川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレなんとなく、雰囲気に浸れる女性作家さんの文章が読みたい、と手に取った本。以前読んだ『センセイの鞄』が良かったなぁと思った気がして。(確かこの本なのだがうろ覚え)
雰囲気はあるけれど、全体的に傾いた雰囲気で通勤電車で読み始めてくらくらした。
最初の「さやさや」とか、終わりのほうえーって感じだったし…。生々しい話が多い。
その後、ああそういう話ばかりなのね、と理解。現実から逃避する、男性に従順についていくふわふわ…というかじりじりとした女性ばかりが主人公で読みなれると楽だった。流れに抗わずに流されるというのはいいなあという心地さえしてきた。慣れるまでがちょっと気持ち悪かったけど。なんというか、酔っ -
Posted by ブクログ
ネタバレ第六章のタイトルは「終わりから二番目の夜」で、第七章が「終わりの夜」となる。
うつくしいこども、と、そうでないこどもの件にはかなり惹かれるものがある。
さよは、そうでないこどもに内なる輝きに愛しさを感じ、仄田くんはうつくしいこどもの持つ完全性を「どうしても」求めてしまうのだった。
このときの二人の考え方が、後の二人の行く末に繋がったのかなあと思うと、面白い。
七夜が明けて、目に見えるものはなくなったかのように見える。
誰もがそんな特別な夜を過ごしたような錯覚に陥るラスト。私も、幼い頃、こんな不思議な体験をしたかもしれない……と思わせて物語は終わる。
やわらかく、楽しい旅をした読後感。 -
Posted by ブクログ
中巻。
第四章「二つの夜」は良かった。
お互いに、夜の世界で自分の心の中と向き合う場面を経て次の一歩を踏み出していく。
その作業は決して楽ではなくて、苦しみながらも見つめるしかない二人の描き方が上手い。
更に、仄田くんに野村くんが声をかけるシーン。
「うん。悪いこと言っちゃったって、ずっと後悔してた。だって、そういうこと言われるのって、すごくいやなことだから」
「ぼくも、そういうふうに言われたことがあるから、わかるんだ」
「医者にならない子なら、いてもいなくても同じだって、いつか大人が話してるのを聞いちゃったことがあるんだ」
野村くんは、苦笑いのような顔をした。
……というシーン。