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公事宿まんぞく庵
行き場を失くした十七歳の少女・香乃は、ひょんなことから史郎と出会い、彼が手代をつとめる「公事宿まんぞく庵」で働くことに。公事宿とは訴訟を行う人々が逗留する宿で、史郎は訴訟の技術を伝授したり代筆したりしている。女たらしで昼行燈な史郎だが、ひとたび人の涙を見れば、切れ者へと豹変する。しかし、まんぞく庵に泊まる客は厄介な公事に加え、ワケアリなようで……!? -
くせものの譜
武田、北条、佐々……仕えた家が軒並み絶家! 厄神と呼ばれた男・御宿勘兵衛の生涯。 武田の遺臣として、数多の主家を渡り歩いた御宿勘兵衛(みしゅくかんべえ)は、何を求めて大坂城へ入ったのか? 武田家滅亡から、大坂の陣まで――仕えた家が次々と滅びることから、その武勇に反して「厄神」と忌み嫌われた御宿勘兵衛。 そして、時代に迎合することなく己の夢と覚悟を貫いた依田信蕃や久世但馬など、勘兵衛と関わった度し難い男たち。 「天正壬午の乱」「さらさら越え」「小田原征伐」「越前騒動」「大坂の陣」など勝者の側ではなく滅び行く者たちからみた戦を描く。 気鋭の著者が腕をふるった、時代に選ばれなかった曲者たちの物語。 解説・縄田一男 -
砕かれた神 ある復員兵の手記
鶴見俊輔氏(哲学者) 「この本の著者のような誠実な人とひざつきあわせてすわっていると、やりきれないと感じる読者もいるだろう。著者とちがう仕方で戦争をとおった私には、その感じのかけらほどはわかる。だが、新しい時代にはその時代なりの生き方があり、自分の生き方をもって、この本に対してほしい」 小熊英二氏(歴史社会学者) 「ゼロからの模索を記録する稀有のオートエスノグラフィ」 【戦後思想史のゼロ地点】 1945年8月、日本の敗戦はあらゆる価値の崩壊をもたらした。 熱烈な皇国少年として、海軍に志願した渡辺清は“不沈艦” 戦艦武蔵に乗り組み、激烈な軍隊内暴力と同胞たちの死、壮絶な沈没を経験する。故郷に戻った彼が見たのは、戦前・戦中を忘却したかのように日常を取り戻す人々と社会、そしてマッカーサーの隣に写る昭和天皇の姿だった……。自分はいったい何を信じ、何に加担していたのか? 戦争責任という問いに至る思索の旅路を綴った、『戦艦武蔵の最期』『海の城』に連なる最重要作! 鶴見俊輔氏の論考も再録。 新書版解説・小熊英二 【目次】 昭和二十年九月 昭和二十年十月 昭和二十年十一月 昭和二十年十二月 昭和二十一年一月 昭和二十一年二月 昭和二十一年三月 昭和二十一年四月 経済大国の内部で書かれたこの本 鶴見俊輔 稀有のオートエスノグラフィ――ゼロからの模索の記録 小熊英二 -
朽木の花 新編・東山殿御庭
怪異や妖かしに立ち向かう一休宗純の壮絶な生涯を描いた傑作室町伝奇小説 鉛丹侯は口をいっぱいに開いた。唇を失った彼がそうすると、髑髏が笑ったようだった。その、恐ろしい笑い顔の、呉藍色をした口の奥から、暗い色をした粘液が溢れ出した。粘液は黒よりも暗い色をしていた。涅色――海底で何億年もかけて溜まった泥の色だ。一休が感じた、夜行城を包む気配の色だった。(「尊氏膏」より) 第58回日本推理作家協会賞短篇部門候補の「東山殿御庭」ほか、一休宗純の活躍を描いた短編集。 *尊氏膏 *邪笑う闇 *甤(ずい) *應仁黄泉圖 *朽木の花 *東山殿御庭 ●朝松健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、かつて誰も書かなかった〈異形の戦場〉と化した京都を描いた『血と炎の京』で高い評価を得ている。 -
駆逐艦入門 水雷戦の花形徹底研究
日露戦争で絶大な威力をしめし、第一次大戦でその戦術が確立された駆逐艦―世界の烈強に衝撃をあたえた“特型”艦をはじめ、個艦優越にかけた日本海軍が造り上げた名駆逐艦のすべてを詳解するビジュアル決定版。酸素魚雷・次発装填装置・長十センチ砲など搭載兵器から各国代表艦も網羅。写真図版三百五十点。 -
口出し屋お貫
「口入れ屋は商売だけど、口出しするのは性分なんで」 若き女主人と元花魁が、人にからまる糸を解く! 著者好評の江戸人情話、最新作! 二十七にして三度目の奉公先から暇を取ったおれんは、昔馴染みの口入れ屋を訪ねた。帳場には見慣れぬ小娘。 口入れ屋の主人と言えば、酸いも甘いも噛み分けた食えない年寄りが相場である。ただの留守番に違いない――が。 「あたしは先代時三の孫で、貫と申します。二年前にこの店を継ぎまして、今年二十二になります」 それぞれの奉公先を辞めた経緯を語らせるお貫に反発して、おれんは店を飛び出す。別の口入れ屋に断わられ、通りで再会した元の主人には不義理をなじられ、疲れ果てて戻った部屋には、お貫が待ちかまえていた……。 -
くちばみ
血で骨を洗う斎藤道三「父子の相克」一代記。 古く蝮を「くちばみ」と呼んだ。鋭い毒牙を持つその長虫は、親の腹を食い破って生まれてくるという――。 時は戦国、下剋上の世。「美濃の蝮」と畏れられた乱世の巨魁・斎藤道三は、京の荒ら屋で生を受けるも、母に見捨てられ、油を舐めて命を繋いでいた。油売りを生業にどん底から這い上がった父子は、いつしか国盗りという途轍もない野望を抱くようになる。狙うは天下の要・美濃国。父に続き美濃入りした道三は、守護・土岐頼芸を籠絡し、側室・深芳野と密かに心を通わせる。一方で、父の歪んだ支配欲に苛立ち、血の呪縛から逃れようと毒殺を夢想するようになる。政敵を次々に抹殺し、遂に主君頼芸を追放し、名実ともに国主となった道三。ところがその頃、長男義龍の胸中には、父への嫉妬と憎悪が渦巻いていた・・・。 本作品は、下剋上を成し遂げながらも実子に殺される道三の生涯を、三代にわたる「父子の相克」をテーマに活写する新感覚時代小説。「暴力と情愛」の筆運びはますます磨かれ、「悪の爽快感」に溢れる物語世界は圧巻! まさに花村時代小説の到達点と言える作品です。 -
靴の話 大岡昇平戦争小説集
太平洋戦争中、フィリピンの山中でアメリカ兵を目前にした私が「射たなかった」のはなぜだったのか。自らの体験を精緻で徹底的な自己検証で追う『捉まるまで』。死んだ戦友の靴をはかざるをえない事実を見すえる表題作『靴の話』など6編を収録。戦争の中での個人とは何か。戦場における人間の可能性を問う戦争小説集。 -
首打人左源太事件帖
生業は首打ち、密通した藩主の側室を斬れとの依頼だったが… 水戸藩士・潮地左源太は、密通した妻のせいを斬って藩を去り、江戸へ出た。下谷の茅屋に居を構える左源太の生業は、その剣技を生かした罪人の首打ちだ。一度の仕事料は十両。上総大多喜藩前藩主の側室・鶴を、不義の簾で斬首する。遺漏なく仕事を終えた左源太だったが、処刑直前、鶴と交わした二言三言を藩の立会人に咎められ、なぜか会話の中身を執拗に追及された…。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。 -
首ざむらい 江戸妖かし綺譚
オール讀物新人賞受賞の怪作が文庫化! 第99回オール讀物新人賞受賞作「首侍」を含む デビュー作品集が待望の文庫化! (単行本『首ざむらい 世にも怪奇な江戸物語』を改題) 叔父を訪ねて江戸から大坂へ向かった池山小平太の前に、 突如空飛ぶ生首が現れる! この生首、名を斎之介(ときのすけ)といい、 武士として功名を立てたがったかと思えば、 縋る目で酒をねだる。 いつしか二人は戦のただ中に――。 風変りすぎる友情と若者の成長を描いた オール讀物新人賞受賞作ほか、 「よもぎの心」孤蝶の夢」「ねこまた」の 全四篇を収録。 怪異あり人情あり、笑いと涙が止まらない傑作集。 カバー画・三木謙次 文庫解説・大矢博子 単行本 2022年11月 文藝春秋刊 文庫版 2026年5月 文春文庫刊(文庫化にあたり改題) この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
雲と風と ――伝教大師最澄の生涯
第22回吉川英治文学賞受賞作品。 比叡山延暦寺を創建、天台宗の開祖となった最澄。激動の時代の中、最澄は、長岡京の遷都に失敗した桓武天皇を支えながら、桓武の魂を救済することが、国家を救うと尽力する。仏教の本質を求め続けた最澄の生涯を、直木賞作家の永井路子が描く。 大正14年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業後小学館に入社し、『女学生の友』『マドモアゼル』の編集者を務める。 小学館時代から歴史小説を執筆し始め、昭和39年『炎環』で直木賞を受賞。その他にも吉川英治文学賞を受賞した『雲と風と』等多くの素晴らしい作品を世に送り出している。 男性的目線になりがちな歴史人物や歴史事件を解きほぐし、その陰になりがちな女性にも焦点をあて、歴史上の人物、出来事を鮮やかに浮かび上がらせる作風は、歴史小説に新風を巻き込んだものと評価されている。 また、直木賞受賞作品である『炎環』、『北条政子』などは、NHK大河ドラマ『草燃ゆる』(1979年)の原作として、また『山霧 毛利元就の妻』『元就、そして女たち』などは、同じくNHK大河ドラマ『毛利元就』(1997年)の原作としても知られている。 -
雲の涯 中学生の太平洋戦争
昭和20年。8月6日に広島に原爆投下、その3日後に長崎にも原爆が投下された。しかしこの2つの大きな事件の間である7日に、愛知県の豊川海軍工廠でも大規模な爆撃があったことは、あまり知られていない。この日、わずか26分間の爆撃で2500人以上が死に、その中には450人以上の若い学徒たちも含まれていた。中学時代を現地で過ごした著者は、戦後、関係者を取材したり、資料を集めたりして本書を書き上げた。戦時下という緊迫した時代に、必死で生き抜いていこうとした若者の姿を描いた感動のノンフィクション・ノベルである。 -
鞍馬天狗
鶴見俊輔氏が厳選した時代小説「鞍馬天狗」。 角兵衛獅子の少年・杉作を囮に、鞍馬天狗を取り囲んだ新選組。隊長・近藤勇も新手をひきつれそこに駈けつける。 大坂城代あての密書を奪った鞍馬天狗だったが、謀られて地下の水牢に閉じこめられる。恩人を助けようと城へ忍びこんだ杉作少年ももはや袋のねずみ――。 幕末の京を舞台に、入り乱れて闘う勤皇の志士と新選組。時代小説の名作「鞍馬天狗」から、評論家・鶴見俊輔氏が厳選した傑作シリーズの第一弾。解説も鶴見俊輔氏が特別寄稿。 ※この鞍馬天狗シリーズは12月まで5冊、毎月連続で発刊予定です。 なお、この作品は2000年に発刊された小学館文庫を底本とした電子版と同じ内容になっています。 -
暗闇草紙
湯島妻恋町の裏通り。明け方から夕暮れまで日が差さず、お先真っ暗な連中が肩寄せ住まう、人呼んで「暗闇小路」。その小路に引っ越してきた、いかにもわけありの娘・お春が押し込み強盗に襲われ、伝家の観音像を奪われた。手習いの師匠で糊口する浪人者・島小平は、思うところあって、お春の窮状に手を貸す。観音像は誰の手に渡ったのか、また像に隠された秘密とは? 波瀾万丈の娯楽時代小説。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。 -
クリムゾンバーニング エトロフ強襲
荒天を衝き米機動部隊が日本軍重要拠点・エトロフに強襲をかけた。戦艦大和をはじめとする戦艦群をもって、迎撃作戦を展開した帝国日本軍の運命は!? シリーズ第二シーズン、スタート!! -
クリムゾンバーニング カナダ侵攻
日英連合と赤化米国の主戦場は、豊富な鉱物資源を埋蔵するカナダへと移った。カナダから連合国を駆逐し、支配権を確立したい米国は侵攻を開始。ここに泥沼の戦闘が始まった……! -
クリムゾンバーニング 合衆国解放I
ついにアメリカ社会主義合衆国の首都ワシントンに迫った日英ら連合軍。だが劣勢のスターリンは核兵器使用を仄めかし、思わぬ停戦条件を示してきた! 最終シーズン三部作、第一弾!! -
クリムゾンバーニング 合衆国解放III
聖誕祭までに赤化アメリカの首都ワシントンを攻略せよ! 日英をはじめとする連合軍と、核兵器使用を仄めかす赤化米軍との激闘もついに最終局面へ。堂々のシリーズ完結篇。 -
クリムゾンバーニング 合衆国解放II
赤化米国首都ワシントンを目指し進軍する連合軍。しかし、大河を遡上する戦艦大和の前に、謎の戦闘艦アペオスが立ちはだかる! -
クリムゾンバーニング 五大湖決戦
五大湖の制湖権を巡って激突する日英加連合軍と赤化米軍。この戦いを制した側が、今後の戦局を有利にすることは間違いない。帝国海軍は激戦のさなか、新鋭艦「伊吹」を出撃させるが……!? -
廓の与右衛門 控え帳
遊廓を舞台にした艶物時代小説、登場! かつて江戸柳生道場の四天王の一人と言われ、吉原では「闇夜の歳三」の名もあった大木歳三。吉原で三笠太夫のために人を殺め、京都・島原遊郭に移ってきた。歳三は、大門開閉の務めのために大門脇の番屋に詰める「与右衛門」とも呼ばれていた。 与右衛門の前に現れた若者は、佐山甚四郎と言い、太夫の初音の弟だった。その甚四郎が、何者かに殺される。そして、初音から父親の仇を取りたいと聞かされ、その相手が初音の客の一人である楽隠居の見斎、すなわち藁谷右近だと知る。初音に自分が仇であることを知らされた見斎は、初音の父親と親しくなる余り、佐山一家が切支丹であることを知り、逆に斬りつけられたのだと言うのだった。見斎は、脇差しを己の腹に差し、初音を昨日身請けして自由の身にさせたことを告げて果てた。 与右衛門は、甚四郎を殺した犯人に迫るのだった。(「第一章 男傾城」) 美しき女たちが集うきらびやかな遊廓を舞台に、欲にまみれた男やいうに言われぬ人情の絡みから起こる厄介事を与右衛門が解決していく。 第八回、小学館文庫小説賞を受賞した艶物時代小説が、ついに電子化! -
紅の匣子槍III 竜虎
吹雪の決戦から数年後。阿片に溺れ、生きる屍と化した柴火はひとり満洲の曠野をさまよっていた。一方、伊達順之助は、かつての日露戦争の英雄で名うての賞金稼ぎとして知られる鶴岡軍兵衛の行方を捜していた。そんな中、抗日馬賊の巨魁・馬占山が遂に動くという一報が入る。運命に導かれるように再び熱河の地に引き寄せられる英傑たち。柴火と伊達、竜虎が相見え、最後の銃弾が放たれる――。中国ウエスタン小説、堂々の完結! -
黒い肌のサムライ 信長との短き日々
ヤスフェが見る空はいつも暗かった。 イエズス会の巡察師・ヴァリニャーノ付きの奴隷として来日したヤスフェは己を殺し、身を小さくして生きていた。織田信長に弥助という名とともに召し抱えられ、奴隷から小姓となっても。周囲の嫉妬や好奇の視線にさらされ、孤独は癒されることはない。それどころか、弥助は、狂気ともいえる行動を続ける主君へ、恐怖と疑念しか抱くことができなかった。 だが、森乱丸が止めるのも聞かずに、まっすぐに疑問をぶつけるうちに、信長の本質、胸中にある苦悩を知る。生まれて初めて芽生えたのは、「仕える気持ち」――それは奴隷時代に感じていた服従ではない。少しずつ人間としての心を取り戻し、信長に共感すら覚えるようになったのだ。信長もまた、彼の純真さに打たれ、本心を明かすようになる。 弥助は、日本の空がどこまでも青く美しく感じた。 「ウエサマ、いっしょに世界を見ましょう」 【著者プロフィール】 吉川永青(よしかわ・ながはる) 一九六八年、東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。二〇一〇年「我が糸は誰を操る」で第五回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。改題した『戯史三國志 我が糸は誰を操る』で翌年デビュー。一六年『闘鬼 斎藤一』で第四回野村胡堂文学賞、二二年『高く翔べ 快商・紀伊國屋文左衛門』で第一一回日本歴史時代作家協会賞(作品賞)を受賞。著書に『誉れの赤』『治部の礎』『裏関ヶ原』『ぜにざむらい』『乱世を看取った男 山名豊国』『家康が最も恐れた男たち』『戦国・江戸ポンコツ列伝』『華の蔦重』など多数。 -
黒島の女たち 特攻隊を語り継ぐこと
終戦間際の1945年、昭和20年の春――。 薩摩半島南部にある知覧や大隅半島の鹿屋、串良の飛行場から、数千人の二十歳前後の若者たちが、爆弾を抱えた飛行機とともに沖縄を目指して飛び立った。 自らのいのちと引き換えに、敵機に特攻するために……。 しかしながら、6人の特攻隊員が、鹿児島と沖縄のあいだに浮かんだ黒島という小さな島に辿り着いている。 黒島の人たちは、けんめいに介抱した。 それによって、いのちを救われた兵士たちもいた。 そんな元特攻隊員と、黒島の人たちとの交流は、70年が過ぎた現在でも続いている。 老いとともに途絶えていくきずな。風化される記憶。 それでも、あの戦争を語り継ごうとする人たちがいる! 「あの戦争から遠く離れて」の大宅賞作家が、自らのライフワークに取り組んだノンフィクション作品。 -
黒田官兵衛、一世一代の大博打「九州の関ヶ原」徳川家康との虚々実々
慶長5年(1600)関ヶ原の戦い。豊前中津にいた黒田官兵衛は、自身の夢に向かって大博打を打つべく、九州平定を開始した。密かに臨んだ天下取り。しかし、徳川家康の眼は、その魂胆をも見抜いていた。家康と官兵衛、腹の探り合いのエピソード。 -
黒田官兵衛と同じ時代を生き、別々の道を歩んだ「石田三成」と「加藤清正」
「才槌頭の青二才め」「瘡かき頭の老ぼれが」。石田三成と黒田官兵衛。異能の者同士、二人の仲は悪かった。しかし一方、勇猛の将・加藤清正と官兵衛は、互に好意と畏敬を表す関係だった。正反対のベクトルを持った二人の武将と、黒田官兵衛の人間関係。 -
黒田官兵衛に育てられた「後藤又兵衛」
桶狭間の合戦の年に生まれ、戦国最後の戦いで散った生粋の武人、後藤又兵衛。地侍の子として生まれ、黒田官兵衛孝高に養育されることとなった又兵衛は、黒田家出奔を経て、大坂夏の陣での討死にいたる。「槍の又兵衛」の生涯を貫く誇りとは一体何だったのか。 -
黒田官兵衛の軍師としての能力
軍師には一体どんな能力が必要だったのだろうか。戦国武将に読まれた、中国伝来の七つの兵法書『武経七書』を読みこなし、戦国時代流にアレンジを加えた、天才軍師黒田官兵衛。官兵衛の「稀な才能」を分析することで見えてくる、戦国軍師の必須条件とは。 -
黒田官兵衛の臣下 「黒田二十四騎」随一、黒田節のモデル「母里太兵衛」・「豊臣秀頼」天下人の後継者
酒席の歌「黒田節」のモデル、母里太兵衛。名槍を操り、黒田二十四騎として官兵衛に仕えた男の救出作戦にみる、侠気とは。また、天下人秀吉の後継者として溺愛され、温室で育った豊臣秀頼の「かしこさ」とは、何だったのか。二人の真の実力にせまる。 -
黒田官兵衛の素顔
「智謀の策士」という印象の強い軍師黒田官兵衛。実は、その他にも多くの顔を持っていたことは、あまり知られていない。脇に徹し、時に大きく賭ける。戦国の世を泳ぎ切った官兵衛の素顔に、「謀」「脇」「賭」「游」「信」5つの視点から迫る。 -
黒田官兵衛のすごさを知る名将「小早川隆景」
即断の官兵衛と熟慮の隆景。豊臣政権下、その両輪として働いた黒田官兵衛と小早川隆景は、心通ずる仲だった。また、戦の名人であり、似た陰影をその身に宿す二人は、互いの泣き所も見極めていた。官兵衛を語る上で欠かせない人物、小早川隆景のエピソード。 -
黒田家との深い宿縁で結ばれた「後藤又兵衛」
黒田官兵衛の長男、長政の家中精鋭「黒田八虎」。その中に後藤又兵衛基次がいた。深き宿縁で結ばれた黒田家から、又兵衛はなぜ出奔しなければならなかったのか。そしてその後の運命とは。数々の勇猛なる戦いぶりと大言壮語、最後の武人、後藤又兵衛の生涯。 -
黒田如水
不遇の天才軍師・黒田如水。 信長、秀吉に仕え、機を見るに敏な如水の前半生を描く。特に強靭な精神を持ち、凄惨な幽閉にも耐え続けた如水と竹中半兵衛との友情はお互いを高い次元で認め合ってこそのものであり、美しく、心動かされる。 1892年8月、神奈川県生まれ。小説家。様々な職を経て作家となる。『鳴門秘帖』などで人気を博し、1935年より新聞連載が始まった『宮本武蔵』は読者を魅了、大衆小説の代表的作品となる。『三国志』、『新・平家物語』、『私本太平記』『新・水滸伝』など後世に残る大作を執筆。 【目次】 蜂の巣 岸なく泳ぐ者 沐浴 道 信念一路 丘の一族 玲珠膏 先駆の一帆 鍛冶屋町 深夜叩門 初対面 鷹 与君一夕話 死を枕とし 鉄壁 設計二図 質子 待望の日 名馬書写山 友の情け 将座の辛さ 捨て児の城 平井山の秋 道は一すじ 紙つぶて 闇 封の中 猜疑 虱と藤の花 老いざる隠居 惨心驢に騎せて 菩提山の子 かくれ家 昆陽寺夜話 室殿 螢の声 藤の枝 違和 男の慟哭 戸板 稲の穂波 陣門快晴 髪を地に置く 心契 美人可儀容 城なき又坊 草履片方・下駄片方
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