川上弘美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
電車内で読む。
独り、ニヤニヤしたり膝を打ったりほぉーっと感嘆したり…たぶん傍で見てたら、かなりヘン。
でも、降りるギリギリまで止められない。
まずは装丁のもぐら、里芋型の顔をして、ランドセル背負って手押し車を押しながら、
じっとこっちを見ている。
“私”はこのもぐらと一緒に写真を撮る。
このもぐら、小学6年生くらいの背丈でどこか人間じみている。
で、もぐらの気に障りそうな言葉が「唯物史観」「石鹸シャンプー」「ガラスの破片」など。
“私”は、気を遣いながらもぐらと話す。
話すうち、もぐらが妊娠していることを知り、あまり立ち入ったことは訊かないようにしよう、と“私”は思う。
…と、こんな世界 -
Posted by ブクログ
ニシノユキヒコ は、ひとりぼっちで、スマートで、セックスが良くて、そのうえ顔も良くって、仕事もできて(最後は社長さん)、こなれた雰囲気のくせに、ときどき寂しそうにするのです。
女の子キラーですよ。悪いおとこですよ。
彼とある時間を過ごした女の子10人が、彼のことを振り返る という形式のショート。
彼は深層がクールなくせに、そんな自分によく頭を抱えています。
「どうして僕は人をきちんと愛せないんだろう」
現実に身近にいたら ぶっ飛ばすか、のめり込んじゃうか の どちらか。
ダメ男好きの方は、後者でしょう。わたしもそうかも。
けれど、ニシノユキヒコ は、たぶん、わたしの手には負 -
Posted by ブクログ
最近立て続けに、谷口ジローさんの漫画を二冊購った。
谷口ジローさんといえば、「『坊ちゃん』の時代」からのファンで、以後『父の暦』とか『遙かな町へ』などの作品を読んできたところだ。
最近購った二冊の本というのが『センセイの鞄』と『欅の木』である。
どちらも原作があり、前者は、川上弘美さん、後者が内海隆一郎さんである。
川上さんの作品は原作を読んだ時に、淡々と描かれているのがとても印象に残っている。
内海さんのほうは未読であるので、また原作に触れてみたい。
谷口さんの絵は、丁寧でしかも嫌味がなく淡々と描かれているのが大変好感がもてて好きだ。
この2冊は特にそれを感じて、最後のペー -
Posted by ブクログ
川上弘美さんの本は最近よく読んでいますが、エッセイが読みやすいです。
「ゆっくりさよならをとなえる」「大好きな本」「あるようなないような」「なんとなくな日々」に続いて5冊目のエッセイになります。
1編が3,4ページと短くて50編ほど収められています。
場所についての言及をこれまで避けていたのですが、今回は場所にこだわろうということで地名がたくさん出てきています。
川上弘美さんは放心できる自分の場所を持っているということです。
法律的には自分の土地や建物を所有していなくても、ここはわたしの場所なのである、と言います。
そういう場所は誰にでもあると思います。
わたしが放心できるお