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-女子少年院で更生し出所した清純な若い女性が、世の荒波にもまれながら人間の真実と愛情に目覚めていく、映画化もされた感動の物語。スリ犯の不良少女・多恵子は、女子少年院の生活と院長の息子・弘志の愛情で更生したが、少年院を出て彼女の行く先はなく保護司に預けられた。だがその家で……。
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-瀬戸内海に臨んだ県立女子高校の新任教師・矢吹は、明朗な性格で人気者だったが、ロレンス思想の礼讃者である彼は、放課後、教師および生徒を前にチャタレイ講義をし、大きな波紋をよぶ。敬虔なクリスチャンの池内先生は、矢吹と激しい恋に陥ち、霊肉一致の苦悩の果て、二人は結婚したが……。この「愛の静脈」は、子を残して先立った美しい妻の追憶に生きる旧師・矢吹の心の支柱たるべく後妻になった夕子が、未来を開く扉は過去からの照明によらねばならぬとして、互いに傷つけ合う教師同士の怖るべき恋愛に、生徒として関係した愛と憎悪を回想する、香り高き告白小説である。
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3.0
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-冬の菅平へ、木塚哲男と稲山洋子は、新婚スキー旅行にやって来た。襖1枚の隣室のスキー客の含み笑いに、洋子は初めての夜をこばんでしまう。翌朝、木塚は偶然逢った友人とともに、洋子を残して根子岳に出発、そして吹雪の山で道を失う。救出された木塚の枕元で、洋子はうわごとに「美津子」と呼ぶのを聞いた。……濃霧の高原、寒冷前線の乱流の中に展開する、青春画像を描いた長編力作。
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-曽我平九郎は、たとえ貧乏でも浪人暮らしが性に合うという。しかし、剣の腕も立つし、情にも厚い。長屋の隣人に紹介されて質屋の深夜番に雇われたことで……。時代小説の名手による名作。続編『曽我平九郎』とともに。
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-椿の名所、菅多峠の観光路線は、急勾配の隘路続きで事故が絶えないため、トンネル工事の完成が待たれていた。麓の漁港、佐土浜にあるS交通バスの三崎義実は、運転手仲間も舌をまくほどの腕達者だが、黙々とハンドルを握る孤児の彼には、暗い過去の影がつきまとう。忘れ得ぬ女、市枝の面影を空しく追い求める彼の心に再生の灯をともしたのは、若い車掌、加江子の純愛だった。が、港祭りの日に市枝の姿を見かけたときから、彼の運転はすさんでいった。…… 田宮文学独自の冴えた抒情のうちに、生きることの真意を求めて描く長編力作。
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-公儀直参五百石・織部主膳の嫡男に生まれながら、義母との不和から余儀なく家出して5年、今では渡世人「顎外しの勘八」と異名のある信太郎が、ふとした奇縁で雨中に武家娘の危難を救ったが、それがまだ見ぬ許嫁のお雪だったとは……。という、可憐な美女のひとすじの恋慕絵巻をくりひろげる「紅だすき無頼」ほか、主君の悲哀を察して処女妻を残したまま放浪10年を送る武士の意地を描く「めおと春秋」、天下の剣豪競い立つ幕末期、甲源一刀流の若い剣士が男谷信友・高柳又四郎の情の鞭に鍛えられてゆく「剣客」。ほかに、動乱期に狂い咲く仇花を描いた「夜の花道」などを集めた傑作集。
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-前田家の美貌の息女と瓜二つだったために、貧乏浪人の娘が遭う災難と冒険。赤城山の奥深くに、人知れず住む人たちの秘儀・赤姫秘文の謎と、それにまつわる奇譚を軸に、ふたりの美貌の女性たちの恋と欲とがないまぜになった、伝奇小説。
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-生まれながらの巧みな弁舌で、郵便局の養子に収った番匠銀之助は、家付きの姉妹をものにすると、もう次の悪事に想いを走らせる。代議士の姪・路子の征服――この娘を俺の出世に利用しないわけにはいかぬ……。悪事のプランは夜床の中で、塩煎餅を齧りながら思案する。やがて、銀行を舞台に籠抜け詐欺で得た大金で、汽船会社を乗取り、ボロ船で保険金を搾取し……。20歳を過ぎたばかりで、もう一流実業家気取りの彼は、関東大震災すら、自らの色と欲に悪用した。市内の用地略取に始まる軽井沢と箱根の土地買占めである。欺瞞に満ちた銀之助の半生を描く長編悪漢小説、上下2巻。
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-瀬戸内海の島に駐在することなった保健婦の俊子。懸命に島の人々の健康を守ろうとするが、島の風習とは対立してしまうことも多い。そういう島ならではの事件を経験しながらも、奮闘して成長する。『Dr.コトー診療所』などにも通ずる、僻地医療作品の傑作。
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-佐伯隆二は、今も7年前のあの日の憤懣と屈辱が忘れられない。一流大学を卒業した彼が、大東映画の採用試験に落ちた日のことだ。合格、と信じていたのに、身上調査でふり落されるとは。 己の才能が信じられなくなり、いつかエリートコースを踏みはずし、妻に養われる怠惰な男になってしまったのも、すべては屈辱の思いに耐えられなかったからだ。その佐伯が新聞広告につられて応募した興信所に勤めた時、初めて知る身上調査の実態――それは巨大な社会組織の翳りのような虚偽の世界ではないか――に佐伯は唸った。俺は嘘のために一生を失った!「ある復讐」他5編を収録。
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3.8
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-結婚5年目の伊乃、南仏リビエラのハインリッヒ……。山田耕筰に師事するも、病気のため音楽をあきらめた作家による傑作小説集、全9篇。
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4.0現実と非現実の交錯を描く芥川賞受賞作。石に異常な執着を示す男の人生。長男の死、妻の狂気、次男の学生運動、夢と現実の交錯のなかで描かれる奥泉光の芥川賞受賞作。他に「浪漫的な行軍の記録」所収――太平洋戦争末期、レイテで、真名瀬は石に魅せられる。戦後も、石に対する執着は、異常にも思えるほど続くが、やがて、子供たちは死に弄ばれ、妻は狂気に向かう。現実と非現実が交錯する、芥川賞受賞作「石の来歴」。兵士たちの、いつ終わるとも知れぬ時空を超えた進軍、極限状況の中でみたものは……。帝国陸軍兵士の夢と現を描く、渾身の力作、「浪漫的な行軍の記録」所収。
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4.3
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-鈴鹿の浮浪児が、野武士の頭領から一国一城の主となり、天下統一の野望に燃える。一世の風雲児・北条早雲の半生を、『人生劇場』の流行作家が描いた会心作。
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-幼い頃に父を亡くし、母の手一つで育てられた矢沢次枝は、恋人・勝田伸にプロポーズされたことを、母に言い出せなくて悩んでいた。依怙地な母は、娘の様子に恋人の存在を感じても、知らぬ振りをしている。伸はそんな状況のなかで、自分自身の勇気のなさに苛立ちつつ、次枝の態度に歯がゆさを覚える。次枝母娘と同じアパートに住む宮内咲子は、勤めのかたわら夜は学校へ通っているが、同級生の加治千太のやさしさを好意以上のものと感じながらも、伸に心ひかれるのだった。それぞれの思いを胸に秘めて、ひたむきに生きる恋人たちの姿と、人々の善意と哀歓を描く青春長編小説。
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2.0猟色のベテラン・小見山が、デパートに勤める紀子にウツツを抜かし、しかも、目的が果たせないという、珍しいことが起こった。彼が、紀子のことで、あの手この手の策を弄していると、かならず、見知らぬ女の声で、電話がかかってきた。しかも、それは、彼に欺された過去の女の亡霊のように、彼をおびやかしつづけた。やむなく、小見山は、かつてガール・ハントの手ほどきをしてやった宇津に、助けを求めたのだが……。 2人の男のあくなき女体探求を通じて、性の世界の百態を展開する長編小説。前作「色名帖」の続編として書かれた異色作。
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-一代で身上を築いた暴君・芝直吉が50歳の時に嫁いできた27歳の令子が、猟色家の立花烈と関係を持つという物語と、病妻を持つ下妻雅治と関係を持つ未亡人の小河内まゆみという、2つの不倫の物語。大人の感覚を持つ登場人物たちの肉体と精神の揺れを、堂々たる筆致で描いた力作。小林旭がデビュー作となった映画の原作。
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