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  • 大江戸墨亭さくら寄席
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    両国橋の袂で駆け出しの噺家小太郎は唖然とした。胸に響く声と話芸で聴衆を沸かせていたのは、幼馴染の代助だったのだ。三年ぶりの再会に、代助は妹のお淳が重い病で二十両必要だと漏らす。破天荒で人を屁とも思わぬ十六歳だが、妹にだけは滅法優しい。二人は診療代を稼ごうとするも四苦八苦、小太郎は師匠で江戸随一の噺家仙遊亭さん馬を担ぎ出そうとするが……。感涙必至の青春時代小説
  • 大富豪同心 1 八巻卯之吉 放蕩記
    4.2
    1~29巻517~748円 (税込)
    老中も一目おく江戸一番の札差・三国屋の末孫の卯之吉が、同心株を買って、定町廻同心になった。腕っ節は全くないが、放蕩三昧を繰り返していたときに得た知識と金力で難事件を、次から次へと解決していく。書き下ろし長編時代小説シリーズ第一弾!
  • 拙者、妹がおりまして : 1
    3.1
    本所に住まう御家人の白瀧勇実は、無役の小普請ながら学問に優れ、剣術にも長けた二十三歳の若侍。手習所の師匠を務め子供たちにも慕われる好青年だが、出不精でのんびり屋なのが玉にきず。一方、勇実の六つ下の妹千紘は、兄とは対照的に明るく活発で、現状に甘んじている兄が歯がゆくて仕方がない。勇実にやる気を出させるべく、叱咤するのだが――。悩み深き若者たちの日常と成長を爽やかに描く、青春時代小説シリーズ第一弾!
  • 承久の乱 800年前の真実! 明恵上人の教えと「御成敗式目」
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    朝廷の復権を目的として起こった「承久の乱」。この乱の主要人物、後鳥羽上皇、第二代執権北条義時の長男・泰時、この両者と緊密な関係を保っていた稀代の高僧・明恵上人。三者三様の生き方や矜持に新たな光を当てる。膨大な資料を駆使し、近代の法典にまで影響を与えた「御成敗式目」成立の実相に迫る。前著『現代に生きる稀代の高僧「明恵上人」』の続編ともいうべき評伝。
  • 落語小説集 子別れ
    値引きあり
    3.5
    直木賞作家による、落語「人情小説」集! ●子別れ 腕の良い大工だが呑兵衛の熊五郎。呑み過ぎないよう妻のおとくに釘を刺されていたが、棟梁に前借りした50万円を、遊郭ですべて溶かしてしまった。愛想をつかしたおとくは、一粒種の亀吉を連れて出て行ってしまう。 ●景清 腕のいい鏨彫り物師だった定次郎は、目の病を患い、わずか半年で失明してしまった。かつての仕事への未練を捨てられず、目の病に御利益があるという赤坂の圓通寺の日朝さまに、願掛け参りを始める。 ●後家殺し 刃物研ぎ宿「研ぎ常」の親方である常吉の強みは、声の良さにある。義太夫の師匠中堀十元に、熱心に稽古をつけてもらっていた。天保三年六月、常吉は運命の女に出会う。 ●火事息子 蔵前天王町の大身札差・伊勢屋四郎左衛門は、従弟で質屋を営む伊勢屋藤右衛門の息子・藤三郎を溺愛していた。火消しに憧れる藤三郎のために、四郎左衛門は火の見やぐらを建設し、半鐘番に就けるよう根回しをした。 ●柳田格之進 彦根藩納戸役を免職となった柳田格之進は、浅草馬道の碁会所で質屋、万屋源兵衛と対局し意気投合する。対局はその後、万屋の離れにて行われることになり、二人の関係は、八月の十五夜まで盤石だった。 ※この作品は単行本版『後家殺し』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • お順 上
    4.0
    凛としたお順と、彼女を取り巻く幕末の勇士たち 勝家の末っ子、お順は愛らしい容姿とは裏腹に気性が激しく、兄の麟太郎(のちの勝海舟)から可愛がられて育つ。嫁ぐなら「一番の男」と決めているお順は、麟太郎と交流の深い剣客・島田虎之介に心を奪われるが……。好いた男を想い続けながら、幕末の動乱期を逞しく生きるお順と、彼女を取り巻く志士たちの魅力を鮮やかに描いた時代小説。 ※この電子書籍は2014年10月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
  • 亀甲獣骨 蒼天有眼 雲ぞ見ゆ
    3.0
    物語の舞台は、歴史ファンの間でも注目度の高い清代末期の光緒25 年(1899 年)。 中国大陸に進出したイギリス、ドイツ、フランスをはじめとする西洋列強は、中国各地で分割支配を強めていた。 そんな列強諸国に対抗すべく、「扶清滅洋(清を扶け西洋を滅ぼす)」のスローガンを掲げた「義和団」を名乗る集団が、 山東省での暴動をきっかけに各地に広がり、社会は不安定な状況であった。 そんななか、杭州・西湖のほとりにある孤山に暮らす数え年で二十一歳の丁仁は、 金石学者である父・丁立誠の後を継ぎ、学究に勤しんでいた。 ある日、生薬である「竜骨」に神秘的な図形や文字のようなものが刻まれていて、北京で騒動になっていることを耳にした丁仁は、 丁家にかねてから出入りする北京在住の雑貨商人・元突聘に、その子細を尋ねようとする──。
  • チャンバラ
    3.6
    有馬喜兵衛、吉岡一門、宍戸某、そして佐々木小次郎。さらには――。 最後の難敵との死闘を終えた宮本武蔵は吐き捨てた。今日まで剣に生きてきて、兵法というほどのものではないな。ただのチャンバラにすぎん……。 直木賞作家の手で鮮やかに蘇る、数多の強敵との名勝負! 「剣聖」とも称される二刀流の達人が、激闘の果てに辿り着いた境地とは?
  • ふたりの本多―家康を支えた忠勝と正信―(新潮文庫)
    3.0
    生涯57回の合戦でかすり傷ひとつ負わず、「家康に過ぎたるもの」と敵将からも称えられた、徳川四天王のひとり本多忠勝。いったん家康に背きながらも、帰参後は家康が「友」と呼び、秀忠の老中も務めた本多正信。家康最大の危機の三河一向一揆から、三方ヶ原の合戦、関ヶ原合戦まで、戦国時代を彩る合戦を舞台に、武と智で家康の天下取りに貢献した「ふたりの本多」を描く、書下ろし長編歴史小説。
  • 不死鬼 源平妖乱
    -
    『魔界転生』『妖星伝』『帝都物語』、時代伝奇の興奮、再び! その鬼はあるいは人間の本性なのか!――平清盛が栄華を極める平安末期の京に異変が起きていた。飢餓に喘ぐ民を顧みない公家の中に、血を吸う鬼“殺生鬼”が潜み始めたのだ。古の約定を知る者たちは秘かに密殺集団“影御先”を結成し鬼を狩るが、殱滅には程遠かった。一方、打倒平家を胸に秘める源義経は、最愛の女性の仇を討つため影御先に加わる。だが鬼は人心を自在に操り新たな罠を仕掛けてきた!
  • 憂き夜に花を 花火師・六代目鍵屋弥兵衛
    -
    「飢饉に沈む人々に元気を与えたい」。 男たちの熱い想いがあの花火大会を生んだ。 時は享保。江戸の町は飢饉に沈み、失業者、果ては餓死者までが出る始末。為政者ですら救えないこの町を、文字通り明るく照らそうとする男がいた。花火師・六代目鍵屋弥兵衛。困った人を放っておけないこの男は、江戸中の人を放っておけなかった――! 弥兵衛は自らの小さな工場に仲間を集め、ある計画を練り始める。大川(のちの隅田川)で、将軍の号令のもとに行われる「水神祭」。その場に江戸中の人を集め、一世一代の大仕掛けを披露することであった。
  • ぼっけもん 最後の軍師 伊地知正治
    5.0
    国のため、小さきもの、弱きものこそ生き延びよ。 鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争。わずか700の兵で4倍の幕府軍を撃破した片眼片足の不自由な「類稀なる軍略家」伊地知正治。ぼっけもんと呼ばれる激烈な性格で兵を駒として操り薩摩人として勝ち続けてきた伊地知が新時代に目にしたのは、荒廃した土地で貧困に喘ぐ民の姿。大久保利通、西郷隆盛と並び称される勤王の志士の胸に、最後に去来するものとは。
  • 海の祭礼
    4.0
    日米の青年が見た「鎖国から開国へ」 ペリー来航五年前、鎖国中の日本に憧れたアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドは、ボートで北海道の利尻島に単身上陸し、アイヌたちに発見される。不法入国者として長崎に収容されたマクドナルドから、若き長崎通詞・森山栄之助は活きた英語を学ぶ。オランダ語には通じていても英語を習得する者の少なかった通詞のなかにあって、森山はペリー一行の首席通詞を務めるなど、開国を迫る諸外国との交渉のほぼ全てに関わっていく。日本とアメリカ、森山とマクドナルド、鎖国と開国、交錯する運命は時代に翻弄されてゆく――。 彼らの交流を通し、開国に至る幕末期の日本の意外な史実が描かれた、傑作歴史長篇小説。 解説・曾根博義 ※この電子書籍は、2004年12月に刊行された文春文庫版を底本にしています。
  • 江戸は浅草
    値引きあり
    3.5
    雷門で掏摸に遇い路頭に迷っていた真一郎は、貧乏長屋の大家・久兵衛に用心棒兼遣い走りとして拾われる。向かいは真夜中に面を打つ謎の美女・多香、隣は女のヒモで洒落者の笛師・大介。長屋で気ままに暮らす住人たちが、町の騒動に立ち向かう。江戸っ子の粋と人情、そして色恋も鮮やかな新シリーズが開幕!「六軒長屋」「猫殺し」「夏の獲物」「錠前破り」の傑作四話収録。
  • 潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳
    値引きあり
    4.2
    大人気シリーズ「味見方同心」が帰ってきた! 同心の兄・波之進の後を継いで味見方となった弟・月浦魚之進は南町奉行から密命を受ける。将軍暗殺計画の気配があり、毒見役の鬼役とは別に、城内に忍び寄る悪事を阻止してほしいというのだ。気弱な魚之進にそんな大役が務まるのか? 兄の後家・お静への思いが募るなか、魚之進は美味で怪しい江戸の食べ物を追う! 【南町奉行所・味見方とは?】 江戸市中の食べ物の動向を探る特別役職。水戸藩が南町奉行所に働きかけてつくらせた。同心の月浦魚之進のみが味見方を拝命する過酷な一人役。横行する悪質な抜け荷の現状把握がもともとの目的だったが、捜索の間に様々な食にまつわる事件が発生する。初代味見方の月浦波之進は何者かにより暗殺、それを弟の魚之進が引き継いだ。兄弟の努力と活躍によって悪事は暴かれ、魚之進は兄・波之進の仇を討った。 本巻『潜入!味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳』までの顛末は、「隠密 味見方同心」全9巻をお読みください。面白さと美味しさが倍増します!!
  • 一膳めし屋丸九
    完結
    3.5
    日本橋北詰の魚河岸のほど近く、「丸九」という小さな一膳めし屋がある。うまいものを知る客たちにも愛される繁盛店だ。たまのごちそうより日々のめしが体をつくるという、この店を開いた父の教えを守りながら店を切り盛りするのは、今年二十九となったおかみのお高。たとえばある日の膳は、千住ねぎと薄揚げの熱々のみそ汁、いわしの生姜煮、たくわん漬け、そして温かいひと口汁粉。さあ、今日の献立は?しあわせは、うまい汁とめし、そしてほんの少しの甘いもの。おいしくて、にぎやかで、温かい人情派時代小説。
  • 曲亭の家
    3.6
    小さな幸せが暮らしの糧になる──当代一の売れっ子作家・曲亭(滝沢)馬琴の息子に嫁いだお路。横暴で理不尽な舅、病持ち、癇癪持ちの夫とそんな息子を溺愛する姑。日々の憤懣と心労が積もりに積もって家を飛び出たお路は、迎えに来た夫に「今後は文句があればはっきりと口にします。それでも良いというなら帰ります」と宣言するが……。修羅の家で、子どもを抱えながら懸命に見つけたお路の居場所とは? 直木賞作家の真骨頂、感動の傑作長編。(解説・植松三十里)
  • えにし屋春秋
    3.8
    浅草の油屋・利根屋の娘お玉に、本所髄一の大店の主人との縁談が持ち上がった。しかし見合いの前日、お玉は置手紙を残して姿を消した。利根屋の体面と命運のかかった縁談である。身代わりとなったおまいは、当日、〈えにし屋〉を名乗る謎めいた女の元で、美しく着飾らせてもらい見合いの席に臨む。しかしその後もお玉の行方は一向に掴めないままで……。浮世には結びたい縁もあれば切りたい縁もある。縁を商いとする者と頼る者の光と影に、心揺さぶられる長篇時代ミステリー、シリーズ第一作。
  • 漫画版 徳川家康 1
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 松平竹千代(のちの徳川家康)が生まれた年、武田信玄は22歳、織田信長は9歳だった。 群雄割拠の戦国時代に、天下統一を目指す武将たち。弱小の松平家にとっての 希望の星・竹千代の身の上は・・・。 剛毅と智謀を駆使して天下を平定、徳川300年の礎を築いた、家康の生涯を描く世紀を超える一大巨編の開幕! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 光のしるべ えにし屋春秋
    3.5
    身寄りの子どもたち十五、六人と暮らす孤児・信太。物乞い稼業で糊口をしのぐ毎日だ。だが、どうしても実入りのなかった日、信太は一緒に物乞いをするおみきさんに連れられ、〈えにし屋〉を訪ねる。信太たちを出迎えたのは、お初という妖しくも美しい女。一方同じ頃、三十路を過ぎと見える、やけに疲れ果てた夫婦もお初を訪ねていた。五年前行方知れずとなった一人息子を探してほしいという。今になって何故。二組の客になぜか心を揺さぶられるお初。つなぐも切るも容易ではない縁(えにし)。真剣に扱うならなおのこと――。人生の光と影を描く、身も心も震える傑作時代長篇サスペンス!
  • 浪人若さま 新見左近 決定版 : 1 闇の剣
    -
    甲府藩主の徳川綱豊は次期将軍の座をめぐる争いに巻き込まれるのを嫌い、病と称して藩邸に籠もる体を装いながら、谷中のぼろ屋敷で一人暮らし。浪人新見左近を名乗り、将軍家に伝わる秘剣、葵一刀流で悪を成敗しつつ、自由を謳歌するこの男の前途には、激動の運命が待ち構えていた――。剣戟、恋、人情、そして勧善懲悪。時代小説のど真ん中を行く、最強の傑作王道シリーズ、決定版として、双葉文庫から堂々刊行スタート!
  • 貸し物屋お庸謎解き帖~五本の蛇目
    4.0
    口は悪いが気性は真っ直ぐの江戸娘が大活躍! 痛快ホロリ、読み心地満点の大人気時代小説! 「無い物はない」江戸のレンタルショップ湊屋両国出店の娘店主は、 物だけでなく知恵も貸してくれるという評判を聞きつけて、 今日も悩みと秘密を抱えた胡乱なお客がやってくる──。 湊屋本店と江戸市中に十二ある出店のすべてを訪れた謎の翁の正体は? 慌てて借り出された五本の蛇目傘はいったい何に使われるのか?  毎夜馬小屋を訪れる怪しい影は河童? それとも亡魂? 厄介事も無理難題も持ち前の好奇心と人情で一件落着! お客が求める貸し物の陰に隠れた事情を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、 大人気書き下ろし時代小説、待望の第三弾! <目次> 能管の翁 魚屋指南 五本の蛇目 野分の後 湯屋の客
  • 戸並長八郎
    -
    高畠二万石織田家のお家騒動を背景に、京都で藍坂党と死闘を繰りひろげた戸並長八郎。女神のようにあがめるおちい様の仏門入りを知らされて江戸に舞い戻るが、かつての生彩はない。そんな長八郎を藍坂党の残党がつけ狙う。「おいち様落飾おやめ」。京の叔父からの便りで明るさを取り戻した長八郎、早速、東海道を一路京へ。それを追う藍坂党の残党。桑名宿で、ついに果し合いの火花が。痛快時代長篇。 (※本書は1987-12-01に発売された書籍を電子化したものです)
  • お江戸晴れ 新・人情料理わん屋
    -
    助太刀に名乗り出た剣士たち。その気配に疑念を抱き…… 江戸にある料理屋「わん市」。中食が終わり二幕目に入ると常連客が集まってくる。 その中の一人、戯作者が持ってきたかわら版によると物騒なことに辻斬りが起きたという。 手がかりなく難儀している御用組に助太刀したいと剣士が現れる。夜廻りの最中、再び犠牲者が。 先に駆けつけていた剣士に疑念を抱いた御用組の千之助が、正体を探ってみると……。
  • 日暮坂 右肘斬し
    3.0
    「門田泰明剣戟文学」の新たなる殺陣の境地、ここに! ささいな喧嘩がもとで無役となった旗本・具舎平四郎。 かつて門弟四百二十六名を誇る一刀流剣法・古賀真刀流総本山で腕を磨き、ともに最高位を極めた芳原竜之助とは竜虎と称された仲。 今は日暮坂道場を主催する竜之助が道場の手伝いを頼みがてら平四郎宅を訪ね、平四郎の妻・早苗を交えて旧交を温めた。 竜之助を送った帰途、夫妻に襲いかかった恐るべき惨劇! 五人の凄腕剣士が二人に襲いかかり、妻をかばった平四郎は惨殺され、妻・早苗は意識不明の重体に!  竜之助は復讐を決意、探索を始めた。次第に明るみに出た古賀真刀流『源流』の無念と悲惨。 竜之助はついに秘剣「右肘斬し」で復讐すべく立ち上がった!  娯楽剣戟文学史上に屹然と立つ「門田泰明時代劇場」の新開眼ここに!
  • 公儀鬼役御膳帳 連理の枝 〈新装版〉
    -
    隼之助は、御膳奉行を務める木藤家の次男。今は父・多聞の命で、長屋暮らしをしている。ある日、近所の年寄りに頼まれ、借金を抱えて困窮する蕎麦屋の手伝いをすることとなった。かつて父に同行して知った極上の蕎麦の味を再現。たまった家賃の取り立てに来た大家を唸らせ、返済を引き延ばすことに成功したまではよかったのだが、辻斬り騒動に巻き込まれ……。
  • 大海軍を想う
    -
    日本海軍の誇り高き威容。大いに興るものへの憧憬と哀惜、再び帰ることなき死者への鎮魂を清冽なる感動と共に伝える名著。 (※本書は1981-01-01に発売された書籍を電子化したものです)
  • 幕末の武家
    -
    大名から御家人まで、江戸時代の元武士たちが語った貴重な回想録 大名から御家人まで、江戸時代の元武士たちが明治維新後に語った回顧談。生活・習俗・規則などの話題から、薩英戦争や大政奉還のような大事件まで、当事者として居合わせた人々だからこそできる貴重な話を、江戸学の祖・三田村鳶魚の著作に携わった柴田宵曲が編む。親本は青蛙房から刊行された『幕末の武家』。文庫化にあたり新たな注釈を加えた。江戸時代を知るための必読の書。 (※本書は1996-04-01に発売された書籍を電子化したものです)
  • 火群のごとく
    3.6
    山河豊かな小舞(おまい)藩、父代わりの兄を何者かに殺された林弥(りんや)は友らに支えられ剣の稽古に励む日々を送るが、江戸から来た家老の息子・透馬との出会いから運命が動きだす。やがて藩の政争と陰謀が少年たちをも巻き込み……。身分や立場の差を超えてつながる少年剣士の成長に清々しい風が吹く、著者の新たな代表作。
  • 駆け入りの寺
    4.2
    悩みを抱える人々が門を叩く、一風変わった駆け込み寺。 平穏で優雅に暮らす尼たちの元へ、ある日飛び込んできたのは「助けてほしい」と叫ぶ若い娘……。雅やかで心に染み入る連作時代小説。 ※この電子書籍は2020年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 王者の妻 上 豊臣秀吉の正室おねねの生涯
    -
    一介の草履とりから天下人に出世した豊臣秀吉。その秀吉に14歳で嫁いだ妻おねね。仲睦まじい夫婦だったが、地位があがるにつれ、秀吉の浮気の虫と権力欲が頭をもたげ、おねねを苦しめるのだった。戦国の女性を描いた傑作歴史小説。
  • 勘定侍 柳生真剣勝負〈一〉 召喚
    値引きあり
    3.4
    大坂商人、柳生一族の陰謀に巻き込まれる! 時は寛永十三年――江戸城黒書院に呼び出された、惣目付を務める柳生但馬守宗矩。 上段の間の襖が開くと、老中の堀田加賀守より、「役目に奨励をもって、四千石を加増する」との旨が伝えられた。 本禄の六千石と合わせて、ついに一万石となり、晴れて大名となった柳生家。 だが、宗矩の顔は沈んでいた。 大名を監察する惣目付が、大名になっては都合が悪いためだ。 案の定、宗矩は即日惣目付を解かれ、監察される側に回されてしまう。 惣目付時代に買った恨みから、痛くもない腹まで探られてはかなわない。 なにしろ旗本から大名になれば、典令や家政が大きく変わるため、隙を生みやすいのだ。 一族最大の危機から逃れるべく、策を講じなければならなくなった宗矩は、なかでも武士が苦手とする金勘定が危ういと考え、ある秘策を思いつく。 なんと、大坂一と言われる唐物問屋淡海屋七右衛門の孫である一夜を召し出すという。 いったい柳生家と一夜は、どんな関わりがあるのか? 武士となった一夜に、宗矩の嫡男である十兵衛は、柳生家の者として剣術を身につけよと新陰流を指南するが……。 果たして一夜は柳生家を救えるのか? 痛快時代小説シリーズ第一弾!
  • 突きの鬼一 跳躍
    値引きあり
    3.0
    東照神君のお宝、頂戴仕り候! 藍蔵から借りた一両を五両にして賭場を出た矢先、頭巾の侍が一郎太の行く手を塞いだ。過日、実母・桜香院の四十九日の法要が執り行われた天栄寺に現れた侍だ。 「身ぐるみ脱いで置いていけ」と言いざま斬りかかってきた。しかし、なぜか頭巾の奥の目に敵意がない。彼我の腕前にも、かなりの差がある。一郎太は浅手を与えて捕らえようとしたが、逃げ足が存外早かった。 その晩、根津の屋敷に戻った一郎太を訪ねて、北町奉行所定町廻り同心・服部左門が現われた。またぞろ大事が出来したか。翌朝、待ち受けていた北町奉行・飯盛下総守が一郎太と藍蔵に大身旗本二瓶家の家臣二人を引き合わせた。 小姓の石戸益次郎が、やおら頭巾を取り出して被ってみせた。天栄寺の侍だ。なぜ、こんな手の込んだ真似をしたのか。二瓶家用人・坂井昌兵衛によれば、屋敷の蔵から家康公より頂戴した家宝の小さ刀が盗まれたという。奉行直々に依頼された探索が始まった。 「東照神君のお宝、頂戴仕り候」――妙な書付を残していった盗賊の背後に見え隠れする元御庭番の影。さらに、一郎太の前に江戸屈指の豪傑にして突きの名人・桜木龍陣斎が現れる!大好評書き下ろし痛快時代小説第9弾。
  • 行方定めぬ老剣士 一の村、再会
    -
    街道から離れた場所にある村。入り口で、じっと村を見つめる老翁がいた。彼を見かねたか、村の少年が声をかけて屋敷へと案内してくれるが――。短編時代小説。

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  • 隠居おてだま
    値引きあり
    3.5
    老舗糸問屋・嶋屋元当主の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。 風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。 子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。 商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。 やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合う? 笑いあり涙ありの人情時代小説『隠居すごろく』、待望の続編!
  • ひむろ飛脚
    3.5
    嘉永六年元日の加賀藩は苦悩していた。異例の暖冬で氷が作れず、しかし今夏行う将軍への「氷献上」に失敗は許されない。苦境を知った御用飛脚宿・浅田屋は氷の入手、献上日の変更、他藩への協力要請、保冷箱開発と次々現れる難問に知恵と情熱で立ち向かう。江戸最後の忠義を圧倒的展開で描く「大江戸プロジェクトⅩ」誕生!
  • 若さま左門捕物帳 鬼の剣
    -
    名門旗本の早乙女家には、町で噂となっている双子の兄弟がいた。この兄弟、姿形はそっくりであるものの、中身はまるで違う。 文武両道賢い弟・右門にくらべ、兄の左門はぼんくらでぐうたら……ふらふらと日々を遊び歩く、まこと不真面目な兄であった。 しかしてこの左門、真の本性も出来損ないかと問われれば、そうとも言えぬ。剣や頭脳などの秘めし能力は、弟の右門を凌ぐほどの逸材であったのだ。 弟を思ってか、はたまた生来の面倒くさがりか、左門はおのれの真の実力を隠したまま、今日も岡っ引の真似事をして、さまざまな事件に首をつっこんでいくのだが……。 剣や恋に大活躍! 愉快痛快の新シリーズ、ここに開幕。
  • 武蔵坊弁慶
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    源平争乱の時代、悲劇のヒーロー源義経と運命をともにした荒法師・武蔵坊弁慶。後世に怪力無双の豪傑として知られる弁慶のロマンと哀愁を見事に描いた名作を全巻セットで一挙電子化。NHK時代劇、テレビドラマ原作などで何度も映像化された傑作。 ■目次 一  ひぐらし  水鏡  初瀬の夢  笛  貝合せ  雁渡る  市女笠  鎖  八条の女院  別れの月  逢うも哀しき  問答無用  脱兎  巨椋の池  春の跫音  ほくろ  遙かな人  男舞  主従 二  峰の白雪  ちろりん  花にぞめずる  磯天狗  雲の通い路  御輿振り  火つけ猿  青葉日記  夜の鶴  鞦韆  歎きの男  逆浪  馬に寄せて  ちちははの唄  かげ弁慶  野ざらし  かきつばた  忍ぶ旅路  源氏揃  水鳥  黄瀬の里 三  木匠の響き  夏木立  車大路  怒りの虫  ちろりん流行  雪の陣  旭の抄  緑の中に  遊びをせんとや生れけむ  鼓判官  迅雷  巴の章  地震  大松明  一の谷  都の風  闘鶏記  虹のかけ橋  夢消えにし  禍福 四  小八葉の車  あひる  義経と景時  屋島の灯  玉虫の扇  旗雲  潮  壇の浦  明石の女院  人心表裏  腰越  天南星  玉虫抄  大将軍禍  祝の例  灸  討手選び  堀川夜討  苦悶の人  力ない蛙 五  京の夢  都落ち  亡魂  雪の吉野  ひとり合戦  行衛も知らず  影  地に潜む  鬼謀  瀬を飛ぶ魚  残照  矯め逃げ記  賤のおだまき  白波  黒い風  行家討たれ  静・大姫 六  網の目  比叡  悪僧  静かな怒涛  おのこ・めのこ  静の生涯  奇襲  終りの夜を  富樫  勧進帳  哀しき主従  高館抄  闇  陸奥と鎌倉  錦木  春雷  衣川
  • 戦前の日本で起きた35の怖い事件 あなたが生まれるはるか昔に――
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 あなたが生まれるはるか昔に―― 凶悪犯罪でふりかえる近代日本の裏面史 明治、大正、昭和期前半に国内を震撼させた大事件を写真と資料で完全再現 ●「昔はよかった」と言える昔はなかった 今から80年以上前、日本は無謀な戦争に突入した。 欧米列強の支配からアジアの国を守り独立・繁栄を目指すという 「大東亜共栄圏」を大義名分に近隣諸国を侵略した。 その結果として、軍人に砲弾・病・飢餓が襲い、国中が空襲に遭い、 広島・長崎に原爆投下の惨劇をもたらした。 太平洋戦争の死者は軍人軍属、民間人を合わせて約310万人。 天皇陛下を神と奉り、悲劇への道を疾走した国の指導者の責任は極めて重い。 戦後、日本は民主国家に生まれ変わった。 勤勉な国民性は急速に経済を発展させ世界でも有数の先進国に上り詰めた、 右傾化が懸念される昨今でも、多くの人々は平和を享受し自由を謳歌している。 戦争は二度と起こしてはならない。あの時代に戻ることは決して許されない。 では、戦争前の日本はどんな社会だったのだろう。 果たして、人々の暮らしは幸福だったのか。 昔はよかった、と言える昔があったのだろうか。 答えはノー。 戦前の日本は極めて貧しく残酷だった。 人権意識は低く、農村は生活に窮し、女性を卑しめられ、忌まわしき風習に縛られ、 国家に逆らう主義主張を唱える者は弾圧され、要人テロが横行した。 明治から大正、太平洋戦争が始まる昭和前半までの73年間、 誤解を恐れずにいえば、日本は想像以上に野蛮で愚かな国だった。 本書はそんな時代に起きた、 戦慄・驚愕の35の事件を取り上げた1冊である。 閉鎖的な村社会で孤立し住民の殺戮を図った者、 惚れた芸妓の裏切りに狂気を爆発させた者、エリートによる金と女絡みの凶行、 拷問に近い取り調べで犯人に仕立て上げられた冤罪事件、身勝手な復讐劇。 それらは現代でも起きうる犯罪でも、 やはり根底には時代の空気が色濃く反映され今の世とはまた違う独特の狂い方が確実である。 記事本文には、現代では使わない差別用語や蔑称が頻繁する。残酷な記述もふんだんにある。 が、その言葉をもちいなければ、事件の本質、時代のニュアンスが伝わらないと判断し、 あえて当時の表現をそのまま使用している。あしからずご了承いただきたい。 また巻末には、取り上げた事件当時の社会情勢がわかるよう年表を付記した。 犯人、犯行の動機を知るうえでの参考にしてほしい。 鉄人ノンフィクション編集部
  • 十手魂「孫六」
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    北町奉行所の同心・青江真作は、不運な事件により、妻の結衣を失った。自らの判断を責め続けた真作は、同心の役目を返上する──。5年後、真作は、「孫六」と名乗り、神田相生町で四文屋を営みながら、十手を預かる身となった。ある日、田嶋屋の若旦那が、女中殺しで捕らえられた。だが、遺体の状態から、若旦那が下手人とは思えない。さらに、強盗一味からの田嶋屋に襲撃予告があったことが判明し……。孫六の十手が唸る!
  • 花鳥茶屋せせらぎ
    4.0
    高く、遠く羽ばたけ、見果てぬ明日へ―― 初恋、友情、夢、仕事……幼馴染みの少年少女たちの巣立ちを描く、瑞々しく豊潤な傑作時代小説! 上野不忍池の「花鳥茶屋せせらぎ」は、珍しい鳥や植物を愛でる行楽の苑。いかがわしさとは縁遠く、女子供にも人気だ。 幼い頃、手習い師匠が語る鳥の話を、仲間と共に夢中で聞き入った勝次は、「せせらぎ」で鳥かご職人の修業中だ。 ある日、黒目の双眸が白肌に映える女から注文を受けた勝次は心を奪われ――
  • 神の愛より我を分かつものなし
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    ゼノビア暦1626年、ロシア帝国陸軍准将ヴァレリー・エル・ルシードは帝国内で噂された隣国キエフ公国への侵攻の命令に反戦の意を示す為にサンクトペテルブルクのとあるカフェに身を隠していた。しかし、カフェの女主人がルシードの部下に居場所を知らせると、ルシードはやむを得ず女帝イゾルデの命じたキエフ公国侵攻への指揮を執り始める。一方、フランス王国では宰相のリシュリューがSTAP細胞事件の当事者であるケイト・ノエル・ラングレーに何を指示したのだろうか?
  • 赤き心を おんな勤王志士・松尾多勢子
    5.0
    もし彼女の働きがなかったら、日本の歴史が少し違ったことになっていたかもしれない(著者) 52歳で志を立て、信州飯田から京へのぼった歌人・多勢子は、 岩倉具視の命を助け、孝明天皇暗殺の幕府方の密謀を探り出すなど 若き男性志士たちと共に命がけで国事に奔走する。 「武士(もののふ)の 赤き心を語りつつ 明くるや惜しき、春の夜の夢」(松尾多勢子) 随所にちりばめられる多勢子の和歌。その歌に込められた想いとは――。 明治維新の渦中、国ために戦った女性勤王志士の物語! 著者による「文庫版に寄せて」を加筆! 巻末には文芸評論家の縄田一男氏による「解説」を掲載!
  • 博覧男爵
    3.9
    日本に始めて博物館を創り、 知の文明開化を成し遂げた挑戦者! 幕末の巴里(パリ)万博で欧米文化の底力を痛感し、 武力に頼らないに日本の未来を開拓する男がいた! 日(ひ)の本(もと)にも博物館や動物園のような知の蓄積を揃えたい! 黒船の圧力おびただしい幕末。信州飯田で生まれ育った田中芳男は、巴里(パリ)で 行なわれる万国博覧会に幕府の一員として参加する機会を得た。その衝撃は 大きく、諸外国に比して近代文化での著しい遅れを痛感する。 軍事や産業を中心に明治維新が進む中、日の本が真の文明国になるためには、 フランス随一の植物園ジャルダン・デ・プラントのような知の蓄積を創りたい。 「己れに与えられた場で、為すべきことをまっとうする」ことを信条とする芳男は、 同じ志を持つ町田久成や大久保利通らと挑戦し続け、現代の東京国立博物館や 国立科学博物館、恩賜上野動物園等の礎を築いていく……。
  • 絵師金蔵 赤色浄土
    3.0
    「血の色は厄払いじゃ。万民の不安を払い落とすのじゃ」幕末の土佐に生まれ「絵金」と呼ばれた男、艶やかな色彩で見る者を虜にした異才、激動の生涯。――幕末の動乱は土佐国も大きなうねりで呑み込んだ。様々な思想と身分の差から生じる軋轢は、人々の命を奪っていった。金蔵はそんな時代に貧しい髪結いの家に生まれた。類まれなる絵の才能を認められ、江戸で狩野派に学び「林洞意美高」の名を授かり凱旋。国元絵師となる。しかし、時代は金蔵を翻弄する。人々に「絵金」と親しまれながらも、冤罪による投獄、弟子の武市半平太の切腹、そして、土佐を襲う大地震……。金蔵は絵師として人々の幸せをいかに描くかに懊悩する。やがて、絵金が辿り着いた平和を願う究極の表現とは――。作家生活20周年記念作品
  • イクサガミ 天
    4.1
    新直木賞作家による、3巻完結・新シリーズ開幕! 〈デスゲーム×明治時代〉 カバーイラスト・石田スイ(「東京喰種」「超人X」) 金か、命か、誇りか。 刀を握る理由は、何だ。 明治11年。深夜の京都、天龍寺。 「武技ニ優レタル者」に「金十万円ヲ得ル機会」を与えるとの怪文書によって、 腕に覚えがある292人が集められた。 告げられたのは、〈こどく〉という名の「遊び」の開始と、七つの奇妙な掟。 点数を集めながら、東海道を辿って東京を目指せという。 各自に配られた木札は、1枚につき1点を意味する。点数を稼ぐ手段は、ただ一つ――。 「奪い合うのです! その手段は問いません!」 剣客・嵯峨愁二郎は、命懸けの戦いに巻き込まれた12歳の少女・双葉を守りながら道を進むも、 強敵たちが立ちはだかる――。 【文庫オリジナル】 《絶賛の声、声、声!!!》 王道ネタで覇道を突き進む、圧倒的な牽引力。もう止まらない。 お願いですから早く続きを読ませてください。 京極夏彦(小説家) 風太郎忍法帖+現代のデスゲーム。『天』で巻を措けるのは、ただ死人のみか。 悪のゲームに身を投じ、一瞬の光芒に命を散らす兵法者たちは、切なくも美しい。 貴志祐介(作家) 時代劇とアクション、サスペンスの超絶ハイブリッド。 デスゲームに挑む武人たちと共に、この快楽を味わい尽くせ。 大友啓史(映画監督) 魅力的なキャラクター、迫力あるバトルシーン、息もつかせぬ怒涛の展開! 最高のエンタメ時代小説! 望月麻衣(作家)
  • いかだ満月
    3.5
    月うさぎが跳ねたら、明日の吉兆――江戸の義賊として名を馳せた鼠小僧次郎吉が、獄門になった。相棒であった材木問屋「新宮屋」の主・祥吉は、残された次郎吉の妻と息子・大次郎を命にかけても守ることを誓う。ある大商いをものにした祥吉は、熊野杉の買い付けのために、大次郎、木場の川並の健次とともに七日船に乗り、紀州・神宮へと向かうが・・・・・・。苦難に負けず、明日を信じて生きる人びとの、義理と人情と誇りを描く、傑作時代長篇。
  • 公儀鬼役御膳帳 〈新装版〉
    -
    木藤家のお役目は御膳奉行。将軍が食する前に料理の味見をして、毒が盛られることを未然に防ぐ、言わば毒味役である。またの名を、鬼役。しかし、当主・多聞の妾腹の子・隼之助は、町人として市井に暮らしていた。不満を抱えつつも、お節介な年寄りや友人たちのおかげで長屋暮らしにも慣れてきた矢先に、父の命令が。塩問屋の山城屋に奉公することとなった……。
  • 狸穴あいあい坂
    3.3
    結寿(ゆず)は、十七の娘盛り。元火盗改の祖父と麻布狸穴で暮らしている。新春、ムジナを探す八丁堀同心・妻木と出会う。精悍だがどこか飄然とした佇まいに、ほのかな恋心を抱く結寿。だが、火盗改方と同心は、手柄を競い合う仇敵関係だ。その頃、夜道で金品を奪う“ムジナ”が出没し……。二人は、祖父に内緒で、狸穴界隈で起こる不思議な事件の謎を解いていく。恋と捕り物の行方を温かな人情のなかに描く連作時代小説。
  • 妻は、くノ一 蛇之巻【全3冊合本版】
    -
    主人公の雙星彦馬は平戸藩の御船手方書物天文係の武士で28才独身。航海学や天文学に詳しいが、羽織を裏返したまま登城したりする藩きっての変わり者。そんな彦馬のもとに上司の薦めで、若く美しい嫁・織江がやってきた。彦馬は新妻にぞっこんになり、生涯大切にすることを誓う。だが、織江は、ひと月後のある日、突然、失踪する。じつは織江は、手裏剣と心術を操る凄腕のくノ一。平戸で密貿易が行われ、藩主松浦静山が黙認しているのではないかという疑念を抱いた幕府お庭番が、織江に平戸を探索させていたのであった。そうとは知らずに、彦馬は、隠居願いを出して、江戸に向かうが……。 ※本作品は『妻は、くノ一』シリーズ全3巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
  • 極楽征夷大将軍
    4.4
    史上最も無能な征夷大将軍 やる気なし 使命感なし 執着なし なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか? 動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。 足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。 一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。 後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。 怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。 混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、 何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか? 幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
  • 「女が、さむらい」シリーズ【全4冊合本版】
    3.0
    近頃、男が弱くて仕方がない――平和が続く江戸で千葉道場の筆頭剣士となっていた秋月七緒。 長州藩邸用人の娘である彼女は、親に強制された縁談の席で強盗事件に遭遇。犯人を成敗し、瀕死の男・猫神創四郎を助ける。 惹かれ合う二人だが、猫神の正体は、徳川家に不吉を成す刀<村正>に纏わる密命を受けたお庭番だった! 江戸では、刀に関する事件が頻発しており……。 ※本作品は『女が、さむらい』シリーズ全4巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
  • P+D BOOKS 鞍馬天狗 全5巻 合本版
    値引きあり
    -
    待望の合本版!! 幕末を舞台に、勤王の志士・鞍馬天狗が活躍する痛快時代小説の金字塔。大佛次郎が書いた全47作のうち、評論家・鶴見俊輔が厳選した作品5巻分(『角兵衛獅子』『地獄の門・宗十郎頭巾』『新東京絵図』『雁のたより』『地獄太平記』)の合本版。各巻末には鶴見俊輔の解説付き。
  • おやごころ
    3.5
    お気楽者の麻之助、ついに父に――! 妻のお和歌が子を宿した麻之助。子どもの名前を考えながら、今日も町の揉め事に立ち向かう! 大好評「まんまこと」シリーズ第9弾。
  • 蝦夷拾遺 たば風
    -
    体が不自由になった許嫁との結婚を反対され他家に嫁いだ女を、 男は想い続ける――表題作「たば風」ほか、夫との離縁を目論む女が 息子に課された難題に奮闘する「恋文」、松前藩主の正室に仕えるべく 集められた娘たちの青春「血脈桜」など、江戸後期から明治初期にかけて 蝦夷地で生命を燃焼させた男女を描く傑作六編。 自身の郷土を舞台とした時代小説短編集。 解説=梶よう子 ※この電子書籍は2023年5月に刊行された文春文庫(新装版)を底本としています。
  • 欅しぐれ 新装版
    5.0
    深川老舗大店のあるじ・桔梗屋太兵衛は、筆の稽古で賭場の貸元の猪之吉と出会い、肚を割った付き合いをする。病に伏した太兵衛は、騙り屋に狙われた店の後見を猪之吉に託して逝くが……。渡世人が実直な堅気の商人のために見せた男気と友情。これぞ一力節!
  • 焼け野の雉
    3.0
    わけありの夫・羽吉と離縁し、飼鳥屋を営む女主人のおけい。九官鳥・月丸との暮らしも順調なある日おけいは大火に見舞われる。何とか逃げ延びお救い小屋での生活が始まるが……。江戸に生きる人たちを鮮やかに活写し、幸せとはなにかを問う傑作長編小説。
  • おぅねぇすてぃ〈新装版〉
    値引きあり
    -
    もう二度と傷つけたくも後悔もしたくない。己の心に正直に誠実に――激動の明治初期の荒波に翻弄された若い男女の激しくも切ない恋……著者初の明治ロマンス! 文明開化に沸く明治五年。突然の再会が若い男女の運命を変えた。 英語通詞を目標に函館の商社で働く雨竜千吉。横浜で米国人妻となっていたお順。幼馴染みの二人が、しまいこんでいた気持ちを開くのに時間はいらなかった。しかし、密会はあえなく露見した。やがて、お順は離婚を懇願するが、すれ違いながらも千吉に真実の恋を貫く妻に、夫はある条件を付けた――
  • やじより―松尾多勢子異聞―
    -
    南信州新聞連載作品(令和2年)。勤皇婆として知られる伊那谷の国学者・松尾多勢子と、親子ほどに歳の離れた長州藩士・品川弥二郎との友情物語を描く。 連載時は多勢子生家の後裔をはじめ中津川市中山道歴史資料館の協力を賜る。
  • 静かな大地
    4.6
    短い繁栄の後で没落した先祖たちのことを小説にするのは、彼らの物語を聞いて育ったぼくの夢だった--明治初年、淡路島から北海道の静内に入植した宗形三郎と志郎。牧場を開いた宗形兄弟と、アイヌの人々の努力と敗退をえがく壮大な叙事詩。著者自身の先祖の物語であり、同時に日本の近代が捨てた価値観を複眼でみつめる、構想10年の歴史小説。第3回親鸞賞受賞作。〔解説・高橋源一郎〕
  • 信長の秘宝レッドクロス
    4.0
    忽然と消え去った信長の財宝は何処に。 秀吉、家康、そしてイエズス会を巻き込む大捜索が始まった! 戦国時代の常識を覆した名著『信長の軍師』の著者が放つ、織田宗家の栄枯盛衰。 この十字架を決して世に出してはならぬ―― 天正4年(1576)、イエズス会の司祭オルガンティノは京の南蛮寺建立の礼として、黄金に12個の大きな紅玉(ルビ―)を施した十字架と地球儀を織田信長に献上した。 その頃、信長は安土城築城に際し、安土山の未来永劫の鎮護を願い、伝統の巨石を発見して山の何処かに埋める。 6年後、本能寺で信長は横死、遺産金は黄金7万枚しかなかった。 岐阜城から信長と斎藤道三の遺産が忽然と消えていたのだ。豊臣秀吉も徳川家康も必死に探すが見つからない。 やがて、織田宗家の命運は、織田と武田という戦国一の血統を継ぐ三法師こと織田秀信に託されることになる。 そんな折、なぜか信長の財宝と紅玉の十字架の関係が秘かに噂されーー。
  • 風烈廻り与力・青柳剣一郎【合冊版/第一期】
    4.0
    南町奉行所の風烈廻り与力・青柳剣一郎は、風烈廻りとして、火事を防ぎ市中の様子に目を配る傍ら、年番方与力の宇野清左衛門に才を買われ、ときに難事件の探索も任されていた。 私欲のために弱者を陥れる者、やむにやまれぬ事情から悪事に手を染める者……。青柳剣一郎は、その眼力と信念で、上辺や身分に惑わされることなく、事件の裏を見抜き、悪を暴いてゆく! 時代小説の旗手・小杉健治屈指の傑作シリーズ「風烈廻り与力・青柳剣一郎」の1巻から10巻までを収録した合冊版。 【収録作品】 『札差殺し』 『火盗殺し』 『八丁堀殺し』 『刺客殺し』 『七福神殺し』 『夜烏殺し』 『女形殺し』 『目付殺し』 『闇太夫』 『待伏せ』
  • 闇の用心棒〈一〉
    3.5
    本所相生町の長屋に年頃の娘と住む安田平兵衛の許に“十八夜”と記された紙片が投げ込まれた。それは地獄屋を意味する殺しの依頼だった。 十年前に足を洗ったはずなのに、今頃なぜ? 酒で全身に走る震えを抑え、再び剣を取る凄腕の老剣士を描く、冷酷にして情感溢れる異色の剣豪小説登場!
  • うつけ者 俄坊主泡界1 大坂炎上篇
    4.0
    1~2巻2,420~2,530円 (税込)
    写本仕事でなんとか生計をたてる清二郎は、大塩平八郎に心酔して世直しを決意。同じころに出逢った破戒僧から見込まれ、「泡界」と名を変えて僧となる。やがて〈大塩の乱〉で師が非業の死を遂げ、泡界は違法な刷り物で世を掻き乱し、復讐をはたそうと暗躍する!
  • 兵、北の関ヶ原に消ゆ 前田慶次郎と山上道牛
    4.0
    戦国時代に異彩を放つ二人の男がいた。一人は、北条、上杉と戦い、織田信長、豊臣秀吉に仕えた猛将の山上道牛。そして一人は天下の傾き者・前田慶次郎。相反する二人はどのように邂逅したのか──1556年秋、山上城城主の山上氏秀は、関東を席巻する北条軍に城を包囲されていた。近隣諸侯に援軍を求めるも、北条を怖れて二の足を踏む事態に、氏秀は徹底抗戦を余儀なくされる。武勇で鳴らす氏秀の活躍も空しく、城は陥落寸前。重臣たちの説得により降伏を選択した氏秀は、北条氏康により領地追放となる。城を失った城主……己にできることは北条と戦うのみ。出家し、山上道牛となった男は、北条に敵対する佐野家を頼り、新たな戦場を求めるが──。
  • キリン航海記・他二篇
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    中国・明の時代に大航海をおこなった宦官・鄭和のセイロン島での活躍を描いた「錫蘭山の仏歯」、鄭和艦隊がキリンを連れ帰った顚末を物語る「キリン航海記」、細川氏と大内氏が明で争った寧波の乱を題材にした「政吉の羅針盤」。未刊行の短篇3本を収録。
  • はぐれ奉行 龍虎の剣 呪いの館
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    譜代五万五千石の大名・結城家、その当主である結城虎龍は、まだ若き身で寺社奉行を務める、新進気鋭の武士。さらなる栄達を望める重職でありながら、愛する妻の死により、役目への情熱を失っていた。 だがこの虎龍、だからといって腐っているわけではない。 すべては亡き妻、百合のため、鋭い頭脳と我流剣法を駆使し、一見、超常現象や怪異の仕業としか思えぬ事件を、まことあざやかに解決していく、異色の名奉行となったのである。 京からやってきた謎の陰陽師・白川薫との出会いをきっかけに、虎龍はますます江戸の不可思議な謎にかかわっていくのだが……。 怪異や神秘を『理論』と『秘剣』で切り裂く、期待の新シリーズ!
  • 隠蜜姫 愛華
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    高杉藩五万石の勘定方である辰之介は、姫君の愛華から信頼されていた。それは剣術の稽古でも手加減しない愚直な男だからだ。 そんな辰之介が気づいたのは藩内の不正。同じ勘定方の上役に作事方、そして藩内一の実力者、国家老の権田がかかわる悪事だった。 横領の証を探る辰之介は、ある日権田の屋敷に呼ばれ、そこで色じかけにあう。懐柔しようとしているのだ。それを頑なに拒むと、許婚の美菜までもが捕らえられてしまう。 誰が味方で誰が敵なのか?辰之介は意を決し、愛華に裏帳簿を探し出す協力を乞う。すると愛華は、なぜか黒装束に身を包んで現れ……。 姫君の貞操は守られるのか。痛快無比の時代エンタテインメント!
  • 海の隼 <下> 参謀・三浦按針(ウイリアム・アダムス)
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    家康を天下人にした〝戦国最強の助っ人〟~24年ぶり、待望の復刊~ 1600年に流れ着いた一隻の船──命からがら漂着した乗組員の一人がウイリアム・アダムスだった。日本に足を踏み入れた最初のイギリス人となった彼を待ち受けていたのは、戦国の世。それは「関ヶ原の戦い」の半年前のことだった!徳川家康との運命的な出会いをきっかけに、アダムスは日本の行く末を大きく変える時代の大波に呑み込まれていく。家康の天下獲りと新しい国づくり、旧教と新教の戦い、そして世界戦略・・・。〝三浦按針〟として異国で生き抜いた男の波乱の人生を活き活きと描いた大島昌宏の傑作歴史小説、24年ぶり待望の復刊! 【目次】 第七章 平戸オランダ商館 第八章 ノバ・イスパニア 第九章 祖国との絆 第十章 大坂の陣 第十一章 落日 終章 残照 参考文献 初版あとがき 【著者】 大島昌宏 1934(昭和9)年、福井市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。広告会社に勤務し、数多くのテレビCMの企画制作を手掛ける。1992(平成4)年『九頭竜川』(現在「つり人社」から刊行)で第11回新田次郎文学賞を受賞。1994(平成6)年には『罪なくして斬らる 小栗上野介』で第3回中山義秀文学賞を受賞。主な著書に『北の海鳴り 小説・中島三郎助』『幕末写真師 下岡蓮杖』『そろばん武士道』『結城秀康』『炎の如く 由利公正』などがある。1999年12月没。生誕90年・没後25年に向けて、電子書籍による復刊が進んでいる。
  • 海の隼 <上> 参謀・三浦按針(ウイリアム・アダムス)
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    家康を天下人にした〝戦国最強の助っ人〟~24年ぶり、待望の復刊~ 1600年に流れ着いた一隻の船──命からがら漂着した乗組員の一人がウイリアム・アダムスだった。日本に足を踏み入れた最初のイギリス人となった彼を待ち受けていたのは、戦国の世。それは「関ヶ原の戦い」の半年前のことだった!徳川家康との運命的な出会いをきっかけに、アダムスは日本の行く末を大きく変える時代の大波に呑み込まれていく。家康の天下獲りと新しい国づくり、旧教と新教の戦い、そして世界戦略・・・。〝三浦按針〟として異国で生き抜いた男の波乱の人生を活き活きと描いた大島昌宏の傑作歴史小説、24年ぶり待望の復刊! ※楽天Kobo電子書籍Award 2024入賞 【目次】 序章 第一章 漂着 第二章 その前夜 第三章 関ヶ原決戦 第四章 旗本・三浦按針 第五章 海隼丸 第六章 パタニ 【著者】 大島昌宏 1934(昭和9)年、福井市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。広告会社に勤務し、数多くのテレビCMの企画制作を手掛ける。1992(平成4)年『九頭竜川』(現在「つり人社」から刊行)で第11回新田次郎文学賞を受賞。1994(平成6)年には『罪なくして斬らる 小栗上野介』で第3回中山義秀文学賞を受賞。主な著書に『北の海鳴り 小説・中島三郎助』『幕末写真師 下岡蓮杖』『そろばん武士道』『結城秀康』『炎の如く 由利公正』などがある。1999年12月没。生誕90年・没後25年に向けて、電子書籍による復刊が進んでいる。
  • 藩邸差配役日日控
    4.2
    里村五郎兵衛は、神宮寺藩江戸藩邸差配役を務めている。 陰で〈なんでも屋〉と揶揄される差配役には、藩邸内の揉め事が 大小問わず持ち込まれ、里村は対応に追われる毎日。 そんななか、桜見物に行った若君が行方知れずになった、という報せが。 すぐさま探索に向かおうとする里村だったが、 江戸家老に「むりに見つけずともよい」と謎めいた言葉を投げかけられ……。 最注目の時代小説家が描く、静謐にして痛快な物語。
  • 厳島
    3.9
    兵力わずか四千の毛利元就軍が二万八千の陶晴賢軍を打ち破った名勝負の影には、壮絶な人間ドラマがあった。「これまで誰も書きえなかった厳島合戦の全貌を描き、我が国の歴史文学の空白を埋める記念碑的作品」――縄田一男氏絶賛! 謀略で勝利した元就と義を貫いて敗れた晴賢。対照的な二人の武将を通して人間の矜持を問う!
  • はぐれ牡丹
    3.4
    一乃は夫・鉄幹と四歳になる幹太郎と三人、深川冬木町の裏店に暮らしている。日本橋両替商の跡取り娘であった彼女は、かけ落ちして鉄幹と一緒になったが、貧しくとも幸福な日々を送っていた。そんなある日、一乃がにせ一分金を見つける。一方同じ裏店のおあきが人さらいにあってしまう。一乃たちは、おあきを助けるために立ち上がるが……。助け合い、明るくたくましく生きる市井の人々を情感こめて描く長篇時代小説の傑作。   (解説・清原康正)
  • 大江戸少女カゲキ団
    完結
    3.5
    花のお江戸の両国に、芹が女中として働く「掛け茶屋まめや」がある。芹は幼いころ、役者だった父のもとで芝居の稽古に励んでいた。しかしあることがきっかけで、芝居や踊りからすっかり遠ざかってしまう。ある日、芹は久しぶりに心の中で踊りの師と仰いでいる東花円の稽古所を覗いた。ちゃんと金さえ積めばあたしだって立派な師匠に弟子入りすることが出来るのに……。心にうずく妬み心を隠しつつ、踊りへの未練を捨てきれずにいた。そんな時、花円が突如まめやに現れて、意外な申し出をしてきた──。待望の新シリーズの開幕です!!
  • 跡とり娘 小間もの丸藤看板姉妹
    完結
    3.0
    江戸の真ん中、日本橋伊勢町の小間物商「丸藤」は、紅やおしろい、櫛やかんざしなど、きらびやかな品揃えが自慢の大店だ。その「丸藤」の娘ふたりのうち、幼いころから病弱で品川で暮らしていた姉の里久が、年頃を迎え、家族のもとに戻ってきた。ところがその里久、漁師町の暮らしにすっかり染まり、まっすぐな物言いと大店の娘らしからぬ立ち居振る舞いで、実の母も妹・桃も戸惑うばかり。だが、里久の底抜けの前向きさが、閑古鳥が鳴き始めていた店を少しずつ変えていって──。おてんばな姉と小町娘の妹、看板姉妹の物語。
  • 家康の猛き者たち 三方ヶ原合戦録
    4.0
    今こそ家康の求心力を高め、鉄の家臣団を作り上げる。それこそが徳川家を強くすることに?がる。その要となる人物は「本多平八郎忠勝」しかいないと徳川家康は考えていた。甲斐の武田信玄が勢力を伸ばす中、遠江国二俣城をめぐり、争いは続いていた。先行した忠勝と武田軍が一言坂で激突した後、両軍は三方ヶ原で再び相見えることとなる。徳川勢八千に織田勢三千が加わった、総勢一万一千の部隊が、武田勢三万に挑む。常に激闘の中に身を置きつつも、生涯傷一つ負わなかったという徳川軍団随一の武者、本多平八郎忠勝を描くエンタテインメント歴史時代小説。
  • うちの旦那が甘ちゃんで 1
    値引きあり
    3.6
    はっきり言って月也は「ぼんくら」である。月也とは、北町奉行で風烈廻方同心を拝命している、沙耶の旦那のことだ。のほほんとした性格から、盗人を取り逃がすことが多く、付き人である小者たちは愛想を尽かして次々に辞めていった。小者は捕り物の補助や身の回りの世話をする重要な存在で、小者がいなければ同心は能力の半分も発揮できない。次の小物をどうやって手当てすればいいのか。沙耶が思いついたのは、なんと自分だった!
  • 罪滅ぼし 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    5.0
    人助けか、死に場所を求めていたのか―― 付け火で燃え盛る家に飛び込んだ男が、命と引き換えに守りたかったものとは? 剣一郎、己の無力さに懊悩する! 女の絶叫が昼間の露月町に響き渡った。燃え盛る家に赤子が取り残されていたのだ。青柳剣一郎が駆けつけると、火中へ飛び込む男が。鋳掛屋の長次だ。 その勇気に感心した剣一郎は、出火の原因とともに長次の素性を調べると、過去にも子どもの命を救っていたことがわかる。 なぜ危険を顧みず行動できたのか? さらに付け火と判明し、剣一郎はある推測に苦悶する!
  • 夢のまた夢 若武者の誕生
    3.0
    戦乱で親を失った少年・神照庚丸は、養い親の僧侶・浄林の縁で大坂城に上がり、豊臣秀頼の奥小姓となった。 折から迫る徳川家康の圧力。秀頼に取り立てられ若武者となった彼は、関ヶ原の戦いを生き延びた島左近を軍師に迎え、戦場へ向かうことに……。 「大坂の陣」での庚丸の命運は? そして、彼は一体、何者なのか? 『星界の紋章』シリーズなど、壮大なスペース・オペラで人気の、SF界の鬼才が描く歴史時代エンタテインメント!
  • 無双流逃亡剣 御刀番 黒木兵庫
    3.0
    国元で暮らす側室とその長子・虎松を溺愛する水戸徳川家八代当主・斉脩が、虎松五歳の袴着の祝いに裃と家紋入りの脇差を贈った――。その事実を知り、修羅を燃やす正室・峰姫は虎松を亡き者にせんと隠密組織“裏柳生”に接触する。水戸城下に放たれた刺客の凶刃が虎松に迫る中、水戸家御納戸方・黒木兵庫が裏柳生の前に立ちはだかった。代々黒木家に伝わる秘剣「無双流」を受け継ぐ兵庫は、度重なる襲撃を撥ねのけ、虎松を無事江戸に送り届けることが出来るのか!? 手に汗握る興奮の長編時代エンターテインメント!
  • 徳川家康の大坂城包囲網 関ケ原合戦から大坂の陣までの十五年
    4.0
    関ヶ原合戦ののちに豊臣家や豊臣系大名を封じ込めるために、家康が築いた城郭群には、名古屋城や姫路城など日本を代表する名城も多い。それらの城を訪ね歩き、関ヶ原から大坂の陣までの家康の長考と、包囲網の実態を探る画期的な歴史紀行。
  • まむし三代記
    4.2
    法蓮房は国盗りの大望を秘めて美濃・土岐家内でのし上がる。2代目はついに美濃国を奪取し、斎藤道三を名乗る。国盗りの大いなる武器「国滅ぼし」とは? その真実に行き着いた3代目の義龍の決断とは? 従来の戦国史を根底から覆す瞠目の長編時代小説。
  • 誰に似たのか 筆墨問屋白井屋の人々
    4.0
    隠居した老母の恋に振り回される兄妹、跡取り息子の教育に悩む大店の主人、実家の隠し子騒動に苛立つ嫁……。女の幸せは、男次第、金次第なのか? 江戸の商家を舞台に、一筋縄ではいかぬ家族の絆と情愛を描いた痛快時代小説。
  • 李の花は散っても
    4.0
    海峡を挟み、国家と戦争に引き裂かれながらも戦前・戦中・戦後を生きた二人の女性。政略結婚により皇室から朝鮮王室へと嫁いだ李方子、半島の革命家に寄り添った女性・マサ。それぞれの激動の生涯と時代を描いた、著者渾身の大河小説。
  • 土方歳三事件簿18 菊一文字 剣客の執念が宿る名刀菊一文字を譲られた沖田総司の苦悩
    -
    【書籍説明】 天童武一は、代々高崎藩大河内松平家の剣術指南役を務める家の嫡男に生まれた。 ある日、天童道場に二十歳ばかりの薬売りが現れ、「一手指南」を申し込んだ。 武一は容赦なく薬売りを叩きのめした。五年後、薬売りは再び訪れ、土方歳三と名乗って真剣勝負を申し込んだ。 天童武一は歳三に負け、重傷を負った。そのため武一は廃嫡され、浪人となった。 武一は傷を治し、土方歳三を倒すことを唯一の目的に剣の修行に励んだ。 五年後、武市はようやく土方歳三を探し出したが、歳三は新選組副長になっていた。 武一は食べるために尊攘浪士の仲間になり、「人斬り武一」と呼ばれるようになった。 【目次】 石田散薬 真剣勝負 新選組 騒乱池田屋 人斬り武一 情報漏洩 祇園井筒 剣鬼邂逅 剣客の矜持 死闘真葛原 卑劣戦法 剣鬼不帰 飯炊き権助 黒谷会津本陣 疑心暗鬼 愛刀菊一文字
  • まくら絵指南
    -
    国許から江戸へ出てきた十八歳の栗太は奉公が決まっていた呉服問屋が大火で焼け、市谷八幡で行き倒れていたところを絵草紙屋・藤乃屋の主人に助けられた。 主人の紹介で元武家の美人絵師・村井弓香の家で住み込みで働くことになった栗太だが、妖しい絵の手伝いをするうち淫気を高まらせ、弓香の手ほどきによって初めて女体を知る。 新鮮な秘悦の虜になり、毎夜のごとく情を交わす二人。 やがて栗太は弓香の家に出入りする可憐な生娘・光やその母・登志、熟れ肌の人妻・雪江などとも情を重ね、新たな刺激と快感に目覚めてゆくのだが……。 傑作長編時代小説。
  • 乱愛指南 姫割り役・美女絵巻
    -
    姫割り役──それは、男を識らぬ生娘に対し、優しく性の手解きをしてやる者のことである。 川越領の外れに隠棲する浪人・御崎源三郎も、村人たちの願いで姫割り役を務めていた。ところが、源三郎が閨業を指南したお光が、江戸で行方知れずとなった。 探しに出た源三郎は、彼女が〈地獄屋敷〉に連れ去られたことを知る。屋敷の賭場へ乗り込んだ源三郎は、そこで大身旗本家の恐るべき陰謀と闘うことになった! さらに、乱暴されかかった男装の武家娘を救ったことから、源三郎自身も隠していた重大な過去と対峙することになるのだが……!! 運命の出逢いへ至る〈前日譚〉を書下ろし──番外篇「牝泣き」を新たに収録した大人気“乱愛シリーズ”の極上長編!!
  • 春風同心十手日記〈一〉
    値引きあり
    3.0
    弱い心に縄を打つ、あの男に捕まりたい。 定町廻り同心の夏木慎吾が殺しのあったという深川の長屋に出張ってみると、包丁で心臓を刺されたままの木場人足の竹三が土間で冷たくなっていた。 近くに女物の匂い袋が落ちていたところを見ると、一月前に家を出ていった女房のおくにの仕業らしい。 竹三は酒癖が悪く、毎晩飲んでは、暴力をふるっていたらしいのだ。さっそく、岡っ引きの五郎蔵や女医の華山らに助けを借りて、探索をはじめた慎吾だったが、すぐに手詰まってしまい……。 頭を抱えて帰宅した慎吾の前に、なんと北町奉行の榊原忠之が現れた!? しかも、娘の静香を連れて来ているのは、一体なにがあったのか? あいつが歩けば春風がそよぐ――気さくで、うっかり者だが、飛びっきりの優しさで、町人みなから慕われる定町廻り同心・夏木慎吾の八面六臂の活躍を描く、捕物活劇シリーズ第一弾!
  • 辻番奮闘記 危急
    3.5
    将軍家光は、長引く島原の乱鎮圧のため、老中松平伊豆守に討伐の命を下す。不穏な気配は江戸にも漂い、辻斬りが横行。藩内に和蘭陀商館を持つ平戸藩江戸家老は、幕府の疑念を逸らすため、斎弦ノ丞らを辻番に任命し、江戸の治安を護る忠誠心を見せようとする。だが、弦ノ丞は任務初日に剣戟に遭遇し、政争に巻き込まれていく…。藩の窮地を救うため奮闘する辻番達の活躍!
  • 桶狭間で死ぬ義元
    -
    強い今川家を目指し、検地や寄親・寄子制を導入するなど制度改革を行い、風通しが悪くなった古臭い家風を変えようと、当主として懸命に歩む義元。今川の東に北条、北に武田、西に織田という群雄割拠の乱世において、義元はいつしか「海道一の弓取り」と称されるようになる。甲相駿三国同盟を成立させ、今川家最大の繁栄をもたらした名武将は、篠突く雨の桶狭間で最後に何を想うのか。

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  • 乱都
    4.0
    応仁の乱にはじまる《仁義なき戦い》!! 応仁の乱から室町幕府の終焉まで、裏切りと戦乱の坩堝と化した京に魅入られ、争いに明け暮れた男たちの生き様を描く連作集。 ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 江戸の雷神 死化粧
    3.5
    深川で娘が惨殺された。もう四人目だ。続いて刺殺された男の死体が吾妻橋近くで見つかる。その頃、「江戸の雷神」と呼ばれ町人に人気があった前火付盗賊改役の伊香雷蔵は、わけありの剣の達人・安斎六右衛門、元盗賊の玄慈、幼馴染みで拳法使いの女医・長飛とともに、「よりよい江戸」をつくらんとしていたが……。 個性的な仲間たちが正義のために奮闘する、痛快時代小説シリーズ!
  • 新選組婉曲録
    -
    新選組で有名ではない人物をピックアップした、オムニバス短編集。 緊迫感の中にも喜怒哀楽があり、時代の流れに飲み込まれただけではない新選組隊士の生きた足跡を感じて欲しい。
  • 長江落日賦
    3.6
    中国南北朝時代の「宇宙大将軍」侯景の乱を描いた表題作をはじめ、明代の黒竜江周辺、唐代のフェルガナ、三国時代の蜀漢など、様々な時代と地域を舞台にした中国歴史短篇集。収録作「黒竜の城」「天山の舞姫」「長安妖月記」「白日、斜めなり」「長江落日賦」
  • 戦火のオートクチュール
    4.3
    江戸川乱歩賞作家の渾身作! 圧倒的リアルで描く、極上の歴史ミステリー! 祖母の形見は血塗られたシャネルスーツ ココ・シャネル、エヴァ・ブラウン、アドルフ・ヒトラー、そしてひとりの日本人女性―― 占領下のパリに秘された謀略とは? 祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツだった。 遺品の謎を解くため、フリーライターの結城真理は疎遠だった母とフランスに赴く。祖母は第二次世界大戦中、外務省一等書記官の娘としてナチ占領下のパリにいた。その足跡を辿ると、驚愕の事実が。歴史上のある人物を巡る謀略が浮かび上がったのだ。 約80年の時を経て、祖母が胸に秘めていた秘密が明らかに! 【『マドモアゼル』(島村匠名義)改題作品】
  • 風よ雲よ 上下合本版
    -
    明朝末期のマカオ、美丈夫の野心家・鄭芝竜と、豊臣の遺臣・安福虎之助との運命の出会い。風雲児の生涯を描く壮大なロマンーー東に虎視眈々と機を窺う満洲族、西に流賊・李自成軍が迫る明朝末期、中国南部の港町・マカオで、二人の男が運命の出会いをした。美丈夫の野心家、生れながらの統領の器、鄭芝竜と、大坂落城時、脱出して蘇州の大商人の用心棒となった長身の浪人、安福虎之助である。壮絶な乱世に、南海制覇の野望に燃える男と、夢と生き甲斐を大陸に求めた男の人生の軌跡を描く、歴史長編。 『風よ雲よ(上)』『風よ雲よ(下)』上下巻合本版
  • 中国五千年 上下巻合本版
    -
    歴史の要点は、政権(王朝)の興亡にある。どのような人物が王朝をたて、どう政治をしたか。有徳と暴虐の交替、文化の差が政権を変える有様を、明快平易に語る史書。三皇五帝の神話時代から、祭政一致の神意国家、地方分権の封建制社会、秦の始皇帝による天下統一。再びの動乱、隋による再統一まで。 『中国五千年(上)』『中国五千年(下)』上下巻合本版
  • 中国の歴史シリーズ 近・現代篇 全2冊合本版
    -
    列強の蚕食に苦しむ清国では、甲午の役(日清戦争)の敗戦で不満が爆発。保皇派の康有為は公車上書を著し、立憲君主制を提唱する。義和団事変で8ヵ国連合軍が紫禁城に乱入し、権勢を誇った西太后も光緒帝(こうしょてい)と西安に逃れた。王朝打倒を目指す孫文ら若き革命家たちは集結を始める。 『中国の歴史シリーズ 近・現代篇(一)』『中国の歴史シリーズ 近・現代篇(二)』 全2冊合本版
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上下合本版
    -
    中国・明からの使節を迎え沸き立つ17世紀初頭の沖縄・琉球王国。だが、この国の平和は幕府を後ろ盾にした薩摩によって侵されつつあった。侵攻に膝を屈するか? 独立をかけて抵抗するか? そして宗主国・明は助けてくれるのか? 生き残りを賭けて琉球の闘いが始まる。 『レジェンド歴史時代小説 琉球の風(上)』『レジェンド歴史時代小説 琉球の風(下)』上下巻合本版
  • 山河在り 全三冊合本版
    -
    戦争前夜の日本と中国、荒波を生きる青年! 25歳の華僑青年・温世航は、関東大震災で被災。失踪した仲間を追う。巨匠が描く日中近代史ーー華僑貿易商の一族として、上海に生まれ日本で育った温世航(おん・せいこう)。25歳の時、関東大震災に遭う。未曾有の天災に、緊張状態にあった日中関係も良好になるかと思われた。だが朝鮮人虐殺の報は、両国関係に再び暗い影を落とす。仲間の青年の失踪事件を追って、世航は旅立つ。日中十五年戦争前夜を描く大河小説!  『山河在り(上)』『山河在り(中)』『山河在り(下)』全3冊合本版

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