川上弘美のレビュー一覧

  • 物語が、始まる

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    短編4話。
    男の雛形を拾った女性の話である「物語が、始まる」は母子愛から始まり恋愛につながる源氏物語のような話。そこに川上さん独特の性描写がなされている。それでいてプラトニック。
    「とかげ」は団地のような舞台に3世帯の主婦が織り成す物語。語り手がそれぞれの子どもを「〜家次男」などというのが面白い。最後は一種宗教的な場面で終わる。体内に入れて排出するというのはイオマンテなどを連想させた。
    「婆」はある婆の家にある謎の穴の物語。異空間の表現はまさに非現実的。だけどその前後にある食事などの飲み食いの場面、猫などの動物が妙に現実染みている。そのせいか、異空間の場面もあまり異様ではない。
    「墓を探す」は

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    2009年10月04日
  • 此処 彼処

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    本書のテーマは自分の場所である。それは、浅草、鶴巻温泉、銀座、琵琶湖といった地理上の場所であったり、近所のマーケット、好きな居酒屋、好きな旅館、好きな抜け道、好きなお花見の場所、思い出の大学寮、電話ボックスといった著者が「属している(いた)」と思われる場所であったり、新婚旅行で訪れた地や思わぬ拾いモノ(誰かの臼歯、骨董のメガネフレームなど)をした場所であったり。

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    2009年10月07日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    ニシノユキヒコ。

    この一人の男。
    魅力的なのかどうか「?」マークが浮かんでしまう
    頼りない、でも優しい、なのにドライ、結局何故だか放っておけない、
    そんな男の恋愛連作集。
    彼が人生で出逢って通り過ぎてきた女性10人の視点から
    様々な年代の西野くん、様々な顔の幸彦君が描かれています。

    ニシノユキヒコに出会ったことによって10人の女性は
    傷ついたり悩んだりしながらも最終的には前へと進んでいくための
    小さな光を見い出しているように感じられます。

    そしてそれとは対極に、こんなに多くの魅力的な女性に愛され、
    本当なら幸せなはずのニシノユキヒコなのに、
    寂しさにいつも囲まれ

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    2022年08月05日
  • 此処 彼処

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    本書のテーマは自分の場所である。それは、浅草、鶴巻温泉、銀座、琵
    琶湖といった地理上の場所であったり、近所のマーケット、好きな居酒屋、
    好きな旅館、好きな抜け道、好きなお花見の場所、思い出の大学寮、電
    話ボックスといった著者が「属している(いた)」と思われる場所であったり、
    新婚旅行で訪れた地や思わぬ拾いモノ(誰かの臼歯、骨董のメガネフレー
    ムなど)をした場所であったり

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    2009年10月04日
  • 物語が、始まる

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    いつもの暮らしのそこここに、ひっそり開いた異世界への扉―公園の砂場で拾った「雛型」
    との不思議なラブ・ストーリーを描く表題作ほか、奇妙で、ユーモラスで、どこか哀しい、
    四つの幻想譚。

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    2009年10月04日
  • 物語が、始まる

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    「物語が、始まる」は最後、とても切ない。
    川上弘美のいろんな作品を読んでて思うのは、登場する男性にすごくひきつけられる、ということ。この三郎もしかり。
    魅力的な男性に思えてしまう。
    「トカゲ」はエロくって「墓を探す」は少し怖い。ぜんぜん作品の雰囲気が違う。
    川上弘美は本当にいろんな作風で文章が書けるんだなぁ、と実感した1冊。

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    2009年10月04日
  • 物語が、始まる

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    一時はまった作家。途方もなさをふと日常にすべりこませるところが好き。いつものように、空想散歩を楽しめました。

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    2009年10月07日