川上弘美のレビュー一覧
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スナックという場所は、お酒が飲める種々雑多なお店の中でもとりわけ“家(ホーム)”の感がつよいイメージがある。私自身は下戸なので一度も訪ねたことはないのだけれど、ドラマやバラエティで観る、そこで交わされるコミュニケーションは、家族と友達と元恋人のちょうど中間地点のような距離感で、いつも何だかとても心地よいものに映る。この世ならざる者がふらりと訪れ、生きている者の隣でグラスに満たされたビールやハイボールをなめるひと夜の、お客同士の営みの中で、読み手もまた一人のお客としてそこに居るかのような空気が漂ってくるのは、スナックという空間だからこそ立ち上がる、温かでささやかな奇跡ではないだろうか。
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ネタバレ森へ行きましょう
微妙に違う世界で生まれ・成長していく女性ルツと留津の物語。
いわゆるパラレルワールドものですが、二人(?)の世界が読者以外には決して交わることが無いので、それを期待していた竹蔵としては、ちょっと肩透かしな感じでした。
出てくる人たちが同じということもあり、「あれ?今どっちの章だっけ?」というのも読みづらかったです。
女性の生まれてから50歳代くらいまでを描いているので、女性だったら共感する部分もあるのかな?と思ったりしましたが、竹蔵としては「ふーん、こういう風に思うの」という程度。
500ページ超えの大作だっただけに、もうひとひねりふたひねりが欲しかったかな。
竹蔵 -
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3編の作品が収められた短篇集。
どの作品も、見た夢を鮮明に覚えていて、それを書き起こしたかのような不思議な世界が広がっている。『神様』よりも、さらに現実と非現実の境目が曖昧な印象だ。
ご本人は、頭のなかで想像した「うそばなし」だと書いているが、そもそもこれほど奇妙な世界を想像できること自体がすごい。荒唐無稽なのに、読んでいるうちに妙に納得させられてしまう。
3編のなかでは、表題作「蛇を踏む」が一番印象に残った。主人公の母になろうとする蛇は、愛情を装いながら生活に入り込み、相手を支配しようとしてくる。その姿は、過干渉な親や、子どもを自分の一部のように扱う「毒親」を思わせる。
蛇は、愛情と -
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ネタバレ七歳の娘がいるひとまわり年下の女性。14歳の誕生日に14本のロウソクを空き地に埋める、他の男の子と恋愛らしきものを始めた同じクラスの同級生。仕事で成功するため社内恋愛をするつもりはなかった3歳年上の上司。恋人とするはずだった旅行のピンチヒッターに誘ってくる、大学時代の恋人。ふらふらと、あちこち渡り歩いている小説家。一緒に住んでいる女友達を愛している女の子。ノラネコをきっかけに知り合ったお隣のバツイチのひと。それから、省エネ料理の会で知り合った主婦。さまざまな年齢で、さまざまな女の人にたいそう好かれて、でも結局みんな、彼のもとを去る。それがニシノユキヒコ。五十半ばで18歳の子と付き合ったときは、
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ネタバレスナックふたり
著者:川上弘美
発行:2026年7月10日
中央公論新社
初出:『読売新聞』2025年3月12日~12月18日
司と逸子が経営するスナックが舞台。どっちがママか?という話題が、何年かに1回か話題になって盛り上がる。2人の年齢は、話の内容によって30代~70代まで、いろいろと答えが返ってくる。常連客もいろいろで、基本的にはみんな仲良し。全6話のそれぞれに一見客が登場する。それが幽霊なのである。普通の人間のように思えるし、お金もちゃんと払っていくけど、実は幽霊。それで、話の締めくくりになると消えて「あの世」に去って行く。
3話ぐらいになると「スナックふたり」は幽霊界で有名な店