あらすじ
春の宵には、誰もいない台所で冷蔵庫の小さな鳴き声に耳を澄まし、あたたかな冬の日には、暮れに買い置いた蜜柑の「ゆるみ」に気づく。読書、おしゃべり、たまの遠出。日々流れゆく出来事の断片に、思わぬふくよかさを探りあてるやわらかいことばの連なりに、読む歓びが満ちあふれます。ゆるやかにめぐる四季のなか、じんわりしみるおかしみとゆたかに広がる思いを綴る傑作エッセイ集。
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春の憂鬱→新緑の夢
蝋燭の光→ゆすらうめ
この間の流れる感じがものすごく好み
うすらうめ は多分この本の中でいちばんしっくりきたというか、すっと沁み込んだような気がする。なんだろう、今まで体験したり読んできたお話の中から拾い集めて自分にしてきたものが包まれてそっと置いてあった、みたいな、気持ちになった
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とても楽しく読みました。
「なんとなくな日々」というタイトルがぴったりな、川上弘美さんのなんとなくな日常。素敵なタイトルです。
なんとなくでも、くすっと笑ってしまう日々です。
こちらも、ふらっと旅に出たい気分になりました。
川上弘美さんの世界も心地好くて好きです。心が穏やかになりました。
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ごく平凡なありふれた日常だが、川上さんの眼に映る日常はきらきらとして愛しく感じた。私にはなんの変哲もないものでも、川上さんは平凡な日常の優しさを一つ一つ丁寧に感じとっていた。だからこそ、優しい文章で溢れているのだと思った。私もそんななんとなくな日々をもっと大切にしよう。
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エッセイ。
各章2ページちょっとの短編集。
ほんとうに「なんとなく」な、どこにでもありそうな日々なのだけれど、活字になると妙に魅力的に見えてくる気がする。
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なんとなくな毎日を送っている。
なんとなくなのに、言葉にすればカタチとなって残るから不思議だ。
なんとなくな毎日は流れてしまうけれど、カタチに残せばたちまち きらめき出す。
川上氏の、言葉の選び方が好き。
辞書を引くこともあるけれど、川上氏に選ばれた言葉を理解して意識の中に埋めたい。
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穏やかな秋の日、お日様があたるお気に入りの場所でこの本を読むと、ほっこり癒されます。
解説でも書かれていますが(串間努さん著)、「川上さんにはもっと人にいえないような体験がきっとあるに違いないと思いますが、それは私も同じなので、大人なるものそのようなことは詮索しないものなのであります」
きっと大変な半生を送ってこられたのに、「なんとなく」な日常を、さらりとありのままに表現されている。読み手のほうは、ゆるく楽しんでおられる様子に安堵し笑えてしまう。そういう言葉選び、起こる出来事を面白く捉えられてクスっと笑えてしまう。肩の力を抜かせてもらえる。
例えばこんなところ、
お葬式の帰り道、河童に会ったという彼女(お知り合い?)のお話。河童に似た生き物、あるいは河童らしきものではなく河童。「ほんとうなの、その話」
そのたびに彼女は真面目な顔つきで深く頷くのであった。
のせられ、居るわけないと思いながら思わず河童の顔が浮かぶ。
これは自分(私)か、と思う所もあった。人の顔を正視するのが苦手なところとか、行きつけのお店を作るのが苦手(私の場合は、どこまで距離を近めていいか戸惑う、次もしゃべるのかと戸惑う)とか。そうそうほんとうに、と思うこと多い。
なんとなくな日々1
つくづく川上弘美さんは海沿いが似合うなと思う。東海道線下りに乗り、熱海方面に電車で揺られがたごと行く。一人でも、大事な人と二人でも良い(グループは合わなさそう)。
ここも好き
雨はなかなかやまない。わたしはやきとりの串を持ったまま、雨をじっと眺めている。春の雨をじっと眺めている。
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川上さんのエッセイ第2弾(?)。
相変わらずほわんとしたタッチで書かれているので
読んでいてほっこりしてしまいます。
また読みたい一冊ですね。
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川上弘美さんのエッセイ。弘美さんのエッセイて、昔は少し苦手だったんだけど、
これはとってもいいですね。いいなーすきだなー。
小学生の息子さんとの会話は、「神様」にでてくるえびおくんみたいで可愛らしかったし、中年男性とのデートは「センセイの鞄」の博物館デートみたいでした。
ただ、毎日同じ服っていうのは、すこし引きました(笑)。
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この著者の本は初めて読みました。タイトルに、それこそ、なんとなく惹かれて。
日常のささやかなことが、愉快に、美しく書かれていて、心潤いました。
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はじめて川上弘美さんの本を読んだ。
男性と喋った記録をつけているエピソードを読んだあたりで心を掴まれた。
マイペースな中にも強い芯が感じられる、魅力的な人だと思う。
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ほんとに「なんとなく」がつづられるエッセイ。
漢字とひらがなの混じり具合とか、
擬音語・擬態語の語感から描き出される
ほんわり力の抜けた日常やもののとらえ方が
何だかここちよいw。
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旅行中の電車の中で読んだ。一緒に行った相手が寝ていた横で読んでて、そのだらっとした雰囲気に、この文体がぴったりで、すごく好きになった。
長男とラーメンを食べにいく話が一番好きかもしれない。
こんな距離感の親子、いいな~~
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ゆっくりと読書がしたかったので。
「玉骨」を読んで辞書を開きたくなりました。
知らないことばに出会う驚きに出会いたくなりました。
ゆったりと、こんな生き方というか、
ものの見方をしてみたいものだなあと思います。
昔、国語の先生が、
「女性作家はすごいよね。
文章を書くのと、家事とか子育てとかを、なんなくさらっと
両立しているもの」とおっしゃっていましたが、
特に彼女には、この先生の感慨があてはまりそうです。
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なんとなくな日々、それは川上さんらしい拘りの日々ともいえる。
取り立てて取り上げるほどのものでもない風景や事柄が、彼女の目や心、
そして文章を通すと、こんなにも味のあるものとして表現される。
さらりと書かれているのに、滋味豊か。
読後、自分を取り巻くすべての事物と心合わせたくなった。
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松茸を丸のまま焼いて、すだちをじゅっとかけて、醤油をひとたらし(^-^) 川上弘美さん、お酒がお好きなようです。行きつけの店は持たないタイプとか。私は、外で飲んでいた時は、職場の近くに、中間地点に、家の近くにw。新規開拓も楽しみの一つでした。川上弘美「なんとなくな日々」、2009.3発行、エッセイ集、再読。
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keroruuさんのレビューを見て、川上弘美の「ゆっくりとさよならをとなえる」が読みたくなり、本屋をあたったが見つからず本書を購入。やはり、ゆったりと、あるいはまったりと、時間が流れる心地よさに浸ることができた。作者の小説も読んでみよう。
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エッセイはあまり得意ではないけど、これは読めた。くすっと笑っちゃうところもあったり、わかるーと思うところもあったり、変わってるなあって思うところもあって…色々楽しませてもらった。
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衝動買いで、あまりよく作者について知らないせいか最初は読み込め無かったけれど、だんだんと惹き付けられていったように思います。
実はエッセイ始めて読むジャンルです。
知らない人の話だしな…なんて、とんでもなかった。
凡人の中の超凡人の、なんとなくな日々とはなんだか違って見えたな。
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川上女史と同い年の私は、彼女と同じく最近日々これなんとなくな日々を暮らしています。この年齢になると、胸がどきどき、わくわくすることもめったにありませんが、家族みんなが元気で、朝お互い顔を合わせたら「おはよう」と言い、毎日美味しいお酒と食事がいただけるだけで幸せな気分が味わえるものです。そんな気分を感じさせてくれるエッセイでした。
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エッセイって、その人の人柄がなんとなくわかるから好き。川上さんは、なんとなくな日々、を読んでみて『ふんわり』とした雰囲気を纏った方なのかな〜って感じた。なんとなくだけど…
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「新緑の夢」と「玉骨」が良かった。
なにげない文章が続くと思いきや、あーと思ったり、はっとしたり、
この方の作り上げる世界に取り込まれそうになる。
「冬の花束」の、かさ、という音がいつまでも残る。
Posted by ブクログ
川上さんの小説は何冊か読んだことがありましたが、エッセイを読むのはこれが初めてです。
エッセイは、小説とはまた違った著者の一面が見られます。あのような小説を書く人は、普段、このようなことを考えているのか、こんな日常を送っているのかと新たな発見があるのが面白いです。
川上さんには、息子さんが二人いらっしゃると知りましたし、ちょっとだけ足を伸ばして、遠出をし、ビールを飲むと言った、日常を忘れる小さな旅がお好きなこともわかりました。
誰にでも起こりうるような日常の一場面を切り取って、おかしみと豊かさのある文に仕上げる表現力はさすがだと思いました。