川上弘美のレビュー一覧

  • 七夜物語(下)

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    ミヒャエルエンデ的な世界観はよくできているが、ストーリーのメリハリがぼんやりしていて、不燃焼感。
    子供の頃なら引き込まれたのかもしれない。

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    2019年08月19日
  • 100万分の1回のねこ

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    『100万回生きたねこ』に捧げるトリビュート短篇集。

    『100万回生きたねこ』からこんな素敵な作品たちが生まれるなんて『100万回生きたねこ』、やっぱりすごい。そして、何回読んでもいい絵本だなぁ。

    町田康「百万円もらった男」
    世にも奇妙な物語っぽくて面白く、一気読みした。

    角田光代「おかあさんのところにやってきた猫」
    猫をこよなく愛する角田さんらしいなぁ。
    文章がするすると入ってくる。

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    2019年08月17日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    23編の短い物語をまとめた掌編小説集です。

    さまざまな登場人物たちの体験する恋愛が、何気ない風景を切り取ってきたかのようにえがかれています。江國香織の小説にすこし近い雰囲気もあるのですが、本書の物語のほうがもうすこしドライで、不思議な静けさが感じられるように思います。

    個人的には、著者の作品ではもうすこし明快なテーマ性のある作品のほうが好きですが、これはこれでたのしんで読むことができました。

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    2019年12月08日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    著者の作品はそんなに好きではないんだけど、この本は好き。
    古道具というキッチュさがいいのかな。
    全体的にぼやーっとしてる感じも、また良し。

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    2019年08月12日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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     死んだとたんにぽっかりと隙間ができるのではなく、何年もしてからはじめて隙間や穴になる。その時が、いちばんいやだ。悲しいとか、くやしいとか、むなしいとか、そういうものではない、ただ何もないような、そんな隙間になるのがいやでこわい。
    (P.155)

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    2019年08月09日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    川上弘美さんのエッセイ「東京日記4 不良になりました。」、2014.2発行。①加齢臭と古本の匂いは、同じ成分であると聞いて、びっくりする。(私もびっくりしましたw)②「人間を知れば知るほど犬を素晴らしいと思う」って、エリック・サティが言ってるよと、突然こどもに言われる。(私もそう思いますw)③こどもに、ピアスの穴を自慢する。こどもは、じいっと穴を見つめたあと、小さな声で「かあさん、不良になったんだ」と、つぶやいた。

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    2019年06月15日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    恋をすると不幸になる。
    それでよいとおもう。
    川上弘美のそういうところが好きだ。

    どういうところかと言われても、
    そういうところ、としか言いようがない。



    どうしても欲しいものは、
    いつだって、
    僕の手に入らない。
    それがでも、
    僕は決していやではない。

    『トンボ玉』



    少しずつ、すべてがまんべんなく、
    痛かった。

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    2019年04月27日
  • 森へ行きましょう

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    留津とルツ。
    パラレルワールドに生きる女性の物語だ。

    二人の人生が交互に現れる。
    そして時々、さらにパラレルに、琉通や流津や琉都やるつが登場し、さらに読者は深い森に迷い込む。
    時代の変わり目だからそう思うのか、「縁」を思う。
    私が今生きている人生は、どこかで過去の私が選択をしてきた結果としてある。
    この「私」が生きてきた人生は、辛いことも、悲しいことも、苦しいことも、悔しかったことも、数え切れないくらいあった。
    それでも、いくつかの大きな決断については、正しかったし、きっとそれはどんな私であってもそう思うだろうと思うのだ。
    前職を辞めて大学に進学したこと(出戻り転職は未だ叶っていないけれど)

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    2019年04月14日
  • 溺レる

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    う~ん、退廃と現実逃避の世界だなぁ~。
    でも面白い...。この世界観はなかなか味わえないので、定期的に触れてみたくなるだろうな...。好き嫌いが分かれる作品だと思う。私はOKにしたい。

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    2019年02月28日
  • あるようなないような

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    川上弘美のエッセイが好きだ。
    小説以上にふわふわしていて、
    ぼーっとしていて、
    それなのに日常的な景色や行為に宿る、
    人間の様々な感覚に鋭敏で、
    この人の目を通すと世界がこんなふうに見えるのかと、
    少し怖くなる。
    癖になる。

    読後に、
    あぁ、川上弘美のエッセイは、
    まるで詩のようだから好きなのだな、とわかった。

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    2019年02月17日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    ゆるゆると読みながら、ふふっと笑ったり、
    むむっと思ったり、おお…と驚いたり。
    肩の力を心地よく抜いて読める東京日記。

    ほんとかなぁ。でも、ちゃんと見渡せばあるのかも、
    と思えるところも、読後のお楽しみ。

    疲れた時の、美味しいお菓子のような
    嬉しい読書時間。

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    2019年02月11日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    いつもの日常に潜む、ちょっとした不思議な時間。
    こんなバイトがあったらとても面白いんだろうな〜。

    バイトを経験したところで、それが確実に未来に生きてくるということ保証はない。
    でも、どこかで何かが繋がるときもある。
    こういう現実味のある文章を読んで、やっぱりときめいてしまう。

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    2018年11月09日
  • ゆっくりさよならをとなえる(新潮文庫)

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    ところどころいかにもエッセイというふうに肩に力が入ったものもなくはないが、基本は本と酒とダラダラするのが好きという、とても共感できるものが通底にあり心地よい。途中まで読んで、ずいぶんと間が空いてしまったので、最初のほうは忘れてしまった。まあそれもよし、またダラダラと読み返す楽しみがあるというものだ。

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    173ページ
    『坊やはこうして作家になる』片岡義男著(水魚書房)。片岡義男の小説が昔から好きで、でも作中人物のあまりのいさぎよさにときどき驚いたものだった。一種の自伝ともいえる本書を読むと、その理由がよくわかるような気がする。幼いころからなんと自由だった人だろう。自由を尊重し、自由でない

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    2019年04月02日
  • ハヅキさんのこと

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    琺瑯
    「町子っていうの」その子は小さな声で名乗った。
    「町子」私はぼんやりと繰り返した。

    短編好きにはたまらない、ふわふわとあわあわとどこに向かうのかわからないまま進み、ベージをめくったら、ふっと終わってしまうこの感覚。「あっ」と思ったあとに、ふふむ、と感じるこの感覚。

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    2019年04月02日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    祖母の匡子さんと母で未婚の愛子さんと暮らす十六歳の翠少年の、自然色な日々。女装をし始める友人や、等身大の彼女や、遺伝子上の父や、母の恋人や、書き言葉で話す担任教師らが滔々とした存在感で、友人と共に島に行ったりする様子も力んだところがなくてさらさらと流れるように自然体。主張しない空気が清廉だった。

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    2018年10月10日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ちょっとミステリアスでエロテッィクな短編集。
    一作めの田中汀と田中水面の話し。
    二作目の話しはラストまで読んで結末がわかるからくり!
    戒名の時にちょっと気づいたけど、旅に一緒に(納骨しに秋田?うろ覚え)行ってたのは死んだ加賀美だったんだねぇ。

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    2018年09月26日
  • 椰子・椰子(新潮文庫)

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    絶版になっていて やっと古本屋さんで見つけた。
    最初はどう読んでいいのかわからなくって 困ったけど 読み進めていくうちにフラットな感覚(?)で読めるようになっていった。
    子どもをたたむとか、表現が不思議でおもしろかった。
    心が疲れたとき また読んでみようと思いました。

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    2018年09月01日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    恋愛ではなく「変」愛を集めたアンソロジー。 
    どこへゆくやら全くわからない。
    予想も付かない展開、意味さえわからなくなるけれど、なぜか読むのを止められない引力。
    奇妙な、強烈な印象を残す読後感です。
    面白かった。

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    2018年08月16日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    ネタバレ

    川上弘美の作品の中では、わりとマイルドで読みやすい短編集です。表題作の「猫を拾いに」よりも個人的には「ミンミン」「クリスマス・コンサート」「旅は、無料」の続けて3作と、「九月の精霊」がなんといってもお気に入り。順番に。「ミンミン」…小人のお話。ああ良いなぁこういう感覚が持てたら幸せだなと、純粋に思ってしまう童話のようなお話。コロポックル的。「クリスマス・コンサート」「旅は、無料」…登場人物が同じ、視点が違う女性の作品。まず前作を読むと、後作の話がすっと入ってきます。いますよねぇそういう人、でも憎めないし同性としても好きだけれど、でも少し憎らしいっていう感覚は素敵。無意識のうちに人を惹きつける人

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    2018年07月26日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    スパスパ読めていって、なごむー。

    ふしぎなことにこだわる人達が出てくる。
    風変わりな仕事をしているとか。
    名前で呼ばれたくないとか、交通量をはかるカチカチを持って歩いているとか、ふつうは見えないものが見えるとか。
    そういう、ふしぎなことの中には、ああ、見てらんない、というザラッと感が含まれている。
    ……、このザラッと感をうまく説明できない。

    ふつうとは違うことを、それがスタンダードでしょう、当たり前でしょうと見せられると、私は時々苦しくなってしまう。
    多様性がいいとか、どうとかいう話ではない。
    私は私よ、と言ってのけることを羨ましいと感じているのかもしれない。
    ただ、そういう部分をあえて前

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    2018年07月07日