川上弘美のレビュー一覧

  • わたしの好きな季語

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    作家であり、俳人である川上さんの「季語」の紹介を含めたエッセイ。
    まことさんご紹介ありがとうございました。
    春夏秋冬に分けて、川上さんがお好きな季語が多彩に紹介されています。それぞれに対する想い出と共に綴られています。
    驚いた事は、川上さんが元々理系の方であった事。私は虫が苦手なので、生き物についてもいきいきと語られていて羨ましい限りです。
    季語の多彩さを再確認すると共に、自分が日常生活において四季を大切にしていない事に絶望感さえ持ちました。もしかして、俳句には向いていないかもしれない。
    業平忌が取り上げられていましたが、私も文学忌が季語になると知った時、これを読み込めたらカッコ良いんじゃない

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    2023年02月18日
  • 蛇を踏む

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    次回の読書会課題図書。
    川上弘美さんの作品は、センセイの鞄に次ぐ2作目。

    センセイの鞄も少し不思議な要素があったけど、たぶんこの作品の方がより川上節が強いのだろう。
    表題、「蛇を踏む」を読んだ後はなんとも妙ちくりんな気分になったし、
    「消える」の途中からは、こういう小説はあまり好きではないと思った。
    最後の「惜夜記」19篇はわりと最初から読むのが苦痛だと感じてしまっていたけど、作者のあとがきを読んだら少し感想が変わった。

    そうか、うそばなしか。

    他人の妄想が文字になった作品、
    誰かが見た脈絡もない夢の話が活字になっている感じなのか。
    そこに作者の意図する正しい意味や比喩を感じ取ろうとして

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    2023年02月11日
  • センセイの鞄(谷口ジローコレクション) : 1

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    谷口ジローが評価されているのは特に、メランコリックな余韻をもつ静かで内省的な漫画物語の傑出した作家・漫画家として、散歩物語の『歩くひと』のような現代コミックの古典の開祖てある点だ。 酌をする女に色気を求めること 以前は「アンチ巨人」を大っぴらに標榜していた まりこのしゅくのとろろじる_芭蕉ですよ 自分個人のことを人間一般に敷衍しないでください 割れ鍋に閉じ蓋 えもいわれぬ馥郁たる香ですな そうそう確信に満ちて逡巡する奴だったよ大町って 酌をする女に色気を求めること 汽車土瓶のしまってある箪笥 確信に満ちて逡巡する奴 チシャのサラダ

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    2023年02月23日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    赤坂憲雄『ナウシカ考』を読んだのが2019年。
    まさかの、宮崎駿と鈴木敏夫がこの本を読んでいて、「こんなこと考えて描いていない」「けれども、この本はおもしろい」と感想を述べている。

    漫画版ナウシカが取り上げられるのは、扱っているテーマと今の状況に重なりがあるから。
    でもって、ナウシカが行った最後の選択が、サラッと読むだけでは「よく分からない」からかもしれない。

    「人類全体にとって重要な決断を、ナウシカ一人の直感で決めてしまってよいのか。」と長沼毅は語っている。
    「シュワの墓所の科学力をうまく活用して、人間にとって劣悪な環境を改善し、人間性を向上させていくという物語の展開だったらよかったのに

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    2023年02月05日
  • センセイの鞄

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    ネタバレ

    再会を果たした先生と生徒のお話でしたが、中々にツキコさんの心情の描写が少ないのでセンセイに告白した時、「え、好きやったんや!」となりました笑
    歳を考えて、とか世間体を気にして、とかじゃない恋愛、穏やかに流れる川のような果てしない愛に包まれて幸せそうな2人がよかったです。最後センセイは死ぬんだろうなと思っていたので特段驚きはしませんでしたがセンセイの鞄の空っぽの空間だけが広がっていてツキコさんをこれからも包んでくれるのでは無いかなと思いました。
    感情を出すのが苦手、というかなかなか出さないツキコさんが終盤ずっと好きだと言えていてツキコさんにとってセンセイは受け止めてくれる、公平な存在だったんだろ

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    2022年11月22日
  • なんとなくな日々(新潮文庫)

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    ネタバレ

     松茸を丸のまま焼いて、すだちをじゅっとかけて、醤油をひとたらし(^-^) 川上弘美さん、お酒がお好きなようです。行きつけの店は持たないタイプとか。私は、外で飲んでいた時は、職場の近くに、中間地点に、家の近くにw。新規開拓も楽しみの一つでした。川上弘美「なんとなくな日々」、2009.3発行、エッセイ集、再読。

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    2022年11月13日
  • 龍宮

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    人と人にあらざる者の情交を描いた短編集。

    情交を描いた~と裏表紙の説明にはありますが、どちらかというと大人向け童話や幻想文学のような不思議な世界観。
    描いている内容もエロティック、もしくはグロテスク、あるいはインモラルでありつつも、あまり「生」の香りがせず、語り手の激しい情動もない。極めて静かで淡々とした作風です。
    そんな作風と内容の落差が、「人ならざる者」は人間に近いけど決して同じものではない、理解しあえるものではないという部分を強調しているように感じます。
    私は泉鏡花や小川未明の作品に似た雰囲気を感じました。
    夢の中にいるような、茫洋とした美しい小説です。

    私は「荒神」と最後の「海馬」

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    2022年11月10日
  • ゆっくりさよならをとなえる(新潮文庫)

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    感想
    着飾らない日常を綴る。簡単なようで確かな観察眼が必要。文章に気取りを持たせても具合が悪い。日々を大切にし何気ないことに心を動かしたい。

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    2022年11月01日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    何か特別な事が起こるわけでもなく、そこら辺に転がってるような何気ない日常の一場面を切り取った感じなのに、引き込まれる川上ワールド。すっかり魅了されてしまった。『冷たいのがすき』が特に好き。章子の言葉の選択や感覚がなんとも言えず良い。不倫や浮気ではなく“公式ではない恋愛”とか、「カチンとくる」ではなく「こちんとくる」とか。電話のくだりはすごくわかる。「電話をくれないひとになって、そのうえで、しばしば電話をください」 どの話も、幸せで、悲しくて、微笑ましくて、さみしくて、心地いい、不思議な感覚になりました。

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    2022年10月22日
  • 蛇を踏む

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    人が蛇に姿を変えたり、生き物がドロリと溶けたり、小さくなって消えてしまったり。文体はさらりとしてるのに、不気味さを感じるお話の連続。こういう小説を読み慣れていないので、感想の書き方がわからない…。読んでる間、川上ワールドに入り込み、現実世界を忘れさせてくれる感じ。

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    2022年10月06日
  • ハヅキさんのこと

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    短編よりも短い10ページほどのお話ですぐに読めてしまった。短いだけに細かい説明がなく読み手の想像をふくらませなければならない部分もある。20年前のこと、とかもあるから短い話の中にその人の半生にまたがっていたりするから行間を読んでじっくりと文章を読むとまた違う感想になりそうだ。

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    2022年10月02日
  • 溺レる

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    【2022年58冊目】
    タイトルの「溺レる」も含め、男女の恋愛について書いた短編集。解説を読んで気づいたが、登場人物は全員何かから逃げている。逃げているというか離れようとしているというか。

    しんしんとした描写が続く。終始雨が降っているような雰囲気の話だった。

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    2022年09月27日
  • 晴れたり曇ったり

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    ネタバレ

    エッセイはその人の素の部分が見られるから、怖くもあるけどハマった時には一気に好きになります。
    小説家は難しい堅いことを考えていそうなイメージ。もちろん、それで間違ってはいないと思うけれど、結構変わり者だったりもするものですね。
    川上さんの著作は、不思議な世界観で、その不思議さが垣間見えた気もするし、そうでもない気もするし。
    秋の散歩道で、これまでに出会った人や想い出、考えたことがとりとめもなく際限なく蘇ってくる感覚が分かる気がしました。

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    2022年09月25日
  • 100万分の1回のねこ

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    ほぼ皆猫が出てくる話を書いているのに、一人だけ主題に重きをおいて猫が出てこない話を書いていて、その表現も内容も面白かった。世にも奇妙な物語みたいな内容で、才能を売りますと言ったら本当に才能が売られてしまう話。人間、その場所にある畑を耕すしかないんだなと思った、内容まんまだけど笑

    最後の谷川俊太郎さんの、本文前の作者コメントみたいなところにあった、見果てぬ夢、という表現が、とても好きだと思った。

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    2022年09月06日
  • 蛇を踏む

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    ネタバレ

    蛇を踏む

    著者:川上弘美
    初出:1996年文学界三月号
    1996年度上半期(第115回)芥川賞受賞作

    本棚からあるものを探していると古い文藝春秋が出て来た。最近、あちこちで目にする、というよりすっかり大御所、重鎮になった川上弘美の芥川賞受賞作発表号だった。タイトルを見ても記憶にない。他にめぼしい記事もないので、きっと受賞作が読みたくて買ったに違いないのだろうが・・・読んでみても、全く記憶が甦らなかった。買ったはいいが、読み忘れて四半世紀以上たっていたのかも。

    あの川上弘美先生は〝新人時代〟にこういう小説を書いていたのだ。といって、最近の小説もほとんど読んだことないけど。

    主人公の若い女

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    2022年08月17日
  • わたしの好きな季語

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    表紙とタイトルに惹かれて。
    少しイメージと違う言葉選びでしたが、新鮮な発見がありました。
    読み物として楽しみつつ、季語の勉強になり、さまざまな俳句に触れることができる。
    バランスの良い本でした。
    季語、おもしろいですね。

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    2022年07月03日
  • いとしい

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    川上弘美さんの小説はまともなのと、そうでないのがあるが、本作は後者だった。

    飲み過ぎてしまった日に朦朧としながら見る夢のような、輪郭がぼやけていて、よくわからない部分もたくさんあるのだけど、柔らかな語り口で丁寧に書かれた文章のなかに、確かに共感できる部分や切なく涙を誘う場所などもあってすき。

    意味があるんだかないんだか、話を進める気があるんだかないんだか、みたいな箇所も多くあるが、読み終えて本を閉じた時に、「いとしいだな」としっかり思った.

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    2022年06月19日
  • 神様 2011

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    日常は変わる。
    話す熊、よりも不可思議なことが起きる。

    体が大きいけれど礼儀正しくチャーミングな、
    時に狂気も忍ばせる存在。

    「貴方と頭の中で漢字を想像しながら呼びかけてください」

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    2022年05月28日
  • ざらざら(新潮文庫)

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     私って心のどこかで女の人しかいない世界になれば良いと思ってるのかもしれない、と思った。「大きな鳥にさらわれないよう」で描かれたみたいな川上弘美ユートピア観と私のユートピア観?が、ぼんやり重なっているのかも。
     川上弘美の描く女の人たちって、文章って、俯瞰的で落ち着いてる。恋をしても傾倒しても。
     修三ちゃんとあんこに会えて嬉しかった。順番的には、こちらが先だったけど。


    胸が痛んだ。果物絞り器でぎゅっとしぼられているように、あたしの胸は、痛んだ。
    よしもとばななの、「ソフトクリームをぐりぐりなすりつけてやりたいくらいに好きなんだ」って節と並べるくらいに好き

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    2022年05月10日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    小学生の頃、現代語訳を読み耽った。ずいぶん久しぶりに読んだ。土左日記は、これはこれで有りだと思うけど、内容と背景をよく知った段階で読んだ方がいいと思った。読んだなりの解釈が狭められてしまうので、自分のものでないような居心地のわるい感じが残ってしまった。ほかの四篇は、現代の言葉がなじんで自然に読めた。

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    2022年05月05日