あらすじ
いまも胸にのこる後悔、運命と信じたはかない恋心、忘れえぬ異国の光景、取り戻したかったあの瞬間の空気。そう、願いがかなうものならば――。メロディーを耳にしただけで、あの頃の切ない想いを鮮やかに甦らせてくれる永遠の名曲たち。不世出の天才シンガーソングライター、ユーミンのタイトルが、6人の作家によって新たなストーリーへと生まれ変わる。唯一無二のトリビュート小説集。(解説・酒井順子)
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Posted by ブクログ
親の影響で耳馴染みのあったユーミン。
各曲を元にしたアンソロジー。
元々ユーミンの歌そのものがすでに完成された世界観があり、ストーリー性が強い。
そこに作家それぞれが独自の視点から、新たな物語
を紡ぐってかなり難しいことだと思う。し、実際ハマらないってレビューも見かけた。
ともあれ雑食な私は、そのあたり全く気にせず楽しめた。
選曲も非常にマニアック。よきかな。
そしてドラマ化されてたってマ?みてみよー!
豪華なアンソロジー
まずは参加している作家陣の豪華さです。そして、ユーミンの楽曲のとのコラボということで、面白くないわけがありません。個人的には綿矢りささんの「青春のリグレット」が好きでした。読んだ後で、楽曲を聞きなおしたくなるような一冊でした。
Posted by ブクログ
松任谷由美デビュー50周年を記念して、6人の女性作家さんたちが書き下ろしたユーミン曲がテーマのオリジナル小説集。題名見るだけで惹かれるものがあり、即購入。
収録されている話は以下、
・あの日にかえりたい(小池真理子)
・DESTINY(桐野夏生)
・夕涼み(江國香織)
・青春のリグレット(綿矢りさ)
・冬の終り(柚木麻子)
・春よこい(川上弘美)
いずれの曲も知っていたが、あらためて思ったのは、その曲に対する偶像イメージは『人それぞれ』ということ。特にユーミンなどは僕らの年代は誰もが知っていて、その曲に対する絵が脳裏に自然と浮かぶ。
ただ、それをいざ物語化してみたら、作家が描くストーリーが自分とは少し違うのだ。
例えば『あの日にかえりたい』のストーリーは学生運動の渦中であり全くオシャレ感は無く、『冬の終り』は歌詞には一切関係なく女性のパート職場の人間関係の話だった。
まあ当時の僕らがカーステレオで流す音楽の何割かがユーミンやサザンであったように、青春の傍らには必ずユーミン曲が流れていたという象徴のような小説なんだということかな。
『私を許さないで 憎んでも覚えてて』というキラーフレーズが印象に残る『青春のリグレット』は、自由奔放に恋愛をしていた女性が回顧しながら交差点で物思いする話は、僕のイメージに近かったかなあ。『綿矢りさ』だから、女性のしたたかさ?が描かれていてちょっと怖かったな。
Posted by ブクログ
松任谷由実デビュー50周年記念オリジナル小集。全作書き下ろし。ユーミンの名曲タイトルから6人の女性作家が新たに奏でる小説のハーモニー。令和4年7月1日発行。
小池真理子 「あの日にかえりたい」(1975年)
桐野夏生 「DESTINY」(1979年)
江國香織 「夕涼み」(1982年)
綿矢りさ 「青春のリグレット」(1985年)
柚木麻子 「冬の終り」(1992年)
川上弘美 「春よ、来い」(1994年)
ユーミン世代ではないので、リアルに記憶にあるのは「春よ、来い」くらい。といっても、歌詞なんて気にしてなかった年頃だったので、いまいちよく分かっていない。本当は、曲を聞いて、歌詞を読んでからこの本を読もうと思っていたのだけど、まぁ、積読になってしまっていたので、ひとまず読んでみた。
ユーミン世代のお姉さまたちに読んでもらって、感想と解説を求めようと思う。
NHKのドラマでもやっていたのは知ってたけど、見逃したんよね。
以下、各小説ごとの感想。
「あの日にかえりたい」
1970年代に東京の大学に出てきた女子学生。恋?と友情のあいだで迷い、友情のために嘘をついたのに、気付かれて疎遠になってしまう。でも、年賀状のやり取りは続く。あの日、嘘をつかなければ、ずーっと大人になった今の2人の友情の形は違ったのかな。
「DESTINY」
30歳を過ぎた真面目だけど、マザコンなのでは?という男性の恋。きっとこういう誠実で真面目で、仕事も安定してるけど、恋愛下手な男性っていると思う。女性も然り。
「夕涼み」
結婚して子どももいる姉が、年の離れた妹の結婚をお祝いしつつ、結婚後に起こる、女性が抱える悩み、窮屈さ、夫婦関係の悩み・・・。そんな思いを妹がしなくてもよい結婚を姉は願う。敢えて海外で見た女性たちの様子を例えのように出しているのが、美しいというか、生々しくない。海外でも日本でも、女性が抱えるものは同じなのね。ちょっと切ない。切ないけど、この姉の願いが多くの人に広がって、何かが変わっていくといいな。
「青春のリグレット」
自分の方が相手を好きで好きでたまらなくて結婚した方が幸せなのか。それとも、相手の方が自分のことを好きで好きで大切にしてくれて結婚した方が幸せなのか。
私も思い当たる恋愛があり、んー、と考えてしまった。
「冬の終り」
地方の寂れた?スーパーのフードコートで働く女性。時々シフトが一緒になる女性のことが気になる(恋愛ではない)。ある時ユーミンの曲が店内でかかったとき、その女性と心が通じ合ったような、近づいたような気がして、スーパーの他のおばちゃんたちと深入りしないでおこうと思いながらも、行動は深入りしていて、ちょっとクスッとしてしまった。いいね、女の友情。これは女の友情だと私は思う!柚木麻子さんはこういう話うまいな~。
「春よ、来い」
実は一番よく分からなかった話。でも、私なりに解釈した。
知らない誰かのために、自分に与えられた特別な能力を使って、知らない誰かの幸せを願う。
きっと私たちの世界って、どこのだれか知らないけど、心のなかで「頑張れ!」と応援したくなったり、「この子の優しさがこの子を幸せにしますように」とそっと願いたくなったり、そういう小さな小さな誰かに対する優しい気持ちが集まって、巡りめぐって、自分にも幸運がやってきているのかもしれないと思う。
さて、近いうちに、ユーミンの曲を聞いてみよう。
Posted by ブクログ
6曲のうち頭の中でメロディを再生できるのは1,2曲だけだけど、そこを抜きにしても楽しめた。初読みの作家さんの作品を読めたのもよかったな。第一篇が昭和の時代を回想するストーリーだから、それ以降も脳内で時代設定に混乱してしまった。最後の「春よ、来い」がよかった。これのおかげで読後感は暖かいものになりました。
匿名
ほろ苦さが秀悦
ドラマでこの本の存在を知りました。
豪華な作家陣と、歌詞そのものから情景が浮かびやすいユーミンの曲がどんなストーリーになるのか気になり、一気読みしました。
多くのストーリーでのユーミンの歌詞の世界で表現されているほろ苦さが秀悦でした。
もっとマイナーな曲を元にした第2弾が出ないかとひっそり期待。
Posted by ブクログ
ユーミンのこの曲はこんな感じだ!という固定観念のムダさを ページの隅々から感じました。作家さんの想像力は やっぱりすごい。個人的に「春よ、来い」が好き。ライブ会場に足を運ぶ人々は 縁もゆかりもないけれど、誰かを必ず想っているんだなぁ〜と思う。だから ライブ後は しあわせ気分が満ち満ちに!贅沢な短編集で満足。ユーミンバンザイ!!(笑)
Posted by ブクログ
ユーミンの曲を題材にして描かれた短編集です。
ユーミンの曲は、「春よこい」しか知らなかったので、他の曲も聴きたくなってすぐ調べて曲を聴きながら読んでいました!笑
Posted by ブクログ
江國香織さんの「夕涼み」と綿谷りささんの「青春リグレット」が読みたくて手に取った。夕涼みは、夫の行動にゾッとしたし、私だったらそんなズレた夫とは一緒にいられないと思った。「逃げたかったわけではない、が、逃げられないと思わされることは恐怖だった。竦むような、恐怖だった。」という言葉に共感。誰かに自分の選択肢を奪われたり、縛られたり、自分で自分を決められないことを、人は恐怖と感じるんだなと思った。そして誰にもその出来事は話せないことも、夫を含む周りにはいつまでも愛し合っている夫婦だと思われていることも、自分だけがこのザワザワした気持ちに気づかないふりをしていればいいんだと感じるのもわかる。老女たちの夕涼みを今になって理解できるようになってしまったことも、それを見て単に奇妙だと思うだけだった過去を無敵だったと表現したことも、妹にはそんな日が来ないでずっと幸せでいてほしいと思う姉の気持ちも、切なかった。
「青春リグレット」は、自分の何がそんなに好きかわからないくらいに愛してくれた人を、自分は愛せなかったことを夫に離婚を切り出された時に思い出す。愛される恋愛がどれだけ幸せだったか、それはその時には理解できなかったのだから仕方ないし、後悔しないでほしいなと思った。後になって気づくものってある、もう取り返しはつかないけれど。彼との時間を俯瞰で冷めた目でみてしまうところ、古傷が痛んだ。愛の重さは同じくらいがいい。
Posted by ブクログ
ユーミンの曲からイメージした短編集
一流の女流作家ばかりなのでどの作品も興味深く面白かったし、贅沢だと思う。
最後の「春よ来い」が1番印象に残った
願いごとひとつ叶えられるとしたら、
自分だったら何にするだろ?
自分や身内、知り合い以外について願わないといけないという条件がつくと案外難しい。
でも思いついたらきっとわくわくしそうで楽しい思考だなと思った
Posted by ブクログ
松任谷由実の曲を元にしたトリビュート小説集
著名な作家さん達による、別角度からの切り口で綴られる物語
歌詞をそのまま物語にしたものではない
むしろ設定のリンクはそんなにないかも
タイトルにインスパイアされた短編という表現の方が近い
収録は6編
あの日にかえりたい/小池真理子
DESTINY/桐野夏生
夕涼み/江國香織
青春のリグレット/綿矢りさ
冬の終り/柚木麻子
春よ、来い/川上弘美
解説:酒井順子
・あの日にかえりたい/小池真理子
いまも私の心は学生時代を過ごしたあの場所にいる
昭和の学生運動が盛んな頃の大学生
男を巡る友人とのちょっとした行き違い
大学生の頃に戻りたいと思う人は結構いるかもですね
・DESTINY/桐野夏生
大学職員の独身男子が心奪われた「運命の人」とは?
規則正しい生活の中で出会った運命の人という思い込み
片想いという状況にものすごく共感する
でもまぁ世の中そんなもんですよね
・夕涼み/江國香織
かつて暮らしたポルトガルのあの光景を忘れられない
もうすぐ結婚する妹との会話の中で、自分の結婚生活やそこに至るまでのことに思いを馳せる。
特別不満があるわけでも、後悔しているわけでもなくて、むしろ幸せなのだけど、ふと遠くを見てしまうことだってある。
もうすぐ結婚するという妹との会食
自分が結婚するまで、そして結婚生活に思いを馳せる
夫の事は嫌いではないし、むしろ今の生活に幸せを感じてはいる
ただ、昔に夫と見た、老女達が無言で夕涼みをする光景を思い出し、自分の将来を考える
恭二の行動がある意味でホラー
まず前提としてDVだし
その解決法をいきなり勝手にしてくるとは……
重すぎる愛は、確かに怖さを感じる場合もあるでしょうね
文章から感じるいつもの江國さんっぽさ
「――」で挟まれる詳細、()でテンポよく繰り返される挿入、「行かれる」という言い回し
私はこの文体が好きなんだろうか?
・青春のリグレット/綿矢りさ
離婚直前の私の心を占めるのは元彼への悔恨だった
離婚が決定的な状況で、昔付き合っていた男との事を思い返す
自分が愛している人と結婚したが、相手は自分を愛さなかった
昔の男は自分を愛してくれたが、自分は相手を愛せなかった
・冬の終り/柚木麻子
友情とも憐憫ともつかない同僚への感情の行方は?
友達になりたいという程ではないけど、もっと交流をしたい
そんな女性同士の微妙な距離感
わかり合いたいという気持ちなんだろうか?
ドラマ好きな柚木麻子さんらしく、この曲が主題歌だったドラマ「その時、ハートは盗まれた」が話題として出てくる
ってか、これが放送された当時って柚木さん小学生だった頃なのによく覚えてるなぁ
カセットテープというガジェットも何とも昭和感がありますよね
・春よ、来い/川上弘美
一度だけかなえられる能力をもつ人々が願ったもの
正しくは一度だけ他の人のために願いを叶えることができる家系(と思いこんでいる?)人たち
両親を事故で亡くし、祖父と叔母と一緒に暮らす中学生女子
3人の視点が入れ替わりながら、最後は一つに収束していく
やはり、ユーミンのライブと言えば苗場ですよねー
少女視点の話もいいけど、母親が何を願ったのかを知る場面もなかなかいい
多分、そんな能力はないんじゃないのかなー と思うんだけどね
酒井順子さんの解説も、これで一作のような雰囲気を感じる
Posted by ブクログ
ユーミンの曲を女性作家さん達がトリビュートし
創作された物語の短編集。
小池真理子「あの日にかえりたい」
まだ共同玄関や共同トイレが一般的だったころに
学生時代を過ごした主人公の郷愁の物語
既に老年に入った主人公が人生を振り返るような
切ない物語。短編の中に人生の流れがつまっていて
さすが小池真理子さんだなと思った。
桐野夏生「DESTINY」
村上春樹が愛読書の争いごとを好まない青年の物語
変わらぬルーティーンの中ではっと目についた
女学生に少し惑わされてしまうけれど、また
普段の日常に戻っていく。何も劇的なことは
ないのだけれどシニカルでとても良かった。
村上春樹とか山田風太郎とか主人公の愛読書が
渋いのが良かった。
江國香織「夕涼み」
THE、江國さん。
江國さん定番設定の仲良しの姉妹が出てくる。
主人公は姉の花、妹の結婚のお祝いに関東郊外から
都内の独身時代のいきつけの串揚げ屋さんに出てくる。
妹との会話の中で、重大な悩みではないけれど
少し心を重くする家族の悩みを反芻したり。
平和な姉妹のやり取りの中に差し込まれる花の
夫婦のやり取りの回顧がちょっとゾクっとした。
家族って平和とか安心の象徴と思われるけど
責任とか逃げられないとか閉ざされた重しも
含まれていてそういうことをとても上手に表現していて
幸せな気持ちとちょっと背筋が寒くなる気持ちが
両方感じられて読み物としてとても面白かった。
綿矢りさ「青春のリグレット」
柚木麻子「冬の終り」
この2編は軽く読んでしまったので特に感想はなく。
川上弘美「春よ、来い」
一番ページ数をとっていて短編の中に
永井カナコ38歳、上原多恵13歳、衣笠雄大29歳の
三人のことが交互に視点が変わって描かれている。
当初三人に接点はなく大人二人には秘密があって、
13歳の子供はいじめを受けている。
衣笠雄大のパートは少しユーモアがあってお父さんも
良い味だしていて、上原多恵ちゃんのパートは悲しいけど
どうにもできないむなしさ、子供の無力さが感じられ
でもそれでも頑張って毎日淡々と過ごしている
強さも感じられる。永井カナコさんのパートは
パートナーも含め皆優しさに満ちていて
とても良かった。最後ハッピーエンドってわけではない
けれど、焚火にあたるしっかりとした暖かさではなく、
白熱灯に手をかざした暖かさのようなふんわりじんわり
した余韻があって、少しだけ良い方向へ行きそうな
終わり方でとても良かった。
一旦全部読み終わってからもう二度も春よ来いだけ
読み直している。毎回じんわりと目が潤む、
そしてこれでいいんだよって自分のこと含め皆の人生を
納得できるような読後感。さすが川上さん。
Posted by ブクログ
印象に残ったところ
・小池真理子 『あの日にかえりたい』
学生時代のほろ苦い仲違い。どこでボタンをかけちがったのかなーと思うことは、人生であるけれど、そのどうにもできない思い残りを微妙なタッチで描いた作品だった。ズシンと澱が残るような、そんな読後感。
・綿矢りさ 『青春のリグレット』
菓子の思い出に共感。
その当時は、その後にそんなに大きな存在になることなどないと思った存在が、ふといちいち思い出す存在になっていたと感じることはある。それが確かに青春という時期特有のものなのかもしれないなーと気付かされる。
Posted by ブクログ
小池真理子さんのが1番よかった。
小池真理子さんのあの日にかえりたい は、なんか後をひく寂寥感があったなぁ。人生で自分と狭い周りのことだけ考えていればいい、無責任でキラキラした時限的な日々。
私も学生時代によく遊んだ場所(いまは、100年に一度の大開発で全く変わってしまったけど)を時々思い出す。今も私の中の一種 パラレルワールドであのまま存在すると信じて。その当時の友達とは、全国バラバラでずっと会っていないけれど、やはり あの時のままパラレルワールドで一緒に遊んでいる。
でも、思い出すと楽しいけれど、なんか寂しくなる。
そんな気持ち。
Posted by ブクログ
ユーミン、中学生の時、同級生女子からアルバム借りたな。思春期だな、嫁がファンじゃ無いから疎遠になったけど、ホントはこんな世界観が自分にはあってたかもね。
Posted by ブクログ
個人的に好きな女性作家ばかりのアンソロジー。
ユーミンの曲を主軸に描かれる物語は、柔らかい表現だが女の「業」というものを彷彿させる。
私が好きだったのは『あの日にかえりたい』貧乏暮らし学生の青春謳歌がきれいだった。
壊れた後の関係値も儚くてうつくしい。
空想と現実が入り交じるのがユーミンに沿っていてる人選だった。
Posted by ブクログ
シンガーソングライターというのは物語を音に乗せて紡ぐ人なのだなと思った。
ユーミンの曲にちなんだ短編のすべてよりユーミンの曲の方が何かを伝える熱量がある。
これを読んでからあらためてこの6曲をSpotifyのプレイリストにして聴いてみた。
その後もう一度読んでみたけど、やっぱり同じ気持ちだった。
ユーミンが歌う情景は現実よりくっきりしている。
本を読んだのに何故かユーミンの凄さを再認識した不思議な体験。
Posted by ブクログ
解説にも書いてあったが、ユーミンの楽曲はそれぞれの曲に自分だけの思い出と固執したイメージが伴う中、この人にとってのこの曲はこんなイメージなのかぁと新しい側面を見れて面白かった。
青春時代のすれ違いがリアルに描かれている「あの日にかえりたい」が一番好きだった。
数多くのユーミン好きに、あなたならどれを選曲するか聞いてみたい。私なら「リフレインが叫んでる」で書くだろうなぁ、なんて。
Posted by ブクログ
中学生のときからユーミンが好き。
何度かライブにも行ったけれど、
苗場は行ったことがないんだよなあ。
行きたいなあ。
入り込みすぎず、淡々と読み進めて、
静かな気持ちになった(◍•ᴗ•◍)
Posted by ブクログ
ユーミンの世界、昭和だけでなく平成にも令和にも、ありふれた日常生活の中で存在してる、都会を生きるオシャレな人たちだけでなく、地味に質素に控えめに生きている私にもきっとあるのだろうなー。
Posted by ブクログ
ユーミンの曲のトリビュート小説。6つの作品のうち知っている曲は2曲だけ。曲を知っている人の方がより楽しめそう。
でも、知っている2曲も、私が持っているイメージとは全然違う作品だった。
音楽って自分なりの解釈をして、ストーリーが出来上がってることも多いので、ピタッとはまるといいけど、はまらない場合はどうしても違和感を持ってしまうなと思った。
Posted by ブクログ
ユーミンの曲をモチーフにした短編集。
どれもほろ苦い、大人の作品集かな。
綿矢りささんのは、ちょっと怖かった。多くは読んでいないのだけど、ちょっと危うい女性を描くのが得意な作家さんなのかなと感じた。
川上弘美さんの作品は、辛い描写もありつつ、それでも希望を持たせる終わり方でよかった。女の子がしあわせであるようにと、私も願った。
Posted by ブクログ
松任谷由実さんの楽曲をテーマに各作家さんが書いた短編集。
個人的には「春よ、来い」が一番好きだった。3人の視点から描かれるストーリーで、一見全く設定のない3人がどう関わってくるのか楽しかったし、ちょっとファンタジー的要素もあって(読んだ人にはわかる「あれ」)、なんだかあったかい作品で素敵だった。そして、ちゃんとユーミンのことが書かれてた。
Posted by ブクログ
あまり歌詞リンクしている感じはしなかった気がする(あまりユーミン詳しくないのもあるかもだけど)
綿矢りささんの青春のリグレットは綿谷さんらしいぶっとんで振り切った感じの主人公で面白かったし、歌詞と相まって忘れられない恋がある人には刺さると思う。
「尽くされるより尽くす方が好き、自分が心から愛せる相手と一緒になることん夢見ていた20代のころ」
春よ、来い
「合コンが苦手じゃない男や女ってあんがい少ないんだよ」合コンって結局、互いを値踏みしてアピールする競技でしょうそんなのが好きな人間ってスポ根マンガに出てくるようなタイプの人間だけだから。
Posted by ブクログ
ユーミンの名曲と作家が紡ぐ6編のストーリー。
○あの日にかえりたい〜小池真理子
ちょっとした嘘で気まずくなった友、苦い思い出。
○DESTINY〜桐野夏生
規則正しい生活の中に運命の人だと感じた出会い。
○夕涼み〜江國香織
老女たちの沈黙の中に見えてくる感情。
○青春のリグレット〜綿矢りさ
身勝手な主人公はどうするのだろう。
○冬の終わり〜柚木麻子
女たちの感情のやりとりがあるある。
○春よ、来い〜川上弘美
願いを叶える能力があれば、どう使うのか。
きっと春は来る…という結末。
ユーミンの歌は、どことなく哀愁があって心にじんわり沁みてくる。
それに合わせて物語もありふれた日常の中でおこる出来事に、きっと春は来るよ、という明るい先を予感できる。
Posted by ブクログ
毎週末スキー三昧だった20代の頃。クルマでユーミンの番組をラジオで聞きながら帰路に着くのが常だった。ラジオからはユーミンの曲とリスナーから寄せられた葉書がオーバーラップしてた。
50周年記念のアルバムから6つのストーリーが作られている。ユーミン、全曲聴きながらストーリーを妄想したくなる。
「あの頃に帰りたい」帰れないけど、思い出にはひとり帰ることはできる。せつない。
Posted by ブクログ
「あの日にかえりたい」「DESTINY」「夕涼み」
「青春のリグレット」「冬の終り」「春よ、来い」
ユーミンの名曲に乗せて6人の女性作家が書き下ろした短編集。
原曲に忠実にと言うよりは其々の作家さんが発想を飛ばして紡いだ物語。
異性を挟み些細な事で仲違いをしてしまった女性を描いた小池さんの『あの日にかえりたい』は誰しもこれに近い経験がありそう。
男性を主人公にした桐野さんの『DESTINY』には悲喜劇的なものを感じ、大学職員の彼にちょっと同情。
川上さんが描く『春よ、来い』は辛辣さもありながら最後は温かな余韻が残る。