国内小説作品一覧
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-将来を嘱望されながら、映画女優とのスキャンダルによってテニス界を追放された美原耕斗。彼は、失意の中、オートバイにまたがり芳条市へと向かう。この地方都市では洲蔵家という名家があり、次男・孝明とは東京のバーで知り合った仲だった。テニスしか取り柄のない耕斗に仕事を紹介してくれるという約束だったのだが、その孝明は数日前に失踪していた。やがて耕斗は、洲蔵家と対立する東亜産業という暴力団まがいの不動産会社の存在を知る…。ハードボイルド・サスペンス小説。 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
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3.5「伝え残したい古えの心、今ふたたび」 曽我兄弟遺跡保存会会長 久保寺公雄氏推薦。 妖刀・膝丸の主としても注目の曽我十郎祐成・五郎時宗兄弟。 どんな困難にもめげず、父の仇討ちを果たして散った若き二人の物語が 講談調の語りと徹底した時代考証で鮮やかに蘇る! 鎌倉期の生活や文化に関する解説も満載の一冊。 幼くして理不尽に父を失った曽我兄弟。 仇討ちが禁じられた鎌倉殿の時代、どんなに世間から虐げられても、その志を砕くことはなかった。 はたして彼らの運命は如何に――。 一心同体の兄弟愛、揺るぎない信念の美しさ。 歌舞伎や講談の題材として800年にわたり愛された若武者たちの実像。
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5.0
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-誰にも知られることなく起こり、そして終わる 主人公は、およそ生活感のない一人の女性。彼女はピストルと、ピストルがもたらす狙撃に興味がある。しかしピストルの入手は日本では許されない行為だからカリフォルニアに渡ってピストルと、自分が持って生まれた狙撃の名手である、という事実を入手する。その後に行なわれる行動は、日常に亀裂を入れたい、という彼女の欲求のままに行なわれ、モラルや感情は一顧だにされない。すべては冷静に、最も怖ろしいままに進行する。そして被害者がすべて男性である、という事実をはたしてどう受け止めるべきなのか? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.5
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-美容師の水原色葉(みずはら・いろは)は、親とうまくいっていない。 けれど幼馴染で恋人の成木青(なりき・あお)の実家で、彼の理解のある両親が見守る中、穏やかに暮らしていた。 ―――二か月前に記憶を失ったことを除けば。 穏やかだが、恋人であるはずの青に全くときめかないことを不思議に思い始めていたある日、色葉は金子祥太郎(かねこ・しょうたろう)という有名なカリスマ美容師に出会い、恋に落ちてしまう。 それに気づいた青が色葉を束縛するそぶりを見せるようになるが……。 そして「あること」をきっかけに、ついに色葉の失われた記憶が徐々に呼び覚まされていく。 それはかつての、地獄のような日々だった―――。
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3.4
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4.22022年、柴田錬三郎賞と、中央公論文芸賞をW受賞! 伊集院静氏は「この作品の価値は冒頭の数行にある。五両と小作農という仕事は江戸期の経済に通じる作家の視点がある。…事件、物語があり、さらに色気がある。これほどの作品を柴田錬三郎賞に迎えられたのは、選考委員として喜びである」とまで評価。 大沢在昌氏は「一読、参りましたといいたくなった」、村山由佳氏「文章は、その人の歌う旋律でありリズムであり呼吸である」、林真理子氏「もはや完成形といおうか名人芸といおうか、『うまい』ととうなるしかない」と高評価。 浅田次郎、桐野夏生、篠田節子、逢坂剛ほか、各選考委員も大絶賛した時代小説の傑作! 村に染まれず、江戸に欠け落ちた男たち。当時の江戸は一季奉公の彼らに支えられていた。主人公は四十過ぎのそんな男のひとり。根岸にある小藩の屋敷で奉公中、訳ありのお手つき女中の道連れを命ぜられ…男の運命が変わる。純愛とビジネス成功譚! 一作ごとに進化し続ける青山文平の語り口に酔いしれる! 女への思いをつのらせながら、はぐれ者だった男が、一途に自分を刺した女の行方を求める。女を捜す方便として、四六見世という最底辺の女郎屋を営みながら、女が現れるのを待つ。その仕儀を薦めてくれたのは、路地番の頭・銀次だった。ビジネス成功譚の側面と、女への思いを貫く純愛を縦線として、物語はうねり、意外な展開をみせ、感動の結末へ。魅力的な時代長篇。 蜂谷涼 (北海道新聞2021年1月30日付) 「『底惚れ』なんとすごみのある言葉だろう。恋い焦がれて、惚れぬいて、首っ丈になっても、まだ及ばない。魂をひりひりさせる言の葉だ。」 細谷正充 (東京新聞2021 12月11日) 「ラスト一行にたどり着いたとき、いい話を読んだという満足感を得られるのだ。タイトルそのまま“底惚れ”してしまう作品である」 大矢博子 (小説すばる 2022年2月号) 「痺れた。 何に痺れたって、主人公だ。自分を刺した女を探す男だ。その思いに、生き方に、そして何よりその語りに、痺れた」 縄田一男 (日本経済新聞 1月27日) 「ラストで「俺」を襲う虚脱感がジワジワと比類無き感動へ変貌していくさまに接し、主人公の幸せを願わずにはいられないだろう」 「この場末のどこがいい?」 「ここはどこでもねえからね。なにしろ岡場所だ。あるはずのねえ場処さ…」
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-────コトバとも分かり合えない著者真骨頂の四篇 たった一音が発音できずに自国から疎外された〝クィ〟が望む真の「故郷」 サッカーからヒトの起源にまで自国をとび出し還っていく「イベリア半島に生息する生物」 ひらがな、カタカナ、漢字……アトラクションさながら文字を乗り越えていく「あカ佐タな」 〝お金を払ってまで覚えないといけないようなモノだっただろうか?〟著者デビュー作「廃車」「LIFE」に登場した猫木豊が子の国語習得の前で立ちつくす「王国の行方――二代目の手腕」 【目次】 故郷 イベリア半島に生息する生物 あカ佐タな 王国の行方──二代目の手腕 【著者】 松波太郎 1982年三重県生まれ。文學界新人賞、野間文芸新人賞受賞。著書に『よもぎ学園高等学校蹴球部』、『LIFE』、『ホモサピエンスの瞬間』、『月刊「小説」』、『自由小説集』、『本を気持ちよく読めるからだになるための本』、近著に『カルチャーセンター』。
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4.0いつの時代も企業に求められるもの、それが「組織力」だ。本書は、破綻した日本長期信用銀行が新生銀行として再生するまでを丹念に取材し、それをモデルにして組織が再生していく道のりを描いた感動のビジネス小説である。物語の根底を流れるのは、主人公の一人である社長の伊勢が訴えた「マインドセットを変えなければ」という危機感。それはまさしく、当時同じ銀行業界で仕事をしていた著者自身が感じていた「日本、そして銀行を良くするためには今までの考え方を変えなければならない」という思いと重なるものだ。さらにその危機感は、いまなお日本の社会に打ち鳴らされるべき警鐘であると著者は言う。社長など経営陣のみならず、各部署の責任者といった中堅社員、さらには現場で働く人びとなど、さまざまな角度から描くことで、改革プロセスが浮き彫りになってくる――奮闘する彼らの熱きドラマを味わいながら、組織力を高めるヒントを学びとれる一冊。
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-3人で食事を愉しむとは、いかなる行為か 待ち合わせをして、3人が食事のためにレストランに集まった。 女性が2人、男性が1人。 1人の女性は男性のかつての恋人であり、もう1人は現在の恋人。 しかも1人の女性からもう1人の女性へ 男性を「譲渡」(!)している、というその成り行き。 ワインが、パスタが、3人の旺盛な食欲と身体をかけめぐる。 食事中にもかかわらず(だからこそ?) 裸にだってなってしまう(ただし、想像の中でだ)。 やがてそこにサボテンが・・・ 最後まで触覚的な短篇小説である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-やっぱり最後にあの言葉 主人公は作家。作家が女性と食事を共にし、 小説のアイデアを語って聞かせるという冒頭の展開は 片岡作品になじみのシーンの一つと言っていいだろう。 そこに、これまた片岡作品ではしばしばあらわれる実在した小説家、 リチャード・ブローティガン、という固有名が挿入される。 ブローティガンは主人公である作家にとっても 創作意欲を刺激してやまない小説家であり、彼がブローティガンがやろうとしていた あるアイデアを自分もまた試してみたい、と口にするのだから 小説の最後にやってくるのはやはり、あの言葉なのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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4.4それは、あまりに儚く、あまりに永い、「一瞬」――。 わずかな一瞬で悪夢に陥る、バトンミス。期待された400メートルリレーで勝利を逃した高校女子陸上部が、どん底から這い上がる!圧倒的感動を呼ぶ、青春陸上小説。 高幡高校陸上部の女子リレーチームは、バトンのミスによりインターハイ出場を逃していた。 傷が癒えないメンバーを抱え、それでも来年に向けて、新しいメンバーで再始動。 しかし、選手の怪我、校則違反・部則違反、チームメイトの家庭問題、恋愛問題、他校ライバル選手への嫉妬、そして将来の進路の悩みなど、次々に試練が。 さらに正規メンバー枠の争奪戦もし列になり……。 果たして彼女たちはインターハイに出場できるのか――。 +++++ 100分の1秒が勝敗を分ける短距離競技は、天国も地獄も紙一重だ。 個人競技でありチーム競技でもあるリレーの魅力を、とことんまで描いた! 悔しさも、涙も、喜びも、ときめきも全部乗せ!のド直球な青春陸上物語。
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5.0春陽は生まれつき足が悪く、いつも杖を使っていた。変化のない日々の中、高校二年終わりの三月の雨の降る夜に、小学校時代の人気者、比井路と再会する。小学校の頃からサッカーが得意だった比井路は、なぜかサッカーをやめていた。家にも帰らず仲間達と過ごしている様子の比井路だが、春陽には優しかった。高校までバイクで送迎してくれて、憧れているだけだった場所へも連れて行ってくれる。春陽は自分の居場所を見つけていくと同時に、比井路にも強く惹かれていく。だけど、比井路は大きな秘密を抱えていて・・・・・・。偶然の再会から始まる、純粋で切ない恋物語。
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4.5『今日は何人撃ち殺した、キャスケット』 統合歴六四二年、クゼの丘。一万五千人以上の自国兵を犠牲にして、ペリドット国は森鉄戦争に勝利した。 そして終戦から二年、狙撃兵・キャスケットは陸軍遺品返還部の一人として、戦死した兵士の遺品や遺言をその家族等に届ける任務を担っていた。 兄の代わりに家を支える少女、 恋人を待ち続ける娼婦、 戦争から生き還った兵士。 遺された人々と出会う度に、キャスケットは静かに思い返す―― 死んでいった友を、 仲間を、 家族を。 そして、亡くなった兵士たちの“最期の慟哭”を届ける任務の果て、キャスケットは自身の過去に隠された真実を知る。 選考会に波紋を広げ、第26回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞した、読む人全ての心揺さぶる圧倒的衝撃作。
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3.3恋も、涙も、事件の答えも――。ぜんぶ”音楽”が教えてくれた。 東大卒、現役アイドルプロデューサー兼作詞作曲家。 異色の経歴を持つ著者がおくる、衝撃のデビュー作。 二人の別の人間が、偶然全く同じ音楽を作ることがあるのだろうか? 音楽プロデューサーの渋谷かえでが、ある仕事の相談のために大学の恩師を尋ねると、逆に奇妙な相談をされてしまった。今、日本で屈指の実力を誇る音楽家「蜂谷輪廻」。彼の新曲『恋の作法』が、教授が子供の頃に作った曲と瓜二つだというのだ。教授の知人として紹介された天才作詞家・猫宮と共に、盗作疑惑の真偽を調べることに。教授の勘違いだろうと思っていたかえでだったが、次第に蜂谷の盗作である根拠が明らかになっていく――。アイドルの失踪騒動 、デビューの意思を持たない天才ストリートシンガー……。音楽を愛する全ての人におくる、音楽業界連作ミステリ―。
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-そして彼女も彼も、没入する 自身が写真家でもある片岡義男の小説には、しばしば登場人物が写真を撮る行為や写真について人々が語り合う場面が描かれる。この小説においては、友人の姉を男が撮る、という形になっている。ジャズ・ドラマーであり歌手でもあるその女性は彼の部屋を訪ねてきては水着に着替えてみせたり、欲求に従って大胆な行動をとる。撮る男と撮られる女は惹かれあっていく。撮ること、写真について語ることに加えて片岡作品の大きな力になっているもの、それは女性が撮られる際の、圧倒的な没入のあり方である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.841歳の誕生日。僕らは青春と再会する。 今年でいちばん癒やされ小説、誕生! 「性善説の小説家が探り当てた、ここが一つの到達点だーー吉田大助」 家庭も仕事もまだ諦めたわけじゃない。 それにしても40代。不惑は過ぎても迷いっぱなし。 ーー四十にして惑わずなんて、嘘じゃん。 高校卒業から20数年。 41歳の誕生日を迎えた朝、高校のバレーボール部の仲間「ガンプ君」からメッセージが届く。 「41」という数字の美しさを讃えたあとに「500万ドルのストックオプションをプレゼントする」と書かれた 謎のメッセージは他の部員たちの誕生日にも届いていたものだった。 真偽もガンプ君の消息も不明のまま「不惑」を迎えた元男子高校生たちは、再会を果たす。 仕事もひと段落。家庭も安泰。興奮するような新鮮な出来事なんて、もう簡単には起こらない。 ちょっと人生がつまらなくなってきた男たち。 「そろそろ隠居かな」と言いつつ……実はまだ「男として」人生を諦めきれていなかった。 不倫、やめる? 離婚、する? 恋、する? 出世、できる? 左遷、された? 様々な「不惑」の人生の岐路に立つとき、届いた旧友からのメッセージ。 彼らは何を選択するのか。 優しさには、力がある。
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-「これからは自分らしく生きることにしたんだ。黒々とした髪七三に分けて、あんこ喰っててもしょうがないだろ」。捨て台詞を残して家を出た弱小茶道家元嫡男の友衛遊馬、18歳。彼とともに消えた茶杓は、いったい何処に? そして、遊馬は出奔先で何を見つけるのか?京都を舞台にユニークな茶人たちとともに繰り広げられる『雨にもまけず粗茶一服』、小次郎や武蔵を気取って比叡山に修業に向かった続編『風にもまけず粗茶一服』。ともに傑作青春エンターテインメントとして話題となった2冊が合本に! ※本電子書籍は「雨にもまけず粗茶一服」と「風にもまけず粗茶一服」を合わせた合本版です。
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4.0設計事務所「コード・アーキテクツ」で働く建築士のスジンは、休日出勤で出社したある日、オフィスビルにある室内庭園の造園作業に来ていたハンソルと偶然出会う。ハンソルはスジンに一目惚れするが、スジンの心には長年思いを寄せてきた建築士の先輩・ヒョクボムがいた。8歳年下のハンソルは、まっすぐで透き通るような愛情をもってスジンに近づいてくるが、スジンは距離を置こうと努力する。けれど、過去の傷によって心に壁を築いているヒョクボムとの関係に孤独を感じていたスジンは、ハンソルのひたむきな愛に次第に心を揺さぶられていく…。『ホテル物語 グラフホテルと5つの出来事』『リスボン日和 十歳の娘と十歳だった私が歩くやさしいまち』の韓国ベストセラー作家イム・キョンソンが贈る大人の恋愛劇。
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-1巻792円 (税込)り返って、また歩み出す。卒業式にまつわる12編の心にしみるアンソロジーです。 【一部あらすじ】 春告草の式日/沖田円 老梅のような姉・季夜との別れを控えた妹・紗和。縁側で交わされた最後の会話が互いの心を癒していく。 さよならの勇気/桔梗楓 夕焼けに染まる街の道路を、一台のスクールバス。高齢の運転手、豊城の卒業と希望。 あなたが遺した北極星/溝口智子 亡くなったゼミの教授の遺言が卒業生たちの心を変えていく その扉を開く/杉背よい 屋上へと続く階段が3人の基地だった。青春と卒業、そして開かずの扉を開く。 春の歌/霜月りつ 焼夷弾で焼けた小学校と70年後の卒業式。全員があの日に戻る。 【ほか7作品収録】 『私の胸のアレオーレ』一色美雨季/『わたしの青春を返せ』国沢裕/『小さな卒業式』水城正太郎/『とろとろ、そぞろ』日野裕太郎/『卒業式』朝来みゆか/『翼があるなら』猫屋ちゃき/『アルバムには納まり切れないし』石田空
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3.8この涙は、どんな涙ともきっと違う。 吹奏楽部の1年後輩の男子に密かに思いを寄せる先輩女子が、告白できずに卒業していく「流れる川」。離婚する妻が夫との最後の会話のなかで、下の名前ではなく「あなた」と呼ばれたことを印象に残す「春の雨」。二十八歳の娘が、仲の良い母の再婚を自分のなかでようやく祝福できる気持ちに至る「母の告白」。 女性アイドルグループのメンバーが脱退することを知った、ある女子ファンの心情を追った「にじむオレンジ」。仲良しの少し不良の女子高生から、上京してしまうために様々なプレゼントをもらうことになる女子小学生を描いた「屋上で会う」。 ――単なる卒業式、恋愛絡みに留まらない、様々な年齢、様々なシチュエーションのそれぞれの卒業模様を精緻に描きとった、どこからでも読むことのできる1話完結の短編集。 文庫巻末対談(対談者・朝井リョウさん)を掲載。
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4.0入院中のおばあちゃんに歌をつくった翔太と麻里絵。その話を聞いた友だちの滝田が、校内合唱コンクールの自由曲もクラスの創作曲で挑戦したいと言い出した。何をやってもビリで、やる気もまとまりもない6年3組。だれもが無理だと思っていた。ところが、いつもはやる気のないボスが滝田の提案にのって、創作曲をつくることが決まった。歌の作詞は翔太、作曲は麻里絵。しかも歌詞は、クラス全員が一言ずつだしあってつくることになり……翔太は思わぬ展開に頭を悩ませる。歌ができると、今まではサボってばかりの受験組も歌の練習に参加するようになり、次第に盛り上がっていく。そして、今までまとまりがなかったクラスが初めて一つになった。ところが、麻里絵はみんなに隠していたあることを話し……。家族、クラス、そして友達。それぞれのつながりのなかで成長していく翔太。卒業を迎えるクラスの姿、子供たちのさまざまな思いを描いたさわやかな作品。
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3.82024年第22回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作! 「他人からの評価を可視化するアイデアをコンゲームのネタに使っているところがうまい。エンターテインメントとしてたいへんよくできている」大森 望(翻訳家・書評家) 「ユニークな設定、文章力、テンポもよくて一気読み。さまざまな人物が有機的に連なっていく過程も面白かった」瀧井朝世(ライター) 「軽妙ライトノベルタッチで展開するキャンパス・サスペンスで、キャラも立っているし呈示される設定もユニーク」香山二三郎(コラムニスト) ビジネスセンスを備えた人材の育成を目指す木津庭商科大学では、学食等での支払いのみならず、家賃の支払いや単位の売買にも使用できる「ポイント」を獲得するため、学生たちがしのぎを削っていた。そうした大学において、サークルとは、共通の趣味のために存在するのではなく、事業を行うために存在していた。 家庭の都合により、突如残り半年で卒業しなければならなくなった2年生の降町歩は、不正にポイントを稼ぐ者たちを摘発する「監査ゼミ」に所属する。家庭教師サークルを装いガールズバーを運営していると噂が出ているサークルに調査に行くが、逆に取り込まれ……。 単位は買ってでも取得しろ。大学卒業をかけた、一世一代の大仕掛け!
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-「人生はどのようにできあがるのか?」 普遍的なテーマである。このテーマに意欲的に挑んだ小説だ。 21才のソープ嬢がブログを立ち上げ「ソープ嬢になると決め たのは私だけど、その私を創ったのはだれ?」という問い かけで小説は始まる。 ソープでは身体を絡ませても、心は絡ませない。本音で心を 絡み合わせたいという「なめ子」に「人生は運命だ」という 「ベートーベン」の「運命論」と「人生は意志が創り上げる」 という「シナトラ」の「意志論」の対立軸の中、個性的な 人生を送ってきた「不本意ながら修行僧」「マハ-ラジャー」 「良子悪い子不惑の子」「駒太」「Nowhere man」 「壁に耳ありネットに口あり」「巨根絶倫テクニシャン」 「眠った振りの街の美女」など11人の他の投稿者が本音で 自分の人生を投稿していくという斬新な手法で書き上げた物語である。 14人が人生を交互に語っていくという展開に、ついつい物語に引き込まれていく。 後編では、それぞれの投稿者がどのように人生を生き、 なぜそのような人生をおくったのか、またなめ子が なぜソープ嬢になったのかがあきらかになるだろう。 後編の出版が楽しみである。
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5.0四年前の約束通り、卒業旅行の打ち合わせに集まった四人。 父親たちが会社の同僚で同じ社宅に住み、K女子大に揃って入学した親友同士だ。 しかしある事件がきっかけで、それぞれの運命がわかれることに。 加奈子と友江は今も大学へ通っているが、かおると由紀子は中退し家計を助けるために働いている。 久々に旧交をあたためる四人だったが、再会が思わぬ悲劇を引き起こす。 【目次】 プロローグ 1 再会 2 沈黙の家 3 苦痛 4 靴 5 バーコード 6 ボーイフレンド 7 破産 8 キャンパス 9 暗黒 10 ネズミがり 11 すれ違う思い 12 裏切りの報酬 13 急流 14 代理人 15 単位 16 襲ってくる闇 17 休息 18 変身 19 不運 20 来週へ 21 旅行 22 温泉 エピローグ
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3.4生と死とエロス――。著者の真骨頂! 刹那の欲望、嫉妬、別離、性の目覚め……。 著者がこれまで一貫して描き続けてきた人間存在のエロス、 生と死の根幹に迫る圧巻の短篇集。 ピアニストの佐江は、教え子の少女のホームコンサートで、 少女の叔父だという男と出逢う。 音楽堂の暗い客席で、少女の弾くソナチネのメロディに合わせるように、 佐江と男は視線を、指先をからませていく……。(「ソナチネ」) 「鍵」「木陰の家」「終の伴侶」「ソナチネ」「千年萬年」「交感」「美代や」の7編を収録。 「恋愛とはきっとこういうものなのだ。人生のあらゆる出来事に繋がっている。」(千早茜、解説より)
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3.0不遇の天才かつ変人研究者、近藤哲二郎。彼は、なぜ、標準放送で送られてきた映像を、ハイビジョンクラスの高品位映像に置き換える新技術を開発できたのか? ーー話しても分からない人間には何も話さない、相手がたとえ役員であっても。ソニー随一の特許数を持ちながら、その性格ゆえ、開発した技術は1件も商品化されない、という不遇にあった近藤哲二郎が、一転して、「WEGA(ベガ)」「BRAVIA(ブラビア)」を成功に導く、デジタル高画質技術「DRC」を誕生させるまで。傑作ノンフィクション。 ーー取り寄せた特許のリストを1頁目から丹念に目を通していくうちに、出井(いでい)はひとりの研究者の名前に目を止めた。彼の保有する出願及び登録特許数が400件近くもあり、他を圧倒する数だったからである。(中略)そのうえさらに出井が驚かされたのは、そのうち商品化されたものが1件もなかったことである。「これは、いったい全体、どういうことなのか……」――本文より
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3.6結婚して、離婚して、新しい人に恋をして、それでも「家族」は続いていく。2019年本屋大賞2位『ひと』で話題の俊英がおくる、新しい家族の物語。川遊びの最中、小学生の娘・菜月が友人の娘と溺れるのを見て、とっさに助けに飛び込んだ守彦。必死の想いで引きあげた腕の中には、菜月ではなく友人の娘がいた。「お父さんは菜月をたすけてくれなかったもん」その言葉を最後に、口をきいてくれなくなった血の繋がらない娘。七歳年上の妻ともすれ違いはじめ―――。困り果て、とりあえずの間と家を出る守彦だが、会社の後輩や、川遊びに来ていたシングルマザーとの何気ない会話の中で、娘と妻への本当の気持ちに気づかされていく。いつもあと一歩が踏み出せない、不器用な守彦の出す答えが心にしみる、新しい家族の物語。
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4.0妻の隠された 真実を 知る勇気が あなたには ありますか? 最悪の妻をめぐる 物語のラストは、 あなたの心をきっと 救ってくれる。 休日は必ず息子の友彦を連れ、調布飛行場へ行き、ぼんやりと過ごす三井田久志。 実は彼はジェット旅客機のパイロットだったのだが、ある事情から乗れなくなり、今は長距離トラックの運転手をしている。 ある日、関西で起きた女子大生誘拐事件の犯人の声をラジオで聞いて、愕然とする。 それは、息子を置いたまま、蒸発した妻の声だった。 彼は、息子を隣人に預け、妻の行方を捜すそうとする。 第一章 誘拐の声 第二章 追跡の眼 第三章 暗黒の血 第四章 着陸の顔
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-「花火は来年、ゆっくり見よう。──また、ふたりで」 なんて不確かで、曖昧な約束。 ……それでも、今この時、その約束をせずにはいられない。超健康優良児、素直がとりえの文芸誌編集者・芹沢美園と、親しくなった女が何故か病気になってしまう、どこかエキセントリックな作家・織部克行。導かれるようにめぐりあい、動き出す恋。美園が思春期の入口に立たされた頃に出会った1冊の本。唯一守りたい、きれいなもの。「彼」が青優社でしか書いていないことを知り、その出版社に入社して3年目。思いがけなく彼・織部克行の担当編集者となった美園は…。瑞々しい文章と確かなストーリー展開でケータイ小説に新風を吹き込んだ恋愛小説。
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3.0『点滅するものの革命』で第65回群像新人文学賞を受賞した新鋭が描く、注目の受賞第一作。 大学のお笑いサークルに所属するわたしたちは、夏の10日間、東北地方をめぐる公演合宿ツアーに出発した。 各紙文芸時評で絶賛!夢と現の狭間で移りゆく思考と感情の泡立ち、分岐する記憶をとらえる奇跡の文体。 毎年、大学の夏休みに行われるお笑いサークルの合宿では、行き先ごとに分かれ、老人ホームや病院でコントや大喜利を披露する。東北班のメンバーは、3年の朝倉とミミ、2年で班長の三井、1年のユカリと杉崎。レンタカーで出発したわたしたちは初日の目的地・福島へ向かうが、旅の予定は早々に乱れて……。 ・ユカリ 「先輩たちと比べて、ふだんのあたしがしているやりとりときたら、どれだけ鈍臭いことだろう?」 ・三井 「慣れてしまえばイジられキャラも悪くない。イジられることにも技術がいるのだ。」 ・ミミ 「楽しい楽しい。ずっとこんなことして生きていきたい。」 ・杉崎 「どうせ明日には忘れてしまうことだ。二度と会わない人を思いだすほど無意味なことはない。」 ・朝倉 「どうしても思いだせない。どこへ行ってなにを見たのか。おれはとりかえしのつかないことをしてしまったんじゃないのか。」
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-世の中、まじめに生きるべきだ……それ以外、どうしようもない 俺はトラックの運転手、学問はなくてもちゃんと喰っている。恋人もいる。兄と弟は国立大学に入って頭はいいが貧相だ。前科者と一緒になった姉と縁を切ろうとしている。冷たい仕打ちじゃないか…。俺にはヒロという好きな女がいる。アパートに週に二回、石材屋の老人が来ることも、久男というキザな男と深い仲にあることも、ちゃんと知っている。でも、俺はヒロを許す。愛しているからだ。そのヒロが、ある日、タチの悪いイタズラをした…。(「その涙ながらの日」) 第82回芥川賞候補である表題作のほか、「ラストラウンド」と「素晴らしい歳月」の中篇3本を収録。世の中をまじめに懸命に生きる心やさしい生活者たち、そのさわやかな苦闘を活写する。 ●吉川良(よしかわ・まこと) 1937年、東京生まれ。芝高等学校卒、駒澤大学仏教学部中退。1978年『自分の戦場』で第2回すばる文学賞受賞。1979年『八月の光を受けよ』で芥川賞候補、『その涙ながらの日』で二度目の候補、1980年『神田村』で三度候補となった。1999年JRA馬事文化賞、ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。
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-平成の二文字が今、理不尽にして不条理に結実する! 小説版ハッカソンNovelJAM2018のCチームがお送りする二大傑作! 昭和六十四年一月、全国的に吹き荒れた自粛ムードが小劇団の公演に襲いかかる。理不尽に翻弄される団員、自粛を迫る善意の暴力! 公演は中止すべきなのか? 貧乏劇団の明日はどっちだ! ――あの時、悲しみとともに訪れた曰く言いがたい困惑を、昭和最後の追憶とともにグイグイと再現されて胸に来やがる、膝にも来る。80年代の中央線沿線小劇団ブームの空気感も「あるある」連発で読ませてくれます。お元気ですか? そんなこともありました!(50代男性) ――この作品を読んで、小説の社会的意義がわかった。これは優れたポレミークだ。(30代女性) ――今、読者の勇気が試されている。(40代男性)
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