川上弘美のレビュー一覧

  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの曲をモチーフにした短編集。

    どれもほろ苦い、大人の作品集かな。
    綿矢りささんのは、ちょっと怖かった。多くは読んでいないのだけど、ちょっと危うい女性を描くのが得意な作家さんなのかなと感じた。
    川上弘美さんの作品は、辛い描写もありつつ、それでも希望を持たせる終わり方でよかった。女の子がしあわせであるようにと、私も願った。

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    2023年12月05日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    会話の一つ一つと人物設定が細かいのでエッセイかと思ったくらい。コロナ禍での出来事も日を追って書いてあって誰かの日記を覗き見している気分になった。

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    2023年11月30日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    久々に川上さんの作品。
    ニシノユキヒコと関わりのあった女性の目線での短編集。
    淡々とした描かれ方で、さまざまな人の目線で描かれるのに、つかみどころのない西野くん。でもこういうつかみどころのなさが魅力の人はいるんだよなあ。

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    2023年10月31日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    豪華寝台列車(ななつ星)の話である、それぞれ色々な人生とその人達の思い出を乗せて走る、ななつ星 一度でいいから乗って見たい本を読み、素敵な旅をしているような気持ちになった。ますます (ななつ星)に乗りたい。

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    2023年10月21日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、作詞家の
    カズ。カリフォルニアのアパートメンツで子ども
    時代を過ごした友人たちは、半世紀ほど後の東京で
    再会した…。たゆたうように心に届く大人の愛の物語。

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    2023年12月04日
  • 真鶴

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    自分の中で深い喪失経験が来た時にまたじっくり読みたくなる本

    主人公 京の頭の中は、ずっと夢遊していて何が現実なのかもよくわからないようなふわふわフワフワしているのだけれども、すごく読み応えがある文章である。

    まさに純文学という感じだ。

    朝っぱらに読破してしまったので、夜とか1人で寂しい時とかそういう時に読んだ方が、良さそうだ

    見えないものが見えちゃう被害妄想的なところとも違う でも絶対に現実的ではない場面をフワフワとしつつ鮮明に頭の中に浮かび上がらせる それはすごい

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    2023年10月11日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    はじめて読む川上弘美さんの小説。少し気を抜くと、ホロホロと溶けていきそうな文章。
    それなのに、登場人物達は自由でヒョウヒョウと好きな場所目指して動いて行ってしまうから読んでいて不思議だった。居ないけど居そうな登場人物達。川上弘美さんは人間をよく観察しているんじゃないかな?と思った。
    この小説の空気感は理解するとか共感するってことではないんだろうなー。時々ふした時に思い出しそうな短編集だった。

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    2023年10月01日
  • 某

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    ネタバレ

    【2023年114冊目】
    大体あらすじを頭に入れずに読み出しちゃうことがほとんどなんですけど、いや〜不思議な小説でした。川上弘美さん、SFもお書きになるんですなぁと思ったけど、「蛇を踏む」もそうだったかもしれない。

    主人公は突然この世に誕生した、というか存在が始まった、生命体。途中から、この生命体には個体名がつくんですけど、まあそれは置いといて。女子高生、男子高生、男性事務員とどんどんと変化していく主人公。変化する前の記憶は持っているのに、性質とかはがらりと変わるというのが面白いなと思いました。似通った性質を引き継ぐこともあれば、全く違った性質なこともあり。

    確固たる己がない生命体の話だか

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    2023年09月25日
  • 水声

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    姉弟の話。母が亡くなり、父が別の家に移っても、幼少期から過ごした家を離れずに2人で暮らしている。家族を異性として好きになる人がいることは知っているけど、自分の感情として理解することはできない。でも、本人達がお互いそれでいいなら悪いことではないとも感じるし曖昧なところ。周りの人に裁かれている、という一文が最もしっくりきた。

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    2023年09月22日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    松任谷由実さんの楽曲をテーマに各作家さんが書いた短編集。
    個人的には「春よ、来い」が一番好きだった。3人の視点から描かれるストーリーで、一見全く設定のない3人がどう関わってくるのか楽しかったし、ちょっとファンタジー的要素もあって(読んだ人にはわかる「あれ」)、なんだかあったかい作品で素敵だった。そして、ちゃんとユーミンのことが書かれてた。

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    2023年09月20日
  • 某

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    世界観は結構好き

    初めの頃の某の不自然な口調がよかった

    学生編がもう少し読みたい気もしたし、
    途中まではスイスイ読めたけど後半がよくわかんなくなってしまった。
    それと先生と水沢さんが自然にFOして寂しかった。哲学みたいな本でした。

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    2023年09月12日
  • 三度目の恋

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    ネタバレ

    感想
    愛はいつでも尊いのか。相手を尊び自らを削る。自分たちだけの物語。そんな甘い幻想は溶けて無くなる。誰もが経験し遺伝子をついでいく。

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    2023年09月12日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    「地球上の生活には金がかかるかもしれないけど、太陽のまわりを年に一周する旅が無料でついてくる、って」(p.187)

    川上ワールドにとっぷり浸かれる21篇。
    肉体は太陽のまわりを旅しながら、精神は本のなかへと旅に出る。同時に2つの旅ができるのは、読書家の特権だと思った。
    一番好きだったのは、「誕生日の夜」の、のぞみの台詞。「2000年は20世紀だったわけだから、31歳になってはじめて20代の世紀が終わる」という言葉が、ちょうど先日31歳になったばかりの自分にがつんと響いた。悦子に倣って、わたしも何かをひとつ、新しくしてみようかな。

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    2023年08月17日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    私は三浦しをん熱がまだ冷めないので、本屋に行くと、「三浦しをん」を探してしまう。
    題名を見て「きみはポラリス」を思い出したこともあり、本書を購入。
    でも、開けて読み始めると、JR九州のクルーズトレインを巡る7人の作家の短編集だった。北斗七星之ではない。表紙をよく見れば電車だったし、帯にもそう書かれている。すぐにカバー掛けてもらっなので気が付かなかった。
    因みに、文春文庫では「甘い罠」「妖し」などをテーマに豪華な顔ぶれでアンソロジーを出している。(この本がそうであるように、初出はオール読物かもしれない)

    私は、中でも川上弘美の「アクテビティは太極拳」が良かった。母親が子育て中の娘に手紙でななつ

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    2023年08月16日
  • わたしの好きな季語

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    歳時記の中から川上さんが選んだ季語と、その季語についてのエッセイを編む。雑誌「すてきにハンドメイド」に連載していたもの。その季語を使った俳句も一句づつ(本人作というわけではない)載せている。
    元生物の先生らしいエピソードが新鮮だった。

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    2023年08月15日
  • センセイの鞄

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    ネタバレ

    私(ツキコ)が自分の思いをセンセイに打ち明けるところはキュンキュンしました。
    センセイはもうご老体だし、ツキコは来年38になる独身だし、若者のような恋はできないとわかっているけど…
    なんだか2人ともかわいらしい。
    センセイが告白するところはキュン死にものです…!

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    2023年08月05日
  • 物語が、始まる

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    雛型との恋物語、幸運のトカゲ、婆の家の台所にある大きな穴、姉と共に先祖の墓を探しに行く過程。短編集。

    無駄なこと、つまらないことだと自分をなだめながらも次第にその行為に没頭していってしまうことが恐く感じた。
    でもその後で、他人から見れば理解不能な行為でも、本人が満足していれば、楽しんでいれば、それでいいのかなと思えてきた。
    ただ、望んでいないのに他人に引きずられて没頭し、しかもその行為に満足できない不快感を患うことはなんて気味が悪い、徹底的に無駄な行為なのだろうと思う。

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    2023年08月04日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    【2023年80冊目】
    愛ってなんだろう、恋ってなんだろう、人を大切に思うってなんだろうーー?青臭いセリフが常に傍にあるようで、そんな陳腐な言葉では表現できない質量で満ちていました。声に出して読みたくなる、ニシノユキヒコと十人の女たちの物語。彼女たちから見た西野くんと、西野くんから見た彼女たち。パズルのピースは、はまることがなく、最後まで「どうしてきちんと愛せないんだろう」という疑問とともにあります。おそらくは年齢によって捉え方が異なる小説。数十年後、生きていたらまた読んでみたいと思います。

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    2023年07月26日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    教養がないと読み切れない対談集、難しい内容だと感じる本だった。これほどの知識人、文化人がその立場や専門分野から様々な考察がされる。宮崎駿作品ならではのことだろうと思う。それこそ20年以上前に、ナウシカの漫画本を途中までだか、読んだ記憶はあるのだが、自説を語れるほどの読者ではないので、偉そうなことは何も言えない立場ではある。

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    2023年07月23日
  • 夜の公園

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    ネタバレ

    なんだろう…なんだろうなこれは…。
    根幹に友情が根付いた状態の2人がお互いにそれに引っ張られたまんまずるずる恋愛する話なのか、良い時期に良いタイミングでことが運ばれなかったがばかりに深くなり得た恋愛がいともたやすく瓦解していく話なのか。

    「女だからこそわかる」みたいな種類の話だろうに女のわたしでもひとつもしっくりと理解することが出来なかった。
    それどころか男にも理解が出来なかった。このお話的に考えると己の幼さゆえということになるんだろうか。
    果たして本当に己の幼さゆえ理解出来なかったと考えて終わるべき話なんだろうかね。

    本の物語としての性質は読み手のメンタルを消費しつつ感情や関係性を問うよ

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    2023年06月18日