川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編。
酒を飲みながら話しだす、昔は蛸だったという男。
14歳の姿であらわれた神々しい存在となった曾祖母。
時々ケーンと鳴く老人と、ヘルパーの関係。
台所の神様と欲求不満主婦。
人間を拾って歩くモグラ。
姉たちとの各々の生活、妻との日々。
先祖に恋をした200歳の子孫。
海に住んでいた頃の記憶、人間との生活。
2008年に一度読んでいるので再読。
お話の最後の終わり方がどれもいい。
「島崎」
愛してるの。何回もわたしはつぶやいた。先祖の膝の上で、島崎の夕日をじっと眺めた。
「海馬」
私は海馬に戻って、海を泳いだ。~昼も夜も尽きるところをめざして、どこまでも、走りつづけた。
不思議 -
Posted by ブクログ
ネタバレ薄い本。
ページ数的には読みやすいと思うんですが、それよりも何よりも、言葉遣いと感性が独特で、理解できるできないがはっきり別れそうな作品でした。
話の内容としては。
ユリエとマリエの姉妹がいて、妹のマリエが主人公。
彼女たちの母親は、母性よりも女性を匂わせる人。
そんな中、成長したマリエは、高校教諭になり、教え子であるミドリ子の兄と恋に落ちる。
ところが、ミドリ子が関係を持っている相手は、母の元恋人だった……
という感じ。
なんだか、人間関係複雑そうな話だなあ……と思って手に取ったんですが、それぞれがそれぞれに対して割り切っていて、全然、ドロドロしないです。
なんか、「あー……そうなんだ…… -
Posted by ブクログ
ネタバレなんとなく、雰囲気に浸れる女性作家さんの文章が読みたい、と手に取った本。以前読んだ『センセイの鞄』が良かったなぁと思った気がして。(確かこの本なのだがうろ覚え)
雰囲気はあるけれど、全体的に傾いた雰囲気で通勤電車で読み始めてくらくらした。
最初の「さやさや」とか、終わりのほうえーって感じだったし…。生々しい話が多い。
その後、ああそういう話ばかりなのね、と理解。現実から逃避する、男性に従順についていくふわふわ…というかじりじりとした女性ばかりが主人公で読みなれると楽だった。流れに抗わずに流されるというのはいいなあという心地さえしてきた。慣れるまでがちょっと気持ち悪かったけど。なんというか、酔っ