川上弘美のレビュー一覧

  • 蛇を踏む

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    惜夜記で挫折。難解というか、情景が頭に浮かばない。あとがきで作者さんが述べているように、これらはすべて「うそばなし」。何かの暗喩なんだろうなあと思いながら読むと、多分わけわからないと思うので、推奨通り「うその世界に遊びに来た」という気持ちで読むのが良いのかも。「蛇を踏む」は、シュールレアリズムな雰囲気で、ありえないんだけどありえそうな感じがして面白かった。登場人物に蛇が絡まなければ、普通の人たちだからかな?蛇を介することで、道に迷ってもう一つの現実っぽいけど現実じゃない世界に来たみたい。千と千尋みたいな?

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    2021年08月19日
  • 水声

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    ネタバレ

    いつだって家族の中心にいたママが
    病気になって死んでいくまでと、
    都が本当に愛していた人は、弟の陵だったこと。

    時々尋ねてきてくれる武治さんのこと。
    パパは本当のパパではなくて、
    ママの兄だったこと。

    互いを思い合う姉と弟。
    その思いは恋を超えている何か。

    p39ママが
    都たちが子供の頃の話をしているとき
    当時は理解できなかったけれど、なんとなくママがわざとふざけているようにわたしは感じられた。

    後年、ママは、子供を育てるなんてこと、不真面目にでもやらなきゃ、たまらない苦行だわよって打ち明けて

    じゃあ、わたしや陵を育てるのも苦行だったのかと都が聞けば
    いいえ、苦行じゃなかったわ。だっ

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    2021年08月08日
  • 真鶴

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    ご当地ソングというのがあるが、ご当地小説も興味あるもので。

     川上弘美『真鶴』

     まさにそう、ご当地小説である。川上弘美氏(96年115回芥川賞)という作家も初だから興味があり、さらに地名にも反応して文庫版化なったのでさっそく読んだ。

     「代表作」と帯にあるから芥川賞の『蛇を踏む』や他の作品を読んでいなくても、この方の雰囲気が解かるのか?そうだとすると、幽玄的な幻想の場面が色濃く深層心理に迫る、それでいてふんわり感がただよう作風だ。

     ストーリーは失踪した夫を探して「東京」と「真鶴」往還して半島を彷徨う主人公の物語り。失踪した夫が「真鶴」と手帳に書き残したのが唯一の手がかりだったから。

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    2021年08月07日
  • 100万分の1回のねこ

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    好きな作家さんのお話が収録されていたので購入。よく分からない話や詩、面白い話、苦手なタイプの話まで様々。全体としては、ストーリーより描写や言葉を楽しませて貰ったなという印象。川上さんの文章は初読みだったけど、かなり好き。あと山田さんの話のタイトルがオシャレでツボでした。


    生きる気まんまんだった女の子の話/江國香織
    100万回殺したいハニー、スウィートダーリン/山田詠美
    博士とねこ/広瀬弦
    虎白カップル譚/谷川俊太郎
    幕間/川上弘美

    ある古本屋の妻の話/井上荒野
    おかあさんのところにやってきた猫/角田光代
    百万円貰った男/町田康

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    2021年07月30日
  • 蛇を踏む

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    10年ぶりくらいに再読。昔よりは手応えのある読み方ができた気がする。蛇は孤独な人間に取り入ろうとする宗教や共同体を表してるのかなあとぼんやり思いながら読みました。ニシ子さんが自分の蛇について打ち明けるシーンが怖くて夢に出てきそう。「惜夜記」は川上ワールド版の夢十夜なんだけど馴染みきれなくて途中からちょっと辛かった。

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    2021年07月28日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    さすが川上弘美。
    たまたま乗ったタクシーの運転手@おしゃべり から「ゾンビの好き嫌い」を語られる話や、カメムシになる夢を見た話、松葉杖との会話・・・
    小説読んでると、置いてけぼり感満載で途方に暮れるが、エッセイくらいならなんとか持ちこたえられそう。
    嫌いじゃないけど、距離感が大切な作家さんである@個人の感想です。

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    2021年07月26日
  • 真鶴

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    「さよなら、ながいくん」を読んで、思わず手に取ってしまったこの本。
    やっぱり川上弘美さんだな。
    「蛇を踏む」を読んだ時のように頭が混乱。

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    2021年07月19日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    オダギリジョーをイメージして読んでたけど、ドラマ化されたニシノユキヒコは竹野内豊だったそうな。えー、そうかなー、オダギリジョーのほうが当てはまる気がするけどなあ。

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    2021年06月28日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    この手の本は好き嫌いがハッキリ別れるのでしょうね。私は~~~とりあえず☆3個にしといて、少し経ったら読み返してみようかと言うのが率直な感想です。

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    2021年06月25日
  • 水声

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    家族とは何なのか、何とも不思議な感覚に囚われる。川上さんの文章は美しくて、すうっと、それこそ白い広野をあちこち彷徨いながら読み進め、そして読後は何ともむず痒い。内容は正直苦手だが好きな小説だった。

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    2021年06月03日
  • 東京日記 6 さよなら、ながいくん。

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    川上弘美さんの作品は時々読むけど、この東京日記は、人柄が伝わってきて、ちょっと週刊誌気分で読んだ。ふーん離婚しているのか、つまらない事にこだわりがあるんだ、といった調子。
    それにしても、ながいくんが、長い傘のこととは。

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    2021年05月16日
  • 溺レる

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    寄り添ってはいるけれど、どこか寂しく、心もとなく、さ迷っているような恋愛の情景を描いた短編小説集。どの作品も違う人たちのことが書かれているのにただよってくる雰囲気に共通点が感じられて、ほんとはみんな同じ人たちなんじゃないか…と思えてくる。彼らの会話や通り過ぎた景色の音や色や感触が心に残って離れない。不思議な読後感に浸れます。

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    2021年05月06日
  • 真鶴

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    とてもしずか。波のない湖面をじいっと眺めているよう。そしたらそのまま、沈んでしまうみたいな。行きたい、と、生きたい、と、逝きたいがあっさりと併存し、彼岸と此岸の境は次第に曖昧になる。

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    2021年04月30日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    表紙絵も相まって、雨の日に読みたい一冊。
    はかない、ものがなしい人間の側面と、それらがもつ美しさを描いている。関わり合いの中で人は生きていて、少しずつ重なり合ってこの世界はできている。長い夜の紅茶、がおきにいり。

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    2021年04月28日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    安定の川上先生。大好き。

    毎度毎度憧れる世界観に人間観。
    何気なく過ぎていく日常の、何気ないやり取りの不思議さ奇妙さ切なさ可笑しさ。。

    独りでいるのも寂しいけれど、誰か好きになるのもなかなかに寂しい…
    とはいえオトナなのでそこそこ楽しく生きている、
    そういう人ならより一層美味しくいただけると思います。

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    2021年02月27日
  • 森へ行きましょう

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    もしかしたら、もう1人の自分がいるかもしれないパラレルワールド。
    主人公とともに、自分もその時代、その年齢を生きている感覚で読みました。
    読んでいるこちらも、森に迷いこんでしまう感覚が、心地よい混乱。
    どの「るつ」も「としろう」とつながっているように、私も、違う人生を選んでも、結局行き着くところは、ここなんだろうな、と思いました。

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    2021年02月26日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    23の短編そのどれもが少し寂しい終わり方をする。狭義の恋愛話ばかりではないけれど、どれも誰かに愛着を持つ話。中で印象に残ったのは「トリスを飲んで」「パステル」「草色の便箋、草色の封筒」。一番好きな登場人物は修三ちゃんかな。

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    2021年02月14日
  • これでよろしくて?

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    コメディぽい小説かと思ったら、意外と真面目なテーマもあって、結婚て何だろうと考えさせられた。主人公の夫の言動にイライラするけど、最後の方の夫の本音?の部分が何か染みた。

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    2021年02月09日
  • 森へ行きましょう

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    1966年に生まれたルツと留津、ルツは公立の小中を出て理系の大学へ行きある研究所に就職する。留津は、私立の女子中高を出て文系の大学へ行く。裕福な家庭の俊郎と結婚し専業主婦になる。二人の「るつ」が平行して描かれる。周囲の登場人物もシンクロするが、関わりや性格は微妙に違う。この二人を軸に、パラリルワールドは二人が六十歳になる2027年まで続く。

    後半、もう三人の「るつ」も現れちょっと混乱した。とても不思議な小説だ。

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    2021年02月08日
  • 森へ行きましょう

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    ネタバレ

    留津とルツという女性のそれぞれの人生が比較するように書かれていて、
    これは、一人の女性のパラレルワールド・・
    この本を借りたときには、登場人物が森へ行くのかな‥と思っていたのですが、
    一人の女性の生まれてから60歳までの人生を(男女、特に夫婦がテーマかな?)
    淡々と読み進めていくうちに人生は、森を歩くようなもの・・という言葉で、やっと気が付きました。
    森に入っていくときは、1本道だけど、目の前には幾本の道が伸びていて、どこへ向かって歩いていくか、その道がどうだったかなんて、その時はわからなくて、
    歩いて行ってみて、振り返り、あれこれと考えあぐねるもの。
    小説は、ほとんどが40代半ばまでにページ

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    2021年02月07日