川上弘美のレビュー一覧

  • 物語が、始まる

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    ネタバレ

    目次
    ・物語が、始まる
    ・トカゲ
    ・婆
    ・墓を探す

    どれもこれもそこはかとなく哀しいような恐ろしいような、ちょっとエロティックでもしかするとユーモラスな作品ばかり。
    だけど一番好きなのは、やっぱり表題作だなあ。

    男の雛型を拾い、同居していくうちに…っていう話なんだけど。
    男の雛型ってのがまずよくわからない。

    ”大きさ1メートルほど、顔や手や足や性器などの器官はすべて揃っている。声も出す。本が読め、簡単な文章が書け、サッカーのルールは知らないがボールを蹴ることはできる、というくらいの運動能力がある。子供の背丈だが、顔つきは子供ではない。かといって、大人でもない。どちらともつかぬ、雛型らしい

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    2021年04月26日
  • 森へ行きましょう

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    ネタバレ

    同じ人間のあるかもしれないいくつかの違う人生。生まれてからの長いパラレルな道のりを同時に描く作者の野心作だなと思います。
    読み始めは登場人物が主人公の名前の文字が違うだけで、みんな同じ名前なので入り込めないほど混乱する。でも読み進めていくうちに、それぞれの世界の中でそれぞれのキャラが立って行って混乱は収まっていきます。
    大きな事件が起こるわけでもない(それぞれの人にとっては人生は大きな事件ですが)けど、少しの選択、少しの変化で誰でもに違う人生があるんだという、それが美しい文体で書かれて悪くない読後感でした。

    つくづく思うのは、つらい、幸せ、悲しい、愉しい、虚しい、色々な場面はあれどつまら

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    2021年03月19日
  • わたしの好きな季語

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    ことばの力を感じる本。暮らしから生まれた季語が愛おしくなるような…。見開きで読み切れる短い文章だけど、気づきがあっておもしろい。

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    2021年03月10日
  • わたしの好きな季語

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    無条件にこういうのが好きなので、いつでもパラパラしていたい。
    ステキにハンドメイドの連載だからか、少し「ご婦人」感があるのは気にしすぎ?
    とまれ安定の著者、気の抜けた、でも美しい季語にまつわるエッセイ。

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    2021年03月09日
  • 神様 2011

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    東日本大震災を受けて、デビュー作「神様」を題材に「ポスト震災」「ポスト福島第一原発」を描く。既存作を題材にして改変を行うことで、日常の在り方が変わってしまったこと、そしてそれは二度と戻ることがないことを描き出した方法論が見事だと思う。実際、10年が経っても東日本大震災、福島第一原発の事故は消し難い傷跡を残しているのだから。

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    2021年02月27日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    どこにでもある、なんてことない町の風景。それを織りなす人々の、ひとつひとつの人生に歴史があり物語がある。その価値というものは持ち主にしかわかりえないけれど、人生は必ずしもその持ち主だけのものではない。そんなことを客観的に垣間見せてくれるような短編集だった。さして特別な事件は起きないけれど、何気ない言動が波紋のように静かに広がり周囲に影響を与えていく様がリアルだった。

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    2021年02月22日
  • わたしの好きな季語

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    美しい季語、美しい俳句。
    日本語の一つひとつを噛み締めて、移りゆく全ての季節を味わいたくなりますね。

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    2021年02月17日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    再読。川上弘美さんの文章が好き。自分と全く違うタイプの登場人物たちの中に自分と同じ部分を感じた瞬間の棘が刺さる感覚がよい。

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    2021年02月14日
  • 森へ行きましょう

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    生まれてから60歳までの人生を、それぞれの年代ごとに追っていくのは、自分の人生の振り返りにもなり、たまに自分の年齢と照らし合わせたりして、共感しながら進んでいった。途中までは・・
    気づいた時には迷路の中。
    あ、迷路じゃなくて森の中なんだ。

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    2021年02月12日
  • 森へ行きましょう

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    1966年同じ日に生まれた二人の女の子留津とルツ。
    選ばなかった道をもう一人の誰か(自分)が別の世界で生きている。別の世界で同じ名前の彼、彼女が恋人や友人として関わりあう。
    うっかるするとどちらの世界の出来事か分からなくなるほど、複雑に繋がっている不思議な森の中の世界です。

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    2021年02月11日
  • 森へ行きましょう

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    「僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる」と高村光太郎は言ったが、目の前には未来という無限に近い数の細い道が存在し、一つを選んだ瞬間それは過去という一本の太い道に変わるのだと考えた方が理解しやすい。この小説の主人公である「るつ」もたくさんの選択肢がある人生の森に迷い込んでしまう。そしていつまでも続くかと思われた森にもいつか終わりが来る。その時に近くを一緒に歩いているのは誰なのかという点について深く考えた小説だった。

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    2021年02月10日
  • 森へ行きましょう

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    ネタバレ

    タイトル、すごく明るい意味だったんだなぁ
    「今度は二人で一緒に、同じ森に行きましょう」って、最上級の愛だ 愛おしさだ

    ままならない
    人生の中には生きているだけで選択肢が山ほどあって、自分だけの選択ではなくて環境で決まってしまうことや、後になってからそれが選択肢だったのだとわかることもある。どういう道を選んでいても間違いではないし、どうなるかは誰にもわからない。自分でどうにかできる部分もあるし、できない部分もある。
    よくあるゲームみたいに、ハッピーエンドルートとバッドエンドルートの2つしかゴールがないのと人生はやはり違っていて、不満もあるけどまあ、幸せかな、みたいなそういう人生になっていく。

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    2021年02月09日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    23の、恋や愛についての短編集。
    彼女の文章で書かれる小説は読後感がとても気持ち良い。
    個人的には「同行二人」「笹の葉さらさら」が心に突き刺さった。

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    2021年02月02日
  • 七夜物語(上)

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    読みやすかった♪
    児童文学かと思いきや、『子どもの世界』の残酷さや子ども目線の大人たちの描かれ方がとてもおもしろかった✨
    あたたかさとちょっぴり切ない気持ちを残してくれる作品

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    2021年01月18日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ある商店街の魚屋、そこに少し関わる人たちと、更にその人たちにちょびっと関わる人たちのそれぞれの物語11編。
    こういう、ある場所でのさまざまな人のあれこれ的な連作短編が好きだ。
    電車で長距離移動すると、見える家々のほぼすべてに人が暮らし、それぞれにそれぞれの時間があることに、うわーって気持ちになるけど、それの規模小さく高解像度で見ている感じ。

    商店街で少しだけ関係している人たちにも、当たり前だけどそれぞれに色々なことがあり、他の人が思いもよらないことを経験し、自分が1度も気にしたこともないことを考えながら生きている。
    それらを俯瞰的にみることは、通常ない。それぞれ色々なことは事実としてわかって

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    2021年01月10日
  • 森へ行きましょう

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    同じ日に生まれた緩やかに大きく違っていく2人の女性の人生の物語。

    極端な何かというよりは些細なことの積み重ねが人生を作っていく

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    2021年01月06日
  • 晴れたり曇ったり

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    さらっと(それでいてわくわくして)読んだが、今までの中で一番心に残ったエッセイだと思う(著者の中で)。
    川上弘美さんが小説を書かれるとき、まずはじめに全体の「雰囲気」を決められていることを知った。
    内容や筋道については曖昧なままでいいのだが、雰囲気が決っていないと書き始められないと。

    笑えばいいのか悲しめばいいのか判断のつかない微妙な、
    道端の空き缶を蹴ってみたが外れて気まずい、
    世の中の全部を許してしまいたくなるうきうきした、
    例えば、そういう様な雰囲気。

    著者の小説を読むと、それぞれ独特の空気がある、と伝わってくるのはそのせいなのだと思った。ふわふわして掴みどころがなく、時々奇妙でそれ

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    2020年12月31日
  • いとしい

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     わたしには、1〜6までと7〜13では違うお話のように思えました。前半登場人物が増えていき取り止めもない日々が穏やかに過ぎていってとても心地よく感じました。後半になりオトヒコさんとユリエちゃんがいよいよ親密になって鈴本が現れてから、不思議なことがよくおこるようになるからかもしれません。やっぱりミドリ子は紅郎をそういう意味で好きだったということなのでしょうか、ふわふわしてわからないことがあるままのところが良かったです。
     「ほんとはしっかりしてるんだけどね。しっかりしない自分が嬉しいみたいね」というユリエちゃんの言葉はまさに恋に恋する初期の頃を言い当てているように感じました。
     

     余談ですが

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    2020年11月14日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    とても瑞々しい16歳の感性がありありと伝わってくる。連作短編と長編の違いは確実にあるが、未だ言語化ができない…

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    2020年11月01日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    学生の頃読んでとても好きになった一冊。
    久しぶりに読んで、こんなに恋愛してる話だったかとびっくりした。
    あの頃は大人の世界を楽しんでいたけれど今は別のことを思う。
    大人だって子どもみたいなちゃんとしてないところを抱えて生きているのだ。
    可愛い大人たちが集う中野商店。
    改めて好きになった。

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    2020年10月19日