川上弘美のレビュー一覧

  • 光ってみえるもの、あれは

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    多分、彼がいうほど「ふつう」ではない青春。
    こんな風に、人生が変わってしまうような(というより、人生に気付いてしまうような、という感じもする)経験をしてみたい気もする。

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    2014年05月15日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    “五月某日 曇
    吉祥寺の絵本屋さんに行く。
    数冊買ってから外に出ると、そろそろ夕方になろうとしていた。
    荷台に大きな籐のかごをくくりつけた自転車を引いて、おねえさんが歩いてくる。店のすぐ前でおねえさんは止まった。自転車のスタンドを、ゆっくりと立てる。
    おねえさんは、籐のかごを開けて、たたずんだ。しばらくすると並びの店から店員さんたちが出てきて、籐のかごの中にあるクッキーやケーキやキッシュを買っていった。
    おねえさんは、移動ケーキ屋さんなのであった。
    「いつもこの時間にくるんですか」と聞くと、おねえさんは「うーん、気が向くとね」と答えてにこにこした。商売ではなく、趣味の移動ケーキ屋さんなのである

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    2014年05月18日
  • 此処 彼処

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    場所にまつわるエッセイ。
    豆の話が印象的です。豆ごはんを食べる回数が決まっているなんて ( ´艸`) かく言う私も、たけのこご飯だけは食べる回数が決まってるかも。

    川上さんの文書はなんだかほっこりして好き。でもエッセイより、短編集の方が好きかな。

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    2014年05月04日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    この「東京日記」のシリーズはほんと、ゆるいエッセイがすきなひとにはぜひ手に取ってもらいたいんだけど、311をはさむこれは、すこしだけ風合いが異なる。
    ざらつく、というか。
    「計画停電、なんて言葉を書くなんて」みたいなことが記してあって、この現実と虚構がないまぜになった世界観にあってなお、非現実的な出来事はしかし厳然と現実であって、しかも今も続いているのだ。

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    2014年05月03日
  • 夜の公園

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    決定的な瞬間というものはあまり訪れず、それとなく進んで行くものだと思っていました。
    良い意味で、予想を裏切られた感じでした。
    内面と外面のどちらが自分かなんてそう簡単には分からなくて、出会う人々がそのどちらと会うのかも、分からないものなんですね。

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    2014年04月14日
  • 物語が、始まる

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    川上弘美の小説を読んだ後は、いつも現実とそうでないものとの境界が曖昧になったような心地がする。
    それも、最初の話ではそうならず、読み進めて行くほどに何が何だか分からなくなる。
    ストーリーは理解できるのに、何か確かだったものが不確かになって行く。
    そんな感覚を味わいたくて、彼女の小説を読んでいる気もする。

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    2014年04月11日
  • 物語が、始まる

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    雛形を拾うことで、物語が、始まる。
    生きながらえることとはまた違う、物語の始まり。

    ーーーーー

    ときどき、私と本城さんの会話は、こうなってしまう。たぶん、何か大切な一語一文を、私たちは抜かしてしまっているのだ。

    ところどころに大きな平たい穴が開いたようなものーー
    歩いていると、私だけが穴に沈み、話しかける本城さんの膝くらいの位置に頭があるようになる、しばらく私は本城さんの膝に向かってあれこれ話しかける、膝は笑ったりのほほんとしたりして、存外普通に会話をかわしてくれる。

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    2014年04月13日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    ネタバレ

    字が大きくて読みやすかった。
    著者がはまってるソリティアって何?
    ひとりでできるカードゲーム?
    川上弘美氏の日常を読むとほっとする。昼寝もしてるし。
    安心するわ~

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    2014年04月01日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    相変わらずの東京日記。だけど震災の時期を挟んでいることで、フィクションにノンフィクションが入り込んで来る不思議な感じ。

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    2014年03月31日
  • あるようなないような

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    単行本で読んだことがあるようなないような気がいたしておりますけれども、再読してみてやはり良質なエッセイだな…と感じ入った次第であります…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    読書のエッセイとかが特によかったですね! いや、他人の読んだ本とか気になるタチですので…川上さんが普段どんな本を読んでいるのか把握できた点は良かったです。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    後は最後らへんの、まさに「あるようなないような」話は個人的に僕の感性と合致しているようで共感できました! 今後、また読み返してみたい本でもありますね…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2014年02月05日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    初川上弘美。ほんとは「センセイの鞄」途中まで読んでたんだけど、日本に置いてきてしまった。。。

    表紙のイラストがかわいい。

    短編集。大体よかった。

    感情的な人は出て来ないんだけど、でもそのひとたちの何気ないでも複雑な感情があるからこその言葉なのが想像できた。

    見えてきた。

    「どうにもこうにも」と「冬一日」が好き。

    不倫してるひとが何人かでてきたけど、こーゆー感じだから長く付き合うんだな。

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    2014年01月26日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    「センセイの鞄」がすごく良かったので他の作品も‥と思い手に取ったのですがこの作品はいまいちかなぁ‥。

    思春期のもやもやがテーマなんだと思うけど。
    それにしてはラストがピンとこなくて。
    結局なにが言いたかったのか私には汲み取ることができなかった。

    この人の書く女の人は生活感のないタイプが多いですね。
    それもちょっと私にはハマらなかったかなぁ。

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    2014年01月26日
  • 東京日記3 ナマズの幸運。

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    東京日記三作目。今までほどぐっと来たのはなかったけれど、P138阿闍梨スペシャルのかんぴょう巻きを部屋の四方に一個ずつ投げつけたってのがよかった。

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    2014年01月23日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    もうあんまり覚えていませんけれども、これも良かったですね! あらすじにもある通り、恋愛の何やかやを短くまとめた文章がいくつか掲載されています…!

    恋愛小説なんて僕ちゃんあんまり読まないのですけれども、これを一つ前に読んだ川上氏の小説が気に入りましたのでこれも読んでみることに…

    やっぱし摩訶不思議な展開となっていますね…川上氏の手によると…! ただの恋愛小説ではないですし、主要の登場人物に霊的なものまで入ってきていてまさに川上ワールドとしか言いようがないアレが展開されています…!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、そんなわけで短編集なので寝る前とかに少し読むのに適した一冊だと思いました。おし

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    2014年01月06日
  • 神様 2011

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    1993年に書かれた「神様」を東日本大震災を受けてリライトしたもの。1993年版と2011年版が収録されています。短いのですぐに読めます。非日常は日常に変わりつつあり、風化されずとも薄まる情報や報道に対しての著者なりの怒りや警鐘が伝わってきます。大人はもちろん、子どもにも是非読んでほしい。震災はこれからも続いてしまうのです。評価し難いので、★3にしています。

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    2014年01月05日
  • 神様 2011

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    熊のような人でなはく、熊。
    熊は熊として産まれ、熊の運命を受け入れて、ただ生きていること。
    これを読んで切なくなるのは、偏見を持つ側だからか、持たれる側だからか…。

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    2013年12月30日
  • 夜の公園

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    少しずつ重なり合い、それでも決定的に愛し合えない四人の話。
    小説全体に漂う、静かで、凛として、冷たくて、秘密めいた空気はまさに「夜の公園」に流れるそれのようで、
    視点が変わるたびに濃さを増し、抜き差しならなくなっていく状況に息が苦しくなった。
    全員があまりに感傷的で、感情的で、自分勝手で、人間臭すぎて、
    それで息が詰まってしまった。

    はっきり言って、僕は四人のうちの誰をも好きになれなかった。
    息苦しさに喘ぎながら、必死で呼吸をするみたいにして読んだ。
    きっと、四人のことをどうにか好きになりたいと思っていたんだと思う。

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    2013年12月09日
  • 神様 2011

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    「単なる書き換え」と「単なる並置」という手法が、この作品を読んだ後に味わう胸くそ悪さを産み出すのだろう。

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    2013年11月04日
  • ハヅキさんのこと

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    恋愛、出会い、再会をテーマにした掌編小説集

    日常の一部を切り取ったようなお話しが多い
    最近はこんな感じの本を読んでいなかったので、随分と新鮮に感じた
    久しぶりに江國香織を読みたい感じ

    さて、数々のタイトルの中で、個人的に好きなのは「グッピー」
    失恋した際に、泣けるお話しを求めるけど
    「泣ける」と言われているお話しの恋愛は大抵恵まれた恋愛をしていると言うのは同感
    本人たちにとっては悲劇なのかもしれないけど、周りからみた評価はまったく別だよな~ と思ってしまった

    他にも表題作もなかなかよい

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    2013年10月17日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    「柔らかいしわなしの黒豆は、長時間かけてゆっくりお砂糖をしみこませてゆっくり冷まして段階ふんで作るけど、しわしわの黒豆は砂糖なしでゆでたあとどばっといっぺんに砂糖を入れてばりばりにしわを入れるのである。どば。ばりばり。アン子そのものだな。修三」
    (修三ちゃんの黒豆)

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    2013年10月02日