川上弘美のレビュー一覧

  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    登場者たちの語りのなかに人類衰退への諦めが滲み出ており、読んでいて寂しく悲しい気持ちになりました。手塚治虫さんの火の鳥のような世界観。状況描写が少ないので、状況がよくわからないまま読み進めることになりますが、終盤では明らかにされていきます。

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    2025年09月06日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの歌が好きで買ったけど本はのめり込むほど刺さらなかった。歌詞と小説でまた違うんだなあ。違いを楽しめるようになったらまた読みたい。

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    2025年08月30日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    何の前触れもなく、急に不思議な路地裏に迷い込むような感覚の短編集。

    表題作はタイトルからは想像がつかないような、心が温まる縁のお話だった。
    表題作に限らず、どのお話も家族や友人、果ては見知らぬ人への親愛がじんわり染み込んでいるようで、柔らかな心持ちになれた。

    精神年齢の見た目で生活する話は、実際にこの制度があったらこんなことで悩みそう、などとあれこれ空想してしまう程パンチのある設定だった。

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    2025年08月16日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    読み終わった。
    とっても とっても時間がかかった。
    丁寧に読んだ。
    怖くなったり悲しくなったり、諦めや失望が大きくて 少しの希望はすぐになくなったり
    とにかく悲しくなる。未来から投げ込まれた本なの? どうすることもできないの?

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    2025年08月09日
  • 100万分の1回のねこ

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    有名作家たちが絵本「100万回生きたねこ」をオマージュして紡ぐ短編集。

    我が子に読み聞かせようと久しぶりにこの絵本を開いてみると、生きること死ぬこと、愛…
    ずいぶん哲学的な絵本だった。

    名作絵本のエッセンスを受け取った作家たち独自の視点で描かれる短編集だなんて、パワーの総量がとんでもない。
    お気に入りは、江國香織さんかな。町田康の相変わらず意味不明な世界観も好きでした。

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    2025年08月08日
  • 三度目の恋

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    川上弘美さんは『センセイの鞄』から大好きなのだけど、どうも最近、不倫というエッセンスがものすごく苦手。それが現代だろうが、平安時代だろうが、関係なし。このごろは若い頃より光源氏に対する嫌悪感も爆上がり。
    というわけで、内容はとても面白いのだが、腰を引きつつ読んでいる感じで、あまり楽しめなかった。

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    2025年08月03日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    ネタバレ

    18の短篇集。
    他人との距離感の取り方がさまざまな形で描かれていて、人付き合いのパターンは人の数だけあるんだなと思った。客観的に見た感想では、人生を楽しんでいる登場人物が多い。でも本人たちはそう思っていないかもしれない。
    別に型にはまる必要はないのだから、私もみんなもこの本の登場人物たちのようにのびのびとやれたらいいのに、と憧れに近い気持ちを抱いた。
    自由に話が飛び回って、次々とふわふわ振り回されているうちに少し心が軽くなるような不思議な本だった。

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    2025年07月31日
  • 水声

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    ネタバレ

    人間は70%が水でできてるっていうけど、相手と一つになることを水が混じり合う様に例えていた。境目がなくなる感じとか、一つになることが当然のような感じとか。周りがどう、とかではなくて、馴染むか馴染まないか、なんだなと。まさに、水の様に流れていく文章。複雑な登場人物関係のはずなのにそれを感じさせないのがすごい

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    2025年07月28日
  • 蛇を踏む

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    「うそ」の国。子どもの時は自分にもあったなぁと思い出しました、もっと単純でしたが。
    「蛇を踏む」が最も現実に近いかもと思える不思議な1冊。

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    2025年07月27日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    センセイの鞄が好きだったので、タイトルに惹かれて川上弘美の恋愛作品を初めて読んだ。
    やはり文体が生真面目で柔らかくしとやかな感じで読んでいて気持ちよかった。
    絶妙に時系列が前後する表現やカギ括弧を使わない会話の流れがスパイスになっていて良い。
    主人公が女性なので、女性の方が共感しやすい物語だと思った。こうなっちゃう時あるよね、、と自分事のように思えるシーンがいくつもあって、女性の心の内を実によく表しているなと思った。
    川上弘美の他の作品ももっと読んでみたい。

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    2025年07月26日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    恋に対する短編集とあったが、
    人間関係のもつれ・駆け引きあれこれ、という感じではなく
    日常のささいなシーンを切り取ったような、
    そして後からかけがえのない瞬間だったと思いをはせるような
    美しい集合体。

    正直最近心に余裕がなく、
    文章の上を目が滑っていたが、
    日曜日の早朝、ベッドの中で落ち着いた心で本書を読んだら
    心にしみた。

    ゆったりした気持ちで読みたい本。

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    2025年07月23日
  • 真鶴

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    ネタバレ

    喪失と、「距離」の物語。「距離」とは、他人との距離でもあり、自分との距離でもあり。
    百の成長と、それに伴ってなくなってくるもの。時間が経つに従って、変わってくる他人との関係(百でも、母でも、青茲でも、礼すらそうだ)、それに伴う何かの喪失。喪失がいいことなのか悪いことなのかは分からない。決めるのはその人間との距離と関係のような気もする。自分の中での喪失もまた然り、であろうか。
    水のようにひたひたと様々な「距離」にふれ、最後は光が差してくる。光が差すのをハッピーエンドと判断するのは楽観的すぎると思うが、自分と他人と向き合い続けたこの物語の末には少しでも希望があって欲しいとは思った。

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    2025年07月20日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    自分が人間であることから選ばずにしていることは何だろうかと考えたとき、無条件の愛について改めて考えた。

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    2025年07月13日
  • 七夜物語(下)

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    さよと仄田くんが少しずつ大人へと成長していく感じが良かった。
    最後はほんとに大人になったんだね。
    最後の戦いはなんだかドタバタした感じでアニメ感が否めなかったけど全体の雰囲気は夢の世界を歩いてる感じがして良かった。
    夢も目が覚めると何故か忘れてしまうものだからね。

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    2025年07月10日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    七夜物語の続編であり完結編。
    前回登場した少年少女が子を持つ親となり、今度は支える立場になる。
    児童文学のようであり読みやすく出来ており、大人も楽しめる内容になっている。
    面白かったです。

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    2025年07月06日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ネタバレ

    解説にも書いてあったが、ユーミンの楽曲はそれぞれの曲に自分だけの思い出と固執したイメージが伴う中、この人にとってのこの曲はこんなイメージなのかぁと新しい側面を見れて面白かった。
    青春時代のすれ違いがリアルに描かれている「あの日にかえりたい」が一番好きだった。

    数多くのユーミン好きに、あなたならどれを選曲するか聞いてみたい。私なら「リフレインが叫んでる」で書くだろうなぁ、なんて。

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    2025年06月30日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    不思議な本だった。すごく感動するとか、心打たれるとか、そういうのは一切なくて、なんだろう‥めちゃくちゃシュールな本だった。短編集なんだけど、現実的な内容と現実離れした内容があって、今回の話はどっちだ?って戸惑いながら読んだ。個人的には「土曜日には映画を見に」が1番好き。

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    2025年06月24日
  • わたしの好きな季語

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    俳句で使われる季語ですが、歳時記を見ると天文、人事、動物、植物など、実に多種多様なものがあります。
    四季の特徴を表す季語ですが、その一つ一つの背景などを紐解くと、興味深いものがあります。
    日本人の細やかない感覚であったり、文化、風習などが一つの季語に込められていて味わい深く、また、著者のエッセイも軽妙で、俳句を嗜まない方も読んで楽しいのではないかと思いました。

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    2025年06月23日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    中学生のときからユーミンが好き。
    何度かライブにも行ったけれど、
    苗場は行ったことがないんだよなあ。
    行きたいなあ。
    入り込みすぎず、淡々と読み進めて、
    静かな気持ちになった(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

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    2025年06月22日
  • わたしの好きな季語

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    作者の好きな?興味を引いた?季語を集めたもので、それぞれに作者の思い出というか生活に紐づいた事柄が書かれている。
    よくある季語集ではあるけれど、美しいとか素晴らしいとかの賛辞だけでなく、生活の中にある季節、体感した言葉というものが、文章を読むとより感じられる。
    美しいものを愛でる事は素晴らしいけれど、生活の中にあるふと目をやったもの、手を止めたもの、消化しとけば楽なものが句になっていて、句を読むための下地というか準備運動のようにも思えた。

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    2025年06月05日