川上弘美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ちょっといいみたいな、そんな感じ。
このひとの言葉が好きだなぁ、と思わされる。
心地よい文章と空気、気取らない素朴さ。
ちょっとずれた感覚が楽しい。
ご飯がおいしそうなのも相変わらずいい。(そのことのルーツみたいな話を覗けるのもまた、嬉しい。)
文章の巧さとしゃべりの巧さは比例しないのかしら、と勝手に親近感を持ったり。
この飄々とした現実感のないひとが“お母さん”だというのが、なんだか想像できない。
かばん症には共感。
いろんなところから集めた文章なので統一感は全然無いのだけれど、川上弘美さんのその時その時の感覚に触れられる感じが贅沢にも思える。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ真夏に昼寝をしている二人の姉妹、姉の長い髪が妹の左足に絡まる……という冒頭の描写に惹かれて購入。
戯れに結んだ髪が、取ろうとすればする程からまってしまう。
様々な二者の間に生まれる「いとしさ」が、全て比喩で描かれている。
母の恋人と娘、「一回いくら」という関係の男性と少女、兄と妹、春画のモデル同士など、どれも少しずつアブノーマルな関係。
世間的には普通の恋人同士という設定の二人でも、やはりどこかアブノーマルで何かが欠落している。
好きかどうか自分でもよく分からない、愛し合っているはずなのにどこか欠落している、お互いの「昏さ固さ」に惹かれ合う(そして一方がストーカー化)など、真っ直ぐな意味で -
Posted by ブクログ
なぜに中年女性作家の書く「パンツ率研究」などを熱心に読まなければならないのかと思いながらも、ページを繰るスピードが落ちないのは、嘘っ八百の川上ワールドに惹かれているからに違いない。2008年夏まで雑誌「東京人」に連載され、その後「Web平凡」に引き継がれてきた「東京日記」の第三集。 相変わらずのマイペースぶりと、ほんわかしたムードはこの著者ならではのもの。「ほんとうのこと率」アップと言いながらも、ついつい眉に唾をつけたくなる話のオンパレードだ。むずかしい本の合間の息抜きにぴったり。各月毎にまとめられた日記は、それぞれ個性的なタイトルをつけられ36編にも達する。つまり3年間36ヵ月分というわけ。