川上弘美のレビュー一覧

  • ハヅキさんのこと

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    琺瑯
    「町子っていうの」その子は小さな声で名乗った。
    「町子」私はぼんやりと繰り返した。

    短編好きにはたまらない、ふわふわとあわあわとどこに向かうのかわからないまま進み、ベージをめくったら、ふっと終わってしまうこの感覚。「あっ」と思ったあとに、ふふむ、と感じるこの感覚。

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    2019年04月02日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    祖母の匡子さんと母で未婚の愛子さんと暮らす十六歳の翠少年の、自然色な日々。女装をし始める友人や、等身大の彼女や、遺伝子上の父や、母の恋人や、書き言葉で話す担任教師らが滔々とした存在感で、友人と共に島に行ったりする様子も力んだところがなくてさらさらと流れるように自然体。主張しない空気が清廉だった。

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    2018年10月10日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ちょっとミステリアスでエロテッィクな短編集。
    一作めの田中汀と田中水面の話し。
    二作目の話しはラストまで読んで結末がわかるからくり!
    戒名の時にちょっと気づいたけど、旅に一緒に(納骨しに秋田?うろ覚え)行ってたのは死んだ加賀美だったんだねぇ。

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    2018年09月26日
  • 椰子・椰子(新潮文庫)

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    絶版になっていて やっと古本屋さんで見つけた。
    最初はどう読んでいいのかわからなくって 困ったけど 読み進めていくうちにフラットな感覚(?)で読めるようになっていった。
    子どもをたたむとか、表現が不思議でおもしろかった。
    心が疲れたとき また読んでみようと思いました。

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    2018年09月01日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    恋愛ではなく「変」愛を集めたアンソロジー。 
    どこへゆくやら全くわからない。
    予想も付かない展開、意味さえわからなくなるけれど、なぜか読むのを止められない引力。
    奇妙な、強烈な印象を残す読後感です。
    面白かった。

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    2018年08月16日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    ネタバレ

    川上弘美の作品の中では、わりとマイルドで読みやすい短編集です。表題作の「猫を拾いに」よりも個人的には「ミンミン」「クリスマス・コンサート」「旅は、無料」の続けて3作と、「九月の精霊」がなんといってもお気に入り。順番に。「ミンミン」…小人のお話。ああ良いなぁこういう感覚が持てたら幸せだなと、純粋に思ってしまう童話のようなお話。コロポックル的。「クリスマス・コンサート」「旅は、無料」…登場人物が同じ、視点が違う女性の作品。まず前作を読むと、後作の話がすっと入ってきます。いますよねぇそういう人、でも憎めないし同性としても好きだけれど、でも少し憎らしいっていう感覚は素敵。無意識のうちに人を惹きつける人

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    2018年07月26日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    川上弘美さんの本は6冊目。
    以前、こちらでも書いたことがありますが、「川上弘美の文章は美しい」
    どこかでどなたかが書いていたこの一文がずっと頭の片隅に。
    実際に読んでみると、川上さんの文章はとても優しく、心地よい。
    お気に入りは『これでよろしくて』

    この【猫を拾いに】はちょっと不思議な短編集。
    時々、あたまのなかに”?????”の嵐が巻き起こる物語もあるけれど (笑)

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    2018年06月30日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    あなたの身の回りでも、不思議なこと、愉快なこと、実はいっぱい起こっていませんか? 2013〜2016年の日々を、たんたんと、時にシュールに綴った記録。『WEB平凡』連載を単行本化。

    たんたんとどこまで本当か分からない,けど一気に読み終える。

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    2018年06月30日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    東日本大震災、引っ越し、入院、手術…。2010〜2013年は、ほんとうに、いろいろなことがありました。ぼやぼやと生きる日々の記録。『WEB平凡』連載を単行本化。

    ソリティアはその後どうしているんだろう?

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    2018年06月29日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    ふわふわした文体なのに、時々ドキリとするようなことが書いてあって驚きます。でも、全体的には夢を見ているような気分で読みました。
    こういう世界観、嫌いではないけれど・・・それでも、シリーズの続きは読まなくてもいいかなぁ、と思ったりして。私はそんなにハマらなかったみたい。

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    2018年06月29日
  • 東京日記3 ナマズの幸運。

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    たんたんと、時に熱く、時に不穏に、日々は続いています…。カワカミさんの、5分の4から微妙に上昇して10分の9はホントの、日々のアレコレ。『東京人』『WEB平凡』連載を単行本化。

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    2018年06月27日
  • 東京日記2 ほかに踊りを知らない。

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    たんたんと、時にでこぼこ、どこかシュールに、日々は流れる…。不思議で可笑しく、ちょびっと切ない。カワカミさんの、5分の4(くらい)はホントの、日々のアレコレ。『東京人』連載を単行本化。

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    2018年06月26日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    ふつうに生活していても、けっこう妙なことが起こるもの…。おおむね楽しい、ちょっぴりさみしい。からだ半分、ずれている。カワカミさんの、5分の4はホントの、日々のアレコレ。『東京人』連載を単行本化。

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    2018年06月26日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    四月某日の平和な吉祥寺。朝、電車にのると就業規則を読みながら会社に入ったばかりの娘さんがパンツ丸出し大股開きで座っている。昼、散歩をすると短いシャツにレギンスだけでお尻丸出しのぽっちゃり娘さんが歩いている。夜、ジムに行くとバスタオルをまきつけた60代のおばあさんが両方のたれたおっぱい丸出しでのしのし歩きまわっている。いつも丸出しの吉祥寺。おどろおどろしいタイトルとはまったく裏腹で全て世は事もなし。

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    2018年04月21日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    森見さんの竹取物語目当てで読んだ。真面目なようで小馬鹿にした感じが面白い。伊勢物語と堤中納言物語も予想外に面白かった。平安時代って和歌のセンスが問われて大変そう。代筆多かったんだろうな…。

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    2018年04月02日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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     5編からなる短編集。
     川上弘美は好きな作家なのだが、本書とはあまり相性が良くなかったようだ。
     母と子の愛憎をコミカルに描いた「aer」は面白かったのだが、それ以外は今一つ。
     まぁ、そんなこともあるよね。

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    2018年01月04日
  • 龍宮

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    この不思議な世界にどっぷりと浸かりました。 ほとんど訳がわからないのですが、訳がわからないところが好きです。 人間ではないものがたくさん出てきますが、夢のような、でもどこか現実のような気もします。このような世界が現実のどこかにあるような。
    昼も夜も尽きるところ、を目指します。

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    2017年12月31日
  • 龍宮

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    怪しくて、妖しくて、不気味。
    湿り気を帯びていそうな舞台であったり、一見ヒエッと残酷に思えたり。
    けれどどこかどこかあっけらかんとしていてドライなのがおもしろい。

    「ヒト」と「ヒトでないもの」が混じり合った世界。
    この「残酷」、なんていうのも「ヒト」としての感覚、価値観なだけかと納得してみると、なんとなく落ち着かないようなものがあった話にも、親しみが湧いてくる。

    最初の1,2編で苦手に思われた方、『島崎』はいかがでしょう。
    くすんだちょっとダークな色合いの大人の童話という印象。

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    2018年01月12日
  • これでよろしくて?

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    主人公が「これでよろしくて?同好会」に参加し、同好会の活動と日々の生活を送りながら話が進む。

    ここで描かれている同好会の様子を思い浮かべると、皆のびのびと発言していて、うらやましいと感じた。
    私もなんでもないこと、わざわざ話題に挙げるほどではないけれど気になること、好きに発言して楽しみたい。

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    2017年11月14日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    男女の恋愛、不倫、同性の恋愛、いろんな形があるけれど根底にあるのはとても普遍的なものであるように思えた。
    失ってしまう不安や、先の見えない未来。それらと静かに闘っている人たち。
    決して幸せな物語ばかりではないのに、幸せな気分になるのはどうしてだろう。

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    2018年05月25日