川上弘美のレビュー一覧

  • 龍宮

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    読んでるあいだ、常識とか、当たり前とか、普通とか、なんかどうでもよくなるような、生温かい、こっくりとした水の底にいるような奇妙な安心感を感じた。

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    2020年03月20日
  • 龍宮

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    透明感の無い、薄い膜を一枚隔てた向こう側を見ているような世界観。
    自分が知らないだけで、どこかにあるのかもしれない。
    道徳的に倫理的に不味いことが罷り通る解放感。
    不気味と神秘的の狭間。
    昔話と近未来の狭間。
    八百万の人間臭い神様の話なのか、妖怪なのか。
    隙間にぬるりと入り込まれた。

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    2020年03月10日
  • 100万分の1回のねこ

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    角田光代、広瀬弦のが素晴らしい。
    元々の絵本を読んでいなくても中々に味わい深いものがたくさん。
    町田康だけ独自路線だったな。
    あと山田詠美は苦手。

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    2020年03月09日
  • 100万分の1回のねこ

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    町田康のを読みたくて、悩んだけど買いました。
    他の作家はすごく豪華やけどそこまで心惹かれるのはなかった。

    町田康はすごく分かりやすく読みやすい町田康だった。話も面白かった。別に猫じゃなくていいはずなのに書き手も読み手もなぜか猫を期待してしまう中で、町田康は唯一猫いっこも関係ないからね。100万の方に焦点当ててて。町田康は紛うことなき猫作家なのに。パンクロックの人だから。
    町田康以外では川上弘美のが面白かったと思う。

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    2020年03月03日
  • 水声

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    血縁の中に潜む声をすくい上げるような丁寧な文体。
    しかし、現在の男女が50代でなお、なんとも密やかな恋を交わしている点は、リアルストーリーとしては頭に描き辛い。

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    2020年02月24日
  • 100万分の1回のねこ

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    「100万回生きたねこ」へのオマージュ。
    豪華だな。そして、色々だな。
    綿矢さんの「表紙のねこが怖かった」という気持ち、わかります。

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    2020年02月06日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    ネタバレ

    「女生徒」や「恥」は好き。
    自分のことを綴った話はいかにも太宰らしい。度々出てくる弟くんが、このあと若くして亡くなってしまうんだなあと思うと辛い。

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    2020年02月02日
  • 100万分の1回のねこ

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    佐野洋子さんの100万回生きた猫をもう一度読み返したくなる。
    猫好き作家さん達なのか、さり気なく猫の特徴を表現してるのが楽しい。

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    2020年01月31日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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    川上弘美さんの小説は、2種類に分かれると勝手に思っている。
    静かながら美しいストーリー展開がある「センセイの鞄」系と、奇妙でいい意味で気持ち悪い「蛇を踏む」系。
    この小説は短編集なのだけど、前半は「センセイの鞄」系で後半になるにつれて「蛇を踏む」系になっていく印象。
    一番最後の「mundus」はラテン語で「世界」という意味らしいけど、はっきり言って常人には訳がわからない。ストーリーの説明をしろと言われても難しい。けど、読んでいて奇妙に心地よい。
    全体的に、とても哀しい。
    そして、そこはかとない色香がある。
    なんとも感想が難しい小説だった。
    奇妙な世界に引きずり込まれたい人にはおすすめ。

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    2020年01月29日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうことによって、人は破滅に向かう。Tシャーツ1枚で偉そうに思想を語った気になる。自分の弱いモチーフを服によって増幅させる。これは刺青をちらつかせて人を威圧するのと変わらない。相応の覚悟もないまま雰囲気だけまとって、さも中身があるかのように取り繕う人間には破滅の道があるだけ。破滅が恐ろしくてTシャーツが着られない。
    直木賞、芥川賞など、超一流の作家たちが季節をモチーフにそれぞれが時節の表情を独特のタッチで描ききる。

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    2020年01月18日
  • 川上弘美書評集 大好きな本

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    川上さんの新聞に掲載された書評や単行本の後書きが纏められた作品。
    10年以上昔のものばかりなので今その本を探すのは難しいものがあったりする(実際気になった本を大きな書店で探すが売っていないことが多い)。
    書評もそうだが総じて本について深くは書くことはないので勿論ネタバレの心配はない。しかし、その背景、どこが魅力かなどを自身の感性を混ぜて(メインかもしれない)書かれてるのでより魅力的に感じられて面白かった。

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    2019年11月01日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    日記シリーズ、第5巻。2013年から2016年収録。

    自分が気づかないだけで、実は川上さんと同じような不思議なことが、自分の周りにも起こっているのかもしれない…??
    不思議な事実に遭遇する or 気づける才能、というのがあるのかも。特に作家さんには。
    その面白さをこうしてお裾分けしてもらえるのって、とても幸せだなぁと思うのでした。

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    2019年10月27日
  • 七夜物語(下)

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     「きみたちは、一番小さなものを救おうとした。そしてそれは、きっときみたちでなければできなかったことだろう」
     「自分にとって一番大切なものを救おうとすること、失うとみんなが困るものを守ること、それは、誰にでもできること。でも、とるに足りないもの、失っても誰もたいして困らないものを守ることは、ばかな子供にしかできないことだったわ」
     「そして、一番ちっぽけなものを救おうとしたからこそ、きみたちの夜の世界は光に満たされたのさ」
    (P.314)

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    2019年10月26日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    東日本大震災、引っ越し、入院、手術……。2010年~2013年は、ほんとうに、いろいろなことがありました。カワカミ・ワールドのエッセンス。

    日記シリーズ、面白いからイッキ読み。
    震災や手術など、大変なことがあっても、川上さんの不思議な呑気さ?はそのままで、ホッとする。
    大変なときこそ、少しおとぼけなことで気を紛らわせるのは、生きていく上で大事だと思う。

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    2019年10月26日
  • 東京日記3 ナマズの幸運。

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    おおむね楽しい、ちょっぴりさみしい。カラダ半分、ずれている――。カワカミ・ワールドが詰まった、日記シリーズ最新作。2008~2010年までの3年分を収録。

    読みやすいから、次々読んでしまう日記シリーズ。
    日常から言葉に対するアンテナが敏感なところが作家さんたるところ。
    「おじゃま虫」「うる覚え」「矢沢永吉さん命」
    何でもない一言を、ずっと覚えていて、咀嚼して楽しんでいる気がする。

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    2019年10月25日
  • 東京日記2 ほかに踊りを知らない。

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    たんたんと、ちょっとシュールに、日々は流れゆく――。
    ウソじゃないよ、五分の四はホントだよ。カワカミさんの日記、続いてます。
    2004年~2007年分を収録した『東京日記』第2弾。

    体調悪いけど、本読みたい…そんなときに、気負わず読める日記。
    川上さんとお子さんのやりとりが可愛くて好き。
    些細なことで不安になったりメソメソしてしまう川上さんを、お子さんが仕方ないなぁと見守っている、そんなイメージ。

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    2019年10月25日
  • いとしい

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    みんなが不思議ちゃんなお話。正直わからないことが多すぎた。みんな飄々としていて掴みどころがない感じ。でも、読んでいて柔らかい空気感が心地よかった。

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    2019年10月25日
  • 七夜物語(中)

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     それは、わたしたちがずっと考えつづけてきた、そして今も考えつづけている、たいそう難しい問題なのである。
     人と人が傷つけあっている時、人が何かを損なおうとしている時、いったいわたし、という一人の人間は、そのことに対して何かをすることができるのだろうか、という問い。
    (P.298)

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    2019年10月19日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    「本書は、本当日記です。少なくとも、五分の四くらいは、ほんとうです。ふつうに生活していても、けっこう妙なことが起こるものだなあと、読み返しながら、なつかしく思い出しました。」(あとがきより)
    本書は、川上弘美さんが、雑誌『東京人』にて連載中の『東京日記』の単行本化です(2001年6月号~2004年5月号分を収録。 )
    著者ならではの、エッセイとも小説ともつかない、おかしみとシュールさの入り混じった世界が広がる本書は、川上的世界のエッセンスがたっぷりつまった、ファンの期待にこたえる一冊です。

    まるで創作のような、不思議さがぼんやり霞がかっているような出来事が書いてあるが、あとがきにもあるように、5分の4くらいは事実らしい。
    ふわふわと柔らかくて、どこか寂しさも漂う日常。おとぎ話の中にいるみたいで、少し癒やされる。

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    2019年10月19日
  • 100万分の1回のねこ

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    ずっと読みたかった本。ようやく入手。
    ●江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」
    ……世界観がそのまんま。いいねえ。
    生きる気まんまんだった女の子は、なんだかんだで幸せな人生を送ったのだろうな。

    ●岩瀬成子「竹」
    ……よく分からなかった。児童文学の作者なのに、やや難解。

    ●井上荒野「ある古本屋の妻の話」
    ……夫婦は仲良くありたいね。分かりやすく。誤解を招かずにすむくらいに。

    ●角田光代「おかあさんのところにやってきたねこ」
    ……いろいろ深読みしたくなってしまう短編。
    飼い猫の幸せ?野生の幸せ?
    親の子知らず、子の心親知らず。
    人生の因果、幸福とは?

    そして、元絵本でねこが、王様や船乗りやおばあちゃんや女の子を大きらいだった理由も。


    ………中略…………飽きたから?むつかしいハナシが多いから?………

    ●町田康「百万円もらった男」
    ……意味不明。「ねこ」はいずこ?

    ●綿矢りさ「黒猫」
    ……綿矢りさは「インストール」だけ読んだことアリ。なかなか面白い作品だったから機会が合えば他の作品を読んでみたいと思っていたので丁度良かった。
    ……今回の短編集では一番好きかも。綿矢りさ、よし、「蹴りたい背中」を読んでみよう。
    それと、元ネタの「黒猫」も読んでみたいとも思った。

    ●川上弘美「幕間」
    と
    ●広瀬弦「博士とねこ」
    ……それぞれ、「白いねこ」との出会いの直前をイメージして描いたのだろうと思われる。
    ……「博士と・・」が、原作の文体で書かれているのが心地よし♪

    ●谷川俊太郎「虎白カップル譚」
    ……こちらは逆に「その時」と「その後」か?
    ラストを飾るのが谷川俊太郎さんだというのが、しみじみくる。原作のテーマにも通ずるような・・・。

    ★3つ、7ポイント。
    2019.10.15.新。

    ※芥川賞だとか「●●賞」だとかの受賞者たちによるアンソロジー。
    「直木賞」だとか「本屋大賞」だとかではなく・・・。
    ↓
    読んでいていまいち熱くなれずにいたこと、「むつかしい…」「意味わからん…」「つまらん…」と思えてしまった作品が多かったのは、
    エンタテイメントではなく“ブンガク”系の作家さんによる物語だったから?

    ・・・と考えたら、自分で自分が「ちょっと残念なやつ」に思えてしまった(苦笑)。

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    2019年10月15日