川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
終始ふわふわしていて、タイトルじゃないけれど水の中にいるような雰囲気が流れる小説。
手っ取り早く言えば姉弟の近親相姦のお話なのかもしれないけれど、そういう枠に当てはめるのは何だか違和感がある。
独自の愛、独自の家族感、というか。
ひとつの夫婦やカップルにはそれぞれの形がある。というように、この2人はこの形なのだろう、と妙に思わされてしまうのだけど、とてもしっくり来るわけではないというか。。
難しいな。笑
実はけっこう前に読み終えていた作品で、タイムラグがあるので感想をつづる感覚も若干遠いのだけど、時系列が行ったり来たりしながら、1組の姉弟とその母と父(その両親にも1つのいわくがある)を中心 -
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とても面白かったです。
ガールズトークとは言え、この「これでよろしくて?同好会」はなんだか不思議でおかしくて好きです。
わたしもいろいろ参加してみますが、いつも菜月さんポジションで話を聞いている人だな…と思っているので、勝手に親しく思いました。
菜月さんの日常は閉塞感だらけで、菜月さん我慢強いなぁと思いましたが、結婚生活って多かれ少なかれこういうものなのかもな、と思いました。大変そう。
人は変わっていくもの、という菜月さんの気付き、わたしも大切にしようと思います。
「これでよろしくて?同好会」、入りたいです。
会の新メンバーの、「ゲイの修三くん」って、「ざらざら」とかの「オカマの修三ちゃん」と -
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「これでよろしくて?同好会」。おばさまを中心に女の人たちが集まっては夫婦や家族の問題についてごはんを食べながら話し合う場。話し合うと言ってもゆるく、でも実はなかなか鋭い納得の洞察があったりして、すごーく面白い。
ひょんなことからこの会に参加するようになる菜月は30代の専業主婦(子どもはまだなし)。そこそこ幸せだけど、夫や姑とその家族のこととかなんとなくのもやもやを抱えていて。この会に参加して即何かが解決するわけではないけど、菜月の中で少しずつ整理されてゆっくりと前に進み出せた・・のかな。
ストーリー性はあまりないんだけど、同好会の話し合いがいちいち面白すぎる!おばさまの的を得た物言いも良い。経 -
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川上さんを読むたびに思うのです。私はこんな作品は嫌いなはずだと。
不思議な幻想譚です。ファンタジー。登場するのは人間になった蛸、膝ほどの大きさの14歳の姿の曾祖母、ケーンと鳴く老人、台所に出没する小さな荒神。。いずれも人にあらざるもの。私はこうした幻想作品にはあまり手を出さないはずなのです。
それでも川上さんの世界に入り込めます。それは、そうした不思議な世界がおどろおどろしくでもなく、少女趣味的なファンタジックでもなく、ごくありふれた事象の様に描かれているせいかも知れません。フワフワと心地よく川上ワールドを漂えば、それはそれで心地よいのです。
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Posted by ブクログ
川上さんは、何時も不思議な話を書く人ですが、その中でも"有り得ざる者”や”有り得ざる事"が出てくる「蛇を踏む」などの作品と、ちょっと変わった人々を主人公にする「センセイの鞄」のような作品があるようです。
これは、そういう意味では「センセイの鞄」の系列です。
例によって、なんだかフンワリした感覚に浸ってしまいます。所々ではニマニマと笑い出してしまいます。そして、時に切なくなります。
他の人の評価を見ると、やはり極端に割れてしまいます。リアリティを求めてしまうとダメでしょうね。こんな高校生は居ないし、周りの人物も変過ぎます。川上さんの作品は小説と言うより"物語&