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江口あけみ詩集 (現代児童文学詩人選集)
少年詩の創作、普及に歩んだ詩人の集大成。代表的既刊詩集から未刊詩集、エッセイまで収録。 (※本書は2007/3/1に発売し、2022/1/7に電子化をいたしました) -
絵ことば又兵衛
最近の学説では「浮世絵の祖」といわれ、また「奇想の絵師」のひとりとして江戸絵画で注目の絵師・岩佐又兵衛を正面から描く、力作長編。 母のお葉とともに暮らす又兵衛は、寺の下働きをしていたが、生来、吃音が激しく、ままならぬ日常を送っていた。そんなある日、寺の襖絵を描きに来た絵師・土佐光信と出会い、絵を描く喜びを知る。 その後、自分の出自を知らぬ又兵衛は何者かに追われ京に移るが、新たに狩野派で学ぶ機会を得て、兄弟子でもあり師ともいえる狩野内膳と出会い、更なる絵の研鑽を積む。しかしある日、何者かに母を殺される。 その後もなんとか絵の道で生きていた又兵衛だったが、じつは自分の父は荒木村重であること、母だと思っていたお葉はもともと乳母で、しかも彼女を殺した首謀者が村重だったことを知る。 母を想い、父を恨み、人と関わることも不得手な又兵衛にあるのは、絵だけだった――。 -
江崎クリーニング店の娘
ベストセラー『さよなら、田中さん』の著者が 瑞々しい文体で描き切る 涙と笑いの家族小説 嘘も、後悔も、失望も、孤独さえも、 持ち帰れる場所はきっとある――。 両親を亡くして一人で生きてきた紅美(27)。道端で財布を拾ったのを機に持ち主の藤子(58)との交流が始まる。8年前、藤子は奇しくも紅美と同い年の娘を病気で亡くしていた。紅美は次第に彼女を実の母親のように慕うが……(「帰る家」)。クリーニング店の娘・琴美に恋した小4の健太。だが両親が営む雑貨店が大手クリーニング会社の取次店になって関係が悪くなる。琴美の店は段々と客が減って商売をやめ、一家は引っ越し。15年後、二人は同窓会で再会する(「江崎クリーニング店の娘」)。何気ない一日が輝き始める、かすかな救いの全7話。 -
エジプト十字架の秘密
田舎町に発生した凶悪な殺人事件はT字で彩られていた。T字路に立つT字型の道標に磔にされたT字型の首なし死体、そしてドアに描かれたTの血文字。古代宗教や中部ヨーロッパの迷信等を背景に起る第二第三の殺人にエラリイの推理も翻弄される。有名な読者への挑戦状を付した国名シリーズ中傑作の誉れ高い作品。 -
エジプト人
面白い小説である。作者の驚嘆すべき空想力は微に入り細にわたって、古代の文化や風俗を、絵巻物をくりひろげるように展開してくれる。怪奇あり、愛欲あり、冒険あり、ユーモアありといったふうで、読者を堪能させる。作者ワルタリはフィンランドの作家だ。時代は紀元前3300年代の古代エジプト、主人公は王の頭蓋切開師シヌヘで、新王国第18王朝のイクナートン王の失脚と死のあと、追放の身になってからその来し方を振り返る。エジプトでの数々の出来事はもちろんだが、シヌヘはシリア、ミタンニ、バビロン、クレタ、ヒッタイトなど近隣諸国にも足を運び、その豊富な経験を物語る。ワルタリは古代エジプトの歴史と風俗を研究した成果を本作に盛り込んだが、その正確さはエジプト学者の賞賛をも勝ちえた。 -
エジプト・ツアー ショック療法
団体ツアーは、一種のショック療法である。日ごろ、関わる機会のない人たちと、四六時中一緒にいて、過酷なスケジュールで未知の土地を駆けずり回る。この経験は、二つの側面から、自分を、より客観的に見つめる機会を与えてくれる。まず、未知の土地に身を置くことにより、住み慣れた環境での「常識」から開放される。また、未知の人々と一緒に過すことにより、限られた人間関係の中で硬直していた感情や思考方法からも自由になれる。これらにより、同じような毎日を繰り返しているうちに、一つの型に固まってしまいそうだった自分自身の瓦解、新しい自分の再構築というプロセスを経験できる。 仕事で多忙を極める主人公が、敢えて団体ツアーに参加しようと決めたのも、自分の状態に対する本能的な危機感ゆえだったのかもしれない。会社での重責、配偶者の死、遺された三通の手紙、そして記憶―主人公を取り巻く全てのものが、前に進もうとする気持ちを萎えさせる。このままではいけない―そんな思いに駆り立てられるようにして、主人公は旅に出る。 旅先での思いがけない出会いと別れを通じて、主人公は理解する。自分がどんな人間であって、それが、周りにどんな影響を及ぼしてきたのか。そして、苦しみながら、過去をありのまま受け入れる。 そうして初めて、新しい「始まり」が、いつでも可能であることに気がつく。旅から戻った主人公は、はっきり理解している。過去の過ちを繰り返さないために、自分が今、何をするべきかということを。 -
SR サイタマノラッパー
北関東のド真ん中、「ライブハウスもクラブもレコード屋もない」埼玉県・深谷市。この片田舎で結成されたヒップホップ・グループ“SHO‐GUNG(ショーグン)”は、自分たちの曲での初ライブを計画中。しかし、世界に言葉を届けるラッパーになりたいと思いながら仕事もせず実家暮らしの“イック”と彼の仲間たちは、周囲から完全に馬鹿にされていた。そんな時、東京でAV女優として活躍していた高校時代の同級生・千夏が地元に帰ってくる。仲間たちに生じる微妙なすれ違い。ほんとにライブはできるのか?ここから東京、そしてアメリカまでって、いったいどれだけ離れてるんだろう?全編に溢れるおかしさとせつなさで’09年度邦画界を席巻した伝説的インディーズ・ムービーに、劇中では描かれなかった背景やサイドストーリーを大幅に加え、監督自ら、魂の小説化。 -
SE神谷翔のサイバー事件簿 3巻セット【電子版限定】※番外編付き
本書は、『SE神谷翔のサイバー事件簿』1巻~3巻及び番外編1冊にまとめた、お得なセット版になります。 ■『SE神谷翔のサイバー事件簿』 草食系でディズニーオタクの新米SE神谷翔。会社では凡ミス連発、頼りがいゼロの彼は、実は警視庁のサイバー犯罪捜査に協力している元ハッカー。知識だけはピカイチの翔と、正義感だけは強い先輩・理沙が繰り広げるネット犯罪捜査ミステリ。 ■『SE神谷翔のサイバー事件簿2』 「娘は預かった」。警視庁生活安全部長に届いたハッカー集団からの脅迫メール。手がかりはリンク先の動画に写るTDRのシンデレラ城だけだった。元ハッカーでサイバー捜査に携わる神谷翔と先輩・理沙の凸凹コンビが奮闘するITミステリ。 ■『クラウド・トラップ SE神谷翔のサイバー事件簿3』 マイナンバーが施行され、国民の全ての情報がクラウド上に保管されたすぐそこの未来。絶対安全と謳われていたアルティメイト社のクラウド基盤を支える無人データセンタが何者かに狙われ、元ハッカーのSE神谷が、孤軍奮闘するハメに!事件の余波は中国まで広がり、反日テロリストや各国政府、<光の道>の思惑が絡み合い、思わぬ大事件へと発展していく――。 ■『ウイルスファクトリー SE神谷翔のサイバー事件簿 番外編』 海外で猛威をふるう新型インフルエンザウイルスが日本にも上陸。特効薬の増産体制に入った工場に、コンピュータウイルスが紛れ込んだという。SE神谷翔は、なぜか公安に指名を受け、その調査のため工場に潜入する羽目に。工場の制御系システムを操るコンピュータウイルスにデータを人質にとる「ランサムウェア」、成りすましにアバターにと虚実が入り交じる……現実(リアル)と仮想(バーチャル)が入り交じる社会の、その先を問う! -
エス・エス・エス
私を取り巻く環境や年齢ばかりが変化して、私を『大人』として扱いたがる。中身は中学、高校、大学のあの頃からさしたる成長もしていないというのに、肉体ばかりが年をとる―― 大森あかり。社会人バンド『shout』でボーカルをつとめる、悩める二十七歳。 六年間勤めていた会社を辞めたのち、バンド仲間・日向のマンションに転がり込んだ。どうにかしないとと思いつつ、なんとなく動き出せずに時間ばかりが過ぎていく。 そんなある日、日向がレルと名乗る十代後半くらいの青年を拾ってきた。レルの登場をきっかけに、何かが少しずつ変わっていく―― 三つのS――Sing Shout Suomi――が織りなす、大人のための青春ストーリー。 恋愛短編小説「ルピナスの戯言」も同時収録。 【著者】 晴海まどか 千葉県育ち東京都在住の文章クリエイター。2014年3月、ライブドアブログ・impressQuickBooks主催「ライトなラノベコンテスト」で、「明日が雨でも晴れでも」が特別賞受賞。同じくimpressQuickBooksから「髪の毛探偵 石神くん」シリーズ発売中。 公式サイト「白兎ワークス」 http://whiterabbitworks.wordpress.com/ -
SNS暴力 なぜ人は匿名の刃をふるうのか
ネット上の誹謗・中傷の現状を徹底取材! 2020年5月、SNS上で誹謗中傷を受けた末、女子プロレスラーの木村花さんが亡くなった。ネット上で、SNSによる暴力が過激化。匿名になることで、言葉が凶器へと変わり、容赦なく人の心を切りつける。果たして加害者はどんな人物で、動機は何なのか。背景には、社会の構造的な問題があるのだろうか。記者が徹底的な取材で掘り下げる。一方、被害の深刻化、多様化が進み、いつ誰が被害者になってもおかしくない。被害に遭ったらどう対処すべきなのか。そして今、何が議論されるべきなのか。ネットの功罪を検証し、SNSの未来を探る。 -
エスケープという名の香水
暗い場所なら、脱出がよく見える 地上21階。ホテルではない。私的な寝室だが、生活感はまるでない。外は雨。そしてここは、かなり暗い空間である。ほぼ初対面の男女が、お互いに裸で、会話を交わす。趣味について話し出すと、女の語る趣味は嘘か本当かわからないような(たぶん本当なのだ)荒唐無稽なものだ。いつかはやってみたいこと、として彼女が語る「夢」はいささか常軌を逸しているようでもあり、同時になにかしら人間という生き物の根源に触れるようなものでもある。この暗がりの中で、二人は生活から、日常から「脱出」している。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
SG シャドウ・ガバメント
陰謀論か? 現実か? 売国奴は許さない! 現職の総理大臣が狙撃された。自国国民党の党首でもある西脇正次だ。 とっさに盾となったSPの三沢夕輝は被弾。 かろうじて生還したものの、凶弾に斃れた先輩SPの吉村昭人を喪った責任感から、警視庁を退職。 やるせなく、気の重い日々を送っていた三沢の前に、ある日突然、内閣情報調査室の諜報員・錦戸洋二が現れた。 今、政財官とメディアは売国派と愛国派に分かれ、暗闘を繰り広げているという。 売国奴たちは外国勢力に媚びつつ、移民や北朝鮮、原発問題等を利用、国民の分断を煽り、巨大な利権をほしいままにしているらしいのだ。 愛国派の錦戸に誘われ、救国を決意、再起した三沢。 国家のゆがみを正すため、許されざる国賊の陰謀を次々に挫く! 書き下ろし長編ポリティカル・サスペンス。 -
ST 化合 エピソード0 警視庁科学特捜班
※本作品は 2011年8月5日~2014年7月10日まで販売しておりました単行本版『化合』の文庫版となります。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。 エリート検事の暴走vs.捜査現場の必死。STの原点がここにある!"捻じ曲げる"検事。心に叛旗を翻し刑事は孤独に戦う。現場は検察の暴走を止められるのか? エリート検事は殺人事件を異例の陣頭指揮と鑑識結果の強引な解釈で早期解決を強行する。疑念を抱く捜査一課の若手・菊川と所轄のベテラン・滝下は独断で動き始める。拘束された被疑者が"落ちる"までに二人は証拠を捜し出せるのか!? -
エステサロンは秘蜜の香り 恍惚の甘い刺激
不動産会社に勤める優愛はこれといって美容に関心のないOL。ある日、高校時代の友人だった美華が営むエステサロンへ行くことに。数年ぶりに再会した美華は相変わらず、金の髪に碧い瞳の美女。そんな彼女に「ずっと好きだった」と告白される優愛。友人として好かれていると思った優愛は「私も好きだ」と言葉を返すものの、美華の真意は違っていた。彼女の柔らかな手に秘所をまさぐられる優愛。官能的な動きをする美華の両手。美華に性的な部分を激しく弄られ、優愛は戸惑うもののしだいに快楽の虜になっていく。攻めて、攻められて。ぬるついた甘い刺激に女性たちは互いの体をとろけさせる。※この作品は女性のオナニーシーンやレズビアンシーンがあります。 -
エステマニア
綺麗になることは、快楽なのだ。小学校時代から十年以上も容姿コンプレックスに悩む典子は、美しい自分を夢見て、人知れずあらゆるエステ、ダイエットを試みる。だがその都度、失敗を繰り返すばかり。それは、男性に愛されるための闘いなのだ。わかっていながら、深みにはまっていくエステの魔力と、せつない女心を描く体験的長編小説。 ●横森理香(よこもり・りか) 作家、エッセイスト。現代女性をリアルに描いた小説と、女性を応援するエッセイに定評があり、『40代大人女子のための“お年頃”読本』がベストセラーとなる。代表作『ぼぎちん バブル純愛物語』はアメリカ、イギリス、ドイツ、アラブで翻訳出版されている。東京渋谷でコミュニティサロン「シークレットロータス」を持ち、「ベリーダンス健康法」の講師としても活躍。 -
〈エステリエンの殺人シリーズ〉
スウェーデン南部スコーネ地方の風光明媚なエステリエンで、不動産開発を目論んでいた不動産ブローカーでテレビタレントの女性が死亡した。開発に反対する地元住民を懐柔するために購入した彫刻の上に転落したのだ。事故かはたまた殺人か。事件を担当するのは、原因不明の失神発作の療養のために現地に滞在していたストックホルムの国家殺人班の敏腕捜査官と地元警察署の駆け出し女性刑事。お洒落な都会のエリート刑事と、やる気はあるが経験の足りない田舎の刑事。馬は合わないのに意見は合ってしまう二人は、容疑者だらけの事件を解決できるか。 -
エステルの手紙教室
《みなさんの感情や意見には一切口出ししません。手紙の書き方、つまり文章の書き方を教えるのがわたしの役割です》北フランスのリールで書店を営むエステルは、亡くなった父を偲んで手紙教室を開くことにした。参加者を募る新聞広告を出すと、5人から応募があった。孤独な老婦人、重度の産後うつに苦しむ夫婦、仕事にやりがいを見いだせないビジネスマン、そして進路に悩む青年。性別も年齢も異なる参加者とエステルは、手紙のやりとりを通して新しい言葉との出会いに飛び込んでゆく。言葉の力を賛美した小説。"Le Prix Du Roman Qui Fait Du Bien"(癒やしの小説賞)を受賞。 -
SとMが結ぶ物語
美人で、お金持ちで、名門大学生と三拍子そろった秋月涼子さん。ところが困ったことに、彼女は探偵志望で、いぢめられると推理がひらめく、どMだったのです。 秋月涼子さんはどMで、探偵志望の大学2年生。ひとつ年上でSの新宮真琴お姉さまにいぢめてもらうと、名推理がひらめきます。今日は縄? 目隠し? チョーカー? お姉さまはいつも新しい世界を見せてくれます。さて、名門・聖風学園文化大学で今回巻き起こるのはどんな事件でしょうか? そして真琴お姉さまが涼子さんに教えてくれるのは、どんなプレイなのでしょうか? 1巻はシリーズ前半の14話を収録。 -
Sのエージェント~お困りのあなたへ~
「別れてほしい…」二年付き合っている彼氏から別れを告げられた琴音は、フラれたショックでお酒を大量に飲んで意識を失ってしまった。 二日酔いから目が覚めると、横には見知らぬ女性が一緒のベットで寝ていた。 介抱してくれた女性にお礼を言うために後日、その女性が働いている代行サービス「エージェント・エス」へ赴くことに――。 そこで介抱のお礼に代行のお仕事をお手伝いすることになった琴音は、 社員や依頼主など仕事を通して出会う人々と触れ合うことによって成長していく――。 人との出会いで変わっていくあたたかな成長ストーリー。 ●目次 プロローグ 久々デートの成れの果て Case01 依頼人は亡き娘が必要 水谷響子の場合 Case02 求む、ダブルデートのカップル 滝本純の場合 Case03 妻の思い出話を聞いてください 四方幸太郎の場合 Case04 大切に思うがゆえに 相田美雪の場合 Case05 見えない想い、訊けない理由 原彰彦の場合 あとがき ●著者 ひらび久美(ひらび・くみ) 大阪在住、英日翻訳者。2013年に恋愛小説コンテストで優秀賞を受賞、本格的に小説の執筆を開始。 『エリート上司の甘く危険な独占欲』(スターツ出版)、『恋愛遺伝子欠乏症 特効薬は御曹司!?』(竹書房)、『恋はメイクの後で』(徳間書店)などを出版。 電子書籍も多数配信中。 ●カバーイラスト ツグトク -
Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件
その村では、いじめは娯楽の役割を果たしていた。そして、村の決めごとで、いじめの対象とされている“サント”とは……。おぞましい因習が残る、青森県P集落。大学の同僚教授・三崎忍に同行し、二十年ぶりに帰郷する「私」には、苦い思い出の土地だった。途中の新幹線で、「私」たちは同じ場所を目指す心理カウンセラーの桜木と出会う。だが、雪で閉ざされた縁切り寺で「私」たちを待ち受けていたのは、世にも奇怪な、連続殺人事件だった……。長篇ミステリ小説。電子版あとがきを追加収録。 ●矢樹 純(やぎ・じゅん) 小説家、漫画原作者。1976年、青森県生まれ。実妹とコンビを組み、加藤山羊の合同ペンネームで2002年、「ビッグコミックスピリッツ増刊号」にてデビューする。『あいの結婚相談所』『バカレイドッグス』などの原作を担う。2012年、「このミステリーがすごい!」大賞に応募した『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』で小説家としてデビュー。2019年に上梓した短編集『夫の骨』が注目を集め、2020年に表題作で日本推理作家協会賞短編部門を受賞する。他の小説作品に『がらくた少女と人喰い煙突』『妻は忘れない』『マザー・マーダー』『残星を抱く』がある。 -
エスプレッソ
様々な人と出会うライターの行動を通し、場所と人との繋がりだけで物語を生む 先ごろ短編集を出したばかりの作家、柊甲介氏にインタビューしているライターの吉澤輝久は、70歳を越えてなお旺盛に執筆活動を続ける柊に、短編小説がどのように出来上がるのか話を聞きます。作中に登場する海老フライが食べたくなった話などをしつつ、吉澤は最寄り駅に真っ直ぐ行かず。タクシーで下北沢へ。そこで、かつて聞いたエスプレッソの店を訪ね、ふと、この店の常連になりたいと考えます。あちこちへ移動し、様々な人と出会うライターの行動を通して、場所と人との繋がりが、それだけで物語を生むという、その過程が短編小説なのでしょう。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)、『窓の外を見てください』(講談社)などがある。 -
エスプレッソを二杯に固ゆで卵をいくつ?
この怒涛の電話の中に真実はあるか? 14歳。自分で自分をもてあまし、世間からは「多感な時期」などと言われたりもする年齢だ。そんな年齢で、両親が離婚した。友人に向かって彼女は、そのことについて好きになれない父親について、めんどくさい新しい母について、そして誰よりも「かっこいい」と思っている離婚した母について電話口で怒涛のようにしゃべりまくる。対面ではなく、すべて電話でのおしゃべり、しかも相手の友人の応答は一切書かれずひたすらこちらがしゃべるだけ、という構えがこの短篇のキモで、そこにはうっすらと孤独が見えるようだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
似非エルサレム記
エルサレムは土煙を上げながら移動を続けた。それはまるで巨大な船が大地に波を立てて進むようであった。陸をさまよう巨大な氷山にも思えた。丘の上の人々は、かつて旧市街があった穴から、少しずつ遠ざかるその姿を眺め、誰も言葉を発することができなかった。(本文より) 聖地が動いた。1匹の犬とともに。そして人間たちと「土」との長い長い物語が始まる……。癒しに満ちた大人のための寓話。 ●浅暮三文(あさぐれ・みつふみ) 小説家。第8回日本ファンタジーノベル大賞最終候補を経て、1998年第8回メフィスト賞『ダブ(エ)ストン街道』でデビュウ。2003年第56回日本推理作家協会賞を『石の中の蜘蛛』で受賞。他作品に『実験小説ぬ』『ぽんこつ喜劇』、エッセイ『おつまミステリー』など多数。著作はイタリア、韓国で翻訳され、中学校教科書に採用された。日本文芸家協会、日本推理作家協会会員。 -
蝦夷忌譚 北怪導
札幌市手稲区のコンビニ前に伏す黒い影。跨ぐと火に纏わる凶事が… 北海道の住宅地・民家で現在進行形で起きている怪、 今もっとも身近で恐ろしい道内のご当地怪談!! 大ヒット前作「恐怖実話 北怪道」の続編がよりディープになって帰ってきた! 【札幌市手稲区】店の前に横たわる黒い影。跨いだその日から火の禍が…「手稲区のコンビニ」 【札幌市北区】床にできる謎の水溜まり。水漏れでもないそれは一体…「北区のアパート」 【苫小牧市】お得な家具付き中古住宅。いざ住むと調度品に不気味な変化が…「ある家の傀儡」 【夕張市】老女の住む家の納戸から出てきた日本人形。老女の身近な人が亡くなると不思議な事が…「花ちゃん」 【恵庭市】不審死の続出するアパート。一体何が起きて…「アパートの変化」 【稚内市】家族全員が異なる霊に遭遇している魔の家…「稚内の家」 【旭川市】神居古潭に向かって夜空に延びる光の帯。そこに人影が…「旭川の流星群」 【小樽市】吹雪の日の追突事故には視界不良以外の恐ろしい原因が…「小樽の吹雪」 【千歳市】老人が孤独死した部屋の上の階に住む男。気が付くと下の部屋が導かれ…「膜」 【伊達市】洗濯機の中に落ち武者の生首が。そのまま洗ったところ…「洗濯日和」 【函館市】教員住宅の部屋に出る黒い人影。天井に吸い込まれていくそれは…「スルスルキエル」 【八雲町】祖父の箪笥の抽斗で見つけた包み紙。詮索するなと言われたその恐ろしき中身は…「宝探し」 他、家族の中で死が連鎖していく恐怖「独り暮らしの訳」など、道内の民家・住宅地・生活圏内で起きた怪事件全36話を収録! -
エタンプの預言者
65歳、元大学教師。リベラルで、しがらみのないインテリのつもりだった。まちがえた選択をし続けて65年。どうやら私は、社会から取り残されたらしい。 フロール賞受賞のほか、ゴンクール賞、フェミナ賞、ルノードー賞、アカデミー・フランセーズ小説賞、ジャン・ジオノ賞の6賞候補! 現代社会への痛烈な批判を込めた超弩級の注目作! かつてタレント歴史学者を夢見たロスコフは、落ち目だった。95年に「冷戦下米国のソ連スパイ事件」を巡る書籍を刊行したが、翌日CIAが機密解除、本は一夜にして紙くずに。妻とは離婚し大学を退職、酒浸りだったロスコフは、同性愛者の娘のフェミニストの恋人に刺激され、研究を再開、サルトルやボリス・ヴィアンと親交があったアメリカの詩人・ウィローについての書籍を刊行する。客わずか5人の出版記念トークショーの席上、ロスコフはウィローが黒人であることを記述しなかった理由を問われる。翌朝掲載された匿名のブログ記事が炎上し、ロスコフはレイシストだという非難にさらされる。さらに自分を擁護するツイートに返信したロスコフは、炎上を煽ってしまう。ツイートした知人は、極右政党に入党していたのだ――。
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