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小学4年生のさよは、母親と二人暮らし。ある日、図書館で出合った『七夜物語』というふしぎな本にみちびかれ、同級生の仄田くんと夜の世界へ迷いこんでゆく。七つの夜をくぐりぬける二人の冒険の行く先は?
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Posted by ブクログ
あっという間に読み終えてしまった「七夜物語」。 よかったです。 夜の世界の一緒に冒険することによって距離が近づいたさよと仄田くん。 最後の戦いで仄田くんがさよのことを思いやる場面が最初の頃と比べて本当に成長したね、仄田くん!という感じでした。 そんな2人が冒険を終えて、夜の世界のことを忘れてしまった...続きを読むことが寂しいなと思いました。 続編の「明日晴れますように」も楽しみです。
久しぶりに児童書を読みました 2人の子どもが物語に入り込んでいく話。川上弘美さんのドキッとする文章であっという間の冒険を私もしたような楽しいひとときでした 懐かしく それでいて大切なことを考えさせられる良作でした。 挿画の酒井駒子さんの儚げな絵も素敵でした
2020.10.17~10.21 児童作品ではない。表現はとても簡単で、会話に関しては完全に子供言葉ではあるが、内容は大人向けだと感じた。考えさせられることが多い。これまで私たちが歩んだ道、その結果による未来。 私はすべての人を受け入れるわけではない、すべての人が私を受け入れてくれるわけでもない。そ...続きを読むれでいい、それがいい。だって、誰もが私を受け入れてくれたら、気持ち悪いし、生きづらい。
とても良い世界でした。面白かったです。 優しい語り口と、童話のようなストーリーの中に、立ち止まって考えてしまうような言葉がすっと入ってきます。 完璧に見えるものはほんとうは完璧じゃない。 夜の世界から帰ってきたさよと仄田くんは成長したのだと思います。ふたりのその後はもう重ならないのかな。 少し寂しさ...続きを読むも感じる、けれども良い物語を読みました。
川上弘美版「はてしない物語」とでもいうべき、オーソドックスなファンタジーでした。オーソドックスではあるけれど、行間に潜む妙な艶っぽさはやっぱり川上弘美らしくて、「ファンタジー」よりも「幻想」や「異世界」という言葉の方が似つかわしいようだ。川上弘美が冒険ファンタジーを書くとこうなる、という感じだろうか...続きを読む。 エンデの描く冒険者は勇ましく、勇気を求めて戦う者だった。 対して川上弘美の描く冒険の主人公は優しくて、彼らがいちばんに求めていたのは「愛」だったのではないだろうか。これが最大の違いだろう。 その違いがはたして時代性なのか、作者の個人的な感性なのか、何に由来するのかはわからない。 なんにせよ、エンデと並んで児童ファンタジーの定番として読み継がれていってほしいなあ。と、個人的には思ったのでした。 あとはやっぱり、酒井駒子さんの挿画が素敵すぎる。世界観に合いすぎる。これだけで画集にしてほしいくらいだ。 それから、この開放的な終わり方も川上弘美らしい(というか日本文学らしい)ところだと思った。 2人はその後、どうなったのだろう。あのまま離れていってしまったのだろうか。それは哀しすぎるなあ。 できればもう一度2人には巡り会ってほしいのだけれど。 けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときに。
六つ目の夜と七つ目の、夜の世界を見て聞いて過ごした二人の七夜が終わる。忘れてしまっても記憶の底には刻まれた七夜をぼんやりと思い出すこともある気がする。私にも忘れてしまった七夜があるかもしれない。 「みんな違ってみんないい」という金子みすゝ゛さんの詩を思い出しました。
敵はいつも自分自身だ。 どうか戦わないで、と願う。話し合いで解決できない相手でも、どうか戦わないで。 話し合うのでも、戦うのでもない、三つ目の選択肢があればいいのに。 人間はいつもどっちつかずで、ゆらゆらしていて、あいまいだ。 そのあいまいさは、人間の良いところでもあり、悪いところでもあり。 夜が明...続きを読むけたら、もう現実は今までと同じではない。 たとえ覚えていなくて、新しい物語を体の底に沈めて、もう同じ自分ではいられない。同じ自分であるはずがない。 物語を読むとは、そういうことなのだ。
上中下、最後まで飽きることはなかった。 子供の豊かな感受性で語られる情景。 さよは呼び捨てで仄田くんは二人称で書かれているのは説明できないけど効果的だった。 響く内容が多く、大人はもちろん、子供こそ読んだらいいと思った。
不思議な小説だった。 児童文学なのだろうか、魔法のような現実ではない空想の世界が、現実とも空想とも言い切れない形で描かれている。当たり前のように不可思議なことがおこりつつ、リアリティが維持されていて、ファンタジーの世界と切り離しきれない感じが不思議だった。
すてきな物語。 あまりにも美しい子どもたちの、もう一つの姿。 光と影との戦い。 それが意味するものは、深い。 でも、もし自分に10歳の子どもがいたら、ぜひ一緒に読みたい物語だ。 人間とその世の中の曖昧さ、混沌とした部分をも、前向きに受け入れていこう、というメッセージを感じた。 新聞に連載されて...続きを読むいたころ、夫とせっせと読んだ小説だった。 仄田くんが「地球物理学者」になったくだりに、二人して妙にうけたのを思い出した。
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