川上弘美のレビュー一覧
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あまり歌詞リンクしている感じはしなかった気がする(あまりユーミン詳しくないのもあるかもだけど)
綿矢りささんの青春のリグレットは綿谷さんらしいぶっとんで振り切った感じの主人公で面白かったし、歌詞と相まって忘れられない恋がある人には刺さると思う。
「尽くされるより尽くす方が好き、自分が心から愛せる相手と一緒になることん夢見ていた20代のころ」
春よ、来い
「合コンが苦手じゃない男や女ってあんがい少ないんだよ」合コンって結局、互いを値踏みしてアピールする競技でしょうそんなのが好きな人間ってスポ根マンガに出てくるようなタイプの人間だけだから。
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不思議な小説でした。これまで読んだことのない空気感。自分と全然違う男であるニシノユキヒコをでも嫌悪感とかなしに読めてしまったのは、どこかその空気感に理由があるからのように思ってしまいました。ニシノユキヒコは何かの象徴なのではないか。でもそれが正確にはわからない。本当には愛してもらえないし、だから愛せないってわかっているのに惹かれてしまうというのはなんなのだろうなと思いながらでもそういうのって時に魅力的だよなとそこはかとなく思ったのでした。
なんかでも自分は女性のことちっともわかっていないのかもしれないとちょっと感じてしまったのでした。。 -
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静かな展開で進む短編集。
愛欲に溺れていく男女のお話です。
でも綺麗な流れなので何か心に響きます。
「アイシテルンデス」、肝心なときに言えないのはなぜだろう……。
二人で何本も徳利を空にして、ゆらゆらと並んで歩く暗い夜の情景―「さやさや」。
ちょっとだめな男とアイヨクにオボレ、どこまでも逃げる旅―「溺レる」。
もっと深い仲になりたいのに、ぬらくらとすり抜ける男―「七面鳥が」。
重ねあった盃。並んで歩いた道。そして、二人で身を投げた海……。恋愛の過ぎて行く一瞬を惜しみ、時間さえをも超えていく恋を描く傑作掌篇集。
他に「亀が鳴く」「可哀相」「百年」「神虫」「無明」など、全八篇。
2000年、本 -
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ユーミンの名曲と作家が紡ぐ6編のストーリー。
○あの日にかえりたい〜小池真理子
ちょっとした嘘で気まずくなった友、苦い思い出。
○DESTINY〜桐野夏生
規則正しい生活の中に運命の人だと感じた出会い。
○夕涼み〜江國香織
老女たちの沈黙の中に見えてくる感情。
○青春のリグレット〜綿矢りさ
身勝手な主人公はどうするのだろう。
○冬の終わり〜柚木麻子
女たちの感情のやりとりがあるある。
○春よ、来い〜川上弘美
願いを叶える能力があれば、どう使うのか。
きっと春は来る…という結末。
ユーミンの歌は、どことなく哀愁があって心にじんわり沁みてくる。
それに合わせて物語もありふれた日常 -
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普段、ほとんど読むことのない現代の日本人作家のアンソロジー。
興味深く読んだ。
もとは、深堀骨 の作品を読んでみたかったから手に取ったが、どれもなかなか良かった。ありそうでない話というファンタジーというか、不気味な話が多い。恋愛要素はどれも少なく見えるが、一応恋愛ものという括りらしい。
一作だけ、多和田葉子の漢字の話はすでに読んでいた。
特に印象的だったのは、
本谷由希子、迫力とリアリティと奇想天外で面白かった。
村田沙耶香、細かく書き連ねて積み上げるのがうまい。
吉田知子、多分この中で一番好きなタイプの作家。
小池昌代、切れ味がよい。
星野智幸、描写がうまい。
というかんじ。
編者は岸 -
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作家であり、俳人である川上さんの「季語」の紹介を含めたエッセイ。
まことさんご紹介ありがとうございました。
春夏秋冬に分けて、川上さんがお好きな季語が多彩に紹介されています。それぞれに対する想い出と共に綴られています。
驚いた事は、川上さんが元々理系の方であった事。私は虫が苦手なので、生き物についてもいきいきと語られていて羨ましい限りです。
季語の多彩さを再確認すると共に、自分が日常生活において四季を大切にしていない事に絶望感さえ持ちました。もしかして、俳句には向いていないかもしれない。
業平忌が取り上げられていましたが、私も文学忌が季語になると知った時、これを読み込めたらカッコ良いんじゃない -
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次回の読書会課題図書。
川上弘美さんの作品は、センセイの鞄に次ぐ2作目。
センセイの鞄も少し不思議な要素があったけど、たぶんこの作品の方がより川上節が強いのだろう。
表題、「蛇を踏む」を読んだ後はなんとも妙ちくりんな気分になったし、
「消える」の途中からは、こういう小説はあまり好きではないと思った。
最後の「惜夜記」19篇はわりと最初から読むのが苦痛だと感じてしまっていたけど、作者のあとがきを読んだら少し感想が変わった。
そうか、うそばなしか。
他人の妄想が文字になった作品、
誰かが見た脈絡もない夢の話が活字になっている感じなのか。
そこに作者の意図する正しい意味や比喩を感じ取ろうとして