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運命や自然に翻弄される人間の愛とエゴイズムを描く長編小説。
貴乃と孝介は結婚を誓い合った仲だったが、貴乃に恋慕する完治の策略によって、孝介一家は村から追いやられ、貴乃は強引に完治の妻にさせられてしまう。それから10年。樺太に渡り、金持ちになった孝介が貴乃と完治の前に現れ、完治の妹のあき子を嫁にほしいと告げる……。運命や自然に翻弄される純愛を通し、十字架を背負った人間たちのドラマを描く長編小説。
1977年(昭和52年)にテレビドラマ化され話題を呼んだ。
「三浦綾子電子全集」付録として、1977年のTVドラマ化に際し毎日新聞に載せたコメントを収録!
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Posted by ブクログ
或る小説を興味深く読んで愉しんだという経過が在ると、「同じ作者による別作品?」という興味が沸き起こる。
その種の興味に駆られて入手するに及んだのだが、紐解き始めてみると頁を繰る手が停まらない、また「停められない」という様相を呈し、なかなかに愉しんだ。
題名の「天北」である。明治の初め頃、現在の北海道内に所謂「旧国名」に相当する地方の地域が設定された。北海道の北には「天塩国」、「北見国」というような「国」が設定された。ここから「天北」というような呼び名が起こっている。使用例を見ると、2つの「国」の頭文字を取っているという例も、「天塩国の北側」という意味が起こりという例も在るという「天北」である。
実は「天北」というのは稚内に関係が在る用語だ。1922(大正11)年に初めて現在の稚内市内に至った鉄道は、後に「天北線」と呼ばれるようになる「天塩国」、「北見国」というような地域を経由する路線だった。この路線を通る<天北>という急行列車が稚内・札幌間で1961(昭和36)年から長く運行された。天北線は1989(平成元)年に廃止されている。
本作はこの「天北」という地域、加えて「樺太」を主な舞台とする物語である。作中で少し長い年月が経ち、その中での作中人物達の人生が描かれる、所謂「大河小説」という体裁である。
上巻では1923(大正12)年頃から1938(昭和13)年頃という背景だ。下巻では上巻の最後の辺りに在った場面の数ヶ月後から物語が起こり、1945(昭和20)年の戦争の終結の頃迄、最終盤辺りは戦後に相当する昭和22年頃という時代が背景だ。上下巻を通じて、概ね四半世紀の期間、その時代を生きた作中人物達の人生が描かれる物語ということになる。
上巻の物語はハマベツという北海道北部の小さな集落から起こる。「左手に天売島、焼尻島が、右手に利尻岳が見える」とされている場所である。「ハマベツ」は架空の集落名だが、場所は苫前町辺りをモデルとしていると言われる。
このハマベツに菅井貴乃という、美しく気立ての好い大工の娘が在った。小学校の校長の息子で代用教員である池上孝介と相思相愛であり、双方の両親も賛同していて間もなく結婚ということになっていた。
集落の有力者で、造材業を手掛けて製材所を営む須田原伊之助の息子である完治は貴乃に密かに強い好意を抱いており、何とか自身の妻としたかった。そこで「一計」を案じる。結果、予定の結婚式を前に池上親子はハマベツを去らざるを得なくなった。孝介は代用教員を辞め、樺太で仕事をして人生を拓こうと旅立った。
孝介が樺太へ去った後、完治は貴乃に執拗に言い寄り、やがてまた「事件」も在った。終に貴乃は完治と結婚する。
10年程が経った。須田原家の造材業等に関しては、経済や社会の様々な動きで頓挫してしまっていた。一家は稚内で海産物店を営んで暮らしていた。貴乃と完治との間には一人息子を頭に二人の娘と3人の子ども達が在った。
この稚内の須田原家に孝介が訪ねて来る。樺太で鰊漁の網元の後継者となり、各種事業を手掛けて水産業界で成功しているのだという。この孝介が、完治の妹である、ハマベツの代用教員時代の教え子でもあるあき子を妻に迎えたいと言い出したのだ。
やがてあき子は樺太へ渡って孝介と結婚する。完治は樺太で造材業を手掛けたいということで、須田原家の人達も樺太に遷って活動しようということになる。
Posted by ブクログ
とりあえず上巻までのレビュー。
久しぶりに三浦綾子の小説読みましたが。
やっぱり私の中で三浦綾子は別格です。
他の方も書かれてますが、昼ドラばりにドロドロしてます。
しかし古き良きというか何というか。
貴乃と考介のプラトニックな恋が下巻では良い方向に進んでくれたらなぁと期待しながら下巻に入ることにします。
それはさておき。
三浦綾子と言えば。
必ず出てくるのが北海道とキリスト教。
が、本作ではまだキリスト教が出てません。
下巻でいきなり洗礼受けたりするんかな…笑
あと。
ホンマにどうでもいいことなんですが、まさかここでちびまる子ちゃんで得た知識が役立つとは思いませんでした。
(モガ=モダンガール)
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