講談社文庫作品一覧

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  • 織田信長の人間学
    -
    織田信長――決断力・実行力に富み、能力主義者だった信長はまた、ロマンチストであり、自由人でもあった。戦国民衆の期待した政治家として、信長は彼らの切実な願望にどう答えたか……。組織管理・人の管理など、人間味溢れる諸行動を通して、信長の魅力を現代の視点から解明する「童門流」人間学。現代の視点から天才的革命児・信長を解明!
  • 小田実の受験教育
    -
    代々木ゼミ現役講師の筆者が、特別に解き明かす、受験のマル秘テクニック。一度は大学をすべった「落第生」たちを、花のトーダイや憧れのジョーチに、次々と押込んできた20年間の実績に物を言わせ、大学受験常識のウソを徹底的に暴き、貴重な受験体験の意味を語る。人生を損したくない若者たち、必読の参考書。現役予備校講師が明かす、明るい受験成功ノウハウ集!
  • 堕ちたエリート 奈落の花
    3.0
    サスペンス&エロティックがノンストップ。若手エリートが捨てたバラ色の未来。追うのは、消えたAV女優!創業者一族令嬢と婚約間近、会社期待のホープ・充彦の密かな趣味はアダルトビデオ。偶然遭遇した隠し撮り現場で起きた窮地から憧れのAV女優・佑衣を救った充彦は、将来と婚約者を捨て彼女の元へ。しかし彼女は何者かに拉致される。何も生まぬ愛に堕ちる充彦に日本の裏社会の陰謀が待ち受ける。
  • おちゃっぴい 大江戸八百八
    3.0
    剣術道場の師範代の巴は、剣の腕前の強さに加え、日本橋小町と評判の見目麗しさ。巴が一方的に慕う刺青彫師の青治と巴に想いを寄せる十手持ちの桃助、三人の周りでは不可思議な出来事が続く。江戸市中を騒がす「生きミイラ」の正体をあばくため、巴らは奔走するが……。怖くてあやしく、面白い!「幻想シリーズ」著者による最旬時代小説。
  • お茶をのみながら
    5.0
    「あんたは生まれたときから毎日、銀ブラをしていたんですからね」と言われて育った著者が語る、戦前の銀座周辺の暮らし、幼かった日々。そして、時代小説の名手ならではの、江戸の暮らしのあれこれ、人情味溢れる筆致で綴られる日々のよしなしごと……。細やかな心のひだが描き出す贅沢な名エッセイ集。
  • お蝶夫人
    -
    作曲者のプッチーニをして「最も理想的な蝶々夫人」と賛美させたプリマドンナ・三浦環。彼女は63歳で他界する直前まで歌い続け、欧米を中心に「蝶々夫人上演2000回」の記録を樹てた。そして、恋多きおんなでもあった。偉大な歌姫・環の希有な生涯を、女性伝記小説の第一人者がみずみずしく描き上げる力作長篇。
  • 夫には 殺し屋なのは内緒です
    3.7
    ごく普通の結婚をした隠密同心の嫁は、じつは優秀なアサシンだったのです!──待望の書下ろし時代小説シリーズ、スタート! 月(つき)は北町奉行・柳生久通の庶子。武芸に秀で、中でも殺しの才に恵まれていたため、柳生の一族は月を殺し屋に育て上げた。一方で久通は月を可愛く思い、隠密同心の花川戸要(かなめ)に嫁がせることにした。真面目で堅物なのが取り柄。そんな月のもとに夫には内緒で、今日も暗殺の指令が届いた……。
  • 夫の始末
    -
    女にとって、夫という男は、何ものなのか。「物事の始末が悪い」と言われ続けた著者が、この世の名残りに、散らかし放題に「始末」をつける。劇作家同士、雑巾を縫う夫と山を歩く妻……。見事に違う、個性鮮やかな夫婦の60余年を戯画化した、何ともおかしい自伝的連作集。女流文学賞・紫式部文学賞、W受賞作。
  • 夫のちんぽが入らない
    4.0
    ひとりの女性の静かな叫びが、多くの心を貫いた――衝撃の感動作。同じアパートに暮らす先輩と交際を始めた"私"。だが初めて交わろうとした夜、衝撃が走る。彼の性器が全く入らないのだ。その後も「入らない」一方で、二人は精神的な結びつきを強め、夫婦に。いつか入るという切なる願いの行方は――。「普通」という呪いに苦しんだ女性の、いじらしいほど正直な愛と性の物語。
  • オットーと呼ばれる日本人
    -
    過剰なる情熱、マルクス主義の洗礼、したたかに感じた中国革命の現実――内閣のブレーンでありながら、国際諜報団員として時代の濁流にどっぷり浸かり、その熾烈な人生を精一杯生き、愛し、思考した一日本人――。その「ゾルゲ・尾崎事件」を題材に、転換期に生きる知識人の、深く屈折した内面を照射する、現代戯曲中屈指の名作。
  • お局さまのひとりごと
    3.5
    ラジオ本番中、パートナーが大伴家持(やかもち)をイエモチと言いつづけた。余裕をもって乗った新幹線、気がつけば回送列車だった。いそいそと米国出国の手続きすれば、パスポートは期限切れ、荷物だけが飛んでいった――日常のハプニングや心暖まるエピソードなど、元NHKアナウンサーが軽妙に綴った感動、笑い、驚き、爽快、怒りの好エッセイ!
  • お天気おじさんへの道
    -
    R45世代へ贈る、中年受験ライフのススメ――エーロゾル、はなこさん、コリオリ力(りょく)……この気象用語の意味がわかりますか? 天気予報好きが高じて、人気コラムニストが「合格率4.1%」の国家試験に挑んだ! 2年近くにおよぶ「五十の手習い」な日々を克明に描きつつ、受験のコツや天気の知識も身に付く、お役立ちエッセイ。気象予報士・泉麻人、誕生?
  • お天気博士の気象ノート
    -
    四季折々雅趣あふれる気象をめぐるエッセイ――地球の公転に伴い春夏秋冬の四季が生じ、自然界では芽生え・万緑・黄落・荒涼の変化が現れる。さらに大気の流れにより、多様な気象変化が展開される。そして古今東西、人々の暮らしは、この気象とは切っても切り離せないかたちで営まれてきた。人気のお天気博士が蘊蓄を傾ける、雅趣あふれる気象エッセイ集。
  • お天気博士の四季だより
    -
    人気のお天気博士が蘊蓄を傾けるエッセイ――四季折々の表情がはっきりしている日本では、そこに住む人が気象に敏感になるのは、自明の理である。そして、この環境が、気象エッセイの名手を生むことになる。テレビのお天気キャスターとして、新聞の気象コラムの筆者として活躍中の著者が、蘊蓄を傾け、日本人の感性に応え、みずみずしく表現する「生活が豊かになる」エッセイ。
  • おてんば歳時記 明治大正・東京山ノ手の女の暮らし
    3.0
    昔のことが、いま新しい! ――明治29年の生まれで、もう90歳にもなるおばあちゃまが、じぶんの娘である著者に話してきかせた、昔の思い出。おてんばで多感だった少女の頃の遊び、様々な暮らしの風俗、家事と家のとりしきり、ハイカラ・ファッション……明治の女性たちの姿が、生きいきとキラキラ輝いて甦る。楽しい読みものであるとともに、当時の生活や時代考証のための貴重な証言となっている。
  • お父さんからきみたちへ 明日を信じて
    -
    今、自分ができることを百パ-セント全力で行うこと。自分になにができるか考えてみよう。国民栄誉賞に輝く著者が心をこめて贈る愛のことば――目に見える物は、消えてなくなってしまう。だとしたら、お父さんのほんとうの気持ちを残せるものは、何なんだろう。ふと思ったら、きみたちが少年と少女でいるうちに、伝えたいことがあることに、お父さんは気づいた。そして、この本を書くことにした……。国民栄誉賞に輝く著者が、子供たちに愛をこめて贈る言葉!!
  • お父さんと伊藤さん
    3.8
    34歳のフリーター・彩はバツイチの54歳・伊藤さんと同棲している。ある日、彩のもとに兄から「お父さんを引き取ってくれないか」との依頼が。彩は申し出を拒むが、74歳の父は身の回りの荷物を持って、部屋にやってきてしまった。父は「この家に住む」と譲らない。その日から六畳と四畳半のボロアパートでぎこちない共同生活が始まった。誰にでも起こりうる家族問題を、笑いと緊張の絶妙なタッチで描く傑作。
  • お伽噺殺人事件
    -
    たぬきに天誅! とは、不動産会社の社長邸放火犯が残した貼り紙。そして、仮住まいのテントに浴びせられた汚物……。それが、かちかち山をなぞる手口とわかったとき、事件は恐怖の「泥舟殺人」予告へと変貌した――。日本のお伽噺を現代の寓話におきかえ、残酷で華麗な、7つのトリックの宇宙を創世した、鬼才独創、話題の異色推理連作集。
  • おとこ・おんなの民俗誌
    -
    一夜妻・よばい・色好み・ふんどし・赤不浄・中棒・密通・遊女・ぼんがま等々、性に関する言葉や行為、結婚の形態や古来からの慣習などの由来や変遷、地域的相違を、民俗採訪や多くの古典・文献をもとに論証。民俗学の性や結婚の分野を論じながら、興味本位に流れるのを避け、積極的に学問への道をさぐった好著。
  • 男がいてもいなくても
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    「好きに生きます」。無一文で家を出て、大学中退、結婚・離婚、子連れでサーカスに入団etc.……世間の規範から相当はみ出して生きてきた。シアワセだったし、得たものもあった。恋人がいなくたっていい、コースを外れたっていい、枠にとらわれず生きる爽快さが伝わる、雨ニモ風ニモ負ケズ、ノンフィクション作家のシングルマザー奮闘記!!
  • 男と女のト音記号
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    わかりあって誤解しあって、男と女の人間学。男性からは「こんなに女の悪口を書いてダイジョウブか?」と心配され、女性からは「いつも男をやっつけてくれてうれしいわ」と励まされる、雨彦流辛口の男女関係論――男と女をくらべれば、男はおしなべて規格品であるのに、女のひとは個性的だ。男はどいつも似たり寄ったりだが、女のひとにはアタリハズレがある。「だから、男にとって結婚は賭けだ」というのである(「賭けと負け」)。……など、男と女の間の微妙で繊細なアヤを解いたり結んだり、ご存知、雨彦氏の軽妙辛口エッセイ!
  • 男と女のレストラン
    -
    至福の時間を二人で共有するために! 小説仕立てで描いたグルメ読本。本気でディナーを楽しむためのテクニックとマナーを、食のプロフェッショナル・玉村豊男が指南する。フランス料理、イタリア料理から中華、和食まで、どういう種類の店では、どういうふうに食事が進行するか。厳選24店の図解メニュー付き。
  • 男波 女波 放浪一本釣り(上)
    -
    1~2巻942円 (税込)
    放浪(さすらい)の漁師・波太郎対決の海へ……。海をイジメるインチキ釣り師たちよ、俺が本物の名人技を見せてやる! ――鯛釣り名人「四本竿の波太郎」は、海をコマセで荒らし回る自称「釣り文化人」に、投げ釣り勝負を挑む。そこに、暁子・久乃の美女2人もからんで、大波乱。海洋環境への思いやりにあふれた痛快作! <上下巻・『さすらい波太郎――伊勢湾彷徨/紀州沖急追/熊野灘対決(全3巻)』改題作品>
  • 男のうた
    4.0
    男よ、くじけるな! 真情あふれる人生の詩(うた)を、あなたに贈る。精神の若さ、権力に媚びない気概はどこから来るのか? 経済人、政治家、官僚、文学者の中から、まさに堂々と生きた男の姿を具体的にとりあげる。決断、挫折、人事、優しさのありようを汲みあげて下さい。共感を一杯にこめて書き綴った、著者のポエトリー。
  • 男のウンチク学
    3.0
    1~3巻660円 (税込)
    酒場の話題はこの1冊でドンピシャリ! 焼酎のお湯割りで、馬刺などを賞味しながらご一緒に楽しくいきましょう。まあ一杯! ーー食べもの飲みものについての、コダワリ雑学百科。ウドンの正しい食べ方について、コジュケイの燻製の楽しみ方について、ツグミやウサギを使ったシオカラの手軽な味わい方について、その他、ワインやバーボンのこまごました知識など、知らなくともドートイウコトモナイが、知っていれば人生が面白くなるかもしれない、たぶんヒマな君に贈る情報源!
  • 男の城
    -
    マイホームができてみると、設計図の書斎は子供部屋に化けていた。桐原は怒った。妻や義母から逃避する書斎こそ、夢にまで見た男の城ではないか。そしてやっと手に入れた書斎は廊下脇の貧相な部屋。それでも桐原の心のなかでは大書斎なのだ――。女臭ふんぷんたる当世マイホームの中で、けなげに生きる男たちを絶妙な語り口で描く傑作集。
  • おとこの事典
    -
    男女の微妙なズレや恋愛のむずかしさ。恋の勝者にも、恋の未経験者にも、参考になる1冊――宴会、オフィスラブ、贈り物、結婚観、サイズ、下着、チップ、デジタル、ネクタイ、パーティなどなど、男の生活に密着していて、男の本質をつい露出させ勝ちな、特性や小道具をキイワードとして選び出し、鋭い観察眼と軽妙な語りくちで、男の姿をはだかにしてみせる、異色のエッセイ。250語の、いわば「おとこ早わかり事典」として、世のミス&ミセスに捧げる話題の書である。
  • 男のためいき女の寝息
    3.0
    人生の哀歓、人情の機微が滲む名エッセイ。男たちの惑いとあきらめ、女たちの怒りと秘かな夢が交錯する。わかっているようでも、わかっていない男と女の奥深い関係。悪友たちから「オマエは男のくせに、どうして女の肩ばかり持つんだ」といわれ続けた著者が、図らずも自分を語りつつ綴った雨彦流が冴える。
  • おとこの天気 おんなの元気 おとこの事典
    -
    女遊び、結婚、勝負など、男の生活用語から男を斬る! ――おとこだけに特有の持ち物、行動、心理。それらをキー・ワードとして観察するとき、おとこの本質・本音がみごとに浮かび上がる。具体的な事件やエピソードで、軽妙かつリアルに「女性とはちがう生物」であるおとこを描く、ユニークなエッセイ事典。おとこが理解できなくて悩んでいるあなたに、必読の読み物。この1冊でおとこの正体がよくわかる!
  • 男はつらいよ魅力大全
    -
    熱狂的な寅さんファンのあなたに贈る決定版。あの作品での寅さんの表情、その瞬間のとらやのたたずまい、多彩なヒロインのまぶしい眼差し、そして恋愛の顛末。日本映画界の至宝「男はつらいよ」の名場面、名文句がここに甦る。ベストテン談義からマドンナ変遷史、さらに、山田監督のエンディング構想まで! 日本人の心をうたう映画、その名場面・名文句。
  • お登勢
    4.5
    淡路島の貧農の娘・お登勢は、徳島藩の家臣・加納家に奉公に出た。そこで陪臣・本田貢に惹かれるが、加納家嫡男に恋慕される。分藩運動に起因する稲田騒動や北海道・静内への移住を背景に、幕末から明治にかけての波乱の時代、愛を貫き、修羅場をくぐり、大地に生きる"永遠の女性像"を描いた、長編歴史ロマンの傑作。沢口靖子主演で、NHK連続ドラマ化された感動作。
  • 乙武レポート’03版
    4.0
    「ぜひ一緒に仕事をしたい」TVプロデューサーの一言から、新たな挑戦は始まった。反響を呼んだイジメ・不登校生徒との出会いと再会、スタッフとの絆が深まった京都やアメリカでのバリアフリー視察、荒天の沖縄で決行したスキューバでの海底遺跡取材……サブキャスターとして奮闘した感動の記録、増補版。
  • 大人問題
    4.2
    子どもにとって大人は有害である! ――大人は有害である。いじめ、閉じこもり、不登校……子供問題は、世間を気にし、教えたがり、試したがる大人に問題がある。子供は、大人の充足のためのものではない。新人、ルーキーだ。「これから何をするんだろう」「いつ化けるかな」と、大人は緊張し、楽しみに見守るサポーターになろう! 心がほぐれ、元気の出るユニークな子供論。
  • 乙女の祈り
    4.5
    智子は元気はつらつ高校生。友だちとクァルテットでチェロを弾くアルバイトも気に入ってる。パーティで“谷津則夫を殺せ”という声を聴いた智子は行動を開始。谷津は大好きなパパなのだ。人気番組<ブラック・ボックス>金曜日辛口キャスター・谷津を狙うのは誰か!? 講談社文庫25周年特別書き下ろし推理。(講談社文庫)
  • 踊子ノラ
    -
    さいはての地に舞う抒情あふれる踊子物語。女子大に学んだ日も、男たちとの夜も、すべては遠い思い出だ。過ぎ去った日を追わず、明日を夢見ず、踊り疲れて楽屋を出れば、今夜も外は、心も凍らせる一面の雪……。哀しみに耐え、ひたすらに生きる女の姿を、美しい北海道の風光のなかに鮮やかに描く長編小説。
  • 踊る人形
    3.3
    身体を自在に着脱できる人形男がどこまでも追ってくる! 目的は、自分の生みの親である博士にもう一体動く人形(ゴーレム)を作らせること。これに対し少年探偵隊は、唯一の弱点である頭部内の「命を生む紙」を入手しようとする。しかし、ようやく目にしたのは聞いたのとはまったく違う文字だった! 周到な論理によって構築された極限状況ミステリ。
  • 踊る腹のムシ グルメブームの落とし穴
    4.0
    顔にコブのできた有名プロレスラーが、寄生虫博士の研究室にやってきた! 原因は海外で食べた刺身から感染した有棘顎口虫(ゆうきょくがくこうちゅう)。生の食べ物にはキケンがいっぱい! ブタ肉から有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう)、地鶏のレバ刺しからイヌ回虫……。グルメブームの日本人に警鐘を鳴らす、面白コワイ、メディカル・エッセイ。その刺身、食べるのチョット待って! カイチュウ博士の仰天エッセイ。<『獅子身中のサナダ虫』改題作品>
  • 踊るひと
    4.0
    世にも不可思議な物語の扉がいま開かれる。死んだ姉に送られた義兄からの愛の書簡は盗作? 疑いを持った妹はたった一行の葉書を残して消えた。という表題作「踊るひと」をはじめ、7つの短編の迷宮。変幻自在に妖しい魅惑の旋律を、直木賞作家が奏でる。あなただけのお耳に届けましょう──。変幻自在に奏でる短編の妖しい魅力! <『あなたのお耳に』改題作品>
  • 鬼
    値引きあり

    3.5
    平安の都で起こる怪事件の影で跋扈(ばっこ)する道鏡、菅原道真らの怨霊、邪鬼。弓削是雄、安倍晴明ら陰陽師の系譜を辿り、歴史の暗部から世界を読み解いていく。藤原氏支配の礎を築いた政変〈応天門の変〉の謎を陰陽術で解き明かす「髑髏鬼」他、秀逸な怪異譚全5編。『白妖鬼』へ連なる妖かしの物語の原点がここにある。(講談社文庫)
  • 鬼あざみ
    4.0
    強盗、追いはぎ何でもござれ。白昼堂々、金品を強奪する荒稼ぎで八百八町を騒がせる凶賊、鬼坊主一味。だが、頭の清吉と情婦のおもんを始め、はみ出し者の若者たちは強い絆で結ばれていた。悪に魅入られし者の破滅的な生き様を描く大江戸ピカレスクロマン。(講談社文庫)
  • 鬼会
    -
    高校のクラスメイトだった、女流作曲家・晃子の奇妙な死。その死にざまを聞かされたとき、僕は高校卒業を間近にした節分の夜を回想していた。男女合わせて6人の演劇部仲間で、鬼会の放埓な儀式を遊びに選んだのだ。あの夜、晃子を裸にして……。土俗的題材を、独特の美学で幻想世界に昇華させた、著者ならではの秀作集。鬼が出現した青春の一夜の妖しい美ーー鬼面をつけて戯れたあの夜の思い出が、女流作曲家の死に重なる!
  • 鬼神伝 鬼の巻
    値引きあり
    3.5
    1~3巻308~469円 (税込)
    京都の中学生・天童純は、密教僧・源雲の法力によって時空を超え平安の都に飛ばされてしまう。そこは、「鬼」と貴族たち「人」が憎みあい、争う世界だった。選ばれし者として雄龍霊を復活させた純は、鬼退治に向かうも、その最中に出会った鬼の少女・水葉から、鬼こそが大和の神々の子孫であると聞かされる。
  • 鬼火(上)
    3.7
    ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残していた一冊の殺人事件調書を託される。二十年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から盗んで、自宅に保管していたらしい。  その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。  恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラードに協力を求める。  また、ボッシュは、ミッキー・ハラーが担当しているモンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判に被告側調査員として協力もしていた。モンゴメリーは日中に裁判所近くの公園で刺殺され、現場に残されたDNAが一致したことでジェフリー・ハーシュタットが逮捕され、裁判にかけられていた。ハーシュタットは自供もしており、有罪必至の状況だった。  一方、バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が全身に移り、焼死した模様だった。事故死とみて、バラードはロス市消防署に処理を任せた。  これら三つの事件(「元服役囚殺害事件」「裁判所判事暗殺事件」「ホームレス焼死事件」)が複雑に重なり合い、終盤の怒濤の展開は近年屈指の作品に仕上がった。
  • 鬼恋童
    4.3
    萩焼の窯元に代々秘蔵されてきた、古萩「白虎」。凶々しい伝説に包まれた名器が歴史の闇から浮かび上がった時、惨劇は始まった。表題作「鬼恋童」の焼物、「阿修羅花伝」の能面、「炎帝よ叫べ」の隈取り――伝統の美に囚われた人たちは、官能の暗い情動のままに破滅への道をひた走る。耽美派の鬼才が描く妖美世界。めくるめく伝奇ロマン、赤江文学の傑作5編。
  • おはなしして子ちゃん
    4.0
    ピエタのクラスにやって来た黒髪の転校生トランジ。「私の近くにいるとみんなろくな目に遭わない」学校で次々に殺人や事故が起きて……!?(「ピエタとトランジ」)14歳の夏、高熱を出した少女エイプリルは後遺症で一日に一回嘘をつかなければ死んでしまうという――(「エイプリル・フール」)ブラックで残酷、不気味で怖いけれど、ファンタジックでキュートな10篇の作品たち。新しい才能が迸るポップ&ダークな短篇集です。
  • 大原御幸 帯に生きた家族の物語
    3.0
    「父がほんまに愛し抜いてくれたんは、このうちだけや」帯で栄華を極めた男と、父に心酔する娘。贅沢に彩られ昭和の激流を生きた、濃厚なる家族の歴史。着物黄金時代の京都、帯の意匠で一時代を築いたうちの父は、ほんまに立派な人やった。戦中は東条英機はんの私設秘書として飛び回り、戦後の活況で稼いだ財産は、祇園や道楽できれいに使う。あんなに辛い目に遭っても生きてこれたんは、みんな父のお陰や。濃厚な家族の歴史を、きらびやかに描き切る会心作!
  • 叔母殺人事件 偽りの館
    3.3
    煉瓦(れんが)造りの洋館で起きた驚くべき殺人事件。屋敷には底意地の悪い実業家の女主人とその甥が住んでいた。叔母の財産を狙う甥の殺人計画はいかに練られていったのか。その手記を入手するため、取材者の<私>は屋敷に住み込み、事件を追体験していく――そして明かされる衝撃の真相!! 名手の叙述ミステリー。
  • おひとりさま、犬をかう
    4.0
    「犬をかいたい」幼い頃の夢を30代で叶えてから十数年。子犬の育児に悪戦苦闘。湘南への移住と犬との暮らしで変わった人生。犬が教えてくれたこと。幸せな別れと次への一歩……。覚悟さえあれば手に入る“イヌ充ライフ”をユーモアたっぷりに描いた「独身・家持ち・40代」少女漫画家の赤裸々エッセイ。<文庫書下ろし> (講談社文庫)
  • オフィス街のエロス
    1.0
    危険なオフィス・ラブにのめり込む総合商社のエリート課長が、殺人事件の謎を解く。部下の問題児は、次期社長と目される重役の御曹子で、父親に負けまいと業績を上げようと怪しい動きを見せている。社内恋愛で入手できる裏情報を基に、モテモテ課長が大がかりな密輸を暴く、痛快セクシャル・ミステリー。
  • オフィス街の達人
    3.0
    商社マン、銀行マン、保険マン、証券マン……そんな分類コードではくくれない、企業内の知られざる名人・怪人・異人に、コラムの達人が肉薄! バクチ打ちの面魂をもつ金鉱探しのプロ、煙草三昧1日250本喫うブレンダー、わが身を挺したトイレット博士たち、など26人衆。もしかしたらあなたの隣人がそうかもしれない。
  • オフィス・ゲーム オフィス空間の生理と心理
    -
    人間は、空間に支配される。サラリーマンには、オフィスが、仕事の場所であると同時に、生命現象の運動場である。会社本位には能率であっても、社員本位には生甲斐にからんで、人間の生理を考えなければならない。入れ物は立派でも、はたして生き生きとしたサラリーマンの生理空間になっているだろうか? オフィス空間は人間をどのように支配するのか、空間に支配される人間の生理と心理を解く。
  • おブスの言い訳
    3.0
    「だって忙しくて」「でもゆとりがないの」……。なに言ってるの? 言い訳の数だけブスになる! それなのに、身にも心にもダレが生まれ、見た目の個人差が激しくなるのが「おブス期」。ここが、大人の女性が迷い込む、人生の分かれ道! メディアで活躍中のファッション・エキスパートが贈る、「オバ」にならないための愛のムチ。美と幸せを呼び込む意識のツボ、教えます! あなたの未来は「姫」?「おば」?
  • オホーツク殺人ルート
    4.0
    北海道と伊豆で女性が怪死! 新機軸の野心作――北海道の観光地めぐりだけ、という好条件のアルバイトに、狂喜した女子大生ふたり。存分に旅を楽しんだあと、彼女らは別行動をとる。ところが直後、ひとりはサロマ湖畔の砂丘に埋められた! 同じ頃、伊豆下田では、女性作詞家の死体が発見された。2つの事件の背後に浮かんだ人物とは? 新境地をひらいた、トラベル・ミステリーの傑作。
  • おまめごとの島
    4.0
    無駄にイケメンな三十男、高橋秋彦と、恋も結婚も諦めたアラフォーの三輪言問子。どちらも東京での居場所をなくし、ここ小豆島に人生をリセットするためにやってきたが――。家庭から逃げ出したい30代主婦の真奈美や、超絶美少女・遥の出現で平穏な島が大揺れに。軽妙な筆で描かれる、笑いと涙のノンストップ家族小説。
  • 汚名(上)
    4.2
    SFPD(サンフェルナンド市警)の予備刑事(reserve officer)として、自発的に未解決事件捜査にあたっているハリー・ボッシュのもとを、昔のパートナーだったロス市警本部強盗殺人課未解決事件班刑事のルシア・ソトが現在パートナーを組んでいるボブ・タプスコットとロス検事局のアレックス・ケネディ検事補とともに訪れ、ボッシュが三十年ほど前に逮捕し、現在も死刑囚として服役中の連続殺人犯プレストン・ボーダーズに関して、あらたな証拠が出たとして、再審がひらかれる見込みだと聞かされる。残された証拠を調べ直したところ、すでに死亡している別の死刑囚ルーカス・ジョン・オルマー(連続婦女暴行殺人犯)のDNAが被害者の着衣に精液の形で付着していたことが科学的に立証されたという。事件発生当時、DNAは、犯罪捜査の証拠として認められていなかった。証拠保管庫に収められた被害者の着衣の入っている当該事件の証拠保管箱をソトとタプスコットが開封する様子は、ビデオに録画されており、そこに問題はまるで無いように思えた。  ボーダーズの弁護士ランス・クローニンの主張は、被害者の着衣に別人のDNAが付着している以上、ボーダーズ逮捕の決定的な物証(ボーダーズの住居で見つかった被害者のペンダント)は、事件担当の捜査官(ボッシュと彼のパートナー)が仕込んだものだ、というものだった。ロス市警と喧嘩別れしたいきさつから、ロス市警と検事局のボッシュに対する心証はことのほか悪く、証拠を捏造した悪徳警官としてボッシュに責任をかぶせようという気が満々だった。おのれの信用が地に落とされる危機に際し、リンカーン弁護士ミッキー・ハラーにボッシュは相談し、ミッキーの導師であるリーガル・シーゲルの智慧を借りることになる。  一方、サンフェルナンド市警の管轄で、薬局を経営する父親と息子が薬局内で銃殺されるという事件が発生し、小規模共同体の警察としては、手が足りず、ボッシュも捜査に狩りだされる。捜査を進めるなかで、この事件が、薬局を舞台にしたオキシコドン(半合成麻薬)不正請求にまつわるものであることが判明する。すなわち、身内に引き込んだ医師に鎮痛剤でもあるオキシコドンの処方箋を書かせ、患者を装った出し子たちに薬局で大量に入手させ(料金は医療保険Medicareでカバーされる)、それを売りさばいて大金をせしめている犯罪者集団がいた。薬局の父親は、永年その片棒を担がされていたのだが、息子がその不正に気づき、手を引こうとして、犯罪者集団に処刑されたのだった。犯罪者集団のアジトを突き止め、親玉を逮捕する証拠を手に入れるため、ボッシュは、潜入捜査に赴く。
  • 汚名
    3.0
    徳川家康に信頼され重用されて、幕府草創期に辣腕を振った能吏・本多上野介正純(こうずけのすけまさずみ)。二代秀忠の世になり、「宇都宮釣り天井事件」の嫌疑で失脚、奥州に無惨な幽閉の身となる。権力の非情と冷酷、汚名に甘んじる自己犠牲。一切を黙して配所に赴く正純の潔い人間像を、陰密の目を通して骨太に描き出す、傑作歴史長編。権力の冷酷非情に甘んじる、自己犠牲の武士道!
  • 汚名の広場
    -
    泣いたよ。負けることがくやしかったから、俺は泣いた。男というのは、そういうものさ。負けて笑うのは、男じゃない……一度、勝負の世界に生き、頂点に立ちかかった。引退し、酒に溺れてしまった元レーサー。自らの存在を賭けた勝負がいま始まった。傷心の男の情念を描いた、傑作ハードボイルド長編。
  • オメガ 警察庁諜報課
    3.5
    1~2巻649~770円 (税込)
    警察庁諜報課、通称「オメガ」は海外に支局を持つ国際諜報機関だ。北京支局香港分室に着任した美貌の捜査官・榊冴子に与えられたミッションは人民解放軍の配下にある麻薬精製工場の破壊工作だったが――。闇に広がる冷酷な諜報の世界を、臨場感あふれるアクションでつないだ待望の新シリーズ! (講談社文庫)
  • おもかげ
    4.3
    孤独の中で育ち、温かな家庭を築き、定年の日の帰りに地下鉄で倒れた男。 切なすぎる愛と奇跡の物語。 エリート会社員として定年まで勤め上げた竹脇は、送別会の帰りに地下鉄で倒れ意識を失う。家族や友が次々に見舞いに訪れる中、竹脇の心は外へとさまよい出し、忘れていたさまざまな記憶が呼び起こされる。孤独な幼少期、幼くして亡くした息子、そして……。涙なくして読めない至高の最終章。著者会心の傑作。 時代を超えて胸を打つ不朽の名作『地下鉄(メトロ)に乗って』から25年―― 浅田次郎の新たな代表作、待望の文庫化。 解説・中江有里
  • 面影はこの胸に
    3.0
    大正11年に来日したアインシュタイン博士が肌身離さず大切にしていたバイオリンが盗まれた! 騒ぎにならないように取り戻してほしいという博士の依頼に、招聘元の改造社が白羽の矢を立てたのは早稲田大学の等々力教授。博士とも意気投合した天才言語学者の推理が冴える。『ジャズと落語とワン公と』を改題。
  • 重き流れに(上)
    -
    1~2巻550円 (税込)
    大陸の植民地に夢と野望を賭ける青年に嫁ぎ、夫と大陸に渡った16歳の幼な妻。夫を愛し、夫だけを頼りにして暮らす外地の生活は、新鮮であり、幸福に満ちていた。だが、夫から見知らぬ女に宛てた一通の手紙が、夫婦に翳りをもたらした。自己の全存在を夫への愛に賭けて、歴史の激流を生きぬいた、女の一生を描く。
  • おもしろくても理科
    3.9
    理科は楽しい、科学は愉快! 慣性の法則、脳の中身、地球の滅亡などいくら聞いてもチンプンカンプンだった内容がこんなに楽しくよく判る!? 山積みされた素朴な疑問をあいだに挟んで、達人シミズと鬼才サイバラが繰り拡げる文章とマンガの爆笑大バトル。理科アレルギーがすぐなおる痛快異色エッセイ集!! (講談社文庫)
  • 思わずナットク 基礎から学ぶ 最新お金運用術
    4.5
    懐あったか! 「目から鱗」のマネー教本――株投資歴26年、不動産投資歴17年。元大手銀行融資担当で、金融界の裏を知り尽す著者が、本音を語るマネー教室。失敗から学ぶ最強の投資法、賢いローンの利用術から、小口投資家を騙す証券会社の手口に、やさしいポートフォリオの組み方まで。自己責任時代に、お金で泣かないための必読必携の書
  • オヤジの細道
    3.5
    ある日、ふと気がつくと中年(オヤジ)になっていたシゲマツが、その未体験ゾーンの驚きを語りつつ、同世代にエールを送った「夕刊フジ」の大好評エッセイ。オヤジの歓びと哀しみ、ココロの秘密や如何に?
  • おやすみなさい、と男たちへ
    -
    女子学生の生態を生き生きと描く短編小説集。早大文芸科卒業小説として注目を集めた表題作ほか、「谷川のせせらぎのようなひびき」(駒田信二氏)と評された清冽な小品「『アルファ』を読んで」、処女作「とべない鳥」、書下ろし作品2編などを収録。特異な感性が光る田中りえの、しなやかなニューノベルの世界。
  • おやすみ、夢なき子
    3.7
    10歳のときに行方不明になった亜紀子が、28年たって死体で発見された。友人だった朋余は、子供のころ夢を見た記憶がなく、亜紀子が失踪した日のことも思い出せなかった。事件を知ろうとするほど深まる謎、そして連続殺人。夢を見ることのなかった少女達の心に潜む恐怖の正体とは? 傑作長編ミステリー。(講談社文庫)
  • おやつストーリー
    4.0
    究極のスウィート・メモリー、美味しく懐かしいお菓子大コラム! きっとあなたも好きだった、嬉し懐かし美味しいお菓子。泉麻人が甘味に挑戦します! ――セブン‐イレブンやニコマート、あるいは町のお菓子やさんの戸を開けた瞬間、遠足の前の日みたく、胸がワクワクときめいてしまう。そんな気持ちを忘れないすべての人に捧げる、嬉し懐かし、とっても美味しいお菓子大コラム。ミルキー、つくんこ、おっとっと……etc.。いっぱい詰まった、究極のスウィート・メモリー。
  • 親の姿 子の心
    -
    幸せにめぐりあうためには、他によって生かされている自分を、感謝し喜ぶ心が大切――来世を信じない人もいるが、子や孫が来世そのものである。親が身をもって示し、よく子供をしつけていくことが、人間の正しい営みである。贅沢と欲望に満ちた心に慎みをとりもどし、日常の生活の中に仏教の教えを実践すること、子供は、親の姿を真似て学んで育つのだから、と温かく説く、薬師寺管長の法話集。人間の心を養う、無我と知慧を説く!
  • 親はあっても子は育つ
    -
    近い将来やってくるだろう食糧難、神聖なるべき母乳まで汚染した公害……、破局を目前に、孫子の血肉をくらって安逸に暮す親たちは、子供の未来のために今なにをなすべきか? 育児書や教育産業主導の育児を拒否し、親子の温もりが通いあう人間的子育てを希求する、二人の娘をもつ著者の真情あふれる子育て論。
  • 親不孝通りディテクティブ
    3.6
    1~2巻649~796円 (税込)
    タクシー強盗と、港の火事、そしてスーパーの警報騒ぎ、同時に起こった事件の意外な関連とは…。中洲の屋台でバーを営む鴨志田鉄樹と、結婚相談所の調査員・根岸球太。腐れ縁の通称「鴨ネギコンビ」が、どういうわけか、物騒な事件に関わっていく。博多を舞台に大暴れ! ハードボイルド・ストーリー。
  • 親不孝のすすめ 青春の独立宣言
    -
    教育について、語らぬ者はない。誰れでも容易に手軽に、全員参加で首をつっ込めるのが、教育論議である。論じるのは自由だが、影響力があるから、始末に困る。加害者に罪の意識がないから、悪質だ。被害者の身にもなってくれ、と悲鳴をあげる高校生諸君に、一片の惻隠の情を寄せながら、切実な問題にパラドックスの真理でもって答える「親不孝のすすめ」をおくる。
  • オライオン飛行
    -
    舞台は大戦前夜の1936年。九州帝国大学医学部附属病院で働く身寄りのない看護婦・久美子は、東京への冒険飛行中に墜落した仏人飛行士アンドレ・ジャピーの看護にあたることになった。言葉も通じない二人の間に、いつしか燃え上がる恋の炎。それは決して周囲に知られてはならない恋だった。そして謎めいたアンドレの背景を知るすべもなく、別れは訪れた…。時代は下り、久美子の姪の娘・あやめは、謎に包まれた当時のラブストーリーの真相をたどってフランスへ。著者最高傑作。大人のための恋愛小説!
  • 阿蘭陀西鶴
    4.4
    江戸前期を代表する作家・井原西鶴。彼の娘おあいは、盲目の身ながら、亡き母に代わり料理も裁縫もこなす。一方、西鶴は、手前勝手でええ格好しぃで自慢たれ。傍迷惑な父親と思っていたおあいだったが、『好色一代男』の朗読を聞いて、父への想いが変わり始める。小説を読む歓びに満ちた、織田作之助賞受賞作。
  • 折々の殺人
    -
    1~4巻550~660円 (税込)
    斬新な手法と鮮やかな結末で、常に読者の期待を裏切らないミステリーの名匠が、いままた放つ巧緻な構成の一冊。数ある名句・名歌の解説でつとに世評の高い大岡信氏の名著『折々のうた』にヒントを得て、ひとひねりもふたひねりもして織りあげた、絶妙にして意想外な短編推理8編を収録。
  • 檻の中の被害者
    3.0
    動物好きの恋人の影響を受けた弁護士事務所の調査員・谷田は、出張のたびに、その地の動物園を訪れるようになった。だが、なぜかそこのサルやキツネが毒殺されるという奇妙な事件が続発。疑いをかけられつつ谷田自身がその謎を追っていくと、驚くべき真実が……。名匠が放つ連続動物怪死事件の秘密を描く傑作ミステリー。
  • オリンピックの身代金(上)
    4.2
    小生、東京オリンピックのカイサイをボウガイします――兄の死を契機に、社会の底辺というべき過酷な労働現場を知った東大生・島崎国男。彼にとって、五輪開催に沸く東京は、富と繁栄を独占する諸悪の根源でしかなかった。爆破テロをほのめかし、国家に挑んだ青年の行き着く先は? 吉川英治文学賞受賞作
  • オリンピックの身代金 上下合本版
    4.5
    小生 東京オリンピックのカイサイをボウガイします-- 兄の死を契機に、社会の底辺ともいうべき過酷な労働現場を知った東大生・島崎国男。彼にとって、五輪開催に沸く東京は、富と繁栄を独占する諸悪の根源でしかなかった。 爆破テロをほのめかし、国家に挑んだ青年と、国家の名誉と警察の威信をかけて島崎逮捕に死力を尽くす捜査陣。行き詰まる攻防の行き着く先は?  『罪の轍』の落合昌夫が孤独なテロリスト島崎国男に挑む傑作長編。 第43回吉川英治文学賞受賞作。
  • オルゴォル
    値引きあり
    4.1
    母親と二人で東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地のトンダじいさんから「一生に一度のお願い」を預かる。それは古いオルゴールを鹿児島に届けること。福知山線の事故現場、広島の原爆ドーム、父さんの再婚とお腹の大きな女の人――出会うものすべてに価値観を揺さぶられながら、少年は旅を続けていく。直木賞作家が紡ぎ出す心温まる成長物語。親が子どもに読ませたい本。(講談社文庫)
  • オルファクトグラム(上)
    4.0
    1~2巻990~1,100円 (税込)
    姉を殺害した犯人に、事件現場で襲撃された片桐稔は、その後遺症から通常の“匂い”を失い、イヌ並みの嗅覚をもつことに……。まったく違う世界に戸惑いながらも、失踪したバンド仲間を、嗅覚を頼りに捜し求めてゆく。新たな能力を駆使することで、姉の仇を討てるのか?新感覚の大長編異次元ミステリー。
  • オルファクトグラム(上下合本)
    4.0
    姉を殺害した犯人に、事件現場で襲撃された片桐稔。その後遺症から通常の“匂い”を失い、イヌ並みの嗅覚をもつことになる……。まったく違う世界に戸惑いながらも、失踪したバンド仲間を、嗅覚を頼りに捜し求めてゆく。新たな能力を駆使することで、姉の仇を討てるのか?新感覚の大長編異次元ミステリー。
  • 俺たちの宝島
    -
    感覚を信じて生きる! 何もないゴミの島でも、希望だけは残されていたーー東京湾に浮かぶゴミの島で生まれた鉄夫は、ゴミの山から集めた品々を、物々交換することによって生き抜いていた。島の住人の多くは、助け合いながら平穏に暮らしていたが、犬井という男が住み着いたことから、事態は一変する。近未来の東京を舞台に、現代の過当な競争や格差社会の歪みを照らし出した問題作。
  • おれたちはブルースしか歌わない
    3.0
    西村京太郎作品の中でも、数少ない"青春推理小説"。男4人に、ヴォーカルの女の子1人を加えたグループサウンズ「ザ・ダックスフント」。彼らが作った自信作が、いつの間にか誰かに盗まれ、しかもその曲がヒットチャートを急上昇。犯人さがしに狂奔するうち、奇妙な連続殺人劇が。本格推理に青春が絡む傑作長編!
  • おれは伊平次
    3.5
    村岡伊平次。故郷の島原を逃げ出し、南方で女衒として名を馳せ、女郎屋に賭博場、からゆき貿易で財を築き、三千有余の妓(おんな)たちを連れ新天地を拓き、あげくは南洋の美姫を妻とし、珊瑚礁の島の国王となった男。幾多の伝説に彩られたその生涯を雄渾に描く。明治の時代に、こんな痛快に生きぬいた日本人がいた!
  • おれは侍だ
    -
    影武者の役はすんだ。だがおれは侍……。と、関ヶ原の戦場を後にする、着流し姿の修理之介。気品ある眉宇に、ある決意をひめて……。あと二人、金の亡者・新蔵と好色漢の兵馬。宇喜多秀家の軍用金を狙い、朝鮮使節襲撃の陰謀に加担し、時に女をめぐり、騒乱の世に、三人三様、それぞれの青春を生きる、アウトローたちの愛と冒険。金に執着する者、女に入れ揚げる者……騒乱の世を生きる浪人たちの生きざまを描く時代ロマン!
  • おれは藤吉郎(上) 新太閤記(三)
    -
    放浪を続けた日吉丸だったが、最下級の身分とはいえ、松下嘉兵衛の厩番に、念願の仕官の道がつき、勇気百倍。名前も木下藤吉郎と改めて、急に大人になった気分、いよいよ天下晴れての武士である。持ち前の機転に加えて、骨身を惜しまぬ精進に、主人の覚えもめでたい。ひといちばいの機転と勤勉が認められだんだん出世の道が……。だが、出る杭は打たれる。とかく仲間うちではイジメの対象となるけれども、くじけぬ藤吉郎の前途は明るい。痛快な青年太閤記!〈全五巻〉
  • 俺はロンメルだ
    -
    俺はロンメルである。あの砂漠の狐と謳われた、ドイツ国防軍のロンメル元帥である。株式会社ペンタブレーンに勤めている。このアイデア・ゲリラ集団には、エジソンもサッチモも桂春団治もいる。そして、次々と奇抜な発想を生みだしていくが……。というユニークな表題作ほか10篇を収録する、かんべむさしの奇想天外SF短篇集。
  • おれ、力士になる
    3.0
    父さんは早くに亡くなった。女手ひとつで自分と弟を育ててくれている母さんに、早く楽をさせてあげたい――。そんな想いを抱く少年が、裸一貫で勝負する道を選ぶ。数百年前から脈々と続く角界のしきたり、師匠や兄弟子たちの温かな人情。純粋無垢な少年の眼を通して相撲の世界を爽やかに描いた青春小説。
  • 愚か者の盟約
    -
    解散総選挙による日本政治の大きな転換を生み出した若き政治家寺久保浩也の胸中は!? 初当選以来第一秘書として政界の裏で手を汚してきた野崎浩平との無敵のコンビが、恋愛、対米摩擦、派閥闘争を乗り越える迫真のポリティカル・スリラー。(講談社文庫)
  • オロフレ峠の殺意
    -
    不動産会社の営業マン・浅沼寿郎が、伊豆天城山中に無残な死体で発見された。北海道に単身出向中の浅沼がなぜ伊豆に? 父の死に疑問をいだいた高校生の道夫は、ひとり北海道に向かうが、父の残した日記には謎の女性の存在が。だが、その彼女も扼殺死体で発見される。残雪の北海道オロフレ峠で何が起きたのか? 旅情ミステリーの傑作。
  • 終わった人
    4.1
    大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れた。生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた、大反響ベストセラー「定年」小説。
  • オンエア 上
    3.3
    1~2巻691円 (税込)
    プロデューサーと不倫報道を続ける藤崎あゆみ・26歳。年下の野球選手に結婚をせがまれる水沢千広32歳。元カレのストーキングにおびえる望月結香・22歳。人気報道番組を舞台に3人の女子アナが、それぞれ予期せぬ人生の転機を迎える・・・・・・。リアルな描写で大反響を呼んだ著者初のエンターテイメント小説! (講談社文庫)
  • ON AIR 女子アナ 恋モード、仕事モード
    -
    思わずビックリ。これが女子アナのホンネです――恋愛、仕事、ひとり暮らし。女の悩みは、あれこれ揺れる。これってふつうでしょ!? ああ、でも私は「女子アナ」、世間のイメージにもいろいろあって……。うーん、やっぱりこの際、思うこと全部書いちゃいます。ラジオでおなじみ、ミズタニが本音で綴る、読み始めてニヤリ、読み終わってドキリの軽妙エッセイ。
  • 怨返し 古道具屋 皆塵堂
    3.5
    日光街道の越ヶ谷宿の旅籠で働かせてくれた恩人・仁兵衛の遺品には幽霊が憑いていた。仁兵衛が若い時分に、江戸で借金の取り立て屋「すっぽんの桑次郎」という異名をとっていたことを知った甥の藤七は、遺品の数々を元の持ち主に返す旅に出ることになった。道中、「刀狩りの男」と呼ばれる浪人に襲われ川に落ちた藤七は、深川亀久橋近くの古道具屋「皆塵堂」で目を覚ました。 三十年前に仁兵衛が手に入れた遺品の数々は、「すっぽんの桑次郎」の借金の形なのか。優しかった伯父が人々に恨まれる非情な取り立て屋だったことがどうしても信じられない藤七は、限られた七日間の江戸滞在のうちに、遺品の持ち主を捜し出し、憑いている幽霊の謎を解き明かし、伯父の正体をつきとめることができるのか? 材木商のご隠居・清左衛門、力自慢の魚屋・巳之助、有能な小僧・峰吉らの助けも借りながら、「知りたがりの藤七」は江戸でも行く先々で幽霊をみることに……。 怪談+とぼけた笑いで人気の「皆塵堂」シリーズ、第十弾!
  • On the Road Again
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 爽快、新感覚のバイク・フォト・ノベル登場! ――「鋼(はがね)の馬」=バイクは、若者のライフ&トラベルの手段、そして、生命をあずけた「親友」でもある。それは、ライダーだけの特権だ。そんな風と空を恋人にするバイク・ラバーのために、生粋のライダー作家が贈る、夢と冒険にあふれた、ロード・ライフ・ワールド14編。ビジュアル感覚いっぱいの、爽快なオリジナル文庫。
  • 御社のチャラ男
    3.5
    コロナ禍直前の2020年初頭に刊行され、各紙誌書評で絶賛された著者の“会社員”小説史上最高傑作ともいえる『御社のチャラ男』が、ついに文庫化! いませんか? こんなひと。 どこにでもいる、軽くて世渡り上手なチャラ男。 わかっていますか、本当の彼のこと。 組織に属する「私たち」の実態にせまる“会社員”小説の傑作!     ジョルジュ食品はオイル、ビネガーなどの商品を扱う地方の小さな会社だ。 社長のコネでやってきた三芳部長は、社内でひそかにチャラ男と呼ばれている。 自分には自分がないと悟る三芳と、彼のまわりの人々が彼を語ることで見えてくる、この社会に生きる私たちの現実。 すべての働くひとに贈る傑作“会社員”小説。 「どこか滑稽な書名に騙されてはいけない。ここに描かれるのは、組織なるものの実態であり、現代社会の問題や病理であり、働いて生きていくという営みの本質である。ジョルジュ食品という、地方の小さな会社を舞台にして。よりによって、チャラ男を軸に据えて。(略)頁を閉じたとき、きっと誰もが、濃密な塊を受け取ることになる。言葉で容易に説明できないその塊は、読者個々の体内を長い時間掛けてさまよう。本作で得たものと、私たちは共に生きていく」(木内昇「解説」より)
  • 女からの声
    -
    壊れかけている自分への痛切な思いを抱えて生きる〈ぼく〉。真実の絆を追って遍歴する妻の〈ナホミ〉。それぞれに性愛の相手を求め、さまよいつづける。ニューヨーク、小笠原、東京、ネパール、アフガニスタン……と孤独な旅は続く。芥川賞作家・青野聰が、根元的な生の実現を求める人間たちの魂の彷徨を、濃密な文体で綴った長編小説。
  • 女が愛に生きるとき
    4.0
    男と女のあいだには、深くて難儀な愛がある。愛ほど幻想、錯覚、誤解にみち、人間を喜ばせたり苦しめたりするものはあるまい。しかし、人生にはこれが必要だ。とりわけ女性にとって、愛は行動と心理の拠点である。「人生の楽しみは人を愛し、人から愛されること」という著者が、愛を軽快に語る人生論。
  • 女が会社へ行きたくない朝
    -
    希望に燃えて会社勤めをはじめたものの、思わぬ職場の人間関係の複雑さに、ひとり悩んだ経験はありませんか。女性ゆえに受ける無神経な叱責や同性間のライバル意識にどう対応するか。休暇のとり方、オフィス・ラブへの心がまえ、結婚か退職かなど職場のトラブル克服法と生き生き働く知恵が満載のOL読本。
  • 女形
    4.0
    歌舞伎の名門茗荷屋の松之助が京都公演中に突如苦悶し、変死した。同夜、東京の舞台でも大旦那松次郎が蜂に刺されショック死する。名優父子はなぜ同時に死なねばならなかったのか?大部屋役者の堀内すみれは事件を追う。名門をとりまく凄絶なる愛憎劇か?乱歩賞作家が挑む、驚きに満ちた歌舞伎ミステリー!!
  • 女が複眼になるとき
    -
    自立の足跡をたどる体験的レポート。結婚を契機にカナダに渡った女の子が、カルチャー・ショックの中で達成した自立の道ーー結婚を契機に、カナダ・バンクーバーに渡った一人の女の子が、カルチャー・ショックの中で自己形成をはじめ、ノンフィクション・ライターとして複眼の思考を身につけていくまでの足跡をたどる、体験的レポート。ひとりの女性が自立するとき、まずなにをなすべきか。暖かい産湯の中に、一生つかってはいられない!

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