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Posted by ブクログ
川上弘美版「はてしない物語」とでもいうべき、オーソドックスなファンタジーでした。オーソドックスではあるけれど、行間に潜む妙な艶っぽさはやっぱり川上弘美らしくて、「ファンタジー」よりも「幻想」や「異世界」という言葉の方が似つかわしいようだ。川上弘美が冒険ファンタジーを書くとこうなる、という感じだろうか。
エンデの描く冒険者は勇ましく、勇気を求めて戦う者だった。
対して川上弘美の描く冒険の主人公は優しくて、彼らがいちばんに求めていたのは「愛」だったのではないだろうか。これが最大の違いだろう。
その違いがはたして時代性なのか、作者の個人的な感性なのか、何に由来するのかはわからない。
なんにせよ、エンデと並んで児童ファンタジーの定番として読み継がれていってほしいなあ。と、個人的には思ったのでした。
あとはやっぱり、酒井駒子さんの挿画が素敵すぎる。世界観に合いすぎる。これだけで画集にしてほしいくらいだ。
それから、この開放的な終わり方も川上弘美らしい(というか日本文学らしい)ところだと思った。
2人はその後、どうなったのだろう。あのまま離れていってしまったのだろうか。それは哀しすぎるなあ。
できればもう一度2人には巡り会ってほしいのだけれど。
けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときに。
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