川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なぜに中年女性作家の書く「パンツ率研究」などを熱心に読まなければならないのかと思いながらも、ページを繰るスピードが落ちないのは、嘘っ八百の川上ワールドに惹かれているからに違いない。2008年夏まで雑誌「東京人」に連載され、その後「Web平凡」に引き継がれてきた「東京日記」の第三集。 相変わらずのマイペースぶりと、ほんわかしたムードはこの著者ならではのもの。「ほんとうのこと率」アップと言いながらも、ついつい眉に唾をつけたくなる話のオンパレードだ。むずかしい本の合間の息抜きにぴったり。各月毎にまとめられた日記は、それぞれ個性的なタイトルをつけられ36編にも達する。つまり3年間36ヵ月分というわけ。
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Posted by ブクログ
川上さんの文章は、言葉の質感や空気感が素敵だ。読んで感じるものがとても強く在るように思う。
川上さんの小説には、あやふやなこと、不安定なもの、そういった不確かなものが散りばめられていて、ぐにゃぐにゃしたようなゆらゆらしたような世界を生み出している。
ロジックのしっかりとした小説だけが良い小説というわけではないということを気付かせてくれる。
こんな風に在れればいいのにと羨むほどに物語の中に居る人間は強く美しい。
けれども私には強すぎて凛々しすぎて理想像にしか思えない。人間はもっとどうしようもなく感情豊かだと思うから。
もっと足掻くし、もっと取り乱すし、もっとみっともないはず。なのにこの作品の中 -
Posted by ブクログ
川上弘美という人は、毎日なにかにちょっぴり困って、うつむいている。かと思うと、ふと顔をあげて、いたずらを思いついた童女のようににっこり笑って駆けだしている。ただし行き先不明・・・というイメージ。
いつもどっちつかずでとらえどころがなくてわからない。つまりこのタイトルどおり「あるようなないような」な人です。って知り合いでもないのに言い切るのもどうかと思いますが。少なくとも、彼女のエッセイはそんな風情を醸し出していて、それがたまらなく魅力的。
なんにもやる気がでないときは、川上弘美ワールドに浸るとなんだか癒される。
さらに、このエッセイ集のいいところは、「読書目録」とか「読書ノート」とか、彼女 -
Posted by ブクログ
川上さんの小説は何冊か読んだことがありましたが、エッセイを読むのはこれが初めてです。
エッセイは、小説とはまた違った著者の一面が見られます。あのような小説を書く人は、普段、このようなことを考えているのか、こんな日常を送っているのかと新たな発見があるのが面白いです。
川上さんには、息子さんが二人いらっしゃると知りましたし、ちょっとだけ足を伸ばして、遠出をし、ビールを飲むと言った、日常を忘れる小さな旅がお好きなこともわかりました。
誰にでも起こりうるような日常の一場面を切り取って、おかしみと豊かさのある文に仕上げる表現力はさすがだと思いました。