【感想・ネタバレ】おめでとう(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

小田原の小さな飲み屋で、あいしてる、と言うあたしを尻目に生蛸をむつむつと噛むタマヨさん。「このたびは、あんまり愛してて、困っちゃったわよ」とこちらが困るような率直さで言うショウコさん。百五十年生きることにした、そのくらい生きてればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうし、と突然言うトキタさん……ぽっかり明るく深々しみる、よるべない恋の十二景。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

川上さんお得意の、女達の恋の短編集はやっぱりいいな。
ちょっと風変わりな困ったちゃん達の恋愛模様にニンマリしたりアハハと笑ったり。
友人が思わずつぶやいたセリフ「まったくもう、困った、でもいい人だねこの人は」にも激しく同意。
不倫相手の元恋人に憑かてる内に仲良くなったり、論理的思考を持っているのに鈍感だったり。
みんな呑気でおおらかで。
愛すべき困ったちゃん達の逞しさに元気をもらった。

大人のしっとりと湿り気のある恋愛物も良かった。
「俺150年生きることにした。そのくらい生きていればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」
別れ際にそう言った彼。
途方もない年数は叶うわけはないと知っている。
気まぐれな言葉ということも。
けれど、女はその言葉を忘れない。

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2018年09月09日

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