川上弘美のレビュー一覧

  • 溺レる

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    適切な表現ではないと思うが、境界知能に近しい主体性・生活能力の欠如した女性達の依存的な恋愛を収めたコンセプト短編集。
    表題通り内容は感傷的かつ抽象度高め、作中人物に知を感じられず通読が少し大変だった。
    一方、『神虫』『無明』など形而上的なアプローチが光る作品もあり、人は選ぶが文学的引力を持った一冊だった。

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    2025年12月24日
  • 神様 2011

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    神様:悲しい熊被害がたくさん報道された2025。熊はどんな事を考え町におりてくるんだろう、登山者を見ているんだろう。互いに敬意を持って共生できたらな、と思うのは綺麗事のような気もするけど、適度な距離で共生できたらな。
    神様2011:311で変わった様子が描かれる。あとがきではウランについて言及される。
    人類が存続していく限り様々な技術を駆使しそれを私たちは享受する一方で、自然に反する事象は山程ある。自然との向き合い方

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    2025年12月18日
  • 某

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    途中めげそうになったものの、終盤で怒涛の展開具合に気づいたらのめり込んでしまっていたのが個人的ハイライト

    内容はSF調かなと思います。
    終始、世界観は普段過ごしている日常から若干軸がズレており、それが不思議ではあるものの、軸がズレているなりに人の営みに溶け込もうとする者達。
    作品を読んでいると、もはや上記の『者達』と表現するのも相応しいのだろうか?とも思ってしまいます。一単語として形容すべき存在なのかな主人公なるものはと思います。

    読んでいないと、このレビューもなんじゃこりゃといった感じですが、恐らく読むとなんとなく共有できると信じたいです。

    常に頭に『?』を浮かべながら読んでいくのが、

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    2025年12月17日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    ネタバレ

    短編の話がいくつも入っている小説。全て恋愛を主題とした話ではあるけれども、それぞれ展開や状況が違っていて、別人視点の恋愛話をいくつもみているような面白い本だった。また話の内容が恋愛といっても高校生が読むようなキュンキュン系ではなくて、もっと大人な話?が多かった。なんというか現実味が強いというか、グロい話がいくつかあったので、ドラマのような話を期待して読むとちょっと違うと思うかもしれない。
    しかしながらこういう本を読んでみたかった自分もいるため、総じて面白い作品だったと思う。

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    2025年12月10日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    ゆるゆるとした中野商店の日常って感じなのだけど、少しずつ恋と事件とあって、最後は切なくて胸がきゅーっとなっちゃった。
    特に主人公ののらりくらりしてそうで生きるの下手そうな感じ、すごい分かるわ〜

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    2025年12月08日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    キリスト教に詳しければもっとピンときたのかもしれない。生殖とかとかワードが出てきて、やや電車で読むのはハードルが高い

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    2025年11月22日
  • 王将の前で待つてて

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    川上弘美の俳句は、何と言うか、子どものようだ。
    素直、まっすぐ、一本調子…。
    海の底深く潜らず、海面にゆらゆらと浮かんで空を見上げているような…。
    まるで付け足しのような季語、とか。

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    2025年11月12日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    ネタバレ

    モテ男ニシノユキヒコの女性遍歴を、女性たちの側から語る本作。

    男の側からすると、くっそぅー、あんなに沢山いい思いをしやがって、と一瞬思う。ただ、読中からその思いは消え、おかしみ、あるいは哀しみの情へと変化してゆく。

    ・・・
    この主人公ニシノ氏は人を愛せない。

    いや、もちろん、愛していると口にはする。でもそう感じられない。優しいし、偉そうでなく、夜の営みもお上手、ガツガツしていない。

    ウォーターベッドやビーズクッションのように優しく気持ちよく包んでくるけど、どこか相手に対しての真摯さが感じられない。

    それを本人も、そして相手の女性側も理解してゆき、最後に別れを切り出される。

    ・・・

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    2025年11月08日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    中年を過ぎつつある中で、これまでの自分を振り返ってみる。
    今だから分かること、これまでの時間の積み重ねが教えてくれること。今、自分の感じていること。
    歳を重ねていくと、自分の人生を振り返ってみたくなる時がやって来るのだろうか。
    若い頃よりもずっと死に近い場所にいることで、思うことがあるのだろうか。

    エッセイではないけれど、川上弘美にもそういう時が訪れたのだろう。
    何もないことの積み重ねが人生であり、何もないことは、何もないことではない、のでもある。まるで禅問答のように。

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    2025年11月08日
  • 某

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    ジェンダーという概念の行きつく形を、何者でもない物で型取りをしてみた話なのかなと。概念(ガイネン)::物事や現象に共通する性質や特徴を抽象的に捉え、ひとつのまとまった考えやイメージとして理解するための枠組み。これがまさにこの本の説明のようである。人間ではなく人間のようなもので男でも女でもない。その都度性別が変わったからこそ見える世界が違う。世界は何も変わってないのに自分の性別が変わったら全てが変わるように思えて戸惑う事もある。それが日本で見る時だけに限らず世界で見た時の事も描かれているからこそ主人公の某が変わるのと同時進行で世界も実は少しづつ変わっていく様子がどことなく感じ取れる。

    そして

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    2025年10月30日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    小池真理子さんのが1番よかった。
    小池真理子さんのあの日にかえりたい は、なんか後をひく寂寥感があったなぁ。人生で自分と狭い周りのことだけ考えていればいい、無責任でキラキラした時限的な日々。
    私も学生時代によく遊んだ場所(いまは、100年に一度の大開発で全く変わってしまったけど)を時々思い出す。今も私の中の一種 パラレルワールドであのまま存在すると信じて。その当時の友達とは、全国バラバラでずっと会っていないけれど、やはり あの時のままパラレルワールドで一緒に遊んでいる。
    でも、思い出すと楽しいけれど、なんか寂しくなる。

    そんな気持ち。

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    2025年10月26日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    神話かな?
    人間とAIとクローンと原始生物の話

    ファンタジーのようだけど 考えさせられる内容でした
    短編集みたいだけどぐるーとまわって あぁ~この事だったんたと 話がつながり面白かったです

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    2025年10月19日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    【2025年127冊目】
    亡き妻の愛人と共に住む男、碌でもない父親を名前で呼ぶ息子、どこか距離のある母娘、運のない男、互いにマイペースな嫁姑、添い遂げられない男女、訳ありの恋愛を見つめる友人、占い師になった男、雨を切り取る女、二人の女に挟まれる男、死んだ女の回想。人に歴史と事情あり――とある町に住む人々の関係性と人生を描いた連作短編集。

    物語は一人称で進み、登場人物たちは自らもしくは他人の数奇な人生について語ります。人の数だけ人生があって、当人にとっては平凡で平均でも、他人から見ると普通ではないと言えることばかりなような気がします。

    振り返るように語られる物語は、不思議と溶け込むように頭

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    2025年10月17日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミン、中学生の時、同級生女子からアルバム借りたな。思春期だな、嫁がファンじゃ無いから疎遠になったけど、ホントはこんな世界観が自分にはあってたかもね。

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    2025年10月11日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    未来の人類の話。どのくらい未来なのか分からない。

    不思議な話だった。読み進めていくとメビウスの輪のように最初に戻ってくる感じ。

    川上さんはどうやってこんな物語を思いつくのか不思議だ。

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    2025年10月03日
  • いとしい

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    川上弘美さんの本は白黒つかないものが多い
    現実世界とファンタジーが融合してて、ふとした瞬間に踏み入れてる感じ。こっちはその準備ができてないから急に紛れ込んで途方に暮れる

    純文学とも言える様な不思議な後味の作品

    川上さんのは短編を読むことのが多いだけど、チ思い切ってみてよかった

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    2025年10月02日
  • センセイの鞄

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    読むと独特の静かさが残る空気感がいつも漂っていた。年上の人、飲み屋さんでポツポツと話すかんじは同年代では感じられない魅力。

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    2025年09月16日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    個人的に好きな女性作家ばかりのアンソロジー。
    ユーミンの曲を主軸に描かれる物語は、柔らかい表現だが女の「業」というものを彷彿させる。

    私が好きだったのは『あの日にかえりたい』貧乏暮らし学生の青春謳歌がきれいだった。
    壊れた後の関係値も儚くてうつくしい。

    空想と現実が入り交じるのがユーミンに沿っていてる人選だった。

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    2025年09月14日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    短編小説のようでいて、だんだんエッセイに近くなる、最後までとりとめのない印象だったが、独特の心地よい空気のようなものを感じながら読んだ。

    小説家の朝見と、アン、カズ、銀坂など、近しい人たちとの日常が流れていく。特にカズとの恋愛のような友情のような、付かず離れずの距離感が心地よい。60代、まだ元気だし、無理しない範囲で仕事もするし、なんとか一人で生活できるうちは、これはある意味理想なのかもしれない。

    川上弘美さん、最近の作品はとにかく自由だなあ。もう文壇の大御所というか、野心みたいなものはとっくになくて、気の向くままにのびのび書いてるのかなあ、と感じた。

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    2025年09月13日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    ある商店街に根差した、生活と記憶の連作短編集。淡々として、想像を膨らませたほどの劇的な変化などなく、ちょっと退屈で、けれど気づけば夢中になっている。一冊まるごと人生のようだと思った。どの短編も愛や希望で飾り付けされることなく、主人公になれば生活の内側が、脇役になれば外側がさらさらと描かれていく。最後の『ゆるく巻くかたつむりの殻』まで読むことで、個々の話が「短編集」としてひとまとまりになっていく感じがした。
    自分のなかにある誰かの姿が、ふと生々しく蘇る瞬間。生きている、と信じきってしまう。あのひとは今もあの頃の姿のまま。

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    2025年09月11日