【感想・ネタバレ】七夜物語(下)のレビュー

あらすじ

小学4年生のさよは、母親と二人暮らし。ある日、図書館で出合った『七夜物語』というふしぎな本にみちびかれ、同級生の仄田くんと夜の世界へ迷いこんでゆく。七つの夜をくぐりぬける二人の冒険の行く先は?

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

あっという間に読み終えてしまった「七夜物語」。
よかったです。
夜の世界の一緒に冒険することによって距離が近づいたさよと仄田くん。
最後の戦いで仄田くんがさよのことを思いやる場面が最初の頃と比べて本当に成長したね、仄田くん!という感じでした。
そんな2人が冒険を終えて、夜の世界のことを忘れてしまったことが寂しいなと思いました。
続編の「明日晴れますように」も楽しみです。

0
2025年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

寂しいよ〜〜もうグリクレルに会えないなんて、さよと仄田くんがこの大冒険を覚えてないなんて、全てを覚えてる我々を置いていかないでくれ〜〜〜〜
終わり方があっさりしていて、ものすごい冒険をしたのに「まあ、それなりによかったんじゃない?」ってなんでもないように言う夜明けの住人が好き、RPGをクリアした子供に寄り添う大人みたい。最後何もできない子供だった2人がご飯を作るシーンが何よりも好き、三度三度のごはんを食べることが何よりも大事って着地が好き、なんだかチェンソーマンを思い出した。

0
2025年02月22日

Posted by ブクログ

久しぶりに児童書を読みました 
2人の子どもが物語に入り込んでいく話。川上弘美さんのドキッとする文章であっという間の冒険を私もしたような楽しいひとときでした
懐かしく それでいて大切なことを考えさせられる良作でした。 挿画の酒井駒子さんの儚げな絵も素敵でした

0
2021年10月14日

Posted by ブクログ

2020.10.17~10.21
児童作品ではない。表現はとても簡単で、会話に関しては完全に子供言葉ではあるが、内容は大人向けだと感じた。考えさせられることが多い。これまで私たちが歩んだ道、その結果による未来。
私はすべての人を受け入れるわけではない、すべての人が私を受け入れてくれるわけでもない。それでいい、それがいい。だって、誰もが私を受け入れてくれたら、気持ち悪いし、生きづらい。

0
2020年10月22日

Posted by ブクログ

とても良い世界でした。面白かったです。
優しい語り口と、童話のようなストーリーの中に、立ち止まって考えてしまうような言葉がすっと入ってきます。
完璧に見えるものはほんとうは完璧じゃない。
夜の世界から帰ってきたさよと仄田くんは成長したのだと思います。ふたりのその後はもう重ならないのかな。
少し寂しさも感じる、けれども良い物語を読みました。

0
2018年08月16日

Posted by ブクログ

川上弘美版「はてしない物語」とでもいうべき、オーソドックスなファンタジーでした。オーソドックスではあるけれど、行間に潜む妙な艶っぽさはやっぱり川上弘美らしくて、「ファンタジー」よりも「幻想」や「異世界」という言葉の方が似つかわしいようだ。川上弘美が冒険ファンタジーを書くとこうなる、という感じだろうか

エンデの描く冒険者は勇ましく、勇気を求めて戦う者だった。
対して川上弘美の描く冒険の主人公は優しくて、彼らがいちばんに求めていたのは「愛」だったのではないだろうか。これが最大の違いだろう。
その違いがはたして時代性なのか、作者の個人的な感性なのか、何に由来するのかはわからない。
なんにせよ、エンデと並んで児童ファンタジーの定番として読み継がれていってほしいなあ。と、個人的には思ったのでした。

あとはやっぱり、酒井駒子さんの挿画が素敵すぎる。世界観に合いすぎる。これだけで画集にしてほしいくらいだ。

それから、この開放的な終わり方も川上弘美らしい(というか日本文学らしい)ところだと思った。
2人はその後、どうなったのだろう。あのまま離れていってしまったのだろうか。それは哀しすぎるなあ。

できればもう一度2人には巡り会ってほしいのだけれど。

けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときに。

0
2015年06月08日

Posted by ブクログ

六つ目の夜と七つ目の、夜の世界を見て聞いて過ごした二人の七夜が終わる。忘れてしまっても記憶の底には刻まれた七夜をぼんやりと思い出すこともある気がする。私にも忘れてしまった七夜があるかもしれない。 「みんな違ってみんないい」という金子みすゝ゛さんの詩を思い出しました。

0
2015年05月18日

Posted by ブクログ

敵はいつも自分自身だ。
どうか戦わないで、と願う。話し合いで解決できない相手でも、どうか戦わないで。
話し合うのでも、戦うのでもない、三つ目の選択肢があればいいのに。
人間はいつもどっちつかずで、ゆらゆらしていて、あいまいだ。
そのあいまいさは、人間の良いところでもあり、悪いところでもあり。
夜が明けたら、もう現実は今までと同じではない。
たとえ覚えていなくて、新しい物語を体の底に沈めて、もう同じ自分ではいられない。同じ自分であるはずがない。
物語を読むとは、そういうことなのだ。

0
2025年04月26日

Posted by ブクログ

上中下、最後まで飽きることはなかった。
子供の豊かな感受性で語られる情景。
さよは呼び捨てで仄田くんは二人称で書かれているのは説明できないけど効果的だった。
響く内容が多く、大人はもちろん、子供こそ読んだらいいと思った。

0
2024年08月10日

Posted by ブクログ

不思議な小説だった。
児童文学なのだろうか、魔法のような現実ではない空想の世界が、現実とも空想とも言い切れない形で描かれている。当たり前のように不可思議なことがおこりつつ、リアリティが維持されていて、ファンタジーの世界と切り離しきれない感じが不思議だった。

0
2021年09月12日

Posted by ブクログ

すてきな物語。

あまりにも美しい子どもたちの、もう一つの姿。
光と影との戦い。
それが意味するものは、深い。
でも、もし自分に10歳の子どもがいたら、ぜひ一緒に読みたい物語だ。

人間とその世の中の曖昧さ、混沌とした部分をも、前向きに受け入れていこう、というメッセージを感じた。

新聞に連載されていたころ、夫とせっせと読んだ小説だった。
仄田くんが「地球物理学者」になったくだりに、二人して妙にうけたのを思い出した。

0
2017年07月29日

Posted by ブクログ

児童文学、に位置付けられるのだと思うけれど、十分に楽しめた。
一番良かったのは解説で、上中下三冊を読んでいるうちにふわりふわりと感じていたことと、これまでの読書体験の中で、あるいは自分の物語の読み方として、一部言葉にしていたこととが、より高い位置から見渡した視点で紡がれていた。10ページにも満たないこの解説が付いているだけで、印象が、多分星一つ分くらい増している。
本編は、特別何かが起こるわけでもなくて、特別難しい課題に迫られているわけでもなくて、どちらかと言えばのんびりと、物語が語られていて、自分の読み方で本編だけを読んでいたら、可もなく不可もなく、という印象で終わっていたと思う。
すべてを読み終わって、解説を読んで、その意味を理解して振り返ると、確かにすごくよく表現されていたことに、そこで初めて気付くことができた。
ほとんど解説に対する感想だけれど、この本編あっての解説でもあるわけで、1+1が2に収まりきっていないと、もしかすると初めて感じたかもしれない。
151213

0
2015年12月13日

Posted by ブクログ

朝日新聞に連載されていた作品の文庫版。酒井駒子の挿絵が印象的。
童話のような語り口で話が進む。内容も、少年と少女の冒険ファンタジーといったところで、これまでの著者の作風とは少し異なる。常に、大事なことを優しい言葉で伝えてくれる作家だが、それが遺憾なく発揮されている。
(2015.7)

0
2015年07月13日

Posted by ブクログ

久しぶりに「本を読んだ」という気分にさせられた。毎日本は読んでるし読んできた本は面白かったのだけど、毎日読んでるとどうしても本への感動は薄れがちになってしまう。
子供の頃のような、全身をかけて入り込むように本を読む体験はなかなかできない。
それがこの「七夜物語」では体験出来たのだ。現実と夜の世界を行き来きする子供たちに懐かしさと羨ましさを覚え一気に夢中になって読んでしまった。

0
2015年05月13日

Posted by ブクログ

冒険の旅にでる。
どんな風に?
ある時には洋服ダンスの奥に広い世界が広がっているだろうし、柱時計が真夜中の時間を告げる瞬間だったりする。
この物語では別な世界への冒険へ出かけていくには明確な方法が書かれてはいない。
さよと仄田君の心のあり方がカギとなる。
全部で七夜。冒険を続けていくうちに、大人になっていく二人。
二人の冒険は二人の成長のあかしでもあるのだ。
大人になることは、怖いことだけれど、決して怖れることでもないのだと思いながら本を閉じた。

0
2015年06月15日

Posted by ブクログ

さよと仄田くんが少しずつ大人へと成長していく感じが良かった。
最後はほんとに大人になったんだね。
最後の戦いはなんだかドタバタした感じでアニメ感が否めなかったけど全体の雰囲気は夢の世界を歩いてる感じがして良かった。
夢も目が覚めると何故か忘れてしまうものだからね。

0
2025年07月10日

Posted by ブクログ

上・中巻を数年前に読み、下巻の存在をすっかり忘れており
本棚を整理していて下巻を未読なことに気付く。

物語の中で出てくるサクランボのクラフティー、
ちょうど1年前くらいに娘と作った事を思い出す。

大人になってしまった私には少し退屈だったけれど、
雰囲気は充分楽しめた。

0
2020年04月27日

Posted by ブクログ

 「きみたちは、一番小さなものを救おうとした。そしてそれは、きっときみたちでなければできなかったことだろう」
 「自分にとって一番大切なものを救おうとすること、失うとみんなが困るものを守ること、それは、誰にでもできること。でも、とるに足りないもの、失っても誰もたいして困らないものを守ることは、ばかな子供にしかできないことだったわ」
 「そして、一番ちっぽけなものを救おうとしたからこそ、きみたちの夜の世界は光に満たされたのさ」
(P.314)

0
2019年10月26日

Posted by ブクログ

ミヒャエルエンデ的な世界観はよくできているが、ストーリーのメリハリがぼんやりしていて、不燃焼感。
子供の頃なら引き込まれたのかもしれない。

0
2019年08月19日

Posted by ブクログ

6日目の夜の世界。
さよと仄田くんはグリクレルのお茶会に招待され、夜の世界の住人達と、さくらんぼのクラフティーを食べ、楽しいひと時を過ごした。

だから私は思い込んでしまった。
7日目の夜の世界は、happy end だろうと.....。

7日目の夜の世界は、いままでで一番、過酷なものだった。
よと仄田くんの姿をした光と影は、残酷で、我儘で、そして強かった。

児童文学書のくくりに入るのだろうが、どちらかというと大人向けの作品な気がする。
大人が読んでも難しかったw

0
2017年08月10日

Posted by ブクログ

主人公は小学生の ファンタジーなのだが、読んでいるうちに、過去や現在の自分に置き換えて考えてしまっていた。
哲学的?宗教的?不思議な成長物語。
酒井駒子さんの絵が素敵すぎる。

0
2016年01月04日

「エッセイ・紀行」ランキング