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T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは? 『幻惑と死と使途』と同時期に起こった事件を描く。
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Posted by ブクログ
この上ない満足感。圧巻の一言。 ミステリーとしてもヒューマンドラマとしても極上の作品であった。 今後好きな作家を問われた際の回答には森博嗣の名が加わるだろう。 普段は自分の考えが上手く整理できるかと、少なからず億劫になる感想も今は思うがままに書いている。考えをまとめている場合などではない。 ここか...続きを読むらは少し冷静に。 作中の登場人物も言っているように一見すると事件自体は地味なようにも感じた。 それでも退屈しなかったのは西畑刑事や萌絵が次々と仮説を立ててくれたおかげだろう。 巧妙なトリックも衝撃の犯人も最後まで見破ることができず、ミステリー作品として充分面白かった。 那古野の屋敷で銃声が響いたシーンの伏線回収には驚いた。 最終章ではあらゆる謎の解決、華麗な伏線回収、予想だにしないどんでん返しなどミステリー作品の魅力が次々と溢れてきてページを捲る手が止まらなかった。 しかし、"面白いミステリー"だけでは終わらないのが森博嗣。 杜萌を筆頭に様々な人間関係が描かれている点も今作の魅力の1つであった。 素生の間に起きた出来事や萌絵との友情、そして何よりラストに明かされるとある人物との関係性には驚いた。 そして登場人物の間で交わされる会話にユーモアがあるのも森博嗣作品の特徴であると思う。 萌絵と犀川のタッグにはその要素がふんだんに盛り込まれていて飽きることなく読むことができる。 すべてがFになるに次いで夏のレプリカもこの満足感。S&Mシリーズは読破しようと心に決めた。 個人的に50~60ページという丁度いいページ数で章が区切られていると読みやすいことに気がついた。 他の作品の解説は一作者として書かれているものが多いが、今作の解説は散文的な要素もあったことから一読者としての解説かのような親近感を感じる解説であった。
萌絵の人間的成長が感じ取れる面白い作品。 サラッとスッキリ。 進めていくうちにどんどん文庫本が厚くなるけど、すごい優しい読み心地。
これまでのS&Mシリーズとタイトルの雰囲気が違うなと思って読み始めたからか、中身もなんとなくですが新鮮に感じました。タイトルから勝手に爽やかさを感じていたのもあって、ラストは余計に心が苦しくなりました。 蓑沢家はこれからどうなるのかな… 知り合いの読書王の感想をききたくなる作品でした。 と...続きを読むてもおもしろかったです!
前作の間の別事件の話。 犀川先生と萌絵の出番は少なかったけどとても楽しめました。 このシリーズももぅ少しで終わってしまう。でも森先生の本はまだ沢山あるのでまだまだ楽しめそうである。
このシリーズの中でも好きな作品でした。 トリックどうこうでなく、物語として。 前作、幻惑の死と使徒の対になる作品。 よくもまあ、この二作をこれだけ上手に絡めながら同時進行させる話を書きましたね。本当にすごいですね。 事件・謎の部分はほんの些細なところ。トリック自体はなんとなく想像はできたけど、こ...続きを読むの作品の本質はそこでない気がするなぁ。 個人的にささったのは、エレベーターに乗って降りるシーンの表現、「重力加速度が減少し、やがて増加する」の部分。客観的に物理現象として表現してるあたりが、その時の彼女たちや読者の心境をよく反映してると思う。
今作の事件は前作の事件と並行して起きていることであるから、今作には偶数章しかない、ってとこからお洒落でかっこいい〜。定期的に摂取したくなるS&Mシリーズ。今回は萌絵の最強お嬢様っぷりが控えめだったような気がする。杜萌が犀川先生のことを「どこにでもいる特徴のない男」と評しているのが面白い。最後...続きを読むの最後に少しの希望があってよかった。
一夏の再会が、私を一つ大人にした。 S &Mシリーズも随分と読み進め、犀川と西之園二人の掛け合いにもだいぶ心地よさを覚えてきたこのタイミングで起こった事件は、前巻のマジシャン事件と同時並行に起こっており、そのため犀川、西之園コンビがあまり出てこない。キーパーソンの杜萌の視点から殺人事件と失...続きを読む踪事件が描かれていた。 ミステリーを読む時には色々と推理をしながら読み進める人もいれば、そのときの雰囲気に浸るのを楽しむ人もいる中でこの作品はどちらかというと「後者」の読み手がより楽しめると思う。いつものような「仮定」とか「論理」とかの視点よりも、登場人物の「立場」や「過去」、「心情」といった視点から味わうことができ、それはいつもと違うキーパーソン杜萌の視点から描いたという良さが出たところだと思う。 人はどのようなときに大人に近づくのであろうか。受け入れられないことが受け入れられるようになったとき、過去の出来事に区切りをつけられたとき、新しい自分を人や自分が見つけたとき、色々なときがある。「変化」をどのように捉えて、どのように受け入れるか、それにより「今」の見え方、「真相」の見え方も変わるのであろう。 物語のラストに向けて様々な「余韻」が残されている。一夏の出会いや別れ、出来事ってそんな感じの「虚い」や「儚さ」を纏った朧げなものがあって、自分が目の前にしている「現実」に向き合えるのではないだろうか。そんな一夏に魅せられて、人はまた一つ何かしらのカタチで大人になるのだろう。
奇数章が「幻惑の死と使途」、偶数章が「夏のレプリカ」となっており、並行して読めばより良く楽しめます。物語の途中途中で、もう一つの事件に触れたり関わったりしています。
萌絵犀川シリーズにしては難解さはあまりなくスラスラと読めたかな。 萌絵が最後にトリックを解き明かすシーンでは何故このトリックが思いつくのか読んでも分からなかった。犯罪者赤松と杜萌の経緯も明かされないし基生のことも描かれないし、後の作品で出てくるのかなぁという感じ
S&Mシリーズを私が好きな理由は2人の掛け合いが読みたいからという一点に尽きるのですが、今作はまさかの犀川先生めっちゃ出てこーへんやん えーてなるどころか今までで1番好きですこれ。めっちゃ面白かった… 儚い… なんでそうなった?ていう謎が多いに残りめっちゃ考えさすやんて感じです。読後感が切な...続きを読むいー
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