な世界。
この物語の世界は優しいのかもしれない。
そんなティーサロンでバイトを始めた就活生の主人公が、バイト生活の中で自分の本当にやりたいことを見つけて巣立ちするまでの物語。
彼女の成長物語なので、テディベアが何故動くか問題は瑣末なことである。
生み出された経緯は、泣ける話なんだけれども。
そんな生みの親、テディベア工房を仕切る慎さんも重要人物。
実は心に深い傷を負っていた彼の救済の物語でもある。
主人公と実は昔から縁があった展開は王道的だが、やはりニヤニヤしてしまった。
救い救われ合う二人、そんな二人の縁を再び繋いだテディベア。
やはり可愛いは正義なのかもしれない。