川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
岸本佐知子さんの編んだ書き下ろしアンソロジー、タイトルに惹かれてまず読んだ津島佑子の短編「ニューヨーク、ニューヨーク」が素晴らしかった。読みながら、読み終わってから、幾つものことを思った。
「ニューヨークのことなら、なんでもわたしに聞いて。それがトヨ子の口癖だった、という」冒頭のセンテンスを読んで、わたしも数年前の夏に数冊の本を読むことで行ったことのない「ニューヨークのことはもう分かった」と嘯いたことを思い出す。そこには彼女がニューヨークを思うのと同じように個人的で特別な理由があったのだけど。
その後に元夫と息子がこの世にいない彼女について語り合うことで明らかになり“発見”される、今まで知り得 -
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Posted by ブクログ
成長譚には違いない。前作の冒険を経て何かを獲得していくスタイルとは少し違って、本作では、自分や周りをみつめ、内面に深く潜ってゆくような印象だ。
そもそも子どもと大人の差とはなんだろうか。18歳になれば成人という話ではなく、成長の証としての大人とは何を指すのか。経験値はその指針の一つかと思う。しかし、経験を通じて何も考えることをしなければ、経験値は上がらない。人としての成熟度は、物事と真摯に向き合うことによって深まるのではないか。だとすれば、りらと絵の夜もやはり冒険だったのだろう。
成熟もさることながらゾンビになって永遠にさまよわないよう気をつけねばと思う反面、既にゾンビだったりしませんよね?と -
Posted by ブクログ
たけやぶやけたたけや
ぶやけたたけやぶやけ
た・・・
たけやぶやけたを三回
唱えればいろんなこと
が大丈夫になる。
かんたんなおまじない
だけどけっこう効くよ
とりらちゃんは言う。
りらちゃんの姓は仄田。
そう、あの仄田くんの
娘がりらちゃん。
そして、さよちゃんの
息子は絵(かい)くん。
ふたりは両親とおなじ
小学校でクラスメイト
になり、
かれらもまた夜の世界
へと導かれていきます。
あのくちぶえ部の麦子
さんも、
もちろんグリクレルも
登場しますよ♪
そっか、そうだよなあ。
仄田くんとさよちゃん
も大人になるんだなあ。
うん、時の流れは止め
られないもんね。
そ