【感想・ネタバレ】おめでとう(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

小田原の小さな飲み屋で、あいしてる、と言うあたしを尻目に生蛸をむつむつと噛むタマヨさん。「このたびは、あんまり愛してて、困っちゃったわよ」とこちらが困るような率直さで言うショウコさん。百五十年生きることにした、そのくらい生きてればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうし、と突然言うトキタさん……ぽっかり明るく深々しみる、よるべない恋の十二景。

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Posted by ブクログ

お気に入りの一冊になりそう。
短編だと一行ごとの印象が強いし物語ごとの悲哀が濃くてとても好き。飲み仲間の友人にプレゼントしたい。

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2020年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

川上さんお得意の、女達の恋の短編集はやっぱりいいな。
ちょっと風変わりな困ったちゃん達の恋愛模様にニンマリしたりアハハと笑ったり。
友人が思わずつぶやいたセリフ「まったくもう、困った、でもいい人だねこの人は」にも激しく同意。
不倫相手の元恋人に憑かてる内に仲良くなったり、論理的思考を持っているのに鈍感だったり。
みんな呑気でおおらかで。
愛すべき困ったちゃん達の逞しさに元気をもらった。

大人のしっとりと湿り気のある恋愛物も良かった。
「俺150年生きることにした。そのくらい生きていればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」
別れ際にそう言った彼。
途方もない年数は叶うわけはないと知っている。
気まぐれな言葉ということも。
けれど、女はその言葉を忘れない。

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2018年09月09日

Posted by ブクログ

再読でも、とても寂しくて好きです。
記憶をなくし続ける物語の次に、忘れないでいようというこの物語を読んだのでなんだかそれが印象的でした。
なんと表現していいかわからないくらい、ふわふわととりとめない空気ですが、それでもこれは恋愛なのかもしれません。レンアイ、と片仮名にしてしまう方がぴったりかも。
のお話も寂しくて好きなのですが、ラストの「おめでとう」が一番好きです。再読して初めて、「西暦三千年一月一日のわたしたちへ」と書いてあることに気付きました。滅びを感じさせる世界観が素敵です。
昔、好きだった人に差し入れとして渡したことがあります。読んでくださったかはわかりませんが。
わかりやすいのは「センセイの鞄」だと思いますが、川上さんの恋愛小説はこんな空気のものが好きです。

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2017年12月05日

Posted by ブクログ

☆5つは付け過ぎなんですけどね、色々と考えるネタを貰った作品なので、ちょっとサービスです。
川上さんは多彩な作品を書く人のようですが、この短編集でも幾つかのパターンが出て来ます。
「センセイの鞄」を思わせるちょっと不思議な主人公の恋愛を描く「天上大風」、「蛇を踏む」のようにファンタジックで寓意的な「運命の恋人」、そして男女の一場面を見事に描く「川」など。それぞれが見事だと思います。
しかしいずれにしても、緩やかにうねり、決して白波の立つことの無い瀬戸内の海のような、どこかゆったりした流れがこの人の持ち味という気がします。

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2017年10月30日

Posted by ブクログ

またまた再読

ここ半年ほど手を伸ばさないでも届く距離にずっと置いている本。二度と帰らない旅に出ようとしと時もこの1冊だけを鞄に詰めた。そんな本。



独特の風が吹いてます。

しっとりっとしたソフトタッチな感じ。


まぶたにその情景が浮かべながら読ませていただきました。


「川」

勝手に京都鴨川でいちゃつくカップルに見えました。標準語なんだけど。

ほんわか。幸せ。

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2014年02月24日

Posted by ブクログ

カワカミ的登場人物がたくさん登場して、カワカミ的言葉でカワカミ的表現がされていて、あ〜〜川上弘美好きだ〜という気持ちになった。
この短編集を読んで、川上弘美の描く女同士の距離感とか関係性がすごく好きかもしれないと気づいた。『ざらざら』に収録されている「桃サンド」とか、たまらなく好きだったかも。本作収録の「いまだ覚めず」は女同士の関係が不思議な世界観の中に描かれていて、「こういうのだよ、こういうの…!」と電車のなかでにやにやしながら読んだ。この話の世界は色褪せていて、懐かしい感じがして、でもすこし怖くて、ほんとうに好きだ。表題作「おめでとう」は、純粋に語られる愛とさみしさに不覚にも涙が誘われてしまった。あんなに短いお話でも、泣けるものなのだなあ、しみじみ。
登場人物の誰もがどことなくさみしさを抱えていて、それは誰にも救えるものではなくて、それがなんとも切なく愛おしい。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

「冷たいのがすき」がすき。言葉の細かいところにこだわる人が多く出てきたと思う。私もそういう性分だという自覚があるので親しみがもてた。

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2024年04月30日

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二人ともたくさんの嘘をついたに違いなかった。いつもの逢瀬に必要な何倍もの嘘を。しかし二人して、なんでもない顔をしていた。

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2023年10月11日

Posted by ブクログ

裏表紙を見ると『よるべない恋の十二景』らしく、それらに、たよりとするところが無いのかどうか、私には分からないが、川上さんの数々のこと細かい描写に、胸を突かれるような愛おしさが湧いてくる事は確かである。

それは、最初の「いまだ覚めず」だけでも枚挙に暇がなく、タマヨさんが、十二年前の写真を捨てずに取ってある事や(しかも、壁一面に貼ってある中のどこにあるか、瞬時に分かった)、「仕事ばっかりしてる」「わたしも」の『わたしも』や、『あなたと手つなぐの、すきだった』や、「なにしてあそぶ」と、少しお化粧をして少しよそいきになったりと、言葉だけだと何ということも無いように思われるが、物語に於ける、これらの言葉の端々には、人を好きだという特別感のある思いが密かに、しかし、確かに息づいているのが、私には感じられるような気がして、読んでいて切なくなる。

また、「冬一日(ふゆひとひ)」に於いて、『百五十年生きることにした』は、それほど心には響かず、寧ろ、『私の声が、少しだけ、真剣にすぎた』から、『「そんなこと、ない」。こんどはできるだけ真剣にならないように気をつけながら、私は答えた』への私の想いや、『玄関の狭い土間に並んで靴をはき』にグッとくるものがあり、台詞もそうなのだが、それに続く、なんてことのない描写に感情移入させられるのは、きっと、そこでも言葉にならない台詞が読み手それぞれに感じられるからだと思い、こうした、その人の見えない大切なものを思い起こさせてくれる、川上さんの文章には、一言では説明できないような感情が、じんわりと込み上げてくる。

そして、「春の虫」と「冷たいのがすき」、それぞれに共通していたのは、好意的な部分だけではないところも受け入れているところで、前者は、『羨ましさのなかには、羨ましさだけではない余分ないくつかの気分も混じっていて、それは少々居心地の悪いものだった』に、後者は、『いじらしく、また、うとましく、感じるかぎり、僕は章子から離れられないのだと思う。いじらしい、だけならば、こんなに続かなかっただろう』にある、その複雑な気持ちは、自分だけに開いてくれている様々な一面に人間らしさがあることに、自分自身と似通った安心感を感じられたからではないかと思う。

それと、本書に度々登場する言葉として、『十年』があり、それは、十年ぶりに会いに行くであったり、十歳年上の男と別れたであったり、十年来の付き合いであったりと様々なシチュエーションではあるが、そこに見えるのは、人は単純ではないけれども、それとは別にある素直な単純さも魅力なのではないかということなのかもしれず、それは恋愛を経て、変わったところと変わらないところ、人間として成長できたなと感じたり、相変わらずだなと感じたり、新たな考え方を身に付けたと思ったら、それでも譲れないところはあると思ったり、十年経ってもどうしたらいいのか分からないと感じたり、おそらく、それらの思いのひとつひとつは、何年経とうが、その人の芯の部分として、もしかしたらブレずにあり続けるものなのかもしれないし、実は、そう見えるだけで、本当は物凄く大きな変化を遂げているのかもしれない、そんな変わるものと変わらないものを持ち続けて生きていく人間への愛しさと、それらを一人で抱えきれず共感を求めたいがばかりに、恋があるのではなんて思ってしまったが、あまりロマンチックではありませんね。

それでも、人を想うことの素晴らしさと、そのかけがえのなさを私に教えてくれた、「ばか」の言葉には、ロマンチックだけではない、個人的にそっと大切に包み込んでおきたいような真摯な想いに、私は心打たれたのである。

『男とのことがらは、藍生にとってあまりにうつくしいことがらなので、誰にも話すことはできない』

『女ともだちと愉しんだのと同じだけ、男のことを深く感じたのである』

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2023年05月26日

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川上弘美さんの本は不思議。
短編で、明らかな小説なはずなのに、途中エッセイなのかと思ってしまう瞬間が何度もある。
もう一度読み返すと、やはり小説。ファンタジーでもないのに世界観が少しふわふわしていて面白い。

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2022年09月26日

Posted by ブクログ

幸せなのにさみしい。
主人公の多くの「私」には名前が出てこない。それがよけいに自分に語られ、問いかけられているようだった。
心のままの感情を持ってしまうことへの辛さ、心細さとか、人との絡まる感情は、どうにも消化できない。
多くは「ままならぬ関係」だったりするが、それでもふふっと笑えたり、不確かなものだって存在するんだと、人の心の儚さが、ずしっと刺さった。
無機質でお人形さんみたいに感じる登場人物…そういう、ゆめうつつのところが、それはそれで好きなんだと思う。笹蒲鉾を持ってタマヨさんに会いに行った「私」は、私でもあった。空想の中で会いたい人に会いに行く、つい移入してしまう。

「夜の子供」「冷たいのがすき」が特に印象に残った。
表題作「おめでとう」西暦三千年一月一日のわたしたちへ、世紀末で孤独に生きる女性。時々会う「あなた」。
永遠に漠然と憧れを抱いていたかもしれなかった。しかし、仮に永遠が存在するなら、とてもこわい、しんどいものだと思わされた。とても好きな短編だと思いました。

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2022年02月18日

Posted by ブクログ

キメの細かい砂のようなサラサラとした文章と、空気感。
やわらかさとサバサバした感じの両方があるよう。
そしてちょっとひょうきん。
やっぱり好きだな、川上さん。
人との距離感の描かれ方や、言葉のすき間にチラッと見え隠れするさみしさも。

幽霊にたたられて復讐する「どうにもこうにも」、ちょっと異界の「運命の恋人」、未来の話「おめでとう」を含め
私の読んできた川上さんらしさの感じられる短編集だった。
心地よかった。

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2016年05月18日

Posted by ブクログ

15/12/16
ぽっかり明るく、深々しみる、まさにそれ。『夜の子供』がたまらなくすき。ちなみに子供はでてきませんよ。イチゴミルク~~


P60-61 『春の虫』
「もらったからあげたのかな、あたし」
「もらった?」
「うん、もらった、いろんなもの」
「どんなもの」
「目に見えないいろんなもの、目に見えないけどなんだかほかほかするもの」
「もらったのかあ」
「うん、たしかにくれたような気がする」
(中略)
「ショウコさんがあげたのは、何?」
「お金と時間」
「なるほど」
「つまらないものよね、あたしのほうは」

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2015年12月16日

Posted by ブクログ

一筋縄ではいかぬ恋や愛がごろごろしているのに、なぜかえぐみもいやみもない。
息をするのと同じように、当たり前のことのように思えてくる。
そして、そんな当たり前の人生と同じように、笑ってしまったり、どうしてか泣きたくなってしまうような寂しさに襲われたりする。
なんで、こんなに、この人の作品って切ないんだろう。

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2015年06月30日

Posted by ブクログ

短編集。恋愛もの12編。

川が一番すきです。
「きかん気で落ち着きのない少年」に「内気でぼうっとした少女」が「やだ、おいてかないで」なんていうシーンが堪らなくなりました。
川上さんの文章自体がすごくきれいで、曖昧な人間関係を書くのにすごく似合う気がします。すきなひとの一人になりそう。

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2015年04月26日

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【本の内容】
いつも束の間の逢瀬しかできない2人。

年末の一日、初めて過ごした2人だけの長い時間。

鍋を準備して、「おかえり」「ただいま」と言い合って(「冬一日」)。

ショウコさんと旅に出る。

電話の最中に「なんかやんなっちゃった」と声が揃ってしまったのだ(「春の虫」)。

いつか別れる私たちのこの一瞬をいとおしむ短篇集。

[ 目次 ]


[ POP ]
ふわふわした感じのする12の作品。

どこか悲しいのに暖かくもあり、読み終わるとなんだか人恋しくなる作品もあり。

川上弘美という作家さんの作品はいつもいろんな感情を渦巻かせている。

読んでて忙しい。

それすら心地よいのですけど。

「眠ったらおいていく」という言葉に不安で仕方が無くなる『川』、「冷たいのが好き。さめて冷たくなるのはさみしい。最初から冷たくしようと意志して冷たいのが好き」、というセリフが印象的な『冷たいのがすき』どれも、二人で居ることの危うくも愛しい風景ばかり。

12の作品、きっとどれかお気に入りが見つかると思います。

オススメです。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年08月23日

Posted by ブクログ

出会いとか、別れとかって、
自分では気がついていないくらい
頻繁に起きてる。

大切に、しなければ。

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2013年10月26日

Posted by ブクログ

サクサク読める短編集。
電車移動とかには丁度いい
「このたびは、あんまり愛してて、困っちゃったわよ」
この台詞が好きだった

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2024年03月11日

Posted by ブクログ

何か特別な事が起こるわけでもなく、そこら辺に転がってるような何気ない日常の一場面を切り取った感じなのに、引き込まれる川上ワールド。すっかり魅了されてしまった。『冷たいのがすき』が特に好き。章子の言葉の選択や感覚がなんとも言えず良い。不倫や浮気ではなく“公式ではない恋愛”とか、「カチンとくる」ではなく「こちんとくる」とか。電話のくだりはすごくわかる。「電話をくれないひとになって、そのうえで、しばしば電話をください」 どの話も、幸せで、悲しくて、微笑ましくて、さみしくて、心地いい、不思議な感覚になりました。

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

安定の川上先生。大好き。

毎度毎度憧れる世界観に人間観。
何気なく過ぎていく日常の、何気ないやり取りの不思議さ奇妙さ切なさ可笑しさ。。

独りでいるのも寂しいけれど、誰か好きになるのもなかなかに寂しい…
とはいえオトナなのでそこそこ楽しく生きている、
そういう人ならより一層美味しくいただけると思います。

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2021年02月27日

Posted by ブクログ

男女の恋愛、不倫、同性の恋愛、いろんな形があるけれど根底にあるのはとても普遍的なものであるように思えた。
失ってしまう不安や、先の見えない未来。それらと静かに闘っている人たち。
決して幸せな物語ばかりではないのに、幸せな気分になるのはどうしてだろう。

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2018年05月25日

Posted by ブクログ

「運命の恋人」と「どうにもこうにも」がお気に入り。女性らしさ、というよりも、人間らしさという風に例えることがしっくりくるような感覚。卑怯なところも含めてこそだよなあと思う。女性らしさや男性らしさの定義は人によって違うし、だからこそ色んな人同士が惹かれ合うのかもしれない。どうあるべきなのか、よりも、どうしたいのか。

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2017年08月21日

Posted by ブクログ

何だか読みにくい。
舌足らずの大人が一生懸命に聞いてもらいたいことを伝えているような感じ。なんだけど、解説を読んだらちょっと印象が変わったかな。

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2017年04月17日

Posted by ブクログ

短編集。
いろんな二人(女同士だったり別れた男女だったり)が出てくるのだけど、なんとなくテンポが快い。

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2017年03月31日

Posted by ブクログ

 自分の誕生日に本屋さんへ行ったら目に飛び込んできたので購入。特に印象的だったのは「春の虫」、「川」。

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2015年11月29日

Posted by ブクログ

『川』を読んだら、お弁当を持って出かけたくなった。
外での食事ってなぜだか美味しい。特別なものでなくても。
昼からビールも憧れるわ。

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2015年01月13日

Posted by ブクログ

初川上弘美。ほんとは「センセイの鞄」途中まで読んでたんだけど、日本に置いてきてしまった。。。

表紙のイラストがかわいい。

短編集。大体よかった。

感情的な人は出て来ないんだけど、でもそのひとたちの何気ないでも複雑な感情があるからこその言葉なのが想像できた。

見えてきた。

「どうにもこうにも」と「冬一日」が好き。

不倫してるひとが何人かでてきたけど、こーゆー感じだから長く付き合うんだな。

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2014年01月26日

Posted by ブクログ

もうあんまり覚えていませんけれども、これも良かったですね! あらすじにもある通り、恋愛の何やかやを短くまとめた文章がいくつか掲載されています…!

恋愛小説なんて僕ちゃんあんまり読まないのですけれども、これを一つ前に読んだ川上氏の小説が気に入りましたのでこれも読んでみることに…

やっぱし摩訶不思議な展開となっていますね…川上氏の手によると…! ただの恋愛小説ではないですし、主要の登場人物に霊的なものまで入ってきていてまさに川上ワールドとしか言いようがないアレが展開されています…!

ヽ(・ω・)/ズコー

まあ、そんなわけで短編集なので寝る前とかに少し読むのに適した一冊だと思いました。おしまい。

ヽ(・ω・)/ズコー

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2014年01月06日

Posted by ブクログ

きれいな話、ではなくて、
日常に潜むちょっと生々しい恋愛の1コマ、を、
感覚的にスパリと切り取ったような短編集。
きれい、というのは、
クリーンの意味もビューティフルの意味も兼ねている。

恋愛においては、
おそらく倫理観というのは絶対的基準を持たないもので、
不倫だろうが浮気だろうが復縁だろうが復讐だろうが、
当人が良しとするならばそれが「善」である。
よって、この作品中に出てくる様々な女性たちは基本的に自分の立場を恨んでいない。
悔いてもいない。
そういう意味では感情面でのドロドロ感は希薄で、
善とした上で話がどう展開していくのか、
を、楽しむ要素が大きい。

んー、しかし、私はこのパターンに途中でやや飽きてしまい、
もっとフツーの長編を読んでみたい気分になった。
(とは言え『センセイの鞄』もやや苦手なのだが。)

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2013年07月14日

Posted by ブクログ

どの話も、なぜか息苦しく、切なく、恥ずかしくなる・・・のはきっと、登場人物たちが息苦しく、切なく、恥ずかしい気持ちになっているからなのね、きっと。すごく淡々と語られる人生の機微よ。何だか解ったような解らないような、そんな感じです。

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2013年06月25日

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