国内小説 - 光文社 - 光文社文庫作品一覧

  • 会津・リゾート列車殺人号
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    鬼怒川温泉から会津若松まで走るリゾート列車『幕末』号の試乗会で殺人事件が発生! 殺されたのは山口・萩の会社社長。殺したのは列車内で剣舞を演じていた福島・会津若松の女子高生。トラベルライターの瓜生慎は山口の映画ロケの取材先から、リゾート列車に同乗して事件を目撃した息子・竜の元へ駆けつける。幕末以来の遺恨が絡んだ難事件に親子が挑む!
  • 愛と悲しみの墓標
    -
    独身の実業家、五十嵐恭が毒殺された。容疑がかけられたのは、残された3人の愛人だった。相続権はなくても、彼の子供を妊娠していれば、莫大な遺産が転がり込むのだ。十津川警部と亀井刑事は愛人の一人、モデルの藤原さつきを追うが、さらに、第2、第3の事件が起こり……。やがて十津川は、裏で糸を引く狡猾な真犯人の存在に気づく。手に汗握るサスペンス長編!
  • 愛の保存法
    3.6
    久井(くい)光太郎と高坂まゆみは結婚離婚を繰り返すおかしなカップル。さすがに二人の四度目の披露宴の話には、周囲も少々困惑気味。けれども、はた迷惑とも言えるかれらの行動には、意外に深い理由があったのだ(「愛の保存法」)。食い違って間違ってうまくいかない、困り者のダメ男にわがまま女。全編、くすっと笑えて、ちょっぴりしみじみの傑作短編集。
  • 愛の墓標
    5.0
    何度か関係をもったことのある女性部下の披露宴でスピーチする男、十数年前に一夜の恋におちた男の正体を知らされた女、見るだけで妊娠を言い当てる特技を持つ男が妻に抱く不安。 男と女の場面は、一見甘くソフトでも裏には複雑な心理のズレが……。十二カ月の四季の中で語られる愛と恐怖の世界を描く異色の小説集。誰の背後にも「愛の墓標」は横たわっている。
  • 逢う時は死人~昭和ミステリールネサンス~
    3.0
    探偵社に入社間もない私の仕事は、面倒な客の依頼を断ることだった。ある日の客は見とれるほどの美しい女性で、会社の金を横領して自殺したとされる弟の事件を再調査してほしいという。警察の捜査を蒸し返すのはタブーだが、女の頼みを断り切れない私は、個人的に依頼を受けることに……。(表題作) 独特のユーモアと巧緻なレトリックで魅了する中短編を8話収録!
  • アウト ゼア~未解決事件ファイルの迷宮~
    3.0
    世間を騒がす児童行方不明事件に、ある大学教授が偶然関わることとなった。場外馬券売り場でいつも見かける男が容疑者に浮上したが、週刊誌の記者に報道とは異なる事実を伝えたからだ。予期せぬ殺意が近付きつつあることも知らず……。(「しりょうのふね」) 元新聞記者が未解決事件の真相を小説の形式で追及。見出された光景にあなたは戦慄する。異常と陰惨に満ちた短編集。
  • 青い枯葉~昭和ミステリールネサンス~
    -
    大阪立売堀で機械器具の会社を営む橋田は、人生最大の危機に直面していた。20年をかけて築き上げた会社が詐欺にあい、倒産寸前にまで追い詰められていたのだ。もはや金策も尽き、旧知の同業者に、愛人の秘書・由美子を差し出すほかに道はなかったが……。男達の欲望の間で生きる薄幸な女を描いた表題作等、社会の歪みの中で蠢く人々の闇をあぶり出す傑作7編!!
  • 蒼き山嶺
    4.0
    山岳ガイドの得丸志郎は、白馬岳で大学山岳部の同期・池谷博史と再会した。卒業後、警視庁の公安刑事となった池谷は、久しぶりの山でだいぶバテている。山頂まで一緒に登ることにしたが、ペースは上がらない。下山が遅れそうだと麓に電話を入れる得丸に、池谷が拳銃を突きつけた――!! 友情、ライバル、極限の決死行。著者の新境地となる傑作山岳冒険小説!
  • 青空のルーレット
    4.2
    青い空に浮かんで、俺達はビルの窓を拭く――メシを喰うために、家賃を払うために。けれど俺達はそれぞれやりたいことを別に持っている。音楽、芝居、写真、マンガ……。だから、俺達が窓を拭いているのは、夢を見続けるためなのだ! 熱く純なハートを持った男達の夢と友情を感動的に描いた表題作。ほかに、第16回太宰治賞受賞作「多輝子ちゃん」を併録。
  • 青山物語 1974~スニーカーと文庫本~
    -
    たった6名の情報サービス会社に就職した平岡義彦。サラリーマン生活も早3年が経った。オイル・ショックの大不況、物価急騰、さらには長嶋茂雄の引退……と、巷は騒然としていた。そんなユーウツな時代に、義彦は“将来、作家になる”という夢を捨てきれず、恋に、仕事にヨレヨレの青春を送っていた。人生最大のスランプを独特のユーモアで描く、自伝的小説2。
  • 青山物語1971
    4.0
    1971年4月。愛知県の大学を卒業した平岡義彦は、青山の裏通りにある小さな企画調査会社に入社した。従業員は、社長以下6人。給料は3万円。それも10日ごとに1万円払うというひどさだった。このような状況にあっても、彼は落ち込むでもなく、将来、小説家になるんだという夢を持ち続けていた。著者の冴えなくも素晴らしい時代を描いた、自伝的青春物語。
  • 青山物語1979~郷愁完結編~
    4.0
    「正社員から嘱託(しょくたく)にして下さい」上京以来8年。平岡義彦は、子会社を任せるという社長に断り、ボーナスのもらえない人間となった。生活の安定よりも原稿の書ける時間が欲しい。小説家になる夢を持ち続けていた。仕事は今までどおりこなし、同僚の愚痴も聞く。そんな義彦にも淡い恋の予感が……。恋に仕事に、青春の日々を過ごした青山。ここに著者の原点がある!
  • 赤猫~刑事・片倉康孝 只見線殺人事件~
    3.0
    20年前、東京都練馬区で起きた放火殺人事件の現場から姿を消した謎の女、鮎子(あゆこ)。定年間近の刑事・片倉康孝(かたくらやすたか)は、女の足取りを辿るため、秘境のローカル線「只見(ただみ)線」に乗った。旅先の魚沼(うおぬま)で、40年前にも鮎子という女が火事で死んでいたことを突き止める。時空を超えて重なる「火事」と「鮎子」――二つの事件は、繋がっているのか。迷宮入り事件の真相を追う、傑作警察小説。
  • 赫眼(あかまなこ)
    4.0
    目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香(いろか)。転校生の目童(まどう)たかりは、謎めいた美少女だった。学校を休んだ彼女に届け物をしに、少年が訪れた家の奥――そこには、あまりにも禍々(まがまが)しい何かが横たわっていた……。(表題作)合わせ鏡が作り出す無限に続く映像世界。その魔力に取り憑かれた男を襲う怪異とは?(「合わせ鏡の地獄」) 書下ろし掌編(しょうへん)を含む、悪夢のような傑作12編。
  • 秋山善吉工務店
    4.2
    父・秋山史親を火災で失った雅彦と太一、母・景子。止むを得ず史親の実家の工務店に身を寄せるが、彼らは昔気質の祖父・善吉が苦手。それでも新生活を始めた3人は、数々の思いがけない問題に直面する。しかも、刑事・宮藤は火災事故の真相を探るべく秋山家に接近中。だが、どんな困難が迫ろうと、善吉が敢然と立ちはだかる! 家族愛と人情味溢れるミステリー!
  • 諦めない女
    3.9
    母親がスーパーで買い物をするわずかの間に、6歳の少女が忽然と姿を消した! 12年後、フリーライターの飯塚桃子は、事件についての本を書き上げるため、当事者や関係者たちへの取材を重ねていく。それぞれの人物の言葉から浮き上がってくる驚くべき真実、そして少女と母親を待ち受ける運命とは? 1章ごとにがらりと変貌を遂げてゆく極限のミステリー!
  • 悪意銀行〈ユーモア篇〉
    3.7
    近藤庸三と土方(ひじかた)利夫、ふたりが顔を合わせるところ悪事あり。土方が設立した悪意銀行もそのひとつ。この銀行、悪意に満ちたアイディアを預かり、それを活用したい人は、現金と引換えに融資を受けることができる。そこへ、地方都市の現市長暗殺プランを求める融資希望者が現れた! 名コンビが繰り広げる大騒動。(悪意銀行)笑いを満載、落語もあり!
  • 悪党どもの弔歌(ちょうか)
    -
    還暦(かんれき)を迎えた佐川(さがわ)は、千葉の片田舎でみやげ品の卸売り業を営んでいた。だが、裏では強請(ゆすり)と強盗(タタキ)を生業(なりわい)とする前科持ちの老ギャングだ。年齢(とし)の離れた女と表向き平穏に暮らす彼は、現役引退を賭(か)けて仲間と銀行を襲い、大金を強奪した。全てが上手くいっていたはずなのに、思わぬ伏兵の出現で、佐川の歯車が狂った。そして、それは残虐な事件の幕開けでもあった。
  • 悪の決算
    -
    渡来元彦(わたらいもとひこ)、44歳、東亜デパート経理部課長。彼が、田園調布にプール付きの豪邸を建てた。推定総額、1億6千万円。年収数百万円の彼に、なぜそんな大金があるのか。驚くべきカラクリが……!? 汚職、横領、暗闘……それは、現代企業にとって「必要悪」なのか? 企業小説の第一人者が、企業犯罪者たちの実体を抉る、異色の情報小説!
  • 悪の華
    4.0
    シチリアマフィアのドンの息子ガルシアは、仲間の裏切りにより家族を皆殺しにされてしまう。祖母の生まれ育った国、日本へ――。その心には、燃えるような復讐への思いが滾っていた。日本の裏社会で類い希な戦闘能力を買われたガルシアは、山王寺組若頭・不破の暗殺を請け負う。が、不破もまた非道極まりない殺人マシーンだった……。凄絶なピカレスクロマン!
  • 悪魔の密会 (『背信の詩集』改題)
    -
    暴漢に犯される寸前、小田切と名のる男に救われた人妻・野崎恵美子は、やがて男の冷ややかな野性味に惹かれていった。夫を裏切り、自宅で密会を重ねるうち、はじめて知った性の歓喜。そこへ謎の人物から脅迫状が……。愛と性を貪欲なまでに求めつづけるひとりの女性の背信を、サスペンスいっぱいに描いた官能推理の傑作。(『背信の詩集』改題)
  • 悪夢の果て 新装版~シリーズ・闇からの声~
    -
    「さらば、民主国家日本よ、だな」日下良治は自嘲気味に呟いた。政府の〈教育改革審議会〉が、徴兵制に道を拓く答申を出したのだ。翌朝、モンペ姿の妻に揺り起こされた日下は、息子の達郎に〈赤紙〉が来たことを告げられる。そこは昭和20年、太平洋戦争下の東京だった。(表題作) 羅針盤を失った現代の日本に、著者が警鐘を打ち鳴らす! 「危機意識」を呼び覚ます4編。
  • 悪夢の交わり
    5.0
    真由子は、半ば強引に岩井の愛人にさせられた。彼は代議士の地元秘書で、手広く商売をしている。彼女があてがわれたマンションに定期的に届く段ボール函がある。それはすぐに岩井の後妻の弟、田原が運び出していく。その中身を知ってしまった真由子は、自分を欲する田原を利用して謀略のドラマを自作自演した!?――肉体を武器に仕掛ける悪女を描く力作!
  • 侵略者(アグレッサー)
    3.4
    航空自衛隊飛行教導群ことアグレッサー部隊が、正体不明の航空機によって撃墜された。墜落したF-15パイロットの深浦と安田は、見知らぬ男たちに拘束される。彼らは独立国家樹立を目論むラースランドの一員で、そこは最新兵器・クラーケンの中だった! 空域から脱出した同僚の森近らはクラーケンを追い詰めるが……。国籍不明の潜水艦がさまよう先にあるものとは。
  • 麻と鶴次郎~新川河岸ほろ酔いごよみ~
    3.0
    酒問屋「千石屋」の一人娘・麻は、その背の高さときっぷのよさで、界隈では有名人。気のいい亭主の婿養子・鶴次郎とともに、客筋からもご近所からも、なにかと頼られる存在だ。今日も、ちょっとした困りごとが持ち込まれ、解決に奔走するのだが――。市井のさまざまな人間模様を鮮やかに活写する時代連作集。
  • 明日になったら~一年四組の窓から~
    3.3
    中学2年から3年に進級した井嶋杏里、市居一真、里館美穂、前畑久邦の仲良し4人組。高校進学を前にして、それぞれの夢に向かって突き進もうとする4人の前に、新たな壁が立ちはだかる。将来への不安、新しい環境への不安に押し潰されそうになりながら、かけがえのない友だちと家族に支えられ悩みながらも成長する15歳を描いた、あさのあつこの青春傑作小説。
  • 明日、恋する貴方に
    -
    「結婚式に出席します。利夫」 式の前日、招待していない元恋人から、そう書いた速達が届きました……。 やさしくて裕福な夫だが、浩之との結婚生活は退屈だった。恵子は、役者の利夫に惹かれてゆく。どんな結末が待っているか知らずに。 (「恋愛と結婚」) 恋愛とは? 結婚とは? 既婚の貴方、結婚を夢見る貴方に捧げる“つか流”恋愛小説。

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  • あたたかい水の出るところ
    3.7
    大島柚子(おおしまゆず)は、近所の銭湯「松の湯」が大好きな17歳。家族には問題アリ、将来はまだ見えず。いろいろ不安はあるけど、現実感はない。お湯さえあれば幸せだ。そんな柚子が、松の湯に通う大学生・福一(ふくいち)と出会う。反発しつつ、どこか気になる。これってもしかして恋――? どこかおかしな男女が出会い、やがて最強の人生を歩き出す。お湯が引き起こす幸せな奇跡の物語。
  • 悪漢記者
    3.0
    1~3巻715~880円 (税込)
    週刊誌の編集部で働いていた佐久間はある記事が原因で他部署に異動になった。3年ぶりに編集部に戻る前日、ネタ元の全国紙記者と会っているところを暴力団員に襲われた佐久間は、そのネタを手土産に復帰する。若い女性の連続殺人事件と自分が編集部を追われることになった記事はどうつながるのか!? かつて「バズーカ」と業界で恐れられた男は真実に迫れるのか――。
  • アッティラ!
    3.0
    突然町に現れたキャンピングカー。その中で夜毎音楽を奏でるのは、アッティルカイラーと名乗る不思議な放浪集団だった! いぶかしみながらも彼らに近付く界隈の住人は、途端にそのにぎやかな調べに魅了される。音楽がもたらす幸福の輪は少しずつ広がっていき……(「アッティラ!」)。第4回小説宝石新人賞を受賞した表題作の他2編を収録。やさしさあふれる作品集。
  • アトロシティー
    3.5
    大学の非常勤講師でありジャーナリストの田島は、生活保護も受けずに餓死した母娘の事件を調べていた。ある日、浄水器の悪質な訪問販売に居座られている隣人の姉妹を助け、その姉妹を通して刑事の緑川と知り合う。緑川から、いくつかの強盗殺人事件に悪質訪問販売が関わっていることを聞いた田島は謎を追うが、やがて自らも奇怪な事件の渦中に巻き込まれていく!
  • あなたのことが、いちばんだいじ
    5.0
    会社を辞めて小説家として新たな人生に踏み出した夫の一日を見つめる妻の視線。(「ひらひら」)ある男の浮気調査を依頼された探偵は、尾行の途中、3年間会っていない自分の娘を目撃する。まさか浮気相手は我が子なのか!?(表題作) 他に、ベストセラー『夜の果てまで』の原型となった短編「泣くかもしれない」や、16歳で執筆された幻の処女作を含む珠玉の作品集。
  • あなたも人を殺すわよ
    -
    ひとり息子の死をきっかけに、互いに気持ちが離れていった早紀と信夫。ある日、早紀のもとに信夫が列車転落事故に巻き込まれたという連絡が入る。遺体が夫のものと確信のもてない早紀は、知人のジャーナリスト・篠山の協力を得て夫の足跡を探り始めるが、そこには信夫の不倫相手として疑っていた女と、謎の男の影が見え隠れしていた……。数々の名ドラマの脚本を手がけてきた著者が放つ、戦慄のノンストップ・サスペンス!(『人生脚本』改題)
  • あの虹に、ティー・ショット
    4.0
    わたしはユウ、16歳。ハワイ生まれの日系5世。お爺ちゃんのおんぼろゴルフ練習場で働きながら、サーフィンをする毎日だ。ひょんなことからジュニアのゴルフ大会に出ることになったけど、あるのは錆びた3本のクラブだけ。伸びたTシャツにゴムゾウリ姿はちょっと浮いてるけど、腕には自信アリ。――雑草育ちの少女がゴルフ界に旋風を巻き起こす、痛快青春小説!
  • あの日にドライブ
    3.3
    牧村伸郎、43歳。元銀行員にして現在、タクシー運転手。あるきっかけで銀行を辞めてしまった伸郎は、仕方なくタクシー運転手になるが、営業成績は上がらず、希望する転職もままならない。そんな折り、偶然、青春を過ごした街を通りかかる。もう一度、人生をやり直すことができたら。伸郎は自分が送るはずだった、もう一つの人生に思いを巡らせ始めるのだが……。
  • A HAPPY LUCKY MAN(ア・ハッピー・ラッキー・マン)
    3.0
    県人会の学生寮で、管理人が緊急入院。留年必至のレポート課題をかかえる、お人好しの寮長・柳瀬幸也が代役を仰せつかることに。飯の支度や便所のつまりぐらいはなんとかなるが、ライバル寮との喧嘩騒ぎや、恋のもつれに、痴漢冤罪まで――。次から次へと難題続出! はたして、幸也に未来はあるのか!? 愛と涙と笑いがいっぱい! スラップスティック青春小説。
  • あぶない病院長~情熱ナース・水原絵梨花~
    -
    正義感が強い絵梨花は、たとえ患者といえども、悪は許さない。今回も、花村妙子にセクハラをする患者・和島一撥に憤っていた。同じころ、妙子のファンの患者・悪戯四人組も一撥を懲らしめようと画策、それがもとで院内は大騒ぎに……。(「セクハラ病棟」より) ナースの日常をユーモラスに、温かな目で見つめた快作。おなじみ月岡彩子も登場の第二弾!
  • 甘やかな牢獄~奴隷商人サラサ~
    3.0
    多くの美女たちを売買してきた奴隷商人サラサは、妹を解放するため、自らを奴隷として売ることを決意した。買い主は某産油国国王の第4夫人の日本人女性ユリエ。彼女はサラサに、王の性の奴隷として仕えること、そして「王を暗殺しろ」という命令を与えるのだが――。傷つきながらも生き抜くため、したたかに闘うサラサの運命は? サスペンス長編!
  • 雨 の 扉
    -
    「雨さえ降れば……」「そう思っているうちは、あなたはここからは抜け出せない。雨なんて、自分で降らせるものよ」迷っている時間などない。自分で決めたことを信じて歩きつづけなければ……。絡み合う時空と人物が、読む者を心地好く幻惑する。人生の境目で、気づけば何かを失っているやるせなさと、それを乗り越える興奮を贈る、切なく温かい恋愛物語。
  • 雨の中の涙のように
    4.0
    雨に溶けていく、罪も穢れも――。彼が現れたのは、雨の日だった。美しく出会う人すべてを魅了してしまう、アイドルの堀尾葉介。葉介と意外な形で関わる人々は知らぬうちに、皆その人生を変えられていく。そして葉介自身の苦悩もやがて――。雨の降るいくつもの情景の中で、悶え苦しみながら生きる人々とカリスマを持つ男が邂逅する。哀切と意外性に満ちた連作短編集。
  • 雨のなまえ
    3.7
    女は小さな声で、マリモ、と言った――。家具ショップで働き、妊娠中の妻と何不自由のない生活を送る悠太郎。ある日店に訪れた女性客と二度目に会った時、彼は関係を持ち、その名を知る。妻の出産が迫るほど、現実から逃げるように、マリモとの情事に溺れていくが……。(「雨のなまえ」)答えのない「現代」を生きることの困難と希望。降りそそぐ雨のように心を穿つ5編の短編集。
  • あやしい患者さん~情熱ナース・水原絵梨花~
    -
    新米看護婦(ナース)の水原絵梨花は、困っていた。ある老人患者の治療について、主治医の保取と当直医の原倉の指示が全く違うのだ。主治医に従うのは当然だが新米ゆえ当直医にも逆らえない。そんなレジンマに悩んでいたある日、保取と原倉が殴り合いのケンカを。(「あぶない病棟」より) 新米ナースの姿を通し、看護婦の実際と医療現場をあたたかい目で人情味豊かに描く傑作!
  • 嵐を呼ぶ女
    3.0
    北町奉行所定町廻り同心の相良寛十郎が何者かに心の臓を刺され殺害された。下手人の手がかりはなく事件は迷宮入り。しかし、そんな難事件の解決に炎を燃やす女十手持ちが現れた。まだ十八歳の小夏である。元岡っ引きの祖父・辰五郎、そして、亡き父の跡を継いだ同心の相良金吾とともに、憎き下手人に立ち向かう! 人気急上昇中の著者が届ける、渾身の新シリーズ第一弾。
  • 荒らぶる魂
    4.5
    赤石岳山麓でペンションを経営する治宗は、夫婦の破局が因(もと)で愛育していた仔猪・ゴンタを山に放った。四年後、突如、南アルプス山中に巨大な猪が出現。それはかつてのゴンタだという。付近に出没し、荒れ狂う手負いのゴンタ。人生に傷ついた治宗は、山狩りからゴンタを救出することに、自らの再生を賭けるが……。人間の心に潜む哀しみと、動物への限りない愛を描く巨編!
  • 荒鷲デス・アタック
    -
    総理の特別SP、鷲津勇人(わしづはやと)。彼が、金井(かない)総理とともに、政界の黒幕・長渕日出造(ながぶちひでぞう)邸で見たものは、水晶でできた髑髏(どくろ)だった――。世界中に散らばる4つの水晶髑髏。その全(すべ)てを集めたものは、世界の王になれるという。最後の髑髏に魔の手が迫る! 荒鷲の前に現れた謎の美女・ミリアとは? 世界征服を企むゴッドキラーを壊滅せよ!
  • アリス・ザ・ワンダーキラー~少女探偵殺人事件~
    4.1
    10歳の誕生日を迎えたアリスは、父親から「極上の謎」をプレゼントされた。それは、ウサ耳形ヘッドギア《ホワイトラビット》を着けて、『不思議の国のアリス』の仮想空間で謎を解くこと。待ち受けるのは5つの問い、制限時間は24時間。父親のような名探偵になりたいアリスは、コーモラント・イーグレットという青年に導かれ、このゲームに挑むのだが――。
  • ありふれた魔法
    3.5
    城南銀行五反田支店の次長・秋野智之は、部下の森村茜が担当する顧客に謝罪するため、顧客の別荘がある箱根に茜とともに向かう。その帰り、ふとしたきっかけで涙を見せた茜に、智之は胸がつまるような息苦しさを覚える。次第にお互いの距離が近づいていく二人だが……。妻子ある銀行員を主人公に、リアリズムの名手が描く、心を深く打つ恋とその人生の行方……。
  • 或るエジプト十字架の謎
    3.0
    カメラマンの南美樹風は、大学の後輩たち五人を連れ、山間部のコテージへと夏合宿にやってきた。翌朝、中央広場のT字形の案内板に磔にされた首なし死体が発見される! 被害者は合宿に参加していなかった学生と判明。死体に異様な演出を施した犯人の目的やいかに?(表題作) 名探偵・南美希風が四つの怪事件に挑む、柄刀版《国名シリーズ》第一弾!。
  • 或るギリシア棺の謎
    4.0
    カメラマン南美希風と法医学者エリザベス・キッドリッジは、篤志家、安堂朱海の弔問に訪れていた。だが、彼女の死は自殺か他殺の疑いを招き、さらに未解決なままの朱海の孫娘殺害事件の謎をも呼び寄せる。不意に現れる脅迫状。光るタイプライターの文字。ギリシア意匠の棺の周りで起こる不可解な出来事の数々は、いかなる真相を語るのか。柄刀版《国名シリーズ》第二弾!
  • 歩け、歩け
    3.0
    娘が着メロに入れてくれた昔の唱歌「歩くうた」が、老父との思い出を甦らせた。ふとしたことで知った、子供時代の父の身に起きた事件とは?(表題作)子供はいらないと言い続けてきた夫が、突然「子供を作ろう」と言い出した。妻の脳裏を、15年前に起きたある殺人事件が過(よぎ)る――(「十五年目の子」)。読後、深く心に残る人生の機微(きび)。
  • アルゴリズム・キル
    3.9
    署の交通安全イベントの最中に、突然現れた痩せこけた少女。保護されて間もなく亡くなった彼女は、ほぼすべての歯を折られていた――。警務課所属のクロハは、県内で続発する未成年者変死事件との関連を探り始める。被害者たちの体や衣服に残された子供の指紋が意味するものは? 犯人の底知れぬ悪意に孤高の女性警官が立ち向かう、「クロハ」シリーズ長編第3弾!
  • 暗黒残酷監獄
    -
    椿太郎は同級生に目もくれず、人妻との不倫に勤しみ、友人は皆無の高校生だ。ある日、姉の御鍬が磔になって死んだので、遺された「この家には悪魔がいる」というメモの謎を探ることに。父にも母にも、そして自殺した兄にも、秘密が隠されていた。全てを明らかにしたとき、家族の驚くべき真実を目の当たりにする――。第23回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作!
  • 暗号名ブルー
    -
    深夜の相模湾で繰り広げられる銃撃戦。冷静に引き金を絞る秘密諜報員、柊一の暗号名はブルー。不当な品物の密輸や密入国の阻止が彼の任務である。その最中、ターゲットの貨物船から逃げ出した中国人女性は記憶を失っていた。謎の組織に追われる彼女が握る秘密とは!? そして、孤高の諜報員の運命は大きく動き出す。アクションと恋が激しく交錯する海洋サスペンス!
  • 暗殺教程~都筑道夫コレクション〈アクション篇〉~
    5.0
    謀略反乱結社タイガーの野望を阻止しようとする、国際警察秘密ラインのトップ・エージェント、J3こと吹雪俊介を襲う危機また危機。奇想天外な攻防の舞台は、カジノ、スキー場から香港、マカオへ。「暗殺教程」007を日本に初めて紹介した都筑道夫の生んだ伝説のヒーロー、“スパイキャッチャーJ3”が、大長篇、漫画、TVシナリオを通じて、いま蘇る!
  • あんたのバラード
    3.0
    生後八カ月だった息子と夫を残し、ナツキが家を飛び出してから3年が過ぎた。彼女がアパートに戻ろうと思い立ったのは、夫に離婚届を渡すためである。部屋のチャイムを押すと、返ってきたのは意外にも女性の声だった――(「アイ・ラヴ・ユー,OK」)。あのころの懐かしいメロディが流れると心に浮かぶ、甘く切ない想い出……。ラヴソングにのせて贈る8編の物語。
  • アンチェルの蝶
    4.1
    大阪の港町で居酒屋を経営する藤太(とうた)の元へ、中学の同級生・秋雄(あきお)が少女ほづみを連れてきた。奇妙な共同生活の中で次第に心を通わせる二人だったが、藤太には、ほづみの母親・いづみに関する二十五年前の陰惨(いんさん)な記憶があった。少女の来訪をきっかけに、過去と現在の哀しい「真実」が明らかにされていく――。絶望と希望の間で懸命に生きる人間を描く、感動の群像劇。
  • 飯田線・愛と殺人と
    3.0
    十津川警部の部下・北条早苗刑事の友人で旅行会社に勤める野田花世が殺害された。彼女は、飯田線ツアーの企画を作る際に知り合ったアイヌの青年・金子太郎と愛を育んでいたらしい。一方、飯田線をめぐる歴史と神話を勉強していた花世に、偏執的につきまとう人物がいたことが浮上して……。十津川は、復讐心を燃やす金子をとめ、異常な犯人を逮捕できるのか!?
  • 家康の遠き道
    -
    関ヶ原の戦いから九年――将軍職を秀忠に譲り、駿府に隠居した家康だが、徳川の天下を磐石にしていくために思いをめぐらせる。諸外国との交易、キリシタン勢力、大阪の豊臣家、戦乱の世を知らない子や孫……不安を数えれば切りがない。齢七十を超えてなお精力的に政治に関わり、いくさ場にも出征。「守勢」に力を注ぐ家康の晩年を描き出した傑作!
  • 居酒屋ぶたぶた
    3.7
    寒い冬の夜。商店街の一角に気になる店が。覗いてみると、温かな雰囲気に心が躍る。ああ、入ってみたい、そんなとき。もし、店の隅にピンクのぶたのぬいぐるみが転がっていたら、それは「味に間違いない店」の目印かも。見た目はぬいぐるみ、中身は心優しい中年男性。山崎ぶたぶたが、いろんなタイプの飲み屋さんで、美味しい料理とともにあなたを待っています。
  • 石に咲く花
    -
    カメラマンの国立敏夫は、ヨーロッパの裏町を写しまわり、強引な売りこみで海外で成功していた。日本を思い出させるものといえば、離婚した妻との間の娘・江利の面影だけだ。孤独なパリでのひとり暮らしをなぐさめるのは、娼婦のミレーヌ……。 女と夜を描き、現代のエゴイズムを鋭く抉る自選傑作集。
  • 異常快楽殺人者~若き法医鑑定人の事件簿~
    3.0
    都内の住宅地で、白昼、主婦を狙う連続殺人が起きた。犯人は主婦を絞殺するのみで、盗難や凌辱した痕跡は皆無。ただ、現場の絵画や花、死体の一部に奇妙なペインティングが残されていた。このペイントが物語るものは? 犯人像が見えないまま、事件を鑑定した法医学教室に謎の電話が……。身近に潜む異常犯罪の闇の部分にメスを入れる、戦慄の問題作!
  • 伊豆海岸殺人ルート
    -
    OL殺しの容疑で逮捕された男が自殺した。無実を訴える男は、アリバイを主張したが、その証人である写真家夫妻も失踪していた。死の直前に容疑者が明かした写真にまつわる謎を追う十津川警部を嘲笑うかのように、手がかりを握る人物が次々と殺されていく。一枚の写真が招いた殺人の連鎖と、その驚愕の真相! 「殺人ルート」シリーズに燦然と輝く傑作長編推理!
  • 伊勢・志摩殺人光景
    3.0
    豊科の運送会社社長・福沢正澄が、刺殺死体となって発見された。正澄は山から帰宅したところを襲われたと見られるが、同居する父親・寛文も姿を消していた。福沢家がこの地に移ってきた38年前に、何が起きたのか。父子の「過去」を追って、伊勢・志摩に飛んだ刑事・道原伝吉の捜査が、事件の発端となった驚愕の事実を明らかにする! 名匠が描く傑作長編推理!
  • 一億円の死角
    -
    路上に放置された一億円。拾得者が警察へ届け、大々的な報道がなされたが、落とし主は名乗り出なかった……。日本の基幹産業の一翼を担う巨大企業の内部で、何が起こっている!? T自動車販売株式会社の大功労者、〃販売の神様〃とまで言われたK氏の、不肖の息子に関連した事件らしいという噂。老いてなお煩悩に身を灼く経営者の姿を見事に捉えた経済企業小説。
  • 一億円もらったら
    続巻入荷
    4.0
    1~2巻770円 (税込)
    身寄りの無い大富豪・宮島勉とその秘書・田ノ倉良介はとんでもないゲームを思い付く。田ノ倉が見付けてくる赤の他人に一億円を進呈するのだ。条件は使いみちを報告することのみ。突然大金を手にした者の人生はどう変わっていくのか? 大富豪と秘書はつぶさに見つめる。欲を抑えきれず迷走する人、見事に使い切る人……。悲喜こもごも、名手が描く一億円×5話の物語。
  • 一年四組の窓から
    3.7
    中学1年の夏に引っ越すことになった井嶋杏里。転校でなじめない中学の校舎で、使われなくなった教室『1-4』に入った杏里は、市居一真と出会う。杏里に出会った一真は、杏里に絵のモデルになって欲しいと頼む。そこから物語は始まった――。杏里、一真、そして、かけがえのない友だちと家族。悩みながらも成長する14歳を描いた、あさのあつこの青春傑作小説。
  • 一分(いちぶん)
    5.0
    時は幕末の天保十年。丹波篠山藩青山家の馬役を務める小柴陽太郎は剣術の稽古に余念がない。謎の過去を持つ父は訳あって藩士を辞めて町道場を開いており、母は貧しさゆえか妹を連れて家を出ていった。下士として耐えていた人生が、藩の剣術試合に出場したところから急展開し始める。その先に陽太郎を待っていた劇的な運命とは――。鬼役の坂岡真が描いた震えるもうひとつの代表作。
  • 一瞬の寵児(ちょうじ)
    -
    越後小千谷(えちごおぢや)から名門大学に進学した北原甲平(きたはらこうへい)は、苦学生であった。そして、医者として成功し、不動産業に転向してからも巨額の財をなし、不動産業界の寵児と呼ばれるに至った。その男が今、東京拘置所に収監されようとしている。――一体、彼になにがあったのか。一人の男の流転(るてん)を通して、バブル経済の本質を追究した長編経済小説。
  • イッツ・オンリー・ロックンロール
    3.5
    おれは、博多に住む売れないロッカー、青木満34歳。安アパートで見果てぬ夢を抱きつつ、ギターの練習に明け暮れる毎日だ。そんな折、連続爆破事件の現場に遭遇。弾みで、バンドのCDが爆破犯の遺留品に紛れ込んでしまう。話題の犯人に影響を与えたカリスマバンドとして、一躍有名になったおれたち。だが、ある日やつらは突然やって来た……。「流」で直木賞を受賞した著者の、ロック魂迸る快作!
  • いつでも夢を
    4.0
    手にカッターナイフを握りしめ、街角で雨に打たれつづける女。その姿を放ってはおけない二人の男。女と同様、胸の奥に深い哀しみを抱えるヤクザ者。生きるのに無器用な、売れない小説家。それぞれの孤独が出会ったとき、ほのかに希望は生まれ、やがてそれは、大きな愛情へと育ってゆく。太宰治賞作家が描く、ひとを愛するよろこびに満ち溢れた「純愛小説」の傑作!
  • いつまでも白い羽根
    4.0
    大学受験失敗と家庭の事情で不本意ながら看護学校へ進学した木崎瑠美。毎日を憂鬱に過ごす彼女だが、不器用だけど心優しい千夏との出会いや厳しい看護実習、そして医学生の拓海への淡い恋心など、積み重なっていく経験が頑なな心を少しずつ変えていく……。揺れ動く青春の機微を通じて、人間にとっての本当の強さと優しさの形を真っ向から描いた感動のデビュー作。
  • いとはんのポン菓子
    4.5
    敗色濃厚となった太平洋戦争末期、大阪の旧家のいとはん・橘トシ子は国民学校の教師となる。栄養不足で教え子たちが次々と命を落とす中、少ない燃料と穀物で大量のポン菓子を製造できる機械の存在を知る。トシ子は、その機械を量産できる製造工場を立ち上げようと、物資不足の大阪を後にして、“鉄の町”北九州へ一人乗り込むが……。人々を飢えから救い、復員兵の職を作り出した実在する女性の奮闘の半生を描く。(『バケモンの涙』改題)
  • 命に三つの鐘が鳴る~埼玉中央署 新任警部補・二条実房~
    5.0
    かつて学生運動に身を投じ、いまはキャリア警察官として埼玉中央署に勤務する二条実房。ある日、二条のもとを元同志であり現役の非合法活動家である我妻雄人が訪れ、自分の恋人である活動家の佐々木和歌子を電車内で殺害したと自首する。だが、我妻は動機を一切語ろうとしない。親友として、和歌子のかつての恋人として、なによりも真相のため二条は我妻と対峙する!
  • 今はちょっと、ついてないだけ
    3.8
    バブルの頃、自然写真家としてもてはやされた立花浩樹は、ブームが過ぎると忘れられ、所属事務所に負わされた多額の借金を返すうちに40代になった。カメラも捨て、すべてを失い。自分が人生で本当に欲しいものとは、なんだったのか? 問い返すうち、ある少女からの撮影依頼で東京へ行くことになった浩樹は、思いがけない人生の「敗者復活戦」に挑むことになる。
  • 嫌な女
    3.9
    初対面の相手でも、たちまちするりとその懐(ふところ)に入ってしまう。小谷夏子(こたになつこ)は男をその気にさせる天才だ。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。そんな生来の詐欺師を遠縁に持つ弁護士・石田徹子(いしだてつこ)は、夏子がトラブルを起こすたび、解決に引っぱり出されるのだが……。対照的な二人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動をよぶ傑作長編。
  • インソムニア
    3.0
    アフリカのある国に派遣された陸上自衛隊PKO部隊の七人が現地の武装勢力に襲われ、一人が死亡。帰国後、さらにもう一人が自殺する。現地でいったい何が起きていたのか? 自衛隊のメンタルヘルス官・神谷啓介と自衛隊病院の精神科医・相沢倫子は真相を探るが、残された五人の証言はすべて食い違い、さらに防衛省の上層部からも圧力がかかる……。
  • 隠蔽人類
    3.5
    アマゾンの奥地に調査に向かった日本の研究者たちが、未知の民族を発見した。驚くことに、彼らのDNAはホモ・サピエンスとは大きく離れたものだった! 別種の人類発見に沸く調査団だったが、研究者の一人が殺される。犯人はどうやら仲間の中にいるようで――! アッと驚く怒涛の展開で読者を翻弄するノンストップ・ミステリーの驚愕の結末とは!?
  • 淫楽館の殺人
    5.0
    京都大原街道沿いの弁財天(べんざいてん)で、美女が死体で発見された! 大学の講師を勤めるインテリ女性だった彼女には、高級コールガールという裏の顔が。部屋に残された日記……破り取られた最後の2ページにはなにが書かれていたのか? そして、著名人や閣僚クラスの大物政治家までを顧客に持つ、高級売春クラブを取り仕切る謎の女主人(マダム)の正体とは? 赤かぶ検事の名推理!
  • EAT&LOVE
    3.0
    「食べることは人間の基本。いつでも美味しい、ちゃんとしたものを食べることが、いい人生を作る」。くるくる笑い、はずみ、呼吸し、交流し、シンプルにエネルギーをめぐらせて生きている女たち。彼女たちの「愛」のまわりには色とりどりの「食べ物」たち。何を想いながら、何を食べてきたのか――。食べて、愛して、生きている、女と男の物語。
  • ウェンディのあやまち
    3.3
    二人の幼児が自宅に置き去りにされ、一人が餓死するという事件が発生した。物語に登場するのは、客の男にのめり込む恋愛体質のキャバクラ嬢、女優としてドラマ出演のチャンスが舞い込んだ女、自分を痛めつけるように働き続ける清掃員の女……。3人の女を繋ぐ、幼児餓死事件の真実とは――。人間の業を抉る衝撃のノンストップ社会派ミステリーが待望の文庫化!
  • 上杉三郎景虎
    3.8
    小田原城主・北条氏康の八男として誕生した西堂丸(景虎)は、側室の子故に茨の道を歩む。喝食僧から還俗後、甲斐・武田家の養子となるが同盟破棄で帰還。その後、大叔父・幻庵の入婿となったが、今度は上杉謙信の養子に決まり越後へ。やがて謙信が没し、景虎は景勝と後継の座を争うが……。三国一の美将と謳われた景虎の儚く、哀しい生涯を綴る、長編時代力作!
  • 嘘  猫
    4.5
    住み慣れた大阪を離れ、東京の広告代理店で働き始めたアサグレ青年。六畳一間の安下宿にある晩、転がり込んできた一匹の肥(ふと)った猫は、翌日、5匹の子猫を産んで――。慣れない東京での生活に、生まれたての子猫まで抱え、アサグレ青年のてんやわんやの毎日が始まった……。懐かしくも愛(いと)おしい猫たちとの不思議な日々をリリカルに綴(つづ)る、著者初の自伝的青春小説!
  • 宴かな
    -
    スーパー・ゼネコン小松組。その下請け業者・高村工務店社長の高村敏之(としゆき)は、会長に直訴した。今になって切り捨てるなどと、言われる理由などない……。あの「宴」の時代は去っていった。残ったのは家庭の崩壊、虚栄のハワイの別荘、複数の女たちとの関係、そして会社の危機。日本経済のからくりを鋭いメスで解剖し、バブル時代の本質を抉(えぐ)り取った力作。
  • 撃つ薔薇 新装版~AD2023涼子~
    4.0
    西暦2023年、東京。犯罪組織は多国籍化し、凶悪を極めていた。櫟涼子は、新種の麻薬を流通させる謎の組織の潜入捜査を開始した。積み荷の麻薬を狙うトラックジャックと内通するスパイを炙り出す。組織で涼子に与えられた任務は、「見えない敵」との戦いだった。裏切りと抗争が渦巻くなか、涼子の捜査は結実するのか!? 極限の緊張が漲るハードボイルド長編。
  • 器に非ず
    -
    戦中、戦後の厳しい時代を生きぬいた神山竜男は、浜松の発明王と呼ばれ、〃本州モーターズ〃の社長である五十島繁哉を紹介された。神山は営業面で、技術屋の五十島を助け、オートバイの販売からスタートしたこの会社は、二十数年後、大企業にのし上がった。が、神山に最後の試練が……。栄光のNo2と呼ばれ、会社経営に生命を滾らせた男の〃光と影〃を鋭く抉った会心作。
  • うなぎ女子
    3.7
    お不動さんの参道にあるうなぎ屋「まつむら」。そこにはとある一人の男に縁深い、五人の女たちが集う。売れない俳優と同棲する女、大学教授と見合いをする女、ベストセラーを夢見る女、「太るから」うなぎが嫌いな女――。人生の決断を迫られた彼女たちのそばにはいつもうなぎがあった。甘くてしょっぱい、うなぎのように濃厚な連作5編を収録!
  • 鰻のたたき
    -
    松江市内の鰻料理(川郷)の店主がつくる〃鰻のたたき〃は、常連たちに定評がある。間口一間半の小さな店で、これを肴に呑む単身赴任のサラリーマンと、店主夫婦が板場越しに交わす〃人の情〃。それでも、別れは必ずついてまわるもの。「因果な商売だな、まったく」店主が、ふっと言った。市政の人々の温かいまなざしと人生の哀歓を描く、傑作選。
  • 鰻の寝床
    4.0
    〔辰巳屋〕は、店主の喜平が厨房を仕切り、息子の嫁・秀子が、おかみとして暖簾を守る老舗の鰻屋。息子の道介は、鰻を焼く匂いを嫌って家業を継がず、挙げ句の果てに外に子供までつくってしまった。その子も早18歳。ある日、秀子は道介に息子の将来を相談され、喜平に弟子入りさせようとするが……(表題作)。美味い料理に人情あり。心あたたまる隠し味。全9編収録。
  • 海の家のぶたぶた
    3.8
    町の海水浴場に、ひと夏限定、レトロな外観の海の家ができたという。かき氷が絶品で、店長は料理上手だが、普通の海の家とは様子が違っている。店先にピンクのぶたのぬいぐるみが「いる」のだとか……? そう、ここはおなじみ、ぶたぶたさんの海の家。一服すれば、子どもの頃の思い出がすうっと蘇ってきて、暑さも吹き飛びますよ。心に染み入る、5編を収録。
  • 海の上の美容室
    4.0
    三品明、24歳、美容師。職場で自分の居場所を見失っていた彼女が踏み出した新天地――それは海の上だった! クルーズ船の美容室のスタッフとして航海に出た明が出会う、プロフェッショナルでユニークな仲間たち。さらに、それぞれに事情を抱えたゲストたちとの温かな触れ合いが、明に自信と勇気を取り戻させてゆく。読めば元気をくれる爽快お仕事小説!
  • 裏  金
    -
    年間五、六十億円の裏金。政治家への成功報酬、受注競争の工作資金はここから捻出される。アイダ建設の柏木はある日、業務企画部長を命ぜられた。それは、本来ないことになっている金、裏金の管理が仕事だった。そして贈賄が発覚、柏木の日常は一変した。逃亡生活、彼を追う殺し屋(ヒットマン)。──現代社会の暗部、ゼネコン汚職の構図を、「裏金」をテーマに鮮やかに描いた傑作。
  • 裏切りの報酬
    -
    権謀術数のかぎりをつくして、政財界に確固たる地位を築く大矢勇二。首相すらも失脚させてしまう彼の勢いは、とどまるところを知らない。だが、大矢に自らの地位を追われた男たちがついに、「目には目を、歯には歯を」とばかりに反撃を開始した!! さすがの大矢も、寝首をかかれてはたまらない……。どん底から頂点をめざして成り上がった男が見たものは……。
  • 餌食~裏探偵・涼次~
    -
    1~6巻550~715円 (税込)
    「お父さんの再婚相手が怪しい」父親から遠ざけられ窮地に陥った女子高生ユリの訴えに、速見涼次は中国人妻の調査を開始する。涼次の仕事は依頼を受けて男女を別れさせる「壊し屋」、人間の裏の顔を暴く調査はお手のものだ。資産家でもあるユリ一家の財産乗っ取りを企む外国人のネットワークに辿り着いた涼次に闇の男達が牙を剥く! サスペンス&エロス溢れる快作!
  • 裏店(うらだな)とんぼ 決定版~研ぎ師人情始末(一)~
    4.3
    父親が八王子千人同心の家に生まれたが、故あって研ぎ師となった荒金菊之助。ある日、菊之助は新大橋の袂に人待ち顔でいた男の子・直吉と出会う。父親の帰りを待つ直吉だったが、父親は殺されてしまう。町奉行所の探索が進まないことで下手人を追うことになった菊之助だったが……。人気時代作家・稲葉稔の原点と言えるシリーズが、決定版として新たに登場。
  • うらぶれ侍 決定版~研ぎ師人情始末(四)~
    -
    研ぎ師・荒金菊之助の住む源助店にいる五歳の男の子の姿が消え、その子の家で女が一人殺された。子を案じる両親の頼みで菊之助は子供探しを始めるが、従兄弟の南町奉行所臨時廻り同心・横山秀蔵から、女殺しについても探索を頼まれる。調べているうちに明らかになった衝撃の事実とは……。シリーズ最高の大迫力剣戟も入った、稲葉稔の原点シリーズ決定版第四弾。
  • 獣(ウルフ)たちの黙示録(下)死闘篇~エアウェイ・ハンター・シリーズ~
    -
    ソ連の最高軍事機密を奪取し、クレムリン要人一家の亡命を幇助せよ。さらにKGB幹部3名を暗殺せよ――遂行不可能とも思える数々の密命を受け、鉄のカーテンの向こうへの潜入を図る西城秀夫。だが、その動向はすでにKGBに察知されていた。組織を挙げての襲撃に絶体絶命の窮地へ追い込まれる西城の運命は!? 殺人機械の最後の戦闘を描くシリーズ最終章!
  • 熟れた月
    3.7
    がんで余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。落ちぶれた取り立て屋の乾。陸上部のエース阿久津先輩に憧れる高校生の結。生まれてから車椅子の生活しか知らない身体の不自由な博。それぞれの運命が絡み合ったとき、人生は思いがけない方向へ……。2017年『愚者の毒』で日本推理作家協会賞を受賞した著者が、底辺で生きる人間たちの業と、不思議な縁を描く。
  • うろうろ舟~瓢仙ゆめがたり~
    NEW
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    数寄者相手に嘘偽りない怪談を売る『お伽屋』を生業にする銀次。ある夜、依頼を受けて、真夜中の川面に幽玄のように現れるという物売りの舟を待っていた。そこに現れたのは、もののけが見えるという酔狂な隠居の瓢仙。すっかり彼の物言いに巻き込まれ――(表題作)。奇妙な縁でつながった二人が江戸の不可思議な噂や事件にかかわっていく! 霜島けいが新たに描く、痛快な新シリーズ第一弾!
  • うろんもの~人情・お助け押し売ります~
    -
    御家人の次男坊・杉野伸吾は、立派な戯作者になるのが夢だ。だが、師匠には、真面目すぎて話に艶がないと叱られてばかり。そんなとき、役者まがいの美貌を持つ謎の男・夕星と知り合う。兄さんと懐いてくる夕星は、伸吾の長屋に転がり込んできて……。「お助け屋」の仕事に巻き込まれた伸吾を待っていたのは、波瀾万丈の日々だった! 爽やかで温かな人情活劇。
  • 永遠の途中
    4.2
    広告代理店に勤務する薫(かおる)と乃梨子(のりこ)は、同期入社。仲はよいが相手と自分を比べずにいられない微妙な関係。どちらも、同僚の郁夫(いくお)に恋心を抱いていたが、ささやかな駆け引きの後、薫が郁夫と結婚して主婦に。乃梨子は独身でキャリアを積み続ける。歳月は流れ、対照的な人生を歩みつつも、相手の生き方を羨んでしまうふたり……。揺れる女性の心をリアルに描く長編小説。

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