川上弘美のレビュー一覧

  • 光ってみえるもの、あれは

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    なんだかつかみどころのない話ですね。
    本棚に眠っていたので、多分以前にいちど読んだことがあると思うのですが全く記憶にございませんでした。今回再読してみて改めてつかみどころのない話なんだなと思いました。登場人物はそれぞれに魅力的な人たちですが、実際には存在し得ないと思います。

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    2020年04月22日
  • 森へ行きましょう

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     「るつ」という音の名前を持つ複数の女性の生涯を、パラレルワールドのように並行して綴った物語。
     前半は「留津」と「ルツ」という二人が登場し、後半になると「るつ」「流津」「瑠通」「る津」「琉都」などというように徐々に主人公が増える。彼女たちはどのストーリーでも同じ家庭に生まれるが、その家族構成は母の生死、父母の関係性などの点で微妙に異なっている。その小さな枝分かれが、やがて森の木々のように入り組んで、後の人生に大きく差をつけていく。
     「るつ」たちの友人や恋人、同僚は、彼女の人生に登場するタイミングを変えながら、それぞれのストーリーに登場する。すなわち、あるストーリーでは友人だった女性が違うス

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    2020年04月17日
  • これでよろしくて?

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    川上弘美さんの長編小説。
    子どものいない主婦が、ある日元カレのお母さんに出会い、「これでよろしくて」同好会に誘われ参加するようになる。
    そこではそれこそ他愛のない日常的な疑問や不満が話し合われる。
    そこで話すこと以外も、主人公の主婦が日常生活の中で日々感じていることや、旦那さんや義理の家族に対し感じている細かい感情が、これでもか、というくらいに吐き出されていて、多くは共感できるものの、ずっと読んでいるとつらくなる。
    最後にどんでん返しがありそうで、ちょっと期待したが、そうでもなく、読み終えて脱力した。

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    2020年04月10日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    恋愛でも偏愛でもなく、変愛。変な愛の短編集。変だけど当人たちにとっては大真面目。
    幻想小説を読んでいるときみたいな、いつの間にか背後にこことは違う世界の気配がぶわっと広がって迷い込んでいくような没頭感を覚える作品が多め。
    一部文章が合わなくて読みづらい作品もあったけれど、そこを乗り越えたらすいすい読めた。
    形見…川上弘美さん
    梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる…吉田篤弘さん
    クエルボ…星野智幸さん
    あたりが好み。

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    2020年04月06日
  • いとしい

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    恋愛小説ですがいろいろ奇妙です
    まぁそこが川上弘美ワールドなんでしょうけど

    オトヒコは何者なのか?
    ミドリ子は何者なのか?

    たんたんと読んだって感じです

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    2020年03月20日
  • 龍宮

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    読んでるあいだ、常識とか、当たり前とか、普通とか、なんかどうでもよくなるような、生温かい、こっくりとした水の底にいるような奇妙な安心感を感じた。

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    2020年03月20日
  • 龍宮

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    透明感の無い、薄い膜を一枚隔てた向こう側を見ているような世界観。
    自分が知らないだけで、どこかにあるのかもしれない。
    道徳的に倫理的に不味いことが罷り通る解放感。
    不気味と神秘的の狭間。
    昔話と近未来の狭間。
    八百万の人間臭い神様の話なのか、妖怪なのか。
    隙間にぬるりと入り込まれた。

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    2020年03月10日
  • 100万分の1回のねこ

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    角田光代、広瀬弦のが素晴らしい。
    元々の絵本を読んでいなくても中々に味わい深いものがたくさん。
    町田康だけ独自路線だったな。
    あと山田詠美は苦手。

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    2020年03月09日
  • 100万分の1回のねこ

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    町田康のを読みたくて、悩んだけど買いました。
    他の作家はすごく豪華やけどそこまで心惹かれるのはなかった。

    町田康はすごく分かりやすく読みやすい町田康だった。話も面白かった。別に猫じゃなくていいはずなのに書き手も読み手もなぜか猫を期待してしまう中で、町田康は唯一猫いっこも関係ないからね。100万の方に焦点当ててて。町田康は紛うことなき猫作家なのに。パンクロックの人だから。
    町田康以外では川上弘美のが面白かったと思う。

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    2020年03月03日
  • 水声

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    血縁の中に潜む声をすくい上げるような丁寧な文体。
    しかし、現在の男女が50代でなお、なんとも密やかな恋を交わしている点は、リアルストーリーとしては頭に描き辛い。

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    2020年02月24日
  • 100万分の1回のねこ

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    「100万回生きたねこ」へのオマージュ。
    豪華だな。そして、色々だな。
    綿矢さんの「表紙のねこが怖かった」という気持ち、わかります。

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    2020年02月06日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    ネタバレ

    「女生徒」や「恥」は好き。
    自分のことを綴った話はいかにも太宰らしい。度々出てくる弟くんが、このあと若くして亡くなってしまうんだなあと思うと辛い。

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    2020年02月02日
  • 100万分の1回のねこ

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    佐野洋子さんの100万回生きた猫をもう一度読み返したくなる。
    猫好き作家さん達なのか、さり気なく猫の特徴を表現してるのが楽しい。

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    2020年01月31日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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    川上弘美さんの小説は、2種類に分かれると勝手に思っている。
    静かながら美しいストーリー展開がある「センセイの鞄」系と、奇妙でいい意味で気持ち悪い「蛇を踏む」系。
    この小説は短編集なのだけど、前半は「センセイの鞄」系で後半になるにつれて「蛇を踏む」系になっていく印象。
    一番最後の「mundus」はラテン語で「世界」という意味らしいけど、はっきり言って常人には訳がわからない。ストーリーの説明をしろと言われても難しい。けど、読んでいて奇妙に心地よい。
    全体的に、とても哀しい。
    そして、そこはかとない色香がある。
    なんとも感想が難しい小説だった。
    奇妙な世界に引きずり込まれたい人にはおすすめ。

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    2020年01月29日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうことによって、人は破滅に向かう。Tシャーツ1枚で偉そうに思想を語った気になる。自分の弱いモチーフを服によって増幅させる。これは刺青をちらつかせて人を威圧するのと変わらない。相応の覚悟もないまま雰囲気だけまとって、さも中身があるかのように取り繕う人間には破滅の道があるだけ。破滅が恐ろしくてTシャーツが着

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    2020年01月18日
  • 川上弘美書評集 大好きな本

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    川上さんの新聞に掲載された書評や単行本の後書きが纏められた作品。
    10年以上昔のものばかりなので今その本を探すのは難しいものがあったりする(実際気になった本を大きな書店で探すが売っていないことが多い)。
    書評もそうだが総じて本について深くは書くことはないので勿論ネタバレの心配はない。しかし、その背景、どこが魅力かなどを自身の感性を混ぜて(メインかもしれない)書かれてるのでより魅力的に感じられて面白かった。

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    2019年11月01日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    日記シリーズ、第5巻。2013年から2016年収録。

    自分が気づかないだけで、実は川上さんと同じような不思議なことが、自分の周りにも起こっているのかもしれない…??
    不思議な事実に遭遇する or 気づける才能、というのがあるのかも。特に作家さんには。
    その面白さをこうしてお裾分けしてもらえるのって、とても幸せだなぁと思うのでした。

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    2019年10月27日
  • 七夜物語(下)

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     「きみたちは、一番小さなものを救おうとした。そしてそれは、きっときみたちでなければできなかったことだろう」
     「自分にとって一番大切なものを救おうとすること、失うとみんなが困るものを守ること、それは、誰にでもできること。でも、とるに足りないもの、失っても誰もたいして困らないものを守ることは、ばかな子供にしかできないことだったわ」
     「そして、一番ちっぽけなものを救おうとしたからこそ、きみたちの夜の世界は光に満たされたのさ」
    (P.314)

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    2019年10月26日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    東日本大震災、引っ越し、入院、手術……。2010年~2013年は、ほんとうに、いろいろなことがありました。カワカミ・ワールドのエッセンス。

    日記シリーズ、面白いからイッキ読み。
    震災や手術など、大変なことがあっても、川上さんの不思議な呑気さ?はそのままで、ホッとする。
    大変なときこそ、少しおとぼけなことで気を紛らわせるのは、生きていく上で大事だと思う。

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    2019年10月26日
  • 東京日記3 ナマズの幸運。

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    おおむね楽しい、ちょっぴりさみしい。カラダ半分、ずれている――。カワカミ・ワールドが詰まった、日記シリーズ最新作。2008~2010年までの3年分を収録。

    読みやすいから、次々読んでしまう日記シリーズ。
    日常から言葉に対するアンテナが敏感なところが作家さんたるところ。
    「おじゃま虫」「うる覚え」「矢沢永吉さん命」
    何でもない一言を、ずっと覚えていて、咀嚼して楽しんでいる気がする。

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    2019年10月25日