川上弘美のレビュー一覧

  • 某

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    誰でもない者、という架空の存在を題材にした作品。人間ではない存在が主人公であり、人を人たらしめるものは何かを第三者視点から理解することを試みる。
    不思議な世界観に引き込まれます。

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    2023年06月10日
  • 森へ行きましょう

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    題名から、自然に関係するものかと手にしたが、全然違った。1967年生まれの私としては同世代の話が交互に進行しそれなりに共感はいかないものの、すんなりと話しにも入っていけた。
    読破日の今日6/2それまで2人の話しかと思っていたが、違う表記のるつさんが6人いることに気がついてしまう。途中でも入り組んだ世界が開けていたのか?
    読書は楽しい。

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    2023年06月02日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    あまり歌詞リンクしている感じはしなかった気がする(あまりユーミン詳しくないのもあるかもだけど)

    綿矢りささんの青春のリグレットは綿谷さんらしいぶっとんで振り切った感じの主人公で面白かったし、歌詞と相まって忘れられない恋がある人には刺さると思う。
    「尽くされるより尽くす方が好き、自分が心から愛せる相手と一緒になることん夢見ていた20代のころ」

    春よ、来い
    「合コンが苦手じゃない男や女ってあんがい少ないんだよ」合コンって結局、互いを値踏みしてアピールする競技でしょうそんなのが好きな人間ってスポ根マンガに出てくるようなタイプの人間だけだから。

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    2023年05月31日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    豪華寝台列車『ななつ星』を題材にしたアンソロジー。
    読めば自分も乗車しているかのよう。
    亡くなった誰かのことを思い浮かべながら旅をしているものが多く、パターンが似ているものが多く思えた。
    ちょっと想像していたものと違ったかも。

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    2023年05月31日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    不思議な小説でした。これまで読んだことのない空気感。自分と全然違う男であるニシノユキヒコをでも嫌悪感とかなしに読めてしまったのは、どこかその空気感に理由があるからのように思ってしまいました。ニシノユキヒコは何かの象徴なのではないか。でもそれが正確にはわからない。本当には愛してもらえないし、だから愛せないってわかっているのに惹かれてしまうというのはなんなのだろうなと思いながらでもそういうのって時に魅力的だよなとそこはかとなく思ったのでした。
    なんかでも自分は女性のことちっともわかっていないのかもしれないとちょっと感じてしまったのでした。。

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    2023年05月15日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    「ななつ星」という一つの列車の中に、いろんな想いをもった人たちが同じ時間を過ごすのだと思うと、不思議だなぁと感じた。アンソロジーだからよりそう感じたのか。

    この本は、乗客目線でかかれているけれど、クルー目線の作品もあればおもしろいなと思った。

    三浦しをんさんと糸井重里さんの作品が特に好き。
    憧れの豪華列車の旅。乗ってみたい気持ちがもっと強くなった。

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    2023年05月13日
  • 溺レる

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    静かな展開で進む短編集。
    愛欲に溺れていく男女のお話です。
    でも綺麗な流れなので何か心に響きます。


    「アイシテルンデス」、肝心なときに言えないのはなぜだろう……。
    二人で何本も徳利を空にして、ゆらゆらと並んで歩く暗い夜の情景―「さやさや」。
    ちょっとだめな男とアイヨクにオボレ、どこまでも逃げる旅―「溺レる」。
    もっと深い仲になりたいのに、ぬらくらとすり抜ける男―「七面鳥が」。
    重ねあった盃。並んで歩いた道。そして、二人で身を投げた海……。恋愛の過ぎて行く一瞬を惜しみ、時間さえをも超えていく恋を描く傑作掌篇集。
    他に「亀が鳴く」「可哀相」「百年」「神虫」「無明」など、全八篇。
    2000年、本

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    2023年05月07日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    恩田陸目当てに購入。
    「ななつ星」を舞台にした短編集。
    豪華クルーズトレインなだけに、登場人物は年齢設定が高め。
    人生の節目の岐路に立っている人たちの旅を覗き込んだみたいだった。
    そしてなんとなくちょっと重めだったかな。
    それぞれ素敵な旅だったのだけど。
    井上荒野の「さよなら、波留」が、一番好きだった。

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    2023年05月01日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    さくさく読めた 全体的にこれと言った盛り上がりもオチもない 当たり前に不思議なことが存在する日常を覗き見ている感じで良かった まあ人生って続くからなって思った。

    しょっちゅう会って、打ち明け話とかもして、メールもいつも交わす友だちと、全然会わないのに、何かにつけて思いだす友だちの違い わかる

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    2023年04月18日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ユーミンを聴きながら読む、曲を小説に合わせて読むのは初めての体験。音からも世界の広がりが感じられて面白かった。

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    2023年04月03日
  • 100万分の1回のねこ

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    長くかかってようやく読み終わった。絵本「百万回生きたねこ」をもとに書かれた短編集。
    個人的に好きだったのは
    江國香織、岩瀬成子、井上荒野、町田康の作品。江國香織はやっぱり私の好みドンピシャだ〜。

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    2023年03月25日
  • 神様

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    佐野洋子さんのエッセイ中で紹介されていたので読んでみた。
    普通のようで普通じゃなくて、ファンタジーででもそれも現実のようで。
    人間のようで、人間ではないようで、神様がいたとするならば、神様らしい神様って何だろうとか。
    まさにこれが夢の世界なのかも。

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    2023年03月24日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの名曲と作家が紡ぐ6編のストーリー。

    ○あの日にかえりたい〜小池真理子
     ちょっとした嘘で気まずくなった友、苦い思い出。
    ○DESTINY〜桐野夏生
     規則正しい生活の中に運命の人だと感じた出会い。
    ○夕涼み〜江國香織
     老女たちの沈黙の中に見えてくる感情。
    ○青春のリグレット〜綿矢りさ
     身勝手な主人公はどうするのだろう。
    ○冬の終わり〜柚木麻子
     女たちの感情のやりとりがあるある。
    ○春よ、来い〜川上弘美
     願いを叶える能力があれば、どう使うのか。
     きっと春は来る…という結末。

    ユーミンの歌は、どことなく哀愁があって心にじんわり沁みてくる。
    それに合わせて物語もありふれた日常

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    2023年03月24日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    普段、ほとんど読むことのない現代の日本人作家のアンソロジー。
    興味深く読んだ。
    もとは、深堀骨 の作品を読んでみたかったから手に取ったが、どれもなかなか良かった。ありそうでない話というファンタジーというか、不気味な話が多い。恋愛要素はどれも少なく見えるが、一応恋愛ものという括りらしい。

    一作だけ、多和田葉子の漢字の話はすでに読んでいた。

    特に印象的だったのは、
    本谷由希子、迫力とリアリティと奇想天外で面白かった。
    村田沙耶香、細かく書き連ねて積み上げるのがうまい。
    吉田知子、多分この中で一番好きなタイプの作家。
    小池昌代、切れ味がよい。
    星野智幸、描写がうまい。

    というかんじ。
    編者は岸

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    2023年03月22日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    毎週末スキー三昧だった20代の頃。クルマでユーミンの番組をラジオで聞きながら帰路に着くのが常だった。ラジオからはユーミンの曲とリスナーから寄せられた葉書がオーバーラップしてた。

    50周年記念のアルバムから6つのストーリーが作られている。ユーミン、全曲聴きながらストーリーを妄想したくなる。
    「あの頃に帰りたい」帰れないけど、思い出にはひとり帰ることはできる。せつない。

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    2023年03月07日
  • センセイの鞄(谷口ジローコレクション) : 2

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    木桶や布巾 座卓の表面 そういう共感覚のようなものをいくつも感じる エリ・リャオ 耳年増で 篠島民宿「南風」 宵の口に来た時にえらく咳き込んでて 勝手な印象をつけては愉しんだ 綾とは的確な表現を使いましたね 鞄の中には空っぽの何も無い唯ぼうぼう儚々とした空間ばかりが広がっている タイミングと偶然とに支配される惨い遊び しゅつぽん出奔 慕わしい気配 腹がくちくなると眠くなりますね 下腹部を弄ってる描写 具象化して良いものかどうか ひたん悲嘆 実は今の静かな日常を描く方が

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    2023年02月23日
  • わたしの好きな季語

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    作家であり、俳人である川上さんの「季語」の紹介を含めたエッセイ。
    まことさんご紹介ありがとうございました。
    春夏秋冬に分けて、川上さんがお好きな季語が多彩に紹介されています。それぞれに対する想い出と共に綴られています。
    驚いた事は、川上さんが元々理系の方であった事。私は虫が苦手なので、生き物についてもいきいきと語られていて羨ましい限りです。
    季語の多彩さを再確認すると共に、自分が日常生活において四季を大切にしていない事に絶望感さえ持ちました。もしかして、俳句には向いていないかもしれない。
    業平忌が取り上げられていましたが、私も文学忌が季語になると知った時、これを読み込めたらカッコ良いんじゃない

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    2023年02月18日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    「あの日にかえりたい」「DESTINY」「夕涼み」
    「青春のリグレット」「冬の終り」「春よ、来い」

    ユーミンの名曲に乗せて6人の女性作家が書き下ろした短編集。

    原曲に忠実にと言うよりは其々の作家さんが発想を飛ばして紡いだ物語。

    異性を挟み些細な事で仲違いをしてしまった女性を描いた小池さんの『あの日にかえりたい』は誰しもこれに近い経験がありそう。

    男性を主人公にした桐野さんの『DESTINY』には悲喜劇的なものを感じ、大学職員の彼にちょっと同情。

    川上さんが描く『春よ、来い』は辛辣さもありながら最後は温かな余韻が残る。

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    2023年02月18日
  • 蛇を踏む

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    次回の読書会課題図書。
    川上弘美さんの作品は、センセイの鞄に次ぐ2作目。

    センセイの鞄も少し不思議な要素があったけど、たぶんこの作品の方がより川上節が強いのだろう。
    表題、「蛇を踏む」を読んだ後はなんとも妙ちくりんな気分になったし、
    「消える」の途中からは、こういう小説はあまり好きではないと思った。
    最後の「惜夜記」19篇はわりと最初から読むのが苦痛だと感じてしまっていたけど、作者のあとがきを読んだら少し感想が変わった。

    そうか、うそばなしか。

    他人の妄想が文字になった作品、
    誰かが見た脈絡もない夢の話が活字になっている感じなのか。
    そこに作者の意図する正しい意味や比喩を感じ取ろうとして

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    2023年02月11日
  • センセイの鞄(谷口ジローコレクション) : 1

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    谷口ジローが評価されているのは特に、メランコリックな余韻をもつ静かで内省的な漫画物語の傑出した作家・漫画家として、散歩物語の『歩くひと』のような現代コミックの古典の開祖てある点だ。 酌をする女に色気を求めること 以前は「アンチ巨人」を大っぴらに標榜していた まりこのしゅくのとろろじる_芭蕉ですよ 自分個人のことを人間一般に敷衍しないでください 割れ鍋に閉じ蓋 えもいわれぬ馥郁たる香ですな そうそう確信に満ちて逡巡する奴だったよ大町って 酌をする女に色気を求めること 汽車土瓶のしまってある箪笥 確信に満ちて逡巡する奴 チシャのサラダ

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    2023年02月23日