川上弘美のレビュー一覧

  • 真鶴

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    こういう雰囲気を大事にする本は、静かな場所でゆったりと読むべきでした。
    雰囲気はよかったのです。
    ひとつ。
    この間集合施設のトイレで「おばあちゃま」と言っていた女子大生かそのくらいの若い女性がいました。
    それに少し驚いていたところだったので、本書の百もそう呼んでいたので、また少し驚きました。

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    2025年01月15日
  • 溺レる

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    訳ありの男女の交際について描かれている短編集
    普段だったらあまり手にしないジャンルで苦手なシーン(性的なもの)もありましたが、川上さんの文章だからかスラスラと読め吸い込まれました
    全体的に寂しさ、静けさの残る作品に感じました
    他作も読んでみようと思います

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    2025年01月06日
  • 森へ行きましょう

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    留津とルツ。パラレルワールドの話。途中、どっちの話なのか混乱することもあったけど、引き込まれた。(多少読み進めにくいところもありつつ)

    留津/ルツをとりまく登場人物は大きくは変わらいけれど、関係性が少し違っていたので面白かった。

    パラレルワールドについて想像したことなかったので、「ああーこの世界のルツはこういう人生なのか」と、「もう1人の自分を覗いてみている」という、なんとも不思議な気分になった。

    別の世界線の自分を妄想してみるのも、たまには愉快かもしれない。
    ただ、その時は「こうだったら…こうしていたら…よかったのに…」と、ないものねだりをすることになりそうだが。

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    2025年01月03日
  • 蛇を踏む

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    わからない…わからなすぎて面白い。表題作「蛇を踏む」で打ちのめされたと思いきや、残り二作がもっとわけわからなくて楽しかった。

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    2025年01月02日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの世界、昭和だけでなく平成にも令和にも、ありふれた日常生活の中で存在してる、都会を生きるオシャレな人たちだけでなく、地味に質素に控えめに生きている私にもきっとあるのだろうなー。

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    2025年01月01日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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    理解ができない。陰鬱な雰囲気だっけど、読むんじゃなかったとネガティブではない。レビューを拝見し、内容を完全に理解しない楽しみ方もあるのかも…。歌詞ではなくメロディがいい曲?そう考えると腑に落ちる。

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    2024年12月29日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    なんか不思議な物語、その2

    掴みどころがなくて、60歳でこんなに恋愛の話するのかーってことにも実感が湧かなくて、フワフワしてるのに最後まで読めちゃうのが不思議。

    脈絡ないし大きな出来事があるわけでもないのに味わえるって凄い

    2024.12.24
    210

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    2024年12月24日
  • 龍宮

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    人間と交流出来る貴重な生物達の人との交流を軸に人間のことを語るような小説。その架空なる生物が奇妙過ぎて作者の夢に付き合っている感覚に陥る。荒唐無稽な展開が8つの短編全てで展開するので個人的には段々飽きてきた。

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    2024年12月18日
  • 龍宮

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    体つきや習慣、時間の感覚が人非ざる者の視点で書かれる不思議な物語。
    凡人の自分には川上弘美が非凡だとしか言えないし、その程度は計り知れない。

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    2024年12月12日
  • 100万分の1回のねこ

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     ご存知の通り、『100万回生きたねこ』(1977)は、佐野洋子さんの絵本です。最後に主人公の猫が死ぬのに、心からよかったーと思える、不思議でとっても深いお話でした。少し哲学的で、大人の方が響くかもしれませんね。本書は、この名著に捧げる13名の錚々たる作家諸氏のアンソロジーです。

     最近読んだ町田康さん、谷川俊太郎さんも書かれていて…、あ、谷川さんは佐野洋子さんと(短期間)ご結婚されていたんですね。また書き下ろしの広瀬弦さんは佐野洋子さんの息子さん!
     なんと不思議な巡り合わせです。当然ながら、全編とも名作絵本への愛と敬意が根底にあり、様々な視点で読ませてくれました。

     各話の冒頭には、作

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    2024年12月02日
  • いとしい

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    つかみどころのない、不思議な恋愛小説。

    宮田毬栄さんが解説に書かれているとおり、"たゆたうような人間たちの間の愛の物語"という表現がぴったり。

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    2024年11月30日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    贅沢な列車に、贅沢な名前の並ぶ小説

    それぞれの物語がとてもあたたかい気持ちになる

    そこに乗車するそれぞれが
    何らかの思いを一緒に乗せて旅に出る

    誰かを大切に思って
    大切な人を誘って
    願い叶わなかった列車の旅になっても
    「その人を思い出すこと」が供養にもなる

    1話目の
    さよなら、波瑠/井上荒野
    一見、芯もあって強くて…こういう人の気持ちが
    苦しくて苦しくてね
    思わず感情移入、涙が出た

    糸井重里さんの
    「帰るところがあるから、旅人になれる」
    当たり前なんだけど
    そんなふうに考えたことなかったからね
    さすがだな、
    糸井さんの言葉だな、って思った

    静かな気持ちで読めるキレイな本でした

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    2024年11月19日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    これくらいなら自分でも書けそう、と思ってしまうが、実際のところ書けやしないだろってすぐ思い返す。でも、こんな感じの日記なら書いてみたいかな、とも思う11月。新しい年はもうすぐ。

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    2024年11月09日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの曲のトリビュート小説。6つの作品のうち知っている曲は2曲だけ。曲を知っている人の方がより楽しめそう。
    でも、知っている2曲も、私が持っているイメージとは全然違う作品だった。
    音楽って自分なりの解釈をして、ストーリーが出来上がってることも多いので、ピタッとはまるといいけど、はまらない場合はどうしても違和感を持ってしまうなと思った。

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    2024年11月03日
  • 某

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    元々著者のSF(すこし・ふしぎ)は淡々としていて好きなんだけど、これも「物語にならない物語」のくだりなどは特に人間の在り方の奇妙さにリアリティが感じられて良かった。
    ただ、人間もどきみたいな生物が人を共感や愛の生物として理解しそれを得る、という本作に限らず世に広く存在する話の定型には反発したい。共感や愛は人にとって自明ではないと思うからだ

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    2024年11月02日
  • 溺レる

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    自分と他人を隔たる境界線が、川上弘美にとって肌なのでは。
    その肌の内側に空洞があって、それを他人で埋める女性は、社会に目もくれず自律していない。
    一方で、その空洞を生物学的に満たす体を持ちながら埋めやすらしない男性は、女性を理解どころか関心すらもっていない。
    体も心も満たされず、でも現状を手放せずにぬめぬめ生きる男女たち。
    多かれ少なかれ、異性と適切な距離感をもてずにずぶずぶと生きる瞬間は誰にでもある気がする。

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    2024年10月30日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    ネタバレ

    これってもしかしてエッセイ?と何度も思った。主人公・朝見のイメージがあまりにも川上さんぽいので。

    小説家の朝見、"飛んだ"ことが3回もあるアン、作詞家のカズ。幼馴染みが四十年ぶりに再会。
    3人とも六十代とは思えない程若い。3人で呑みに行っても噛み合わないようで、でも3人とも大人だからかとてもフラットにラフに付き合える。彼らの距離感がとても良かった。
    それに3人とも離婚を経験しているせいか、恋愛に対してどこか冷めている感じが良かった。それは年齢のせいだけではないと思う。
    私も六十代になった時、こんな感じで幼馴染みと再会してラフな距離感で付き合える友達がほしいと思った。
    「カ

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    2024年10月29日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    空気自体は澄んでいるくせに周りには水滴の靄がかかっていてなかなか遠くまで見渡せない。真っ直ぐ進んでいるつもりなのになぜか遠回りになってしまう。何だろう、そんな感覚。
    川上さんの無二の感性と願いがこめられた素敵な作品でした。
    ただ、夜の校舎での顛末だけがどうしても違和感があって共感できなかったのだけが残念だった。ここのエピソードは他の作品(「七夜物語」?)とリンクしているのかな?それを知っていればまた受け止め方も変わったのかな?

    読み終わってみれば、とても壮大な物語。りらと絵のようなつながりにとても憧れる。タイトルがとても素敵。「川上弘美」っていう字面までがなんだか素敵に見えてしまうのが不思議

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    2024年10月22日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    表紙のイラストがまずすごく好き。
    登場人物が、こどもも大人も、好きだなー
    もちろんねずみも笑
    お気に入りの空気感

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    2024年10月19日
  • 某

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    突然現れた変化できる生命体
    なんにでも変われるのに
    やっぱり誰かと共感したくてあがいてみる
    誰でもないもの達の葛藤
    不思議な生命体になりたいかと問われたら
    なりたくはないかな
    生と死を考えたくなる

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    2024年10月18日