小説・文芸 - 光文社文庫作品一覧

  • ハリウッド大通りでミステリー
    -
    「ねえ、一緒にロサンジェルスに行こっ!」イトコの春菜に言われて、隼人は凍りついた。またまたやっかいごとがっ……。で、やっかいごとは空港でさっそく起こった。他人のスーツケースを持ってきてしまったのだ。それが、殺人事件の発端だった。――自称名探偵春菜と、あわれなイトコ隼人がくりひろげる、どたばた推理道中。
  • 春風を斬(き)る~御算用日記~
    5.0
    幕府御算用者の生田数之進と早乙女一角が潜入した仙石藩は、正月の門松すら立てられない貧乏藩だった。藩財政を破綻させた真の原因は何か? 姿を現さない藩主・忠輝の行方は? そして、江戸の町を騒がせる「髷(まげ)切り魔」の正体は? 錯綜する謎を数之進の千両智恵が解いたとき、悪の謀(はかりごと)が、打ち砕かれる! 時代人情小説に新風を吹き込む大好評シリーズ第5弾!
  • 春信殺人事件~美術探偵 仙堂耿介~
    3.0
    江戸の天才浮世絵師・鈴木春信の肉筆浮世絵が発見され、商社が七億円で購入した。だが、その「春信」に決定的な贋作の証拠が! 闇に埋もれた美術品を探し出す美術探偵・仙堂耿介は、「春信」とともに消えた男・遠藤を追ってN.Y.へ飛んだ。「春信」に隠された戦慄の秘密! 事件の裏には大胆にして巧緻な陰謀が!? 浮世絵の謎と、本格推理を融合した歴史推理の傑作。
  • はるひワンダー愛(ラブ)
    -
    春日はるひは18歳。小柄でキュートな、新宿ゴールデン街にあるお店の人気ママ。警視庁捜査一課の獅子丸太郎刑事と知り合い、彼の家に招かれた。その帰り道……蜃気楼のような〃もの〃に遭遇。以来SF的な出来事が続発!! エイリアンの仕業か、宇宙の神秘か? 二人の恋をめぐるミステリー、活劇、ユ-モア傑作小説。
  • 春を嫌いになった理由 新装版
    3.8
    フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母に超能力者エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。嫌々同行したロケ現場で、エステラの透視通りミイラ化した死体が発見された――。一方、妹と中国から日本に密入国した林守敬は、過酷な運命に追いつめられていた。様々な因縁が交錯する先に立ち現れる驚愕の事件とは? 著者初期の傑作サスペンス長編!
  • 晴(はれ)や、開店~人情おはる四季料理~
    4.0
    1~2巻715~726円 (税込)
    もと町同心だった優之進は、妻のおはると料理屋を開いた。日本橋と京橋の間、大鋸町の裏通り。柑子色ののれんが目印だ。有能な同心だった優之進だが、仕事のいざこざで起こった不幸な出来事から、町人として生きていくことを決心したのだ。かつての上役、職人衆から老舗のご隠居まで、常連客も増えて――。江戸の季節の料理と人情にほっこりするシリーズ第一弾!
  • 破牢の人
    -
    無実の罪で無期懲役を言い渡された男の、執念の脱獄行! 愛する妻子と暮らす獅子原由造。彼は借金に困って強盗を働くが、身に覚えのない殺人罪まで着せられてしまう! 冤罪の屈辱に堪え、服役する獅子原。そんななか、妻と娘が何者かに惨殺される事件が! 犯人を探すため、獅子原は最初の脱獄を決行し、雪深き八甲田越えを目指した。──一読感動の巨編。
  • 犯罪銀行
    -
    最大手都市銀行・大隅銀行の支店長である海江田は、本店の指示で水口なる者と接触を持った。その男は意外にも株価操作を目論む仕手筋だった。彼への過剰融資が始まった。一方、ライバルの三田銀行では、会長自ら大隅銀行を不正融資のスキャンダルに陥れるために、水口に接近。だが、一枚上手の彼は!? 都市銀行のサバイバル戦を描きバブル経済破綻の裏を暴く!
  • 犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題
    3.9
    売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。その建物にはかつて虻原が所属していた劇団の主宰者が住んでいた。二人には感情のもつれがあったらしいのだが……。虻原は連載コラムの最終回に不可解な俳句を残していた。はたして俳句に隠された意味とは?(表題作) 6つの星座にまつわる謎の数々を、名探偵・法月綸太郎が鮮やかに解決してゆく。連作本格推理。
  • 叛臣
    -
    「おれは逆賊にはなりたくない」と叫ぶ足利尊氏を歴史に翻弄される愚直な武将として描く『叛臣』。家康の筆頭家老でありながら、裸の愛情を注いでくる秀吉に走った石川数正の、武士の倫理と自己の感情のせめぎ合いを活写する『異端の三河武士』。上下関係の厳しい武家社会にあって、あえて背いて生きることを選択した人間の性格と揺れる感情を丁寧に追った傑作7編。(『異端の三河武士』改題)
  • 半熟AD
    3.8
    番組制作会社の元AD(アシスタント・ディレクター)で、今は無職の田野倉敦(たのくらあつし)、27歳。仕事先を探す中、同居人の先輩に強引に引き込まれ、敦は一般人相手の映像制作会社を手伝うハメに。不本意な仕事ばかり舞い込むが、ある日、天才的な歌声を持つ少女が彼らのもとに現われて――。読めば元気が出ること間違いなし! お仕事小説で話題の著者が贈る、人生賛歌に満ちた爽快エンタテインメント!
  • 半ダースもの情事
    -
    「脱ぐぞ」男はいきおいよく裸になり、今度は私の顔の上に馬のりになった。あかい口紅のままの私の唇に、ぐいと無理やり──女の怨念、女の献身、女の悲嘆、女の愛憎、女の倒錯……。銀座のママ、作詞家など波乱の人生体験をもつ著者が、はじめて女の側から“男と女の本音の世界”を描いた、切れ味するどいロマン傑作集!
  • 般若同心と変化小僧(一)
    -
    「お助け金所望、五百両」応じなければ、主人を惨殺。江戸では、豪商を狙った世直し党による凶行が続いていた。『三倉屋』への投げ文が、賊を騙った手口だと般若同心・柚木源九郎が見破る。源九郎は、奪った金を庶民に配る義賊・変化小僧とともに世直し党の正体に迫る! 北町の同心・小月忠吾は、源九郎と変化小僧との関わりに疑念を抱くが……。“痛快”捕物帖!
  • 犯人のいない犯罪
    -
    盗品らしき象牙の撥、金縛りに遭う蒲団……台東区浅草の天野質店には、わけありの客がいろんな質草を持ってくる。なかでも主人・天野籐吉や息子の籐一郎が驚いたのは、旧華族更級家の娘・美登利が質入れした日本最古(!?)仏像だった。ところが、その直後、更級家は全焼、美登利が蒸発した!? 連続放火、集団詐欺事件の行方は? 謎たっぷりの人情噺。
  • ハンバーガーが死んでいく
    -
    万里村桂――米軍横須賀基地から依頼されたトラブル解決人(シューター)。サン・ディエゴ時代の元恋人・トニーが横須賀に赴任してきた。ハンバーガーとコーラで十分楽しかった日々が懐かしく思い出されるが、5年ぶりに再会したトニーは、どこか様子が違っていた。やがて、トニーの副業・英会話教室に疑惑が……。意を決して、元恋人を調べ始めた桂を待っていたものは!?
  • 半七捕物帳(一)
    4.0
    岡っ引上がりの半七老人が、若い新聞記者を相手に昔話を語る。十九のとき、『石燈籠』事件で初手柄をあげ以後、二十六年間の岡っ引家業での数々の功名談を江戸の世態・風俗を織りまぜて描く捕物帳の元祖!(全六巻)
  • ハートブレイク・レストラン
    3.7
    1~2巻550~660円 (税込)
    フリーライターの寺坂真以(てらさかまい)が仕事場代わりにしているファミリーレストランには、名探偵がいた。店の常連・ハルお婆ちゃんは、客たちが話す「不思議な話」を聞くと、真以を呼び寄せ、たちどころに謎を解いて見せるのだ。そんなお婆ちゃんにも、ある秘密があったのだが……。可愛くって心優しいお婆ちゃん探偵が活躍する、ハートウォーミングな連作ミステリー!
  • 陪審15号法廷
    4.0
    日本でも陪審裁判が行われていた、昭和4年の京都。銀行頭取が殺害され、邸(やしき)に放火される事件が起きた。被告人である頭取の妻の愛人は、無実を主張。ところが、被告側の有力証人が、衆人環視(しゅうじんかんし)の法廷で射殺されてしまった! 廷内にピストルが持ち込まれた形跡はなく、発射音を聞いた者もいない。どんでん返しに次ぐどんでん返し――著者渾身(こんしん)の異色法廷ミステリー!
  • バイター
    3.0
    伊豆半島沖の大川豆島にゾンビが大量発生!? 政府によってバイター(=他の人間を咬む者)と名付けられたゾンビは血肉を求めて人を襲い、島内は凶暴なバイターで溢れた。そんな折、相澤総理大臣の娘・彩香が島に滞在していることが判明する。絶望的な状況のなか、自衛隊と警察の混成チーム「ブラッド・セブン」が結成された。彼らに課せられた密命は「彩香の救出」。7人の精鋭は死地から彩香を救出することができるのか!?
  • 馬疫(ばえき)
    -
    2024年、欧州での新型コロナウイルス感染爆発により、夏季五輪は再び東京で開催されることに。しかし、五輪提供馬の審査会で突如、馬を狂暴化させる「新型馬インフルエンザ」が発生。開催に向けて、過去に例を見ないウイルスとの闘いに獣医師たちは奔走するが、それが想像を絶するカタストロフィへの幕開けとなるとは、誰にも想像しえなかった――。第24回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
  • 爆 弾 魔
    4.0
    深夜営業の量販店を狙った連続爆弾テロが発生。標的はいわく付きの社長か。しかし、新たに別のショッピングセンターで爆弾事件が! 25年前に起きた爆弾事件で警察をやめた警備員・藤村は、現場で、獄中にいるはずの男を見つけた。藤村の娘の警察官・早苗を巻き込み、爆弾魔は闇の中で哄笑する……。元刑事と爆弾魔の息詰まる攻防を描く傑作クライムノベル!
  • 幕府パリで戦う
    -
    維新前夜――慶応三年。渋沢篤太夫(栄一)は、パリ万国博覧会日本代表・徳川昭武(慶喜の弟)に随行、横浜を出帆した。パリの博覧会場には既に〃幕府、日本を代表し得ず〃という薩摩=英国(イギリス)の工作が、施されていた。隠密とスパイの凄まじい暗闘! 若き貴公子・昭武と異国の乙女との淡い恋……。渋沢ら家臣団が、花のパリを舞台に必死の戦闘を繰り広げる維新秘録!
  • 幕末紀~宇和島銃士伝~
    4.0
    伊達宇和島藩八代藩主・伊達宗城の密命を受け脱藩し、激動の幕末を生き抜いた柴田快太郎という男――著者・柴田哲孝の高祖父である。柴田家に残る資料に基づき、射撃の達人でもあった快太郎を主人公に、桜田門外の変から池田屋事件、新選組、蛤御門の変に至るまでの幕末の真実を描く! 『下山事件』で昭和史に残る未解決事件の真相に迫った著者による傑作歴史小説!
  • 幕末最後の剣客〈上〉
    -
    江戸・御徒町、伊庭道場の息子八郎は、端正な容貌の若者だが、達人ぞろいの講武所で技を磨いた凄絶な剣技の持ち主。幾多の真剣勝負の修羅場を苦もなく切り抜ける。幕府はすでに瓦解寸前。八郎は選ばれて将軍を守護する〃遊撃隊〃の一員となり、勝海舟・山岡鉄舟らを後盾に、江戸っ子の心意気を守り抜く。幕府の剣客として、潔く爽快に生きた男を活写。長編力作!
  • 幕末算法伝
    -
    最上流算法家の金盛吉之丞は、維新の動乱に巻き込まれ、官軍参謀暗殺の一味に加わって失敗。逃走の途中、負傷して動けぬ親友の渡会清明を手にかけた過去がある。その事情を明かせぬまま、彼は清明の妹・志ほに、実の兄同様の愛情を注ぐ。ところが、志ほは彼を恋人として慕い、ひたむきな思いを寄せていた――。 日本独自の算学(和算)を題材とした、異色の長編時代傑作。
  • 幕末純情伝~龍馬を斬った女~
    5.0
    剣客たちにおそれられる新選組の沖田総司は、男装の美しい天才女剣士であった。惚れた男、土方歳三のためであれば、ひたすら多くの志士を斬りつづける。ついに狂おしい愛憎の刃は、やがて、「この男が死ねば日本は滅ぶ」とまでいわれた大政奉還の立役者・坂本龍馬に向かう。歳三と龍馬のあいだで揺れ動く女総司の情念を通して解き明かす、めくるめく幕末絵巻。

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  • 幕末列藩流血録
    3.0
    勤王か佐幕か、攘夷か開国か……。沸き返る世論と、目まぐるしく変化する時勢の流れに、敢然と立ち向かい、新しい時代を模索しながら、志なかばに斃れていった人々の激しい生きざまを描く。
  • 馬喰八十八伝
    -
    年老いた母を種付け馬・花雲の背中に乗せ、嘘を封じる百カ所まいりに出た若者。馬の名産地・桜七牧で、真実を述べたばかりに八十八回叩かれた腹いせに、同じ数の嘘をつき生きることを決意、自ら八十八と名乗る。悪代官に野盗の頭目、一癖も二癖もある相手に、嘘つきの天才八十八が言葉巧みに勝負を仕掛ける。恋あり、オゲレツあり、爆笑必至、痛快な男の出世物語。
  • 婆娑羅大名
    3.0
    下剋上(げこくじょう)の世の中に、人目をも憚(はばか)らず、思いのままの奢侈(しゃし)にふけり、数寄(すき)風流に命を賭けた京極道誉(きょうごくどうよ)。後醍醐(ごだいご)帝と足利尊氏の宿命的な対決を背景に、荒々しく血なまぐさい南北朝時代を描いた歴史小説の傑作。
  • バスカヴィル家の犬
    4.2
    急死したサー・チャールズ・バスカヴィルの死体のそばには、巨大な犬の足跡があった。ダートムアのバスカヴィル家に伝わる魔犬伝説は、ほんとうなのか? 遺産相続人サー・ヘンリーの依頼で、ホームズは捜査を開始する。はたして、先に現地に乗りこんだワトスンを待ち受けていたものは? これまで何度も映画化された、最も有名で人気のある長編。

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  • バッグをザックに持ち替えて
    3.8
    取材のためのはじめての登山がつらくて、山なんてやめた……はずだった。それが浅間山を皮切りに、谷川岳や八ヶ岳、そして富士山、ついには標高5000メートルを越えるエベレスト街道を歩くまでに。何が楽しいのか? 辛いのにどうしてまた登ってしまうのか? 山道具から下山後の宴会まで、さまざまな山の魅力を描いた傑作エッセイ。
  • バベル島
    3.6
    イギリス・ウェールズ北西部。彼の地の伯爵は長年「バベルの塔」建設に取り憑(つ)かれていた。60年の歳月をかけて完成した日、悪夢の惨劇が――。(表題作) 残業の夜、男は急停止したエレベーターに閉じこめられてしまう。中にはもう一人、髪の長い女が。そのビルには幽霊が出るという噂があって……。(「上下する地獄」) 鮮やかなプロットが光る単行本未収録作11編。
  • バラ色の未来
    4.4
    カジノ誘致に失敗し、身を滅ぼした元町長の鈴木一郎は、総理官邸前で「大嘘つき!」と叫んだ。東西新聞社の記者・結城洋子は、彼の境遇を知り、統合型リゾートの暗部を探る。だが、社の内外で無数の壁に阻まれ取材は難航。一方、華やかな表舞台の裏側では、それぞれの思惑を抱えた政治家や外資系企業が蠢いていた。記者たちは矜持にかけて、闇に潜む真相の解明に挑む!
  • 晩夏の蝉
    4.0
    少年犯罪に携わる若き女性弁護士・真希は、母と幼い娘を暴行し殺害した16歳の少年を担当することになった。少年との、どうしようもない心の溝に、深い悩みを抱く真希。そんな折り、夫の前妻との子と同居するようになるうち、夫との関係にも影が差すようになる。脆(もろ)く揺れる彼女の心の行く先は――。気鋭の著者が世に問う、家族、愛、少年の心の闇。(『明日を抱きしめて』改題)

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  • 晩夏の向日葵(ひまわり)~弁護人 五味陣介~
    3.8
    条川署の警官・新田真人は、オレオレ詐欺の金を受けとりに来た若者を現行犯逮捕した。犯人の立花康平は苦学生で、書類を受け取るアルバイトのつもりだったという言葉に嘘はないようだった。真人は、かつて冤罪事件解決で知り合った弁護士の五味陣介に康平の弁護を依頼。五味は康平の罪を軽くしようと、邪悪な黒幕の正体を暴くため、老骨にむち打ち奮闘する!
  • バンカーなんか怖くない
    3.0
    たった3本のクラブで連戦連勝。ハワイのゴルフ界ではちょっと有名な、わたしはユウ、16歳。向かうところ敵なしって言いたいとこだけど、SWを壊してしまってからスランプなんだ。倉庫の隅にあったその古いクラブは、実は幻の名品だったみたい。なんとか同じものを手に入れたくて……。1人の少女がゴルフを通じて成長する姿を爽やかに描く、超人気シリーズ第2弾!
  • 万有引力の殺意
    4.0
    団地のベランダから植木鉢が落ち、下にいた男が即死! 第一発見者は、団地に住む新名明美と小学生・里美の母娘。明美は死体の顔を見て以来奇妙な様子……。里美のほうは、事件を知った担任の寺崎先生の態度を不審に思い、先生に匿名の手紙を出すが、その直後、先生が自殺を図って……。

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  • パダム・パダム~京都府警平安署 新任署長・二条実房~
    -
    被害者の眼球をくり抜き、三人を殺害したシリアルキラー「眼喰鬼」が京都を震撼させていた。キャリア警察官・二条実房は犯人検挙を期して平安警察署の署長に赴任したが、その直後、二条を嘲笑うかのように平安署員が第四の犠牲者となる。「奴は我々を本気で怒らせた」。闇に潜む犯人に対して、二条と平安署の威信をかけた闘いが始まった。極上にして最強の警察小説、待望の文庫化!
  • パナマ運河を破壊せよ~海底空母・伊四〇〇~
    5.0
    大日本帝国海軍潜水艦・伊四〇〇は、通常動力型としては史上最大の潜水艦である。水上爆撃機を三機塔載、地球一周半以上回れる航続距離、四ヶ月間無補給で作戦行動がとれた。――昭和二十年五月十日未明、呉の軍港から四隻の巨大な影が海に消えた。米海軍の要衝パナマ運河を攻撃すべく……。迫真のイフ・フィクション戦記。
  • パリ発殺人指令
    -
    有楽町で、白昼堂々、三億円強奪事件発生! 犯人は外人グループか? フリーライター・滝恭介は、女優の不倫の張り込み中、怪しい外人を目撃し、事件にくらいついた。背後には、国際犯罪コネクションの巨大な影が? 一路、パリへ飛んだ滝の身にも魔手が迫る! サスペンスの雄が、現実の事件を素材に描く渾身作!
  • パリ発殺人列車~十津川警部の逆転~
    1.5
    フランス・グルノーブルの世界警察官会議に、十津川警部らが招待された。各国の警官と親善を果たした帰途、パリ行きTGV(フランス新幹線)の一等車内で殺人事件が……。会議を後援した富豪、大越専一郎の秘書、松野ユキが、アメリカの刑事の盗まれた拳銃で射殺されたのだ。パリ──東京を結ぶ国際版トラベル・ミステリーの傑作。十津川警部の推理が冴える。

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  • パレスチナから来た少女
    3.5
    パレスチナ難民キャンプで家族を虐殺(ぎゃくさつ)された沙也(さや)は、日本人に救われ日本で育った。一方、同じように肉親を殺され復讐に燃える女テロリストのマリカは、指令を受け、日本へ。折しも、日本で中東をめぐる重大な会議が開かれようとしていた。そして、二人に、非情な謀略と運命が! 人は永遠に血を流し続けなければならないのか? 第2回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
  • パレット
    3.0
    渋谷区の公立中学に通う14歳の尚美と絵麻。尚美は、30歳の恋人と両親公認の交際をつづけ、絵麻は、母と二人きりの家庭に、息苦しさを感じている。いまどきの中学生のなにげない日常。そこには、瑞々しい感受性と自意識の世代が持つ、ちょっと大人な、せつない思いが溢れている――。若い読者に、そして、少し疲れたあなたに読んでほしい、煌(きら)めきの9編!

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  • パレードの明暗~座間味くんの推理~
    3.8
    女性特別機動隊に勤務している南谷結月巡査は、向島教官から、大迫警視長との飲み会に参加するよう指示される。待ち合わせ場所にはもう一人、座間味くんと呼ばれるハイジャック事件の英雄も彼女を待っていた。(「女性警察官の嗅覚」) 座間味くんが語る真相で事件の本質を知り、結月は視野を広げ、警察官として成長していく。超絶推理を楽しめる傑作小説集。
  • パンドラ’S ボックス
    3.4
    画壇の若き寵児(ちょうじ)が突然、不可解な焼身自殺を遂げた。その死に秘められた驚くべき秘密とは?(「仮面の遺書」)大阪府警に届いた殺人を告白する手紙。少女の死体を古墳の稜墓(りょうぼ)に埋めたというのだ。捜査は、専門家による発掘調査を終えてからと命じられた刑事は……(「踊る警官」)。大胆な着想と鮮やかな謎解き! デビュー作を含む初期短篇7作と、エッセイ7編を収録。
  • パートタイム・パートナー
    3.4
    「話し相手が欲しいとき、ひとりぼっちでいたくない、あなたに。パートタイム・パートナーは、お望みのときに、ビッグスマイルをお届けします」就職しても長続きしない進藤晶生(しんどうあきお)。女の子の相手をするのだけは得意技。先輩に勧められ、デート屋を開業してはみたものの……。年齢にかかわりなく揺れ動く女性心理を、巧みなストーリーの中に鮮やかに描き出す一冊。
  • 緋色の研究
    3.8
    ホームズとワトスンが初めて出会い、ベイカー街221Bに共同で部屋を借りた、記念すべき第1作。ワトスンへの第一声「あなた、アフガニスタンに行っていましたね?」は、ホームズが依頼人の過去を当てる推理のはしり。第一部はホームズたちの出会いから殺人事件解決まで。第二部は犯人の告白による物語で、米ユタ州からロンドンにいたる復讐劇。

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  • 緋色の真珠
    -
    雑誌連載で人気がでてきた真珠占い師・高原野衣を危機が見舞う! 客の一人・野々宮久美が、まるで野衣に殺されたかのような嘘をつき絶命したのだ。警察の追及を逃れ、編集者の笠木と事件の真相を探りだす野衣。ところが! 見つけたのは野衣と瓜二つの死体だった。謎の言葉「緋色の真珠がすべてを語る」の意味を追う、ノンストップ・サスペンス、登場!
  • 緋色のペンダント 杉原爽香 二十歳の秋
    3.9
    杉原爽香、二十歳の秋。中学時代の恩師・河村布子(かわむらきぬこ)に赤ちゃんが生まれた。爽香は、友人の今日子と病院へお祝いに行き、その帰り、トラックにひかれそうになった女性を助ける。「死んでも良かった」と言う、その女性の胸には緋色のペンダントが! 恋愛、友人、家族の問題……十代を卒業し、悩み多き二十代を迎えた爽香に、またもや危機が迫る。シリーズ第6弾!

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  • 光

    3.7
    利一が小学生だった頃、仲間といれば毎日が冒険だった。真っ赤に染まった川の謎と、湖の人魚伝説。偽化石づくりの大作戦と、洞窟に潜む殺意との対決。心に芽生えた小さな恋は、誰にも言えなかった。懐かしいあの頃の記憶は、心からあふれ出し、大切な人に受け渡される――。子どもがもつ特別な時間と空間を描き出し、記憶と夢を揺さぶる、切なく眩い傑作長編小説。
  • 光まで5分
    3.5
    北海道の東の街から流れ流れて沖縄にやってきたツキヨは、那覇の路地裏にある「竜宮城」という店で体を売っていた。奥歯の痛みがきっかけで知り合った元歯科医の万次郎、その同居人のヒロキと意気投合し、タトゥーハウス「暗い日曜日」に転がり込んだツキヨに、ふたりを知るらしい南原という男が接触してきて――。直木賞作家が沖縄を舞台に描く挑戦作!
  • 光る崖
    4.0
    名古屋地検の検事・千鳥朱子は、秘めた関係にある服飾MD・郷原の誘いを断れず、飛騨へ旅に出かけた。旅行後、名古屋市内で傷害致死事件が発生。朱子の前に現れた参考人は、旅先で知り合った女性・北沢昌代だった。事件を調べ進めると、背後に女子高生売春グループの存在が浮かび上がってきた。――初めて女性検事を主人公に配した「記念碑的作品」!

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  • 彼岸花 新装版
    -
    長女・おえいは庄屋を継ぎ、夫、そりの合わない実母・おとくと暮らしながら一家を切り盛りしている。妹・おたかは武家に嫁いだものの、しばしば実家を訪れては大八車で作物を持ち帰り、時には金まで無心する。ある日、おとくの不在を理由におえいはおたかの頼みを断り、2人の間に諍いが起きる。しばらく後、おたかの婚家から急な知らせが届き――(『彼岸花』)。江戸人情物の名手・宇江佐真理の真髄が散りばめられた傑作全6編。
  • ヒキタさん! ご懐妊ですよ
    3.6
    「ヒキタさんの子どもの顔が見てみたい」35歳の妻が、何気なく言ったひと言で、45歳の作家は子どもを作る決心をした。排卵日を割り出すタイミング法を取り入れたが、一年あまり結果が出なかった。検査を受けると、精子の運動率が悪いと診断され……。そこから長い長い「懐妊トレーニング」の日々が始まった! 男性から見た不妊治療を綴ったドキュメント。
  • 轢き逃げ
    -
    大手精密機器会社課長・守口は、愛人とのドライブ中に人を撥ねてしまった。被害者を置き去りにして逃げた彼は、腹心の部下や車のセールスマンを巻き込み、徹底的な隠蔽工作を図る。次第に迫る捜査の手。被害者の遺族側も真相を探り始め……追いつめられた守口は、思いもかけない行動に打って出た――。日本ミステリー史に燦然と輝く、巨匠の長編代表作!
  • 秘剣「出撃」
    5.0
    「拙者は素浪人がよく似合う」と大男の深田清兵衛は、蓬髪(ほうはつ)を掻き上げながら呟(つぶや)く。播州佐田(ばんしゅうさた)藩の剣術指南だったが、藩政の乱れに失望、恋の成就も適わず脱藩を決意した。大森流居合では当代一を誇る。「流刀」「浮雲」「追風」「出撃」「波返(なみがえし)」の技が流浪の旅路で迎える危機一髪を救った。でも何故か故郷に足が向く。脱藩者の末路は……。
  • 秘剣龍牙(りょうが)
    5.0
    千葉周作らを輩出した名門中西道場で出来物とうたわれた老剣士・白井亨は、稽古をつける門弟の中に極めて鋭い面打ちを見せる美少年を発見した。名を富樫栄といい、加賀藩徒士の父は非業の死を遂げていた。少年の望みは武家の再興や剣の上達ではなく、安穏な在所暮らしだという。だが、栄の周囲に父を討った不逞の輩の影が――。格調高雅な珠玉の七編を収録!
  • 被告人、名無しの権兵衛
    -
    春の飛騨高山。置き引きの現行犯で逮捕された中年男がいた。男は犯行は認めたものの、氏名や本籍を頑として黙秘する。が、余罪ありと睨んだ赤かぶ検事は、「本籍、不詳。住居、不定。職業、不詳。氏名、不詳……被告人は、年齢四十七、八歳。容貌、別紙添付の写真のとおり……」 と、異例の起訴に踏み切った! ――表題作ほか、法廷推理の真髄(エッセンス)をユニークに描いた傑作集。
  • 非紳士協定~5番アイアン殺人ショット~
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    元トップ・プロゴルファー、旗一騎は名門「二十世紀C・C」の支配人に就任した。その直後、彼に「『二十世紀』から手を引かなければ、殺す!」との謎の脅迫、そして襲撃。「鍵」を握ると思われた前支配人は惨殺体で発見される。巨大な陰謀蠢くクラブの背景を探る旗に恐るべき罠が……!? ゴルフの醍醐味と強烈なサスペンスが見事に融合した長編ミステリー傑作!
  • 非常勤取締役
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    突然、非常勤取締役に左遷された熟年ビジネスマンの不安、失意、あせりが招いた思わぬ悲劇(「非常勤取締役」)。出世コースを歩みつづけるエリートの影で、二十五年間も踏みつけにされた男の意外な報復(「黒い結晶」)。――現代社会の複雑さ、限りない欲望に身を灼く人間の姿を、迫真をもって描き尽くす傑作企業推理小説!
  • 非情の標的
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    たった一人の弟が行方不明になった!? 指名手配され、アルゼンチンに逃亡していた浅岡晃一が急遽帰国した。鳥類学者だった弟に何が? 捜索する浅岡の行く手に、つぎつぎと立ちはだかる暴力団。その背後には、日本の暴力組織を牛耳る国際的謀略機関があった! 不屈の魂と自動拳銃モーゼルHSCを武器に闘う浅岡晃一。白熱のノン・ストップ小説。
  • 秘蔵の本~禁話のコレクション~
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    「ギザギザデコボコの効きめ」、「液体の保有量」、「ホステスたちにうける馬鹿ばなし」、「交わりの痕跡について」、「名器としての条件」、「外国女と寝る心得」、「オルガスムスを見分ける方法」など。――著者自ら猥本と称した『快楽の秘薬』の姉妹編。文壇一のエッセイの名手が、軽妙にもキワドク、性に迫る。
  • ひたすら奇妙にこわい話
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    アメリカ・オハイオ州の半分眠ったようなのどかな町。日本での仕事に疲れきった私は、恋人とこの町に暮らしはじめた。たっ、たっ、たっ、たっ……。深夜に何者かが走る音が聞こえる。思いきって外に出ると、そこには、黄色いスクールバッグを背負った金髪、青い瞳、ソバカスだらけの少年が……。(最優秀作)大好評シリーズ、通算第7弾。ますます冴える奇妙なこわさ!
  • 飛騨白川郷 メルヘン街道殺人事件
    -
    飛騨白川村に銃声が! 映画ロケ中の女優・新居三千絵が殺害されたのだ。奇妙なことに、俳優夫婦・酒匂竜太と瀬戸山江津子は、互いに相手が犯人だと主張する。どちらかが嘘を……? しかも事件担当の平尾検事までが高山市街で殺された!? 懐かしい登場人物(キャラクター)と、かつての任地・高山で活躍する赤かぶ検事。娘・柊葉子弁護士との対決も見逃せない法廷推理の傑作!
  • 飛騨高山 春祭りの殺人
    -
    趣味が高じて「けん玉判事補」とあだ名される若者が飛騨高山に赴任した。名前は柊正雄、赤かぶ検事の息子である。――三百年前から敵対する鳴門家と水守家。両家は鳴門家家宝の小脇差しによって何人も犠牲者を出してきたが……水守家当主が春祭りの夜に殺された! 凶器にアリバイが? 謎の人物とは? けん玉判事補の推理やいかに。
  • 火種はみずからの胸底に
    -
    結婚、出産、育児──身近な〈女の生活〉のなかから、その後の活動の原点である女性問題、女性史研究への視点を見いだした著者の第一エッセイ集。「女の生き方」「愛と生活」「サンダカン八番娼館の周辺」など、どの一章にも同時代の女性たちへの熱いメッセージが綴られている。心の豊かさが問われる今こそ読みたい、示唆(しさ)に富む書。
  • 飛騨の牙
    4.5
    ある夜、高山藩士・時雨掃部は、酔って絡む浅井嘉三を斬殺した。雁金に一尺五寸、人間業とは思えぬ斬り方に、検死をした中条小三郎は驚く。一度、人を斬ると癖になる。掃部は浪人や山賊を斬ることで快感を覚えるようになった。やがて、浅井の遠縁にあたる目付・南野主水介は、掃部暗殺に討手を差し向けるが……。斬鬼と化した男の壮絶な死闘。「牙」シリーズ第五弾!
  • 御刀番~左京之介 妖刀始末~
    3.0
    駿河国汐崎藩の御刀蔵から妖刀村正が盗まれた。徳川家に仇なす刀ゆえ、所持が公儀に知れれば汐崎藩の取潰しは必至。藩主から命を受けた御刀番・左京之介(ひだりきょうのすけ)は村正の行方を追うが、その前に不審な忍びが立ちはだかる。そして、忍びの背後にはとてつもない敵が潜んでいた。京之介の孤独な闘いが始まる。そして、衝撃の結末とは……。著者渾身の壮大な新シリーズ開始。
  • 柩(ひつぎ)の十字架
    -
    辻昂(つじたかし)はかつてプロの殺し屋だった。ある日、辻が親代わりになっている母子が誘拐され、脅迫者から殺人強要の電話が入る。タイムリミットは20日間。標的は戦闘機疑獄の証人。彼の背後に姿を見せぬ脅迫者の配下が迫る。眠っていた野獣の血がふたたび目覚めた。辻はたった一人で暴力団に挑み、黒幕を追った。圧倒的な迫力で描く、著者会心の長編ハード・バイオレンス!
  • 柩(ひつぎ)の中の殺意
    -
    深見安芸子の夫は、誠実がモットーで、葬儀社に勤めている。大物代議士の葬儀の責任者になった夫に、好奇心旺盛な安芸子は手伝いを買って出た。ところが、柩から代議士の遺体が消え、代わりに男の子の遺体が……。警察は、夫に疑惑の目を向け、突然逮捕。安芸子は、夫を救うために、真相究明に立ち上がった! 事件を追い続ける著者の新境地を拓く一冊。
  • 秀吉の野望
    -
    「上様〔信長〕が本能寺でお果てに……」。側室の坂氏こうは耳を疑った。つづいて、「嫡男の信忠様も二条御所でご切腹!」の悲報が届く。明智光秀の謀叛だ。信長の正室に子供はなく、側室・生駒の方に信雄、こうに信孝という男子が残された。二人の嗣立争いは絶対に避け難い。こうは織田一族の崩壊を恐れた。だが、狡猾な秀吉の野望がその不安を衝く。ほか三編収録。
  • 秀頼、西へ
    4.0
    戦国末期。天下を手中にしようとしていた徳川家康は、大坂城に配下の者を忍び込ませた。一方、真田大助は、父・幸村より、落城の際には秀頼を連れ出し落ち延びよ、という密命を受ける。目指すは薩摩、島津家の元。燃えさかる大坂城を脱出した一行は西へ――。誰が味方で誰が敵なのか? 行く手には、想像を絶する謀略が待ち受けていた! 迫真の傑作時代ミステリー!(『落ちた花は西へ奔れ』改題)
  • ひと足ずつ
    -
    「ひと足ずつ、ひと足ずつ」と自分の心に言い聞かせながら歩んできた幾歳月……。父を亡くして目覚めた社会観、子育てと女の自立の難しさ、友人、知人との心暖まる出会い、そして別れ、旅のひとコマなど、折りにふれて綴(つづ)った随想集。大地に足をつけて生きる著者が、女性としてのこまやかな観察眼で生みだした感銘深き1980年代刊の随筆集。
  • 人蟻(ひとあり)
    -
    安い原料から、莫大な利益を生み出す砂糖。その魅惑的な甘い汁に、蟻のように吸いよせられる人間の群れ。巨大な利益が悪を呼び、〃犯罪〃が芽生える。巨大資本の精糖会社の秘密が暴かれたのは、弁護士・百谷泉一郎の、刃物のように鋭い推理の冴えがあったからである。政界と癒着した、汚れた経済界の醜聞(スキャンダル)に百谷が挑む、高木彬光作品の本格経済推理の傑作!
  • 秘湯ギャル探偵疾る!
    -
    伊豆の旅館で板前が殺された。容疑者は、「まずい料理の恨(うら)みは必ず晴らす」と喚(わめ)いて去った男女の客。女は津軽三味線を持ち、「次は太宰治の生家・斜陽館に泊まる」と語っていた。重要な手がかりだ。なのに酒島警視はアルツハイマー病、西郷刑事は重い糖尿病。そこで西郷の恋人・由紀が協力、逃亡情報を頼りに青森・秋田・山形の秘湯に潜入し、裸の検証を――。さて、成果は?
  • 人 狩 り
    -
    「大和興業に潜り込んでくれ」三光組の依頼を受けた一匹狼のプロ・水野雅之(みずのまさゆき)は、用心棒として大和興業の中枢(ちゅうすう)に入り込んだ! 狙いは拳銃の入手ルートを潰し、仲間割れを起こさせること。凄まじいまでの銃の腕と抜群の頭脳を武器に、水野は組織に次々と罠を仕掛けていった──。疾走(しっそう)する暴力! 炸裂(さくれつ)する銃弾! 圧倒的な迫力に満ちた、大藪春彦初期の傑作長編!
  • 人それを情死と呼ぶ
    3.8
    警察は、河辺遼吉が浮気の果てに心中したと断定した。……しかし、ある点に注目した妻と妹だけは、偽装心中との疑念を抱いたのだった! 貝沼産業の販売部長だった遼吉は、A省の汚職事件に深く関与していた。彼は口を封じられたのではないか? そして、彼が死んでほくそ笑んだ人物なら二人いる。調べるほどに強固さを増すアリバイ。驚嘆のドンデン返し。美しい余韻を残す長編。
  • 隠密目付疾る~一橋慶喜隠密帳~
    4.0
    嘉永七年。一橋慶喜の命(めい)を受け、隠密目付となった東郷征次郎。彼は耳目(じもく)の千安(せんやす)をつれ、一橋領内の一軒家で、不法な占拠を行う盗賊始末に乗り出した。押し込み、輪姦と暴虐の限りを尽くす悪漢を倒す必殺の示現流。やがて追いつめられた彼らは、浪人や刺客集団を金で傭い、征次郎暗殺を試みるが……。『裏お庭番』『賞金首』の著者が描く、新シリーズ。
  • 人妻小雪奮戦記~神戸ニュータウン事件簿~
    -
    薬師寺小雪は才媛の誉れ高い29歳のピアノ教師。自宅のある神戸のニュータウンで殺人事件が! 反抗当時、鳴っていたチャルメラの音色がいつもと違うことに気づいた小雪は……(「哀しきチャルメラ」)。そしてあの大震災。次々と起こる事件に、小雪は持ち前の向こう気の強さと正義感、行動力で立ち向かう。 神戸在住の著者が自らの体験も投影させた異色ミステリー!
  • 人妻試運転
    -
    野中宏司(のなかこうじ)は車のセールスマン。武器は「人妻殺しの微笑(びしょう)」。きょうもプロポーション抜群の美女に接近、商談を成立させたついでに、ちゃっかり「試乗(しじょう)」に成功。直後、営業成績がウナギ登り! 彼女は「あげまん」だったのだ。味をしめた野中は、大企業社長の若夫人から清楚な和服美女まで、狙いをつけては御利益(ごりやく)にあずかっていく。人妻とのラブ・アフェアを軽快に描いた快作!
  • 他人(ひと)のパンを狙え
    -
    ホーム電業の影近三兄弟。長兄は社長、次弟は副社長、末弟の宗佑は常務で、アメリカ現地法人の社長をしていた。独身の宗佑は、秘書と恋仲になり、「自分が死んだら会社の株を100株贈与する」という遺書をつくってやった。数日後、女は消え、彼は謎の転落死を遂げた!? ベストセラー『十年後』の著者が、恐怖の企業買収社会の到来を予見!
  • 人麻呂の悲劇(上)~「人麻呂・赤人同一人説」殺人事件~
    -
    文芸編集者・笹谷美緒のもとに、覆面作家・飛鳥彰から週刊誌連載の話が持ち込まれた。柿本人麻呂の秘密をめぐる鼎談(ていだん)のメンバーに指名されたのだ。さらに飛鳥から、24年前に失踪した人気作家・山岡竜一郎捜しの協力要請を受ける。飛鳥の仕事場を訪ねた美緒は、その正体を知り驚愕! そして、奇怪な殺人事件が発生! 歴史の秘密と作家失踪事件の謎を追う傑作長編!
  • ひとりおきの犯人
    -
    エリート税務署長の密かな願望とは。不思議な公園にさ迷い込んだ男の話。一万円札の長い旅。絶妙な舌技をもつ女の正体は。……おもしろさ、こわさ、奇妙さ、不可思議さ、色っぽさ……ユーモアとホラーを、ひとつおきに配列した、きわめつきの異色短編集。小説のおもしろさをたっぷり満喫できる一冊。
  • 独り旅の記憶
    -
    野末総子はバンクーバーへの独り旅の折り、ホテルで素敵なカップルを見かけた。その男に東京で再会したが、何故か男は迷惑そうに足早に立ち去った。その夜遅く、麻布署の警部補が総子を訪問。まさにその男と出会った時間に、バンクーバーでの連れの女性がガス中毒死したことを知った。(表題作)さまざまな男女の愛のありようを鋭く描く、本格推理傑作集!

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  • 独りだけの役員会
    -
    東協証券のワンマン社長、渡辺哲夫は、実力専務の牧田不二夫に後を譲ったが、代表権を持つ会長としてとどまり、財界での活動に野心を抱く。有力政治家に接近、政府諮問機関委員のポストにも就いた。が、彼の会社を資金パイプにしようと、総会屋の代議士が群がり、組織は崩壊寸前! 証券界のドス黒い内幕を暴く震撼の長編企業小説!
  • 一人二役時代
    -
    現代社会に暮らす人々の中にある「自分以外の何者かになりたい」という願望を基調にストーリーは展開する。愛人と主婦、警官と情報屋、実の子なのに母親の連れ子を演じる子どもなど、多彩な「二役」が登場し、読者を混乱に陥(おとしい)れながら意外な結末へ。スピーディな展開の中に、現代人の心理が垣間見える。短編の名手の筆が冴える8編。
  • ひとり魔殺人事件
    3.0
    若い読者に圧倒的な人気を持つ著者の新境地! 会社を辞め、再出発のため引っ越した舞衣子。早速痴漢に遭い、無言電話に悩まされる。そんなとき、恋人・啓介に、ひとり暮らしのOLや女子大生を惨殺した犯人の容疑が。 大都会の孤独と恐怖を描く、戦慄のサスペンス力作!
  • ひとり夢見る
    -
    女子高生・浅倉(あさくら)ひとみの母・しのぶは元女優。これまで女手ひとつで、ひとみを育ててくれた。だが、母にパトロンがいると聞かされたひとみは、ショックを受け、夜の町に飛び出してしまう。泣き疲れて、眠りに落ち――、ふと目を覚ますと、そこは18年前の撮影所だった。母と共演することになったひとみは、父親が誰なのかを探るが……。母娘(おやこ)の絆を描いた傑作ミステリー。
  • 人を殺す、という仕事
    3.8
    僕のもとにある日届き始めた一通の手紙。そこに書かれた指示に従うことで、僕の人生は驚くほど順調だった。手紙のお陰で、今後も幸福な人生が続くと信じていた。それが「殺人」を命じるまでは。従わなかった結果――母が死んだ。次は妻や娘たちの番だというのだ。あどけない少女、臨月の妊婦……僕は次々と手を血に染めていく。邪悪で美しい、傑作「暗黒小説」!
  • 人を呑む家~鮎川哲也「三番館」全集 第3巻~
    -
    消費者金融会社の由木は、江戸文学研究者の本田に家を担保に多額の融資をした。本田は高額の稀覯本を購入するというが、後日、利息の取り立てで家を訪れた由木の目前で彼は忽然と姿を消したのだ。実はその家、以前にも住人が屋内で消失していた……。達磨顔のバーテンが不可思議な謎を解く「三番館」全集第3巻。今回は作品の原案となった短編2編を文庫初収録。
  • 人を呑むホテル
    -
    「クローズの晩に泊まると誰かが行方不明になる」という奇怪な噂が伝わるホテル精進湖。赤司行彦の恩師・坪坂教授と夫人が、その日に宿泊し、行方不明になった。行彦は、婚約者の畑野テオリとともに、閉鎖中のホテルへ忍び込むが収穫はない。その後、坪坂の首吊り死体が山中で発見されるが、夫人は……? 死体移動の謎と愛憎の揺れ動きを描く、恐怖サスペンス巨編!(『人をよぶホテル』改題)

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  • 雛口依子(ひなぐちよりこ)の最低な落下とやけくそキャノンボール
    3.7
    雛口依子は、金髪の葵ちゃんからある依頼を受ける。葵の兄が犯人とされ、依子が被害者となった三年前の猟銃乱射事件のルポを共に書こうというのだ。依子と葵、理不尽な世間に押し潰されてきた二人は、取材のためかつて依子が住んでいた「三角屋根の家」を訪ね、「あの事件」の奈落に向き合うが……。暴力と不幸の果て、運命をぶっ壊す女二人の反撃と覚醒の物語。
  • 緋の孔雀 決定版~牙小次郎無頼剣(五)~
    -
    浮世絵師の残月斎南天は、髑髏に肉付けをして復顔するという珍しい技を持っている。腕を見込んで、池で上がった骨がまたも持ち込まれた。ところが、復顔した舎利こうべと一緒に、南天は行方をくらましてしまう。不可解な蒸発に、牙小次郎も一緒に探し始めるのだが――。人は人の心を持ってこそ人として生きる。小次郎の刀はその正義を守るため、悪を断つ!
  • 火ノ児(ひのこ)の剣
    3.0
    浪人の身である新井伝蔵(白石)は、将軍・徳川綱吉の寵臣・牧野備後守成貞に呼び出された。将軍の警固役の依頼だったが、その裏には綱吉の命を狙う御駕籠之者・轅半左衛門を討つ計略があった。轅半左衛門は恩人・堀田筑前守正俊を殺害し、伝蔵の額に火字傷をつけた宿敵でもある――。魅力的な登場人物、先の読めない展開、怒濤の剣戟で息もつかせぬ傑作!
  • 非法弁護士
    -
    「おもろいうえに、儲けに繋がるアルバイトです」。大阪の自転車工場主・安川浩一に囁かれた甘い言葉は、強ノ原たち暴力団が仕組んだ罠だった! 金、会社、家族……すべてを失う安川の味方は、弁護士資格を持たない男・大淀鉄平だけだ。鉄平と強ノ原の、法の盲点を衝く頭脳戦……そして殺人が!? 逆転また逆転。現代的な犯罪を描く、著者会心の傑作長編!
  • 秘本 東方見聞録
    -
    マルコ・ポーロ自筆の「もうひとつの東方見聞録」を、著者は手に入れた。なんと、マルコは日本(ジパング)に足を踏み入れていたのだ! モンゴル帝国皇帝・フビライのスパイとして……。だが、真の目的は日蓮に会うことだった! “カマクラ”でマルコが見たものは? 日蓮との会見は? そして“蒙古襲来”で果たした役割とは?――『薔薇の名前』に匹敵する壮大な歴史小説!
  • ひまつぶしの殺人 新装版
    3.0
    早川一家は母が泥棒、兄が殺し屋、妹が詐欺師で弟が警察官、そして唯一みなの秘密を知る圭介が弁護士、という奇想天外な家族だ。あるとき、謎の石油王・橘源一郎が世界有数のダイヤコレクションとともに帰国したことで、一家は騒然。それぞれの目的のため橘の元へ向かう。家族の犯罪を阻止したい圭介は頭を抱えてあとを追うが……!? ドタバタ早川一家シリーズ第一巻!
  • 向日葵(ひまわり)色のフリーウェイ~杉原爽香五十歳の夏~
    4.3
    登場人物が読者と一緒に年をとる「爽香」シリーズ第36弾! 杉原爽香は、恩師の河村布子から、布子の古い知人・小川久子の娘が起こした殺人事件について相談を受ける。どうも冤罪らしいのだ。しかもすでに娘は服役中という。真犯人を見つけ出すため調査に乗り出す爽香たち。たが、真実を隠蔽しようとする勢力が、さまざまな手段で爽香たちの行く手を阻む。冤罪事件の真相解明という、かつてない難題に50歳の爽香が挑む。
  • ひまわり時計の殺人
    3.0
    恋多き妻に捨てられた石川泰生は、魅力的で聡明な美女・三浦希美子と恋に落ちる。ところが、彼女を部屋に招き、到着を待ちわびていたところへ、別れた妻が突然舞い戻ってきた……。三日後、元妻は滝壺から遺体で発見される! 容疑は石川に向けられたが、赤かぶ検事は、事件の背後に潜む意外な人物の陰謀に気づく。大好評〈赤かぶ検事シリーズ〉の最新作!
  • 向日葵は死のメッセージ
    4.0
    老舗の京菓子店当主が轢き逃げ事故で死亡した。遺産は二十億円以上。財産をめぐる偽装殺人か? 遺された三人の娘、夏子、秋子、冬子に疑惑がかけられたが、秋子も密室で毒殺……!? その葬儀用供花を手配した花屋の谷川百合子は、蘭の花籠に混じった向日葵に不審を抱いた。向日葵、枝垂れ桜、福寿草、弟切草――花々に秘められた殺人の影を追う傑作推理の競艶。

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