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老舗菓子舗「笹屋」の若後家・お歌は、雨宿りのひととき、行きずりの謎の浪人に手ごめにされてしまう。体も大きく気が強い自分が、犯されて抵抗しなかったことに納得がゆかぬお歌だったが、奇妙な再会をとげ、やがて男への憎しみは愛しさへと変わってゆく。少女のようにときめくお歌。二人の深まる恋は、ひょんなことから敵(かたき)討ちの助太刀に発展し、やがて迎える別れの朝…。江戸に生きる勝気な女の姿が、21世紀の日本人をも魅了する、新感覚の長篇時代小説。
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Posted by ブクログ
強く強く引き込まれて、まさに一気読み!!
なにより主人公「お歌」が、とても魅力的。
心身ともに強くて、機転がきいて、かしこくて、
何より情にあつく、人のためにくるくると
よく働く。
そんな逞しいお歌さんが、心の中であらがいながら
眼光に不思議な力をもつ、強い男、馬杉源吾に
惹かれていく様子は、娘のようで、艶っぽくて。
ハラハラしたり、胸ときめかせたりしながら
読むのを止めることができなかった。
人のために、そして、やってくる状況に臆せず
心尽くして立ち向かえば、全てうまくゆく、
というわけでもないけれど、
心が春のようなあたたかで、嬉しい時がくる。
そんな希望が読後に湧いてくるすばらしい小説だった。
Posted by ブクログ
若くして夫を亡くし子もないため、老舗の銘菓店を夫の弟夫婦にゆずり、彼らを指導し盛り立てようよとする未亡人お歌。しかしこの弟が箸にも棒にもかからないダメな奴。お歌の実家は名立たる料理屋で、後を継いでいる兄は、お歌に戻ってきて店を切り盛りしてほしいと切に願っている。
そんな中、お歌は雨宿りをしていた小屋に居合わせた源吾という年齢不詳で得体のしれない男にわけのわからぬ間に犯されて陶酔してしまう。怒りと同時にだんだんと源吾にひかれていくお歌。実は、この源吾は武芸、体術の達人で、お歌が巻き込まれる苦難を助けることに。ハラハラする展開に次々とページを繰ってしまう。
本作を読みながら、「旅路」という作品を思い出した。「旅路」ではかたき討ちの旅に出る未亡人の危機を救う謎のスーパー老人が出てくるのだが、本作の源吾と被る。池波正太郎が己が願望を彼らに投影しているのではと思ってしまう。
Posted by ブクログ
読んだあとの何とも言えない清涼感。
29歳 歌子。夫を3年前になくす。
和菓子屋のおかみさん。福太郎という跡継ぎが、頼りない。
実家に戻ろうとするが、しかし、和菓子屋を続けるために、
努力をする。
そんな歌子が、雨宿りした小屋で、ある男に、
襲われてしまう。その男は、源吾という。
あっという間の早技と眼光が鋭い。
憎しみから、徐々に好きになっていく。歌子。
自分でも、その変化に驚く。
又太郎という武士が、敵討ちをしようとするが、相手は強すぎる。
歌子は、源吾を紹介する。
物語は、単純な構成であるが、歌子の思いが、
場面場面で、際立ってくる。
番頭 長助の必死な願いと思いがいじらしい。
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