某

784円 (税込)

3pt

「あたしは、突然この世にあらわれた。そこは病院だった」。限りなく人間に近いが、性的に未分化で染色体が不安定な某。名前も記憶もお金もないため、医師の協力のもと、絵に親しむ女子高生、性欲旺盛な男子高生、生真面目な教職員と変化し、演じ分けていく。自信を得た某は病院を脱走、そして仲間に出会う――。愛と未来をめぐる破格の長編小説。

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某 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年03月26日

    「誰でもない者」という独特な設定なのに、なぜかすっと受け入れられた。一つ感じたのは、じゃあ私は空っぽではなくちゃんと私であれているのかなということ。もっと私自身と寄り添ってみよう。

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    Posted by ブクログ 2022年03月26日

    ああ、川上弘美だ。
    「神様」とか「蛇を踏む」とか、久しぶりに思い出した感じがあった。

    たぶん、私たちはふだん「わたし」というものをそれほど意識して生きてはいない。
    少なくとも私はそんなに「わたし」について考えることはしない(思春期の頃はもっと「わたし」について考えていたように思う)。
    なぜなら「わ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年02月13日

    限りなく人間に近いが、性的にも未分化で染色体も不安定で、不死の生命体。
    彼らはいつだって、何にでもなれる。性別も年齢も職業も。何かになって、人間と一緒に生活する。
    章が変わるごとに姿を変える某。
    感情があること、考えること、誰かを愛すること、生活をすること、何かを楽しいと思うこと、人の気持ちを理解す...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月07日

    いつもながら設定が斬新でした。特に最終章の光と言う物語がいい。ひかりは曖昧に生きていたけれど、みのりを恋する事を選ぶ事で変化が出来なくり恋と言う感情を知り、曖昧な性格に彩りが生まれたところが好き。ひかりは恋をして自分らしく生きたんだと思う。

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    Posted by ブクログ 2024年01月23日

    人間ではない人間の形をした生き物を通して見る人間は、滑稽って、不思議で、おもしろい。
    「愛する」とは何かを考えさせられたし、そこに行き着いた某の成長や姿に心を打たれました。

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    Posted by ブクログ 2023年06月19日

    ほかの誰でもない自分として存在するってどういうこと?とか、人を愛するってどういうこと?とか突き詰めて考えたくなる小説。ラストシーンに対する自分の解釈が固められずモヤモヤしているのは、まだその二つの問いに対する自分なりの考えを持ててないからなのかな?と思ったり。

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    Posted by ブクログ 2022年06月24日

    何とも奇怪な話を考え付く才能はどこから生まれるのか、読みながら考えたが未だに結論が得られない.丹羽はるかが野田春眠になり、山中文夫、神谷マリ、ラモーナ、片山冬樹、ひかりと変身していくなかで、キャバクラで働いたり、カナダに移住したり、幼児になったり、なんだこりゃ! 蔵先生と水沢看護師が唯一まともな人と...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月04日

    読むと自分も某になった感じ。

    突然物語の中にほっぽり出されて、
    終わりも突然に迎える。

    思えば中学や高校に入学する度、新しいコミュニティに入る度、「変化」をしてきたなぁと思う。
    だから、彼らの気持ちがわからないわけでもない。

    「成長」するようになるまで、物事に関して、良いも悪いも好き嫌いもなく...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月13日

    何者かに変化できる生命体が主人公。この設定が本当なのか、精神世界のものなのか、それとも本人が錯覚しているだけなのか。それを探りながら読み進めていくので、どんな展開になるんだろうと気になってページが進んだ。なかなかハマったってことだ。
    何者にもなれる存在は、何者でもないということ。そんな中途半端な存在...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月11日

    「多重人格」「サイコパス、ソシオパス」を題材にした小説は幾つか読んだが それらとは似て非なるモノ。
    前半(と言っても9割がた)何が主題なのか分からないまま
    それでも小気味良い文体で読み進む。
    最後になってやっと
    '他者との共感とは?'
    '他者を愛するとは?'
    ...続きを読む

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